11月29日、成田空港オンライン見学ツアー第2弾 申込受付中

2020年11月12日(木)配信

成田国際空港(写真はイメージ)

 NAA(成田国際空港)グループのグリーンポート・エージェンシーは11月29日(日)、8月に実施して好評を得た「成田空港オンライン見学ツアー」の第2弾ツアーを実施する。前回の参加者は135人。今回のツアーでは第1弾と違った、解説付き空港見学や空港周辺の魅力を紹介する。販売期間は11月23日(月・祝)まで。

 同企画は、ニューノーマルな観光が主流になるなか、なかなか観光に行けない人や空港ファン・航空ファンに向けた旅行商品。少しでも空港の非日常的な雰囲気や、周辺エリアで旅気分を味わってもらえたらとの思いを込めて構想し、NAAや空港周辺エリア観光事業者の協力のもと実現したもの。

 空港も周辺エリアも第1弾とは違った内容となり、今回は配信時間も増やし、新たに空港でのライブ配信にも挑戦する。本邦初公開映像をはじめ、今回もオンラインツアーならではの角度からの映像や、航空科学博物館学芸員による解説など、普段見られない空港の姿を空港グッズや産品付きで楽しめる。

 料金はプランにより異なり、1人980円~8980円(税込)まで。詳細や申し込みは、オンライン旅行サービス「おうちソクたび」のサイト内から。

山梨県・富士河口湖温泉郷、無料で利用できる足湯を整備

2020年11月12日(木) 配信 

足湯が楽しめる「四季の宿 富士山」

 山梨県の富士河口湖町観光連盟はこのほど、「富士河口湖温泉郷 足湯プロジェクト」計画として、訪れた観光客や地元住民に向けて無料で足湯の提供を始めた。10月24日(火)には「四季の宿 富士山」に、11月7日(土)には富士急行線河口湖駅に足湯を新設し、町の活性化を目指す。

 富士河口湖温泉郷は全国的に見るとまだ温泉地としてのイメージが浸透していないことを課題としている。同プロジェクトでは、誰でも無料で利用できる足湯を町内の公園や富士山の展望地など全9カ所に足湯を整備することで、温泉地としての認知度向上につなげる。

足湯概要

富士急行線 河口湖駅

 開業日:11月7日(土)

 所在地:〒401-0301 山梨県南都留郡富士河口湖町船津3641

 利用時間:午前10:00~午後3:00

 ※冬期利用時間の詳細は、富士河口湖町観光連盟に問い合わせが必要。

四季の宿 富士山

 開業日:10月24日(火)

 所在地:山梨県南都留郡富士河口湖町船津6713-19

 利用時間:午前10:00~午後8:00

竹富島の「入島料」周知と協力を 竹富島地域自然資産財団がTEJ沖縄で

2020年11月12日(木) 配信

竹富島(イメージ)

 沖縄で開催された「ツーリズムEXPOジャパン 旅の祭典in沖縄」(TEJ沖縄、10月29日~11月1日開催)では、国内外から285の企業・団体が出展した。参加団体の1つ、沖縄県・竹富町の「竹富島地域自然資産財団」は、同島の保全活動やトラスト活動を目的に徴収している〝入島料〟について、さらなる周知と協力を呼び掛けた。

 同財団は竹富町から事業委託を受け、昨年9月から、竹富島を訪れる観光客らを対象に、地域自然資産法に基づいた任意の入島料(入域料)1人300円を徴収し、管理、運用している。

 だが、この1年間の収受率は12~13%で、当初の計画の50%を大きく下回っている。昨年の竹富島の入域観光客数は50万人(竹富町発表)を超えたが、仮にすべての人が支払った場合は1億5000万円以上が、半分でも7500万円前後の収受が見込める。しかし、実際に集まったお金は2000万円に届いていない。

 同財団の水野景敬(かげゆき)常務理事は「運営だけで精一杯」と危機感を募らせた。収受率の低さの要因として、「周知ができていない、活動自体を見せていない」と話す。

 現在の徴収方法は、竹富港または石垣島の石垣港離島ターミナルに券売機を設置し、観光客が入島券(通称・うつぐみチケット)を購入する。そのほか、桟橋や民宿で直接販売することもある。

 入島料300円の使途は、200円は保全活動に、100円はトラスト活動に充てられる。保全活動は、海浜清掃やサンゴの保全などのほか、島内の暮らし、集落、文化の保全活動に使用する。トラスト活動は、島外のリゾート開発業者に売られた土地を買い戻すための基金として貯蓄し、島の自然環境再生に取り組んでいく。

 水野常務理事は、文化保全について「昔は島内に多かった茅葺き屋根の家を維持できなくなっている」と危惧。理由の一つに、茅が自生する畑の管理ができていないことを挙げる。「茅は畑を耕し、手間暇かけないと作れない。このままでは伝統的技術も景観も途絶えてしまう」と述べ、入島料を活用した保全活動の重要性を訴えた。

 収受率を上げる施策として、今後は旅行会社を通じて竹富島を訪れるツアー客に協力を呼び掛けるほか、環境教育ツアー「まいふなーツーリズム」を実施する。

 まいふなーとは、島の言葉で「おりこうさん」を意味する。同ツアーは、ビーチクリーンをしながら海洋ゴミ問題を学んだり、薬草ツアーでは島に自生する薬草の効能を学ぶ。また、昔ながらの耕作方法を学ぶ「伝統耕作ツアー」など、6種類のツアーを検討している。

 「入島券を購入した人には、みーはいゆー(ありがとうの意味)ステッカーや、島に自生している植物の種など記念品をプレゼントしている。島の人はお礼をしたくなってしまう」と話し、さらなる協力を呼び掛けた。

横浜DeNAベイスターズ、観光ツアー造成を進める 実際にツアーも実施

2020年11月12日(木) 配信

横浜スタジアム誕生前に作成された計画図を基に「幻のハマスタ」についても解説

 横浜DeNAベイスターズが観光ツアー造成を進めている。9月28日にはオンラインで2回目のワークショップを行い、参加者全員で実際に楽しめる横浜スポーツタウンツアーの1日プランを議論。「スタジアムツアーでどんな体験をしたいか」、「ランチ~夜までにしたい観光、体験は」、「夜に楽しみたいこと」、「お土産に欲しいモノは」の問いに対し、参加者がオンラインワークショップツールを使い回答し、意見交換を行った。

 「スタジアムツアーでどんな体験をしたいか」という問いに対しては、「脱出ゲーム」や、「鬼ごっこ」など場所を生かした遊びや、「ナイトミュージアムツアー」「野球の歴史ツアー」などファンがより野球を深く楽しめるコンテンツが提案された。

 球場外での体験メニューに関しては、「ロケツーリズム」や「横浜の歴史探訪」など定番のものから、「くすぶっている人に会いに行くツアー」や「まち猫ツアー」、「選手の一日疑似体験」など変わったものまでさまざまな案が提案された。

 10月29日、31日日には、2回のワークショップのなかでとくにアイデアが多かった試合観戦の前後にフォーカスし、試合日をまるごと楽しむ観光ツアーをワークショップの3回目として行った。

 29日のスタンダードプランでは、ベイスターズの選手が実際に行っているリズム体操などを盛り込んだ「ウォーミングアップ」プログラムなどの体験、今シーズンから新設されたレフト側スタンド「ウィング席」など、スタジアム内見学とバックネット裏での選手の練習見学などが盛り込まれた。また、スタジアムがある横浜公園では歴史を学べるプログラムも実施した。31日の親子向けプランでは、ランニングやスタジアム見学、子供限定の応援ボード作成などを行った。

 参加者からは、「いつかは訪れたいと思いつつ行けなかった横浜のまちのランニングができて良かった」、「普段通っている道や公園に新しい発見が多く、魅力的だった」などの声が上がった今回のツアー。関係者は、「スタジアム外の運動や横浜公園散策などに対する反応がとてもよかったことが印象的でした。今回のツアーでも十分にパッケージ化することが可能だと手応えを感じています」とツアーを総括した。

 一方で、ツアーの参加者の多くがベイスターズファンだったことを踏まえ、「今後はベイスターズ・野球のファンに関わらずスポーツのあるまち、横浜に興味がある方々をお呼びできるような魅力的なツアーを企画していきたい」との展望も語った。

屋形船の楽しさ発信、屋形船東京都協同組合 11月21~23日に無料試乗会

2020年11月12日(木) 配信

屋形で東京散策(写真はイメージ)

 屋形船東京都協同組合は11月21日(土)~23日(月)、屋形船の無料試乗会を行う。

 組合に加盟している各船宿が参加し、屋形船の魅力を広く発信することが目的。船内では、船着場ゆかりのお菓子でもてなすほか、ガイドによる景観解説も行う。

 周遊コースは①お台場②日の出③桜橋④葛西臨海公園――の4コース。日の出コースでは隅田川を通り、湾岸のタワーマンション群や豊洲市場、東京オリンピックの選手村を水上から観覧する。乗船時間は約1時間。各船宿とも船内やデッキおよび船内備品のアルコール消毒と船内の換気を随時実施。ソーシャルディスタンスを確保する取り組みとしては、使用できる席数は半分に減らし、席と席の間隔を空けるだけではなく、非対面になるよう配席する。

セントレア、JAL機内食を販売 11月21日から空港内店舗で

2020年11月12日(木)配信

第1ターミナル4階「M’s Dining」でコラボメニューを販売する

 中部国際空港セントレア(愛知県常滑市)は11月21日(土)~2021年1月31日(日)まで、第1ターミナル4階「M’s Dining」でJAL国際線機内食をモチーフとしたコラボメニューを売り出す。

 同企画は、コロナ禍で飛行機や空旅に触れる機会が少ないなか、空の見えるダイニングで“地上の機内食”を提供することで、少しでもフライト気分を満喫して欲しいという想いから実現した。今回コラボメニューを販売する「M’s Dining」を運営する名鉄レストランと、日本航空が共同で考案した特別企画となる。

 今回提供する機内食メニューは、セントレア内の機内食工場でつくられているJAL国際線機内食メニューを特別にアレンジして仕上げたもの。空港内の店舗で機内食工場監修メニューが提供されるのは、開港以来初めてだという。

和食「牛肉と野菜の旨煮ごはん添え」

 販売メニューは2種類。和食の「牛肉と野菜の旨煮ごはん添え」、洋食の「イエローチキンカレーアジアンスタイル」を提供する。どちらも前菜、サラダ、デザート、ソフトドリンク付き。

洋食「イエローチキンカレーアジアンスタイル」

 価格は1500円(税込)。「M’s Dining」の営業時間は、午前11:00~午後8:00(ラストオーダーは午後7:30)。

 なお、同メニューは名古屋鉄道が発売している「Go toセントレアきっぷ」、名鉄バスが発売している「Go toセントレアバスきっぷ」の特典である、セントレアスペシャルランチ引換券との引換利用も可能。

2023年RWCの公式旅行会社に 東武トップツアーズ

2020年11月12日(木) 配信

オフィシャルトラベルエージェントロゴ

 東武トップツアーズ(坂巻伸昭社長)はこのほど、2023 年に開催予定のラグビーワールドカップフランス大会(RWC2023)のオフィシャルトラベルエージェントに決定したと発表した。

 RWC2023は、フランス・パリで行われるオリンピック・パラリンピック競技大会の前年に開かれる国際的なスポーツイベント。同社は日本国内で、RWCの観戦入場券を組み込んだ公式ツアーの販売権を持つ。

 同社はこれまでもオリンピックや各種スポーツ競技の世界大会などで、応援・観戦ツアーの企画や販売など、専門性の高いサービスを提供してきた。今回の決定を受け、「これまで培ってきた経験と実績を生かし、お客様にご満足いただける安全で安心な質の高い商品の提供に取り組んでいく」としている。

 観戦ツアーの販売などRWC2023に関する情報は、専用ホームページを通じて随時発信する。同社は「この機会にぜひメールマガジンへの登録を」と呼び掛けている。

JTB旅ホ連京都など 京都市に桜を寄贈 市美術館で植樹式開く

2020年11月12日(木) 配信

岩井一路支部長(左から3人目)と森口浩紀会長(左から5人目)、門川大作市長(右から3人目)ら

 JTB協定旅館ホテル連盟京都支部(岩井一路支部長)とJTB京都観光誘致協議会(森口浩紀会長)はこのほど、京都市京セラ美術館(京都市左京区)の今春リニューアルオープンを記念し、京都市に桜を寄贈した。

 桜の寄贈・植樹は、地域貢献事業の一環として2012年から実施し、これまでJR京都駅前塩小路通りと同志社大学の新島旧邸、天橋立駅前、二条城、琵琶湖疏水記念館で行っている。

 今回は、同美術館の日本庭園に面した建物西側の岡崎通り沿いに、ヤマザクラ9本を植樹した。

 10月26日には同美術館で門川大作市長らが出席し、植樹式が行われた。

 式典で岩井支部長は「JTB創立100周年の8年前に事業を始めた。22年3月には創立110周年の節目を控え、同年には文化庁が京都府に移転する。現在はコロナ禍で観光業界は苦しんでいるが、なんとか復活に向けてがんばっていきたい」と述べた。

 門川市長は「JTBあっての京都観光でもある」と謝意を示したうえで、「新型コロナで観光客は蒸発してしまったが、京都の観光はさまざまな課題を乗り越えて発展してきた。新しい京都ならではの観光をつくっていきたい」と力を込めた。

 感謝状の授与も行われ、門川市長から岩井支部長と森口会長に対し、それぞれ感謝状が手渡された。

おやつカンパニー リトルおやつタウン 大阪・難波に開業

2020年11月12日(木) 配信

(左から)DJ-KOOさん、松田好旦社長、溝畑宏理事長、プリンセス天功さん

 全国的に知られた「おやつカンパニー」(松田好旦社長、三重県津市)の人気商品、ベビースターラーメンの都市型テーマパーク「リトルおやつタウンNamba」が10月31日、大阪・難波にある複合商業施設「なんばパークス」7階にオープンした。昨年7月、津市に開業した工場一体型テーマパーク「おやつタウン」に続く同社2カ所目のテーマパークとなる。

 延べ床面積約1300平方㍍のパーク内には、自分好みのオリジナルベビースターを作ることができる体験エリア「ホシオくんキッチン」や、手作りスイーツやフードメニューが味わえる「スイーツパーク」、デジタルとアナログが融合した体感型アミューズメント「おやつパーク」、ここでしか買えないベビースターを取りそろえた「おやつマルシェ」など、子供から大人まで、幅広い世代が楽しめるコンテンツが勢ぞろい。ベビースターを使ったカレーパンを販売するデリや、ベビースターラーメンの調理実演が見学できるファクトリーも備わる。

 10月29日に行われた発表会で、松田社長は「オリジナルベビースター作りや、最新のデジタル技術を取り入れたアミューズメント、スイーツビュッフェなど、家族連れはもちろん、若い世代にも楽しんでいただける内容となっている」とアピール。初年度60万人、3カ年で延べ212万人の集客を目指しており、「大阪の観光発展にも貢献していきたい」と抱負を述べた。

 来賓で招かれた大阪観光局の溝畑宏理事長は「いずれインバウンドも回復してくる。そのときに日本のおやつは重要な要素の1つになる。将来、外国人観光客にも喜んでもらえる施設となるよう、応援していきたい」と期待を寄せた。

 発表会には、TRFのリーダーを務めるDJ KOOさんとイリュージョニストのプリンセス天功さんもゲスト参加し、会場を盛り上げた。

 同パークの営業時間は午前11時―午後9時まで。営業日は、なんばパークスに準ずる。入園は無料。体験メニューは636円から。「おやつパーク」利用料は30分727円、60分1091円、フリー(平日のみ)1364円。スイーツビュッフェは平日が大人1480円、子供880円。休日は大人1800円、子供1200円。価格はすべて税別。

MaaSには「誰1人取り残さない」という価値観が問われている (筑波大学 石田東生名誉教授・特命教授)

2020年11月12日(木) 配信

誰もが参画しやすい基盤を

筑波大学 名誉教授・特命教授
石田東生(はるお)氏

 

 地域住民や旅行者個々の移動ニーズに合わせ、複数の公共交通や移動サービスを組み合わせ、検索・予約・決済などを一括で行う「MaaS」。観光などさまざまな分野の連携により、地域の課題解決がはかれると期待されている。筑波大学名誉教授・特命教授の石田東生氏に観光との関係や実装に向けた課題を聞いた。

 

 

 2018年6月15日に発表した「未来投資戦略2018―『Society5.0』『データ駆動型社会』への変革―」のなかで初めて「MaaS」について触れられ、国の施策としての取り組みが始まりました。そこでは、「地域の公共交通と物流について、オープンデータを利用した情報提供や経路検索の充実、自動走行など新技術の活用、過疎地域での貨客混載など多様な分野との施策連携により、都市と地域の利用者ニーズに即した新しいモビリティサービスのモデルを構築する」ことが掲げられました。

 翌年、経済産業省と国土交通省が、「スマートモビリティチャレンジ」プロジェクトを立ち上げ、今年度までに北海道の十勝地域など52地域・事業の実証実験を支援しています。

 福井県・永平寺町では、高齢者など移動弱者の移動手段の確保のため、自動走行の実用化に向けた実証実験を進めているほか、課題となっている交通・物流事業者らの不足に対し、異なる輸送交通プラットフォームを連結させた新しいモビリティサービスの構築を進めています。

 また、同時に立ち上げられた協議会には、全国の自治体や交通事業者ら257団体が参画し、情報交換や課題共有などがはかられています。

 「観光MaaS」は、日本で生まれた仕組みです。ヨーロッパで既に浸透していた「MaaS」を日本に導入するにあたり生み出された、「日本らしい」概念です。このころ大幅に増加していた外国人旅行者の言語問題の解決と、厳しい環境にある中山間地域の交通事業者や観光事業者などを連携させ地域経済を活性化させることを目的に、「観光」が重要視されました。

 現時点で最大のMaaSシステムだと思うのは、全日本空輸(ANA)や、日本航空(JAL)の既存の予約ネットワークシステムです。飛行機の予約と連動して、ホテルやレンタカーも同時に1サイトで予約、決済できます。両社とも全国をしっかりと網羅している点が優れていますが、現在はこれにとどまらず、観光地へのアプローチも積極的に検討しています。

 一方で、各地で実証実験が進むMaaSですが、2つの課題が出てきていると私は思います。

 1つは、アプリが乱立していることです。ただこの問題は、より優れたシステムに集約されて行くと考えているので解決は時間の問題だと思っています。

 もう一つの課題は、アプリを導入したり、データ連携をしたりすることがMaaSだと思う風潮があることです。

 MaaSには、「社会的包摂」といって、「誰1人取り残さない」という価値観が問われています。人と人のつながりを希薄にしては、本当のニーズを見落としてしまうことにもなりかねません。ここがMaaSの難しいところです。

 観光業関係は小規模な施設が多いので、交通事業者だけではなく、温泉宿や行政など、しっかりと核となって動くプレーヤーと、地域全体であり方を考えられる制度も必要だと思っています。人間関係を大切にし、誰もが参画しやすい基盤を整えることが大切なのです。 

 この点をうまく抑えているのが、北海道帯広市にある十勝バスです。同社はバス路線沿線住民の声を丁寧に集め、業務改革を行い、乗客を増やしました。このような視点もMaaSでは必要になります。

(構成=後藤文昭)