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託児所委託契約を締結、女性が働きやすい環境を(RAKO華乃井)

白鳥和美社長

 長野県・上諏訪温泉のRAKO華乃井ホテル(白鳥和美社長)はこのほど、諏訪市内にある託児所「ももいろのきりん」と、地域初となる外部託児所の委託契約を締結した。同施設で働く子育て世代の女性スタッフが働きやすい環境を整えるため、託児料金の一部を補助。託児所は優先的に受け入れ、要望により営業時間外の託児も行う。

 今回の託児所委託契約について白鳥社長は「女性が働き続けられる企業にしたい。結婚出産を機会に退社を選択させてしまうことにずっと心を痛めていました」と語る。サービス業は女性スタッフに支えられていると言っても過言ではない。人をもてなすことができるサービス業が好きで、生涯の仕事にしたいと願う女性も少なくないという。「しかしながら、当社のような宿泊業では土・日曜が休みでなく、シフト制で不規則な業種(労務体制)なため、出産後は非常に働きづらい環境となります」。

 子育てをする女性の一番の悩みは「子供を家で1人にできないこと」だ。その悩みを解決するため諏訪市内にある公共的な託児所の利用などを検討したが、延長託児の時間にも限界があり、また週末や年末年始などの多忙期には開所しないなど、実動に添った体制ではなかった。「社内託児所も検討しましたが、中小企業の当社では運営が難しいため、断念しました」と話す。

 そのような苦悩が続くなか、2つの機会が同社に訪れる。1つは産休後、苦労しても正社員として復職したいと申し出た女性スタッフが数人いたこと。そして同社の勤務形態にも対応してくれる託児所に出会えたことだ。「さっそく託児施設代表の平田由喜美さんにお会いして悩みを打ち明けたところ、共感していただけ、まずは復職する女性スタッフのために2人で準備を進めてきました。ようやくその仕組みができ、同施設との外部託児所の委託契約が締結し、スタッフが安心して子育てをしながら復職できる環境が整いました。これにより宿泊業でキャリアアップを諦めていたスタッフが仕事を継続できる仕組みの第1歩が踏み出せました」と白鳥さんは語る。

 「当社で働く子育てと仕事に頑張る女性スタッフが働きやすいようにしたい」という思いから、今回の支援内容は正社員に限らず、短時間労働契約者(週30時間以上)も対象とした。

 「人財確保が難しいと、企業が嘆いてばかりではいけないと思います。人財育成をすべての企業が最重要項目として取り上げている延長線に、育てた人財を活かすべく企業が従業員に寄り添う時代が来ています。今回地域でも初となる託児所と当社との契約がきっかけとなり、諏訪地域が女性スタッフがより働きやすい優しい企業が集積する地域に向かっていくことが私の喜びです。ぜひ我が社がモデル社となり、多くの中小企業がこの仕組みを使って『子育てをガンバル女性に優しい諏訪市』が今以上に広がっていくことを願っています」と力を込めた。

 託児所「ももいろのきりん」は、0―9歳児を対象に開業。働く女性が利用しやすいよう営業時間が自由にできる認可外をあえて選択している(許認可の要件はそろっているがあえて認可にしていない)。営業時間は午前8時―午後10時(最大翌日2時)まで。お盆、年末年始を除いて無休。相談すれば時間外も対応している。所在地は長野県諏訪市四賀赤沼1676―2。

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