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トラベル懇話会「新春講演会」 東洋大観光学部教授・越智氏が「観光の未来に向けて」語る

2021年1月12日
編集部:入江千恵子

2021年1月12日(火) 配信

「トラベル懇話会 新春講演会」はオンラインに変更して開催された

 旅行業界の親睦団体の1つ「トラベル懇話会」(原優二会長)は1月7日(木)、新春講演会をオンラインで開催した。「観光の未来に向けて」と題し、東洋大学国際観光学部教授で、日本旅行業協会(JATA)参与(前理事・事務局長)の越智良典氏が、Go Toトラベルと経済対策との関係や、危機を乗り越えるヒントを提案した。

 冒頭、越智氏は今回の緊急事態宣言発出に触れ、「振り出しに戻ったと思うかもしれないが、らせん階段のように戻ったように見えて、じつは我われは1段上がったところから景色を見ている」と述べた。前回の発出時と比較し、Go Toトラベルの成果や知見の蓄積がある点が大きく異なると説明した。

 講演は、越智氏がこれまでに学生や自治体などから受けた質問の中から多かったものを抜粋し、回答する形式で行われた。

Go Toトラベル事業と経済対策について語る

 Go Toトラベル事業に巨額な予算が組まれたことなど、「トラベルが優遇されるのはなぜ?」の質問に対し、観光産業と経済の観点から語った。

 昨年1月の新型コロナ発生後、主要旅行業者の総取扱額は対前年比で、1カ月当たり3千億円規模の消失が見込まれた。観光消費額に当てはめると、毎月1.5兆円規模のマイナス、3カ月で10兆円の消失に達するとの試算がなされ、越智氏は政府に対し「これを取り返すための予算措置をお願いした」と振り返る。

 その結果、20年度第1次補正予算の25.7兆円のうち、1.3兆円がGo Toトラベル事業に計上された。当初、特別定額給付金や持続化給付金など、個人や企業を救済する措置はあったものの、「自ら立ち上がって、歩き出すための経済対策は無かった。そのタイミングで、トラベルを提案させてもらった」と話す。

 また、1兆円を超える予算がつぎ込まれた背景には「インバウンドの急成長がある」と語る。13年にインバウンド1000万人を超えたあと、18年に3000万人を達成。5年で3倍に伸ばし、消費総額は世界第9位の4.5兆円に増加した。越智氏は「ビザの緩和や公的施設の開放など、菅首相(当時、官房長官)のリーダーシップで実現した」と政府の成果を強調した。

 これらを踏まえ、トラベルの優遇は「感染拡大防止と経済の両立。トラベルは、経済対策のエースで4番だったから。だから、これだけの予算がついた」と整理した。

マイクロツーリズムについて

 新型コロナ感染の拡大以降、「マイクロツーリズムがもてはやされるのはなぜ?」の疑問について、越智氏は「10月以降は、Go Toトラベルの対象に東京都が追加され、地域共通クーポンも始まり、効果はてきめん。一方で、地元化や狭域化が相対的に増加しているから」と考察した。

 「観光庁Go Toトラベル事業分析」のデータから、Go Toトラベル利用者の多くが自分の住む都道府県を訪れている(昨年10月末時点)ことを紹介。都道府県別に訪問者の居住地を調査したところ、埼玉県を除く46都道府県で訪問地の都道府県民が最多となった。また、2~5位の多くが近隣県だった。

 調査結果に対し、越智氏は「2つ理由が考えられる」と述べ、「1つは近隣県の人も使える県民割が併用できた地域があった。もう1つは、自分が住む地域の近くに行きたい。ある意味、マイクロツーリズムになっている」との考えを示した。

 また、東京都がGo Toトラベルの追加対象となった10月以降、潮目が転換し、募集型企画旅行の前年同期比も好転したこと、地域共通クーポン券の開始により本来の事業形態が整ったことなども挙げた。

 一方で、「マイクロツーリズムは、ビジネスモデルとしては高所得者の一部の層にしか通用しない。地方はお客様の数も高所得者層も限られている」と述べた。そのうえで、交通機関を利用するなどの「“マクロ”ツーリズムを目指すモデルに変えていかなければならない」と方向性を示した。

感染拡大とトラベルの両立は

 新型コロナウイルスの感染拡大が続くなか、「トラベルと両立できるのはなぜ?」の疑問について、「観光庁が全施設の調査をしているから。(施設側も)風評被害が怖くて必死に取り組んでいるから」とまとめた。

 理由について、感染拡大防止のガイドライン順守がGo Toトラベル参加の条件であり、旅行会社と宿泊施設の7割が参加していること、宿泊施設は消毒や健康管理、各場面での3密回避など、観光庁の専門チームが100項目に及ぶ点検、調査・指導に当たっていることなどを挙げた。

今後の取り組み 「Go Toトラベルの再始動」

 越智氏は、6月までに取り組むことについて「Go Toトラベルの再始動」を挙げた。再開時の制度変更については「観光庁は変更の方向で考えている。ソフトランディングをどうするか、平日利用の分散などを含めて検討している」と述べた。

 再開時期は「時間はかかるかもしれないが、必ず再始動できる。なぜなら、非常に効果を発揮する政策だからだ」と強調。そのうえで「観光業界と旅行業界は、Go Toトラベルがなければ全滅していたと思う。この効果に対して、与党に感謝し、応援していくというメッセージを出さなければならない」と力を込めた。

 また、国内旅行では団体旅行をはじめとした感染防止対策の再確認、自治体との連携、65歳以上の限定ツアー造成などを提案した。

 国際旅行は、訪日管理型ツアー実証実験への応募、海外旅行の管理型ツアーへの参加などを挙げた。また、東京2020オリンピック・パラリンピックの準備として、事前合宿やホストタウンのテスト、早期回復が見込まれる中国への対応などがあるとした。

7月以降の想定 多角的な視点を

 7月以降は、国内旅行に引き続き重点を置くことや、バーチャルツアーの収益モデル確立、ハイブリッド型のイベントコンベンション、フィールドの多角化などをアドバイスした。また、海外旅行はビジネストラックやハワイなど限定地区での再開、インバウンドは管理型ツアーを視野に入れていくことなどを挙げた。

 最後に、越智氏は「観光の未来は、経済が復活してきたら観光は必ず復活する。インバウンド6000万人の観光政策ための予算や政策が導入されてくるので、この流れをうまく利用し、コロナ禍を生き延びてほしい」と力強く呼び掛けた。

JATAの坂巻会長「笑顔を見るために」

 JATAの坂巻伸昭会長はメッセージを寄せ、「私たちは前を向いてチャレンジしていかなければならない。それは、私たちの先にいるお客様や、それを支えている方々の笑顔を見るため」と語った。

 また、新型コロナによって改めて感じたことは「旅のチカラである。Go Toトラベルキャンペーンで国内旅行が広がり、地域の経済が少しずつ活性化を実感した。そして、何よりも旅行に行かれたお客様の笑顔。私たちは地域の経済を活性化し、お客様、地域の方々を笑顔にする仕事に携わっていることを痛感した」と述べた。

 21年は「少しでも笑顔につながる仕事をしていきたいと考えている。皆様には何ができるか、何を望んでいるのか、声を発してほしい。私自身も何ができるか考えていきたい」と決意を新たにした。

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