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東北観光の復活目指す、「JATAの道」ツアー実施

除幕式のようす
除幕式のようす

 日本旅行業協会(JATA)は10月28―29日に、「第3回みちのく潮風トレイルJATAの道」ツアーを岩手県で実施した。戸川和良副会長を団長に、約60人が参加した。同プロジェクトは、東北復興に向け、地域の自然や生活の再生を手助けするための取り組み。環境省が整備するトレイルコースを旅行商品の造成に活かし、地域への誘客増加を狙う。一行は今回、碁石海岸のある大船度市中南部ルートと釜石市ルートを中心に視察。地域との交流も活発で、観光業関係者らとの懇親会も盛況だった。
【謝 谷楓】

 ■「みちのく潮風トレイル」と「JATAの道プロジェクト」
 同トレイルコースは、環境省が整備管理する三陸復興国立公園の一部で、青森県八戸市と福島県相馬市をつなぐ。リアス式海岸特有の景観から、森の散策や観光スポット巡りまで、歩きながら東北の自然や文化に触れることができる。
 現在も整備が行われており、岡本光之環境省自然環境局国立公園課課長は、「地元の方々と一緒になって同コースの選定を行ってきた。環境省は、国立公園が地域の発展に役立つよう、今後もJATAの皆様と協力していきたい」と語る。
 復興支援に尽力するJATAは、2014年から「JATAの道プロジェクト」を開始した。3回目となる今回は、岩手県の大船渡市と釜石市を中心に視察した。同プロジェクトでは、地震と津波によって破壊された東北の自然景観と生活文化の再生をはたし、観光業の復活を目指す。視察を通じ、トレイルコースを活用した商品造成や販売といった成果を期待している。
 地域との交流も積極的に行われ、一行は地元ワイナリーが運営するりんご園や、復興庁主催のビジネスコンテストで大賞を受賞した甘露煮の生産現場を訪れた。
 大船渡市では、キャッセン大船渡(田村滿代代表)の臂(ひじ)徹取締役が、同市での新しいタウンマネジメントについて講演した。

説明する語り部と、震災遺構の旧タピック45(陸前高田市)
説明する語り部と、震災遺構の旧タピック45(陸前高田市)

 ■“あの日”を振り返る
 1日目、陸前高田市にある東日本大震災追悼施設を訪れた一行は、犠牲者の死を悼み、黙祷を捧げた。戸川副会長と黒川惠社会貢献委員会副委員長による献花も行われた。
 旧タピック45(道の駅高田松原)では、語り部の釘子明氏から震災当時のようすについて説明を受けた。3月11日、15㍍を上回る津波に飲みこまれた同施設は現在、被害の甚大さと恐ろしさを後世に伝えるために、震災遺構として当日のようすを今に残す。奇跡の一本松と、復興まちづくり情報館にも近く、周辺には一般観光客の姿も。

 ■碁石海岸を歩く
 トレイルコースを巡る出発式は1日目に、碁石海岸インフォメーションセンターで行われた。団長の戸川副会長は、「これから歩くコースをぜひ、商品造成に活かしてほしい」と薦めた。
 大船度市中南部ルートでは、2チームで碁石海岸周辺を散策。椿の里大船渡ガイドの会所属の菊池英夫氏によるユニークな語り口とともに、一行は、えびす浜や碁石岬からの景色を堪能した。海岸付近では遊歩道が整備され、所要時間は40分ほど。キャンプ場もあり、岬にある碁石埼灯台では、桜や椿など四季の花を楽しめるという。

 ■釜石市に案内板を贈呈
 三陸鉄道・南リアス線を走る「震災学習列車」への乗車から始まった2日目。盛駅から唐丹駅まで、窓外には、美しいリアス海岸と復興に勤しむまちが広がる。車内では、内舘昭二南リアス線運行部担当部長が、震災当日や復旧状況について解説した。同企画は、被災した地域を窓外に、震災時と現在のようすを知ってもらおうと、同社が沿線住民らと協力し実施するもの。
 続く目的地、釜石鉄の歴史館では、「みちのく潮風トレイル 釜石市案内板除幕式」が行われた。案内板は、JATAから釜石市へ贈られ、観光客の利便性を高めるのも目的の1つ。観光客は、わかりやすいルート地図を確認し、おすすめコースを知ることができる。
 式典には、野田武則釜石市市長も出席し、感謝の念を表明した。
 ラグビーワールドカップ会場建設地を視察した後、根岸海岸を望む宿、宝来館へ。岩崎昭子女将は「県外から来る皆様との交流が地域の産業につながる」と語り、同コースを活かした旅行商品の発売に強い期待を示した。

釜石大観音と釜石港を望む
釜石大観音と釜石港を望む
講演する臂徹氏
講演する臂徹氏

 ■今後の街づくり
 1日目の夜、大船渡市で新しい街づくりに取り組むキャッセン大船渡の臂氏が講演を行った。
 来年4月に、市や商工会議所とともに、テナント型商業施設を中心市街地にオープンする。臂氏は、「洋食屋なのにラーメンが美味しいお店があるという声が聞こえてくるような、昼と夜で雰囲気が変化する、多様性に冨んだ街づくりを目指したい」と、さまざまな人が交わる港という、同市の特徴を活かすアイデアを披露した。
 懇親会には、戸田公明大船渡市市長から、りんご園を経営するスリーピークス及川武宏代表や「三陸甘露煮」で有名なバンザイファクトリー高橋和良代表ら、地元の名士が参加。地域食材を活かした料理が並び、りんご園の果実を使った炭酸酒、シードルも食事にマッチすると好評だった。

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