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100年に1度の変革期 新しい長崎の魅力を巡る旅

2021年11月24日
編集部:馬場遥

2021年11月24日(水) 配信

長崎県庁から見た工事中の長崎駅

 長崎県は11月17(水)~19日(金)、長崎市を中心にプレスツアーを行った。近年の長崎市では、長崎開港450周年のほか、長崎市恐竜博物館、出島メッセ長崎、ヒルトン長崎などの開業ラッシュなどにより大きな変化の最中にある。2022年秋には西九州新幹線が開業し、24年には長崎スタジアムシティが完成するなど、「100年に1度の変革期」が訪れている新しい長崎を巡った。

 

世界新三大夜景「長崎星・物語」

稲佐山展望台から見える長崎市の夜景。中央にハートが浮かび上がる

 長崎市は、「鶴の港」と呼ばれる長崎港を中心としたすり鉢状の地形に形成された斜面市街地が特徴的で、独特の都市景観が稲佐山展望台から望める。

 地形が生み出す立体的な夜景や、多方面から入江全体を見渡すことのできる夜景の美しさなどが評価され、長崎市で開催された「世界夜景サミット」でモナコや上海と並び、「世界新三大夜景」都市として認定された。

 稲佐山展望台は、東京タワーと同じ標高333㍍の高さから、夜景が360度眺望できる。展望台まではロープウェイとスロープカーが利用できる。

 また、今年7月にオープンした稲佐山山頂レストラン「ITADAKI」の店内はガラス張りとなっており、食事をしながら夜景を堪能できるような工夫が施されている。

 夜景を楽しむにあたり、午後8~9時50分の15分毎に5分間点灯される「長崎・星物語」も見どころの1つ。星座やハートのカタチなどが夜景の中に浮かび上がる「夜景灯」の演出が行われている。光の演出は時期や季節、イベントで変化するため、その時々での星座を見ることができる。

 

新幹線開業で沸く いま長崎駅が熱い

工事中の新幹線ホーム(長崎駅)

 来年秋に開業する西九州新幹線「かもめ」は、長崎~武雄温泉を運行する。武雄温泉~博多までは、在来線の特急区間となり、武雄温泉駅の同一ホームで対面乗り換え方式(リレー方式)を採用する。これにより、従来は最速1時間50分かかっていた長崎~博多間が、所要時間1時間20分に短縮される。

 武雄温泉~新鳥栖間もフル規格で整備することで、時間短縮や、新大阪までの直通運行の実現による中国・関西方面との交流人口の拡大が期待されている。

 11月19日(金)現在、長崎新幹線駅は工事が進められている。内装は「長崎らしい」デザイン。柱や天井にはレンガ造りと出島建物を想起させるタイルや架構を採用し、新幹線ホームは白い膜屋根で、明るい駅舎を演出した。

 新幹線開業に伴い、長崎初のコンベンション施設である出島メッセ長崎や、新しいランドマークホテルとなるヒルトン長崎など、駅周辺の施設を充実させている。

 また、ジャパネットホールディングスはこのほど、長崎駅から徒歩10分、三菱重工長崎造船所幸町工場跡地に「長崎スタジアムシティ」を建設する。スタジアムシティは、サッカースタジアムを中心に、アリーナ、オフィス、商業、ホテルなどを併設した複合型施設。開業は24年を目指している。

 

朝から長崎を楽しむ「朝たび長崎」プラン

 長崎国際観光コンベンション協会では、泊食分離+アクティビティ体験のプラン「朝たび長崎」を造成した。

 19年度、長崎市内へ訪れた観光客約690万人のうち市内に宿泊した人は270万人と、約4割に留まっていたことから、市内ビジネスホテル宿泊の魅力づくりを打ち出した。

 この一環として、市内のビジネスホテルから徒歩数分の場所にある飲食スポットでスペシャル朝ごはんを楽しみ、朝からアクティビティ体験を楽しむ「朝活プラン」を提供している。

 今回のプレスツアーでは、「ホテルベルビュ―長崎出島」に宿泊し、朝7時から中島川シーカヤック(シーカヤック長崎)を体験した。長崎の市街地を流れる中島川を、眼鏡橋近くから出島、長崎港までを往復するコース。

 料金は1人当たり2500円。所要時間は1時間半ほど。コースを変えての半日ツアーや1日ツアーも用意している。

 「旬彩ながや」では朝食として鯛茶漬けを頂いた。長崎の伝統柑橘「ゆうこう」を食べて育った「ゆうこう真鯛」を昆布締めした刺身は、途中で出汁をかけて出汁茶漬けにするとさらに美味しさが増す。

 

海とのコントラスト「長崎市恐竜博物館」

全身骨格ごしに見える海が見どころ

 10月29日(金)、野母崎にオープンした長崎市恐竜博物館は、日本で3カ所目となる恐竜専門の博物館。長崎の沿岸部・三ツ瀬層から10㍍級のティラノサウルス科の歯や、国内最大級のハドロサウルス上科の化石など、白亜紀後期の貴重な標本が数多く産出している。

 1階の常設展示室は、生物の進化や地球環境に関する5つのテーマで構成。約180点の標本を展示している。長崎から産出した化石のほか、オランダから取り寄せた6700万年前のティラノサウルス「トリックス」の全身骨格レプリカなど、化石の魅力が満載のエリアとなっている。

 また、海側は一面ガラス張りとなっているため、海や軍艦島を眺めることができる。スクリーンは1時間間隔で開閉する。青い海と空に「トリックス」のシルエットが浮かび上がるようすは圧巻だ。

 2階には全長6㍍のティラノサウルス科復元ロボットが設置され、においを嗅ぐしぐさや吠えるようすなど、生命力にあふれたリアルな動きを見せてくれる。

 オープンラボでは、国内の自然史博物館では2カ所しか導入していないX線CTスキャナが置かれ、化石研究を自由に見学できる。

 開館時間は午前9時~午後5時(入館時間は午後4時半)。休館日は毎週月曜日、12月31日、1月1日。観覧料は一般が500円、小・中学生、幼児が200円、3歳未満は無料。

 

クルーズ船で行く、世界遺産「軍艦島」

世界文化遺産「軍艦島」(端島)

 長崎港から約1時間で「軍艦島」・端島へ。島の南にあるドルフィン桟橋から上陸し、第1見学広場から第3見学広場まで、島の5分の1を見学可能。世界遺産に登録されているのは、明治時代に建造された護岸と廃坑道の坑口のみ。

 2015年に世界文化遺産に認定された「軍艦島」こと端島は、面積が約6万5000平方㍍しかない小さな海底炭鉱の島。岸壁が島全体を囲い、高層鉄筋アパートが並ぶ外観が軍艦「土佐」に似ていることから「軍艦島」と呼称されている。

 最盛期の1960年には約5300人が住み、当時の東京都の9倍もの人口密度を誇ったという。島内には小中学校や病院、映画館、パチンコホールなど、施設が充実していた。

 第1見学場から見える端島小中学校は、窓が大きく作られているのが特徴的。高層アパートばかりの島内では日の光が届かない場所が多かったため、学校にいる間は子供たちに太陽の光を十分に浴びてほしいという想いで作られた。

 新幹線の開業に沸く長崎は、観光客を迎え入れるための気運醸成として、県全体で誘客促進や観光体験の準備を進めている。27年には九州・長崎IR開業も控えており、今後も長崎から目が離せない。

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