看護roo!(カンゴルー)にて「ピンクリボンのお宿ネットワーク」がご紹介されました

ピンクリボンのお宿ネットワーク『メディア掲載情報』を更新いたしました。

2014年7月9日掲載 看護師のコミュニティサイト
看護roo!(カンゴルー)』にピンクリボンのお宿ネットワークをご紹介いただきました。

その他メディア掲載情報はコチラから!
あわせて会員リストも更新いたしました。
(弊社の『ピンクリボンのお宿ネットワーク』各ページへリンクしています)

 
☆ピンクリボンのお宿ネットワークとは☆
 乳ガンを患い、手術を受けて回復の道を歩みながらも、術後を気にして旅をあきらめてしまうという女性の方たちに、心ゆくまで旅館・ホテルでの入浴などを楽しんでいただきたいという目的で設立しました。

書籍『女将さんのこころ その一』(瀬戸川 礼子著)発売!

おかみさんのこころ表紙
「おかみさんのこころ-その一」表紙

旅行新聞HPで申込受付中

 さて、大変お待たせいたしましたが、旅行新聞新社はこのたび目出度く書籍「おもてなしの原点 女将さんのこころ その一」(瀬戸川礼子著)を発刊することができました。ハードカバー(240ページ)の赤色の表紙で、「その二」の緑色と合わせて素敵な色となっています。

 本書は、一般書店売りはなく、旅行新聞新社のホームページからの販売のみとなっております。
 定 価:本体1800円(税込8%で1944円)送料実費
 販売元:(株)旅行新聞新社

お申込みは随時受付中 問い合わせ=電話:03(3834)2718。

ご購入はこちら
(リンク先一番下の「お申し込みはこちらから」ボタンから)

ぜひお手にとってご覧ください。
 
 

その2
「その二」も
ご購入できます
詳細ページ

<内容紹介>
全国55人の女将さんが顔写真とともに4ページずつ登場します。
旅館の紹介に留まらず、女将さん個人にスポットライトを当て、
一人の女性としての考え方や生き方までを紹介。
普段、あまり聞くことのない女将さんのこころの声は、
志、勇気、明るさ、覚悟、哲学、教育、文化、地域貢献など
多方面の気付きを与えてくれます。
一人一人読み切りで読みやすく、プレゼントにも喜ばれています。
なお本書は、『旬刊旅行新聞』で2000年から連載中の
コラム「女将のこえ」を加筆・修正し、最新の内容としてまとめたものです。
『女将さんのこころ その二』も近く発刊予定です。

55人の女将さんは次の方々です。

◆北海道・東北
・布村 佳子さん(定山渓第一寶亭留 翠山亭)北海道定山渓温泉・・・「人生は一冊の問題集」
・高橋 仁美さん(扇松園)北海道旭川市・・・「低い階段を上り続ける」
・岩崎 昭子さん(宝来館)岩手県根浜海岸・・・「灯台のあかり」
・阿部 憲子さん(南三陸ホテル観洋)宮城県南三陸温泉・・・「新しい観光地」
・佐藤 千賀子さん(伝承千年の宿 佐勘)宮城県秋保温泉・・・「明日へと続く命の湯」
・横山 京子さん(松島佐勘 松庵)宮城県松島市・・・「チーム松庵の躍進」
・髙橋 弘美さん(鳴子ホテル)宮城県鳴子温泉・・・「心のリハビリテーション」
・川﨑 禮子さん(ル・ベール蔵王)山形県蔵王温泉・・・「専業主婦から女将へ」
・畠 ひで子さん(吉川屋)福島県奥飯坂穴原温泉・・・「明るい館内の秘訣」
・鈴木 美砂子さん(陽日の郷 あづま館)福島県岳温泉・・・「ゆい返しの宿」
・細川 枝美子さん(吹の湯)福島県いわき湯本温泉・・・「視野を広げた女将会」
◆関東
・石井 文佳さん(里海邸 金波楼本邸)茨城県大洗海岸・・・「百二十三年目の新生」
・臼井 静枝さん(花の宿 松や)栃木県鬼怒川温泉・・・「人づくりこそ宿の命」
・奥村 雅子さん(七重八重)栃木県鬼怒川温泉・・・「ゆたかな鬼怒川とともに」
・久保 容子さん(別邸 仙寿庵)群馬県谷川温泉・・・「谷川岳に手が届きそう」
・黒岩 和美さん(草津ホテル)群馬県草津温泉・・・「普通の日本の宿で」
・佐々 靫江さん(鮎の宿 京亭)埼玉県寄居町・・・「鮎の食せる別荘」
・金澤 悦子さん(一宮館)千葉県九十九里浜・・・「龍之介ゆかりの宿」
・田邉 ひとみさん(ホテル洲の崎 風の抄)千葉県洲の崎温泉・・・「風のものがたりを紡ぐ」
・中田 淳子さん (宿 中屋)千葉県天津小湊温泉・・・「温泉という贈り物」
・澤 ヨネ子さん(澤の屋)東京都谷中・・・「外国人客を家族で迎える」
・吉田 幸恵さん (玉庭)神奈川県箱根湯本温泉・・・「玉のような庭とともに」
・小松 民枝さん(石葉)神奈川県湯河原温泉・・・「変わらぬ思いで」
・深澤 里奈子さん(料亭小宿 ふかざわ)神奈川県湯河原温泉・・・「心の筋肉を身に付けて」
◆甲信越・北陸
・深澤 智子さん(慶雲館)山梨県西山温泉・・・「心を真ん中に」
・外川 いさ子さん(湖山亭うぶや)山梨県富士河口湖温泉・・・「やりがいと喜び」
・竹節 喜久子さん(後楽館)長野県地獄谷温泉・・・「猿と一緒に温泉に」
・小林 美知子さん(塵表閣)長野県上林温泉・・・「女将は料理長」
・村山 桂子さん(湯沢グランドホテル)新潟県湯沢温泉・・・「フォルテシモな心で」
・小幡 と志さん(温泉御宿 龍言)新潟県六日町温泉・・・「素朴と洗練」
・荒木 紀子さん(長生館)新潟県村杉温泉・・・「誠心誠意のおもてなし」
・小田 真弓さん(加賀屋)石川県和倉温泉・・・「小さな加賀屋」
◆中部・東海
・滝 晴子さん(水明館)岐阜県下呂温泉・・・「一期二会」
・遠藤 まゆみさん(羽衣ホテル) 静岡県三保松原・・・「変わらぬ景観を守る」
・片桐 克予さん(湯谷観光ホテル泉山閣)愛知県湯谷温泉・・・「二つのうれしいこと」
・中村 幸子さん(紅葉軒)三重県伊勢市・・・「家族仲良く幸せに」
・辻 きしさん(夢遊華)三重県相差町・・・「夢に遊ぶ華の宿」
◆関西
・安井 ちなみさん(料亭旅館やす井)滋賀県彦根市・・・「色をつくる仕事」
・西村 明美さん(柊家)京都府京都市・・・「来者如帰」
・石橋 利栄さん(大和屋本店)大阪府道頓堀・・・「なにわの女将の経営道」
・砂金 美津子さん(ほてるISAGO神戸)兵庫県六甲布引温泉・・・「自然体のおもてなし」
・柳井 尚美さん(旅館松前)奈良県奈良市・・・「旅ゆくあなたに幸せを」
・福井 正子さん(竹林院群芳園)奈良県吉野山・・・「千三百年の地へ」
◆中国
・皆美 佳子さん(皆美館)島根県松江市・・・「和のオーベルジュ」
・宇田川 富美江さん(皆生つるや)鳥取県皆生温泉・・・「皆、生きる温泉地」
・中村 律子さん(旅館くらしき)岡山県倉敷市・・・「老舗を守る社員女将」
・内海 愛子さん (人生感が変わる宿 ここから)広島県仙酔島・・・「再生の島・仙酔島」
・深川 ヒサ子さん(岩国国際観光ホテル)山口県錦帯橋温泉・・・「和を大切に」
・宮川 高美さん(西の雅 常盤)山口県湯田温泉・・・「毎晩の女将劇場」
◆四国
・近藤 紀子さん(旅館かどや椿荘)徳島県鳴門市・・・「心のお遍路さん」
・横山 香代子さん(土佐御苑)高知県高知市・・・「土佐の元気女将」
◆九州・沖縄
・小林 佳子さん(御宿 はなわらび)福岡県宗像市・・・「パーソナルサービス」
・宮崎 美雅子さん(雲仙宮崎旅館)長崎県雲仙温泉・・・「清く正しく美しく」
・有村 青子さん(指宿シーサイドホテル)鹿児島県指宿温泉・・・「みんなで力を合わせて」
・金城 幸子さん(ホテルサンパレス球陽館)沖縄県那覇市・・・「沖縄のロハスなホテル」

著者について
瀬戸川礼子 (せとがわ・れいこ) 
ジャーナリスト、中小企業診断士。業界誌 『週刊ホテルレストラン』 の副編集長を経て2000年に独立。旅館に限らずあらゆる業種業態の企業に赴き、2500人以上の経営者、それ以上の社員に出会ってきた。その過程で、「成功にはコツがある」と気付く。これを広めるため、取材、講演、コンサルタント活動を行なっている。法政大学専門職大学院卒(経営学修士号)。
平成24~25年、経済産業省「おもてなし経営企業選」 選考委員。温泉ソムリエ。
著書に、『グレート スモール カンパニー』(現代書林)、『顧客満足度を生み出す仕組み』(同友館)などがある。

国内線へ再参入、楽天も18%出資(エアアジア・ジャパン)

フェルナンデスCEO(左から4番目)と小田切社長(左から3番目)
フェルナンデスCEO(左から4番目)と
小田切社長(左から3番目)

 エアアジア(トニー・フェルナンデスグループCEO)はこのほど、日本国内線再参入を決め、7月1日に日本でのLCC事業を運営する新会社エアアジア・ジャパン(小田切義憲社長)を設立した。同社には楽天(三木谷浩史会長兼社長)も18%出資。来夏の就航を目指す。

 同日の会見でフェルナンデスグループCEOは、「エアアジア・ジャパンの第2幕が楽しみ。ANAはとても素晴らしい会社だが、やりたいことや考え方が異なった」と旧エアアジア・ジャパンについて語り、「日本は素晴らしい国。同じ考えを持った(出資会社の)人たちと手を組み、日本とアジアを近づけたい」と意気込みを語った。

 資本金は70億円。出資比率の内訳は、エアアジア49%、オクターヴ・ジャパン・インフラストラクチャーファンド合同会社19%、楽天18%、ノエビアホールディングス9%、アルペン5%。社長には全日本空輸(ANA)出身で、旧エアアジア・ジャパン元代表の小田切義憲氏が就任した。

 小田切社長によると、就航開始は15年の夏ダイヤを予定。国内線から始め、順次国際線を展開していくという。当初はエアアジアグループ内でリースする機体2体で就航し、15年中に4機に拡大する予定だ。ハブ空港に関して一部報道で名古屋との情報が流れたが「一時的な登記の関係で名古屋になった」と説明し、「現在調整中」と留めた。「最初は東京以外での事業展開となるが、東京は絶対に外せない」と、拡大する羽田空港の発着枠が確保でき次第、羽田へ就航する。「まずは幹線で収益体制を確立する」としたが、その後は潜在需要を狙い、就航の少ない地方空港への就航を掲げ、フェルナンデスグループCEOからは茨城空港の名も挙がった。

 LCC業界の懸案事項のパイロット不足については、「国土交通省の有識者会議と連携し、養成にも力を入れる」が、足りない部分はグループ内で補完していくという。

 18%の出資を行った楽天の三木谷会長兼社長は、「チケットの販売だけでなく、機内エンターテイメントやショッピングなどシナジー効果が期待できる」と語った。

 なお、機体デザインは写真家で映画監督の蜷川実花氏が手掛ける。

鹿教湯温泉の長期滞在プラン ― 移住の前に旅館で3週間“暮らす”

 古民家や、マンションの空き室など外国人観光客が宿泊できるようにする大胆な規制緩和の流れが築かれつつある。旅館業法に縛られた既存の宿泊施設には、厳しい環境になるだろう。

 官民挙げて観光立国推進に向けて進んでいるが、本来、観光産業の中核を担うはずの旅館が窮地に立たされ、観光産業に新規参入したネットエージェントや、不動産業が大きな利益を持っていく構図にならなければいいが、と危惧している。

 そんななか、長野県上田市の鹿教湯温泉旅館組合は、「旅館で長期滞在を」と、21泊で9万9800円の滞在型プランをこの夏から売り出す。スタート時には同温泉の宿泊施設23軒のうち、12軒が参画する。料金のなかには消費税や、自治会費も含まれている。大きな特徴は1人の料金ではなく、1部屋当たりの料金なので、リタイアした夫婦や、40代を中心とした家族連れで連泊すると、割安感が大きい。元々湯治客が多い温泉地で、鹿教湯病院やクアハウスもあり、長期間療養客を受け入れてきた下地はあった。

 食事代は含まれていないので、料理をオプションで付けてもいいし、蕎麦屋さんなど温泉地内にある4軒の食事処や、近隣の大型旅館・ホテルのレストランを利用することもできる。コンビニエンスストアから旅館への出前サービスを利用してもいい。自炊できる施設も参画している。21泊でなくても、例えば7泊8日では3万5千円(消費税込み)と、1泊当たり5千円という計算だ。

 このプランのキャッチフレーズは「信州お試し移住」。本格的な移住の前に「温泉地で3週間“お試し”で暮らしてみては?」というものだ。滞在中にはアウトドアや農業体験、アート&クラフト作家との交流などのプログラムを用意する。同温泉の斎藤ホテルでは、旅行業登録を持ち、上高地や軽井沢への日帰りバスツアーを3千円台で実施しており、これらツアーに参加することも可能だ。

 また、上田市内に本格的に移住を考える人には、仕事や不動産を案内するサービスも行う。 どの自治体も、移住者や観光客を誘致したいが、いきなり移住ではハードルが高いため、まずは温泉地で長期滞在してもらうというのは、自治体にとっても一石二鳥の取り組みである。

 外国人観光客の増大、これにともなう古民家やマンションなどの長期滞在者受け入れの動きのなかで、温泉地における長期滞在への取り組みは喫緊の課題であり、鹿教湯温泉が先鞭をつけるかたちとなった。

 長期滞在プランに参画しない宿の理由として、料金的に折り合いがつかなかった旅館もあるという。また、宿のポリシーとして長期滞在客よりも1泊2食プランを中心に経営したいという宿もあると聞く。これは当然のことだ。一つの温泉地に色々なスタイルの宿があってしかるべきだと思うし、多様性こそが、温泉地を一層魅力的にする。長期滞在客を受け入れるうえで、今後、鹿教湯温泉ではさまざまな課題も見つかってくるだろう。旅行者の目線から言えば、3週間も同一温泉地に滞在するのであれば、参画旅館のお風呂を幾つか入れるようなサービスや、滞在中、宿も何軒か選択できるような柔軟性があれば、なおうれしい。まだ生まれたばかりの企画であり、今後どのように進化していくのか楽しみだ。

(編集長・増田 剛)

No.376 広域中核観光圏を目指す「中部」 - 観光トライアングルの形成へ

“広域中核観光圏を目指す「中部」
観光トライアングルの形成へ

 中部広域観光推進協議会(会長=三田敏雄・中部経済連合会会長)は14年2月、「中部の観光ビジョンⅡ~広域中核観光圏を目指して」を策定。中部の観光振興と観光客誘致活動を効果的に推進していくアクションプランを示すもので、2014―18年までの5年間を計画期間とし、「観光トライアングル」の形成など新たな提案もしている。同ビジョン策定の事務局を務める日本観光振興協会中部支部長の須田寛氏(東海旅客鉄道相談役)に中部観光の課題や今後の展望について聞いた。

【増田 剛】

 
 
 
日本観光の中核地域に、昇龍道とエメラルドルート結ぶ

 中部広域観光協議会は2005年に開催された日本国際博覧会(愛知万博)後に、永く広く観光を通じてその効果を持続させるべく設立されました。また、博覧会の剰余金を観光関係事業に還元することになり、そのための広域観光推進の受け皿づくりも必要となったため、その設立を急ぎ、同年10月に中部9県が集まって協議会を作りました。中部(東海・北陸・信州)の各県や経済団体・観光団体などに会員として参加していただいています。民間組織ですが、自治体も大きな役割を果たし、現在、主としてインバウンド誘客に取り組んでいます。

 12年3月に立ち上げた「昇龍道プロジェクト」は、能登半島から紀伊半島までの観光ルートを設定し、中華圏をメインターゲットにインバウンド推進に取り組んできましたが、その後はマレーシアやシンガポール、台湾なども加えて、さらに幅広く近隣諸国からの観光客を呼ぶことにも取り組んでいます。

 さらに…

 

※ 詳細は本紙1551号または7月17日以降日経テレコン21でお読みいただけます。

業界の地位向上を、マーケット変化へ対応

田川博己新会長
田川博己新会長

JATA・田川博己新会長 会見

 6月の総会で日本旅行業協会(JATA)の会長に就任した田川博己新会長は7月2日、会見を開き、業界が抱える課題への対応などについて考えを述べた。田川会長は2年間、副会長として取り組んできたことを踏まえ、「中小や地方の会社の声を十分に聞き、とくに激動するマーケットの変化に迅速に対応して、旅行業界全体の底上げと地位向上に取り組んでいきたい」と意気込んだ。

 冒頭、国内のツーリズム産業の雇用は6・2%と世界基準の8―9%に比べ低いことをあげ、「これからの日本の発展のなかでツーリズム産業に就く人を増やしていきたい」と語った。また、「裾野が広い産業だが、最近はビジネスパートナーとして多種多様な産業との連携が行われており、そこから新しい価値やサービスが生まれている。その段階で旅行業の果たす役割が大きくなっており、そのなかでも、JATAの役割は大きい」と今後の方向性の大枠を述べた。

 そのうえで、旅行業が抱える課題とそれに対する施策について言及。市場変化への対応は、規制緩和に限らず、環境整備に向けて、何が必要なのかを検討する。また、産業間の競争を勝ち抜くためにも優秀な人材の確保と育成に向けた取り組みを加速する。今夏は、100人を超える学生のインターンシップを受け入れる。「観光系学部が増えたが、実務的な授業が多く、産業全体の意義が十分に伝えられていない。その役割を担い、JATAの人材でできることを組織的に行いたい」。

 地域経済の活性化に向けてはJATAの本部と支部の連携強化もはかる。とくに、都道府県別の地区の活動を重要視。「JATAと各県の知事との関係づくりをしていきたい」とした。

 このほか、休暇制度など需要創造につながる提言や、観光大国に向けたツーウェイツーリズムの推進、ツーリズムEXPOジャパンなどを注力すべき項目として挙げた。

旅先では空白の時間を

 まとまった休みが取れる夏は長距離旅行に行くように意識している。慌ただしくならないよう計画しているつもりでも、結局は時間に追われてしまう。帰りの飛行機の本当にギリギリで空港に滑り込んだこともあった。

 昨夏は北海道を巡り、復路の旭川空港へは余裕を持って到着できそうだった。レンタカーの助手席で旅の終わりを憂いていると、目に飛び込んできたのは「三浦綾子記念文学館」の文字。思わず「寄って!」と叫んでいた。文学少女だったわけではないが、高校生のころ読んだ「塩狩峠」と「氷点」は私の心を大きく揺さぶった。その衝撃が一気に蘇ったのだ。文学館では作者の人となりや作品の背景となる自然が垣間見られて、北海道の旅の最後の最後にとても満足した気持ちになれた。

 旅先での思わぬ出会い。これこそ旅の醍醐味だろう。今年の旅も空白の時間を作りたい。

【飯塚 小牧】

新社長に藤本隆明氏、農協観光

藤本隆明社長
藤本隆明社長

 農協観光の新社長に6月26日付で、全国農協観光協会代表理事専務の藤本隆明氏が就任した。

 藤本 隆明氏(ふじもと・たかあき)1978年全国農協観光協会入会。1997年、農協観光徳島支店長、99年、事業開発部JA組織対策課長、2006年、経営企画部長、08年、常務取締役などを歴任。12年、全国農協観光協会専務理事、13年全国農協観光協会代表理事専務。
 
 
 

無料コーヒー

 兵庫県淡路島の津名一宮インターすぐの「たこせんべいの里」。多種多彩なせんべいを販売する土産物店だが、店内の一角に観葉植物を吊り下げた広い休憩コーナーがある。入店した客はまず、ここに向かう。コーヒーやお茶などが無料で飲めるからだ。

 2001年のオープン以来、無料提供を続け13年が経過する。現場責任者は「経費は相当かかるが、同じサービスをいかに継続するかが大切」と話す。

 コーヒーが無料で飲めるだけではない。店内のすべてのスタッフの愛想がとても良く、「こんにちは!」と笑顔をふりまいている。

 平日でも観光バスでにぎわっている理由がよくわかった。当たり前のことを当たり前にする。それが「また来たい」につながる。

【土橋 孝秀】

CtoCで観光を売買、こぼれた魅力をWebで配信(TRIP)

観光販売システムズ林課長(左)とTRIP吉原社長
観光販売システムズ林課長(左)とTRIP吉原社長

 Web制作会社のLIG(岩上貴洋社長、東京都台東区)副社長の吉原豪氏は100%出資子会社TRIPを設立。Web上で観光商品の売買が可能なサイト「TRIP」を開発し、事業者と旅行者をつないでいる。旅行業法などの専門部分を三重交通グループの観光販売システムズ(小高直弘社長、愛知県名古屋市)がサポートする。事業発起人の吉原氏と観光販売システムズ観光マーケティング事業部行政・観光企画課課長の林光太朗氏に今後の展開などを聞いた。
【丁田 徹也】

 ――事業をはじめたきっかけは。

■吉原:はじめは林さんと着地型旅行商品を扱うサイトを作っていました。当時の提案会で大きな話題になっていたのが「商品化したくてもできないものがたくさんある」ということでした。

 旅行会社は「旅行商品」を取り扱うので、単価が低いものや設定日が不定期など、販売条件に合わない小規模な商品は取り扱えず、小さな事業者はパンフレットを作って道の駅に置くくらいしかできませんでした。そこで、CtoC(消費者間取引)で、誰でも売買ができるプラットフォーム「TRIP」を開発しました。

 さらに元を辿ると私と林さんは幼馴染で、長野県の野尻湖付近で過ごしてきました。私の家は、夏はラフティング、冬はスノーシューなどアウトドアスクールを経営しており、冬は大変なにぎわいでしたが、スキーブームが去ると客足が驚くほど遠のきました。当時は30分並んだリフトが今ではガラガラです。

■林:バブル期の非常に良い観光時代を見てきたので、2人が大人になって閑散とした野尻湖を見たときは衝撃で、「これはなんとかしたいな」と酒を飲みながら話していました。これがこの事業に対する根本的な想いにつながります。

■吉原:そういった意味では、まず長野を「TRIP」のモデルケースにしたいですね。一つの地域で特定の成功事例を作らないと事業が広まらないということもありますし、自治体と連携して作り上げていきたいです。

■林:サービスはまだ始まったばかりですが、興味を持っていただいている自治体は多くありますし、Webサービスなので全国に広げていけます。また、全国の自治体が抱えている「販路」という課題をクリアできると思います。多くの自治体は、旅行商品を造成しても販売するチャンネルを持っていません。地域には魅力的な体験が多くあるのに旅行会社の条件が合わなければ取り扱われません。ここで「TRIP」を利用していただくのです。これまでとりこぼされていた魅力を拾っていけるので需要も高いと思っています。観光販売システムズとしても旅行会社が扱う商品とは住み分けができているので販路が拡大できます。

 ――協業で得たメリットは。

■林:インターネットの進化はとても早く、Webに詳しくない我われ観光事業者が、目の前にある希望を形にしようとしてもできなかったので、Web制作をプロに任せられたことが大きいです。観光のコンサルティングはWeb事業で商売をすることではなく、観光商品が売れるということが重要なので私たちが持ってないルートで売れても地域に潤いが出れば良いのです。

■吉原:Web制作側から見ても、サイトをWeb側だけで作るのか、観光事業者と共同で作っていくかで、でき栄えは大きく変わります。とくに地方自治体と組む場合は雲泥の差だと思います。ただ、観光に関してはノウハウもコネもないので、観光販売システムズさんと提携することはとても大きかったです。

 ――今後の展開を教えてください。

■吉原:他業種との協業をはかっていきます。例えば、販売用の写真をカッコよく撮れるプロの写真家やモデルを派遣できるように映像会社と連携します。訪日インバウンドの増加も期待されます。多言語対応にして利用しやすいものにしたいので、翻訳会社とも連携できると良いですね。

■林:学生が地域とコラボした商品など斬新なメニューも多く盛り込んでいきたいです。

■吉原:メニューは5月9日現在で80くらいですが、1万を目標にしています。サービスの価値やインパクトが生まれるのはこの段階からだと考えています。また、Webサービスのスピード感からすると1年以内の達成が目安です。すべての商品を一から開発しているわけではないので決して不可能な話ではありません。

 野尻湖の変化を見てきた我われの至上命題に「地域活性化・地方への送客」があります。これからはWebの展開だけでなく、「TRIP」を使った体験商品の販売戦略を地域と一緒に考えます。Webと観光のプロがいるので両者の利点を最大限に活かしたコンテンツで盛り上げていきます。地元の声も直接聞きたいので、お声かけいただければお伺いするという姿勢で事業に臨みます。