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2%増の681億円に、出国税総額511億円を歳入(20年度観光庁予算)

2020年1月12日
編集部:長谷川 貴人

2020年1月12日(日)配信

出国税は関連予算の75%近くを占めた

 政府は2019年12月20日に20年度予算案を閣議決定した。観光庁関係予算は、復興枠を除き前年度予算比2%増の680億9400万円となった。このうち国際観光旅客税(出国税)を充当する項目は、関係予算の75%近くを占める同5%増の510億6100万円を計上した。3本柱として、快適に旅行できる受入環境を整備し、プロモーションを強めるほか、地域での体験滞在の満足度向上をはかっていく。

 出国税は観光庁に一括計上したあと、関係省庁に移し替えて執行する。20年度の執行官庁分は計284億1千万円となり、出入国環境や文化財活用のほか、国立公園の整備などを進めていく。東北の復興枠は前年度比24・7%減の33億9500万円で、総計は同0・5%増の714億8900万円となった。

 関係予算の柱は3つ。「受入環境整備」に273億8100万円、「情報発信と観光産業の基幹産業化」に156億5300万円、「体験滞在の満足度向上」に237億3800万円を充てる。

受入環境整備

 「受入環境整備」は、旅をストレスなく満喫できるよう取り組みを強める。「円滑な出入国の環境整備」に81億8400万円(執行官庁:法務省、出国税充当事業)、「円滑な通関等の環境整備」に35億3千万円(財務省、出国税)を充てる。出入国環境では顔認証ゲートを、通関環境では電子申告ゲート(Eゲート)を主要7大空港への整備を進める。

 「FAST TRAVELの推進」には31億7600万円(出国税)を充当。チェックインから搭乗まで、顔認証による搭乗手続きの円滑化を進める。最終的には手続きにパスポートや搭乗券の提示が不要になる。20年度は同施策を成田国際空港、羽田空港、関西国際空港に行う見通し。

 地方部への公共交通機関は「公共交通利用環境の革新等」、観光地の環境整備は「観光地の『まちあるき』の満足度向上」の項目で支援する。

 「旅行安全情報共有プラットフォーム」では、日本人海外旅行者に安否確認や情報を提供するシステムを、昨年から一部試験的に運用開始。20年度に本格運用を進める。

「情報発信と観光産業の基幹産業化」

 「情報発信と観光産業の基幹産業化」は、日本政府観光局(JNTO)のプロモーションや、MICE誘致の促進などを実行する。

 「先進的な訪日プロモーション」に63億1300万円(出国税)を充て、デジタルマーケティングを強化する。ウェブの閲覧・検索履歴を分析し、JNTOサイトで個人の興味や関心に応じた情報発信をはかる。一方でJNTOサイトへの誘因広告も掲載する。

 「戦略的な訪日プロモーション」には87億1700万円を充当し、地域への誘客促進を強める。一元的な情報発信や地方誘客に向けたJNTOの体制、航空路線・クルーズ船の誘致を強化する。

 20年度から新規施策としては「青少年の国際交流の促進」に1千万円(出国税)を計上して、教育旅行による双方向交流の拡大を促す。官民連携の協議会を設け、現状分析や課題解決に取り組む。

 「MICE誘致」では、取り込みが遅れていたインセンティブ旅行の誘致強化や調査事業を実施する。

「体験滞在の満足度向上」

 「体験滞在の満足度向上」では、「観光地域づくり法人(DMO)の改革」に7億4千万円(出国税)を充当する。投資戦略やビジネスモデルを確立するための外部専門人材の登用の補助や、地域に根差したコンテンツ作りを支援する。

 20年度からは訪日客の長期滞在や消費拡大に向け、有力なコンテンツを支援していく。

 新規の施策である「国際競争力の高いスノーリゾート形成促進」に20億円(出国税)、「ナイトタイム等の活用」に10億円(出国税)を充てる。

 「文化資源を活用したインバウンドのための環境整備」では、98億4千万円(文化庁、出国税)を計上。文化イベント「日本博」を全国各地で開き、外国人誘客の取り組みを支援する。

「組織・定員要求」

 非常時の訪日客の安全を確保するために体制整備を行う「外客安全対策官(仮称)」を新設。本庁・地方運輸局で計9人を増員する。あわせて、訪日客の急増に伴う混雑などの課題に対応し、持続可能な観光を推進するため本庁2人を増員。出国税の執行のため、地方運輸局4人を増員する。

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