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「手段」か「目的」か ― 「血の通った」一途さを(11/1付)

2011年11月1日
編集部

 東京の表通りを歩くと、ファーストフードや、牛丼チェーン、居酒屋チェーン店が看板を連ねている。ある程度の商圏を持つ目抜き通りは全国どこでも同じようなチェーン店が並んでいるのではないだろうか。チェーン化できるということは、多くの庶民の胃袋やお財布を満足させている“通知表”なのだろう。過酷な競争の中で利益を出す経営手腕やコストを徹底的に削減する情熱に敬服してしまう。ほとんどのチェーン店は格安で、味だって悪くない。「本当にこれで経営できるの?」と心配になるほどだ。それでも利益を出し続け成長を続けている。外食サービス産業も「やり方によっては儲かるのだ」ということを証明している。

 一方、長年おじいさんやおばあさんがやっている店がある。決して看板が煌びやかではなく、建物も前世紀的である。おそらく、飲食店を始めるようになってから「全国チェーン展開をしよう」などと夢にも思ってこなかったような外観。店内はおじいさんが厨房で、おばあさんが接客をしているような食堂である。宣伝もしないので、来たお客さんを笑顔で迎えるだけだ。愚鈍に感じることもある。だが、チェーン店が並ぶ大通りを歩くたびに、何かひっかかるものがある。半分素人のような店員でも調理できる料理。もし、その料理の状態がおかしい場合でも、ちゃんと確認できるだろうか。客に出す料理に対して全責任を負うことができるだろうか。少し前に焼き肉チェーン店で食中毒を出して社会的な問題となったが、急成長と引き換えに何かを犠牲にしなければ、莫大な利益が出ないように感じるのは気のせいだろうか。

 「食堂のおじいさん」と比べて経営的なセンスがケタ外れに優れているがために、自社のチェーン展開の拡大が最大の命題となり、ライバル店が10円下げれば、こちらが20円下げる。あっちの店が2店出店すれば、こっちは4店出店する……と血眼になってしまわないか。

 お客にごはんを作ることは、「手段」なのか、「目的」なのか。同じ食べ物屋なら、経営センスが抜群な男や女が出す料理よりも、千年一日のごとく、金儲けなど考えたこともない、一途なおじいさんやおばあさん、にいちゃんが作った「血の通った」料理を迷わずに選ぶ。理由は、お金と仕事の優先順位の違いだ。

(編集長・増田 剛) 

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