【第2回旅館甲子園】ファイナリスト プレゼン順決定、2月18日(東京国際展示場)

ファイナリストの5旅館が本大会に挑む
ファイナリストの5旅館が本大会に挑む

 全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会青年部(山口敦史部長)は11月12日、「第2回旅館甲子園」ファイナリストの説明会を開き、抽選により当日のプレゼンテーションの順番を決定した。

 プレゼンテーションの順番は(1)山景の宿流辿(宮城県・青根温泉)(2)土佐御苑(高知県高知市)(3)ホテル松本楼(群馬県・伊香保温泉)(4)峡谷の湯宿大歩危峡まんなか(徳島県・大歩危祖谷温泉)(5)春蘭の宿さかえや(長野県・渋温泉)――となった。

 第2回旅館甲子園は2015年2月18日に東京国際展示場(東京都江東区有明3―21―1)の会議棟B1レセプションホールで開かれる。正午開場、午後1時開演を予定する。

“ハイテクと文化を融合”、 観光大臣サミットに出席 、JATA・田川会長

 国連世界観光機関(UNWTO、タレブ・リファイ事務局長)とワールド・トラベル・マート(WTM、サイモン・プレス代表)は11月4日、英国・ロンドンで「観光大臣サミット」を開いた。旅行見本市のWTMロンドン内の最大イベントの1つで、今年で8回目。日本からは日本旅行業協会(JATA)の田川博己会長が出席した。そのなかで田川会長は2020年の東京五輪を最大限に生かし、「持続可能なハイテクと文化を融合させた観光立国の実現を目指したい」と発言した。

 JATAは11月12日の定例会見で、田川会長が出席したパネル討論会の概要を報告した。これによると、サミットには33カ国が参加し、討論会には各国の観光大臣・観光局長や民間の要人らが登壇。2時間のパネル討論会はUNWTOのリファイ事務局長からの「メガ・イベントの実施地域はインフラ投資・雇用などが創出され、あらゆるコミュニティが関与する最も効果的なレガシー。また、実施国に無形の利益を産み出す」という発言から議論がスタートした。田川会長はテーマを「観光立国創生へのチャレンジ」とし、(1)オリンピック遺産として観光の重要性を認識した中長期アクションプランの構築(2)日本ブランド向上の機会としてメディアを通した露出の増加(3)官民、異業種間連携など強力なパートナーシップの構築(4)日本全体でハードとソフト両面のインフラ整備を推進し、快適な旅行環境を整備すること――の4項目を具体的に取り組むべきこととして発表した。

 このほか、中小国からは、すべての国が規模の大きいメガ・イベントを実施することはできないという声も挙がった。そのうえで、「文化イベントがキーポイント」や「持続可能な小さいイベントを支援している。“メガ”の新しい定義を確立すべき。例えば3人で作ったイベントでもソーシャルメディア(SNS)で500万人と対話できる」など、自国にあった“メガ・イベント”の展開を紹介した。

旅館で働く女性へ、印象アップの化粧術講座(飯坂温泉)

短時間でできる化粧術を学んだ
短時間でできる化粧術を学んだ

 福島県・飯坂温泉の匠のこころ吉川屋で9月17日、「旅館で働く女性の印象アップヘアメークセミナー」が開かれ、女将や従業員約30人が、短時間でできる化粧術や髪のまとめ方などを学んだ。

 全旅連青年部の異業種コラボ事業委員会が化粧品会社・資生堂の協力を得て実施した。「おもてなし」という言葉が重視され、接遇研修などに取り組む宿は増えている。一方、第一印象を左右する「整容」については、個人の意識にまかせているのが実情だ。そこで今回、温泉街で参加者を募り、和装で働く女性の高感度が上がるヘアメーク講座を実施した。

 講師を務めたのは、資生堂で宣伝広告のヘアメークを中心に活動する山田暢子さん。チークやリップで血色感を出すなど、短時間でできる、美しく清潔感の感じられる化粧術を伝授した。

 資生堂ビューティークリエーション研究センターの戸田幸枝さんは「旅館も日本の美を体験する場の1つ。化粧の力で女性がイキイキと輝き、お客様からの印象、そして自身のモチベーションを高めていただくための手伝いをしたい」という。

 講座を企画した飯坂温泉旅館協同組合青年部の和田一成部長(ほりえや旅館)は、「参加者の表情が豊かになった」と手応えを実感。全国各地に取り組みを広げるとともに「男性向けの講座も企画したい」と意欲的だ。

読売新聞にて「ピンクリボンのお宿ネットワーク」がご紹介されました

ピンクリボンのお宿ネットワーク『メディア掲載情報』を更新いたしました。

2014年11月19日掲載 
『読売新聞』の全国版朝刊にてピンクリボンのお宿ネットワークをご紹介いただきました。

その他メディア掲載情報はコチラから!
(弊社の『ピンクリボンのお宿ネットワーク』ページへリンクしています)

 
☆ピンクリボンのお宿ネットワークとは☆
 乳ガンを患い、手術を受けて回復の道を歩みながらも、術後を気にして旅をあきらめてしまうという女性の方たちに、心ゆくまで旅館・ホテルでの入浴などを楽しんでいただきたいという目的で設立された団体です。

【11月25日】鷹泉閣岩松旅館、ピンクリボンデー開催(宮城県作並温泉)

岩松旅館
清流を望む「香華の湯」

 宮城県作並温泉の鷹泉閣岩松旅館は11月25日、乳がん経験者とその家族など寄り添う方の限定宿として営業する「第4回全館貸し切りピンクリボンデー」を開く。

 当日は、心ゆくまで温泉を楽しめるよう、清流を眺める「香華の湯」を乳がん経験者専用とするほか、脱衣所の照明を少し暗めに調整するなどの環境を整える。また、秘湯の趣あふれる天然岩風呂や大浴場不二の湯など、湯めぐりを存分に楽しめるよう、浴衣やバスタオルは2枚ずつ用意。夕食には養生に配慮した和食膳を提供する。1泊2食付きプランのほか、日帰り入浴も受け付ける。

マークデータ

 同館では、10年前からレディースデーを設けるなど、女性に優しい宿としての取り組みを続けてきた。ピンクリボンデーの開催は昨年の春からスタートし、年に2回、春と秋に行っている。

 問い合わせ= 電話 022(395)2211。
 ホームページ= 鷹泉閣岩松旅館

宿の懐の深さ ― 生きがいを感じられる社会に貢献

 この前、お昼に古びた蕎麦屋でカツカレーを食べていたら、ラジオから群馬県・湯宿温泉の老舗宿で、30年間働く80歳になる女性がインタビューを受け、「すごく働きがいを感じる」という楽しげで、若々しい声が聴こえてきた。

 このあたりが旅館の懐の深さだな、とラジオを聞きながらカツを頬張った。

 政府は女性が活躍できる社会づくりを推進している。だが、メディアにも責任があるのだろうが、経団連クラスの一流企業が女性管理職の割合を競うようなところばかりにスポットが当たっている印象だ。過疎地であっても、年を重ねた女性であっても、いきいきと働くことができ、生きがいを感じられる社会をつくることも、あまり目立たないが、大切なことだと思う。

 自宅の最寄り駅の近くに自転車置き場がある。そこでは定年後のおじさんたちが元気に働いている。朝、自転車を預けようとする通勤・通学者たちに笑顔で「おはようございます」と、大きな声であいさつしている。羨ましいくらい、いきいきしている。40―50代のサラリーマンは朝から疲れた顔で駅に向かっているのに、自転車置き場のおじさんたちはいつも元気である。女子高生やOLにサービスでタイヤの空気を入れてあげたりしている。傍から見ていて楽しそうである。日が暮れてもおじさんたちがいるので死角がなくなり、夕暮れ時でも女性や子供たちも安心である。おじさんたちは小遣いを稼げるので、長年連れ添った奥さんとレストランで食事をすることもできるし、孫が遊びに来たときにはオモチャを買ってあげることもできる。自分の趣味に生かすこともできる。旅行にも行ける。

 厚生労働省がこのほどまとめた2013年度「衛生行政報告」では、旅館はこの1年間で1381軒減少し、4万3363軒となった。1都道府県当たり、約30軒が1年間で減った計算になる。一方、ホテルは13軒増え、9809軒となった。ずっと増加傾向にあったホテルも前回調査では減少し、今回も微増とそろそろ頭打ちの状況になってきたようだ。しかし、客室数を見ると、旅館は5706室減ったが、ホテルは1万2227室増え明暗が分かれた。

 サッカーではボールをキープできる選手は重宝される。人並み外れたテクニックで、ボールを奪いに来る相手をかわし、ピンチを救ったり、チャンスを生み出したりする。ボールをキープしている時間帯は味方にとって安全であり、あらゆるチャンスの可能性を含んでいる。旅館やホテルも、観光客をまちにキープできる能力があれば、地域活性化に向けた無限の可能性をもたらす。けれど、観光客をキープできる宿泊施設がなければ、旅人は素通りしてしまう。まちから大型旅館やホテルが消えてしまうことの損失は、計り知れなく大きい。

 今の社会は余裕を失っている。全般的にギリギリで、どこかギスギスしている。ブラック企業、ブラックパートなどの現象も社会問題となっている。

 だからこそ、80歳の女性が旅館でいきいきと働いている話などを聞くと、本当の豊かさの証明である「余裕」を感じる。そして、余裕を生み出せる旅館という存在の懐の深さを感じる。遠方から訪れる宿泊客だけでなく、従業員に生きがいを与えられる宿は、大きな社会貢献をしている。

(編集長・増田 剛)

旅館軒数4万3363軒、前年度から1381軒の減少(14年3月末時点)

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 厚生労働省が10月30日に発表した2013年度「衛生行政報告」によると、14年3月末現在の 旅館営業軒数は前年度比3・1%減の4万3363軒と1年間で1381軒減少し、1980年代に8万3226軒でピークとなった旅館軒数の減少傾向は続いている。一方、ホテル営業軒数は同0・1%増の9809軒と、13施設の増加となった。宿泊軒数(簡易宿泊施設、下宿含む)は前年度に比べ、893件減少し7万9519軒だった。

 近年「旅館減少・ホテル増加」の構図が続くなか、前回の調査ではホテル軒数も減少したが、今回ホテルは13軒増加した。一方、旅館軒数は前回の1452軒減少に対し、今回は1381軒の減少と、減少幅は小さくなったものの年間1千軒以上の減少という流れに歯止めはかかっていない。

 客室数でみると、旅館は前年度比5706室減の73万5271室となった。ホテルは同1万2227室増の82万7211室と、前回は減少したが、今回は1万2227客増と1万室以上増え、ホテルと旅館の客室数は10万室近くまで差が広がっている。

 山小屋やユースホステル、カプセルホテルなどの簡易宿所は2万5560軒と前年度より489軒増加した。下宿は787軒で14軒減少した。

 都道府県別に見た旅館軒数は、静岡県が2968軒で最も多く、以下は(2)長野県(2487軒)(3)北海道(2482軒)(4)新潟県(2062軒)(5)三重県(1566軒)(6)福島県(1443軒)(7)山梨県(1323軒)(8)栃木県(1322軒)(9)千葉県(1244軒)(10)兵庫県(1223軒)。2位の長野県と3位の北海道の順位が入れ替わったほか、7位の山梨県と8位の栃木県が入れ替わった。トップ10は前年度比ですべてマイナスとなった。

 一方、ホテル軒数の上位は(1)北海道(681軒)(2)東京都(680軒)(3)長野県(515軒)(4)兵庫県(414軒)(5)福岡県(384軒)(6)静岡県(376軒)(7)大阪府(374軒)(8)埼玉県(361軒)(9)沖縄県(358軒)(10)神奈川県(328軒)の順となった。7位の大阪府が15軒増えたほか、長野県や、兵庫県、福岡県、静岡県も増加した。

No.387 農協観光・藤本社長に聞く - 25周年でさらなる変化を

農協観光・藤本社長に聞く
25周年でさらなる変化を

 農協観光は10月20日、「社団法人全国農協観光協会(現・一般社団法人全国農協観光協会)」から旅行事業部門を分離独立した株式会社として、創立25周年を迎えた。6月26日付で新社長に就任した藤本隆明氏は、世の中や顧客の変化に応じるため、会社もさらなる変化が必要だと語る。藤本新社長に、節目を迎えた同社の今後の方針などを聞いた。

【飯塚 小牧】

 
 
 
 
 
 

“単なるモノ売りではダメ”、旅行以外のニーズにも応える姿勢を

 ――株式会社へ移行から25周年を迎えられましたが、改めて振り返っていかがですか。

 株式会社農協観光は、1989(平成元)年に創立したが、それ以前に社団法人全国農協観光協会の時代があり、実際のスタートは1967(昭和42)年からだ。そこから47年の歴史がつながっている。

 旅行業界全体がそうだと思うが、旅行会社の昭和40年代の使命と今の使命は違うと感じている。当時は旅行の需要は伸長も著しく、供給がついていくという時代だった。旅行に行きたい人たちがたくさんいらっしゃって、自分たちの余暇を充実させたいとか、非日常を味わいたいという欲求から始まり、極端に言えば、行先ではなく旅行そのものを求めた時代だったのではないだろうか。

 当社は団体旅行を中心に農家や農村地域の方々の余暇活動の充実や見識を広める役割を担ってきたと思う。そのなかで、一番の大きな節目は1970年の大阪で開催された万国博覧会が起点になったと思う。当時、我われは全国の組合員の方々に国際イベントへの参加を募り、提供できたと考える。これを契機に質・量ともに旅行会社として、確かな位置づけができたと自負している。さらに、75年には沖縄の本土復帰記念事業でもあった沖縄国際海洋博覧会においても、多くの方々に参加していただき、イベントを中心としたJA組織の旅行会社として、その地位を確立したと思う。…

 

※ 詳細は本紙1566号または11月17日以降日経テレコン21でお読みいただけます。

日本の食 海外にもPR、FBでの情報発信強化、農水省と観光庁

イメージキャラクター木村佳乃さんを囲んで
イメージキャラクター木村佳乃さんを囲んで

 農林水産省と観光庁は10月27日、「食と観光の連携による地域食材魅力発信事業」を今年度も継続することを発表した。「日本の食でおもてなしパートナー」の取り組みや参画施設を検索できる地図をWebで公開、英語版も製作した。また、フェイスブックを使った情報発信も行っていく。

 同事業は国産農林水産物などの消費拡大を推進する国民運動「フード・アクション・ニッポン」の一環として実施。国内の宿泊事業者や飲食事業者、製造事業者などの各観光事業者に、地域食材や国産食材を使った食品の消費拡大へ向け連携する「日本の食でおもてなしパートナー」への参加を呼びかけ、参加施設でのポスターやのぼり設置などを促進する。今年度はさらに、同パートナーの取り組みや、施設を検索できる地図をWebで公開し、インバウンド拡大へ英語版も製作。フェイスブックも活用し、地域食材の消費拡大への取り組みや地域の料理を紹介し、情報発信を強化していく。

 同日の会見で、農林水産省の西川公也大臣は「食への理解を深め、和食でのおもてなしをすすめるには、地域の旅館や観光関係事業者との連携が必要」とし、「観光庁との連携をさらに深め、強固にしていきたい」と語った。観光庁の吉田雅彦地域振興部長は、「観光庁では地域の食をからめた旅行商品づくりを後押ししているが、外国人に向けても食を含めた日本の魅力をアピールしていきたい」とインバウンド拡大についても触れた。本事業のイメージキャラクターを努める女優の木村佳乃さんは、「新鮮な旬のものを食べるのが好きで、旅行も大好き」と話し、「素晴らしい地域の観光と食の魅力を伝えていきたい」と意気込みを語った。

 同事業では「日本の食でおもてなしプレゼントキャンペーン」を実施中。「日本の食でおもてなしパートナー」施設の利用者のなかから抽選で500人に地域産品などをプレゼントする。応募は15年2月28日まで。

“一過性ではなく持続”、2次交通も大きな課題に(観光圏シンポ)

パネルディスカッションのようす
パネルディスカッションのようす

 観光圏推進協議会(会長=小林昭治八ヶ岳ツーリズムマネジメント代表理事)は10月30日、東京都内で観光圏シンポジウム「地方創生のカギは『住んでよし、訪れてよし』」を開いた。2次交通の課題や、次世代ブランド構築に向けては一過性に流されない、オリジナルを追求する姿勢、人材育成の大切さなどが、まちづくりに取り組む現場の声として上がった。

 観光圏は、自然や歴史、文化などにおいて密接な関係のある観光地を一体とした区域で、自治体の枠を超えて観光客が滞在・周遊できる魅力ある観光地づくりを促進しようと、現在全国に10地域が観光庁から「観光圏の整備事業」として認定されている。観光圏推進協議会は今年6月、10地域の観光圏が共通の課題改善に向けて情報共有し、検討することを目的に、自発的に発足した。

 小林会長は冒頭、「安倍首相の地方創生への思いは、観光圏の理念と通じるもの。さまざまな協力を得られるように働きかけをしていきたい」と語った。来賓の観光庁の久保成人長官は「多くの外国人旅行者が日本を訪れるようになったのは国内の受け入れ環境が整ってきたことの証」とし、「地域が一体となって広域的なネットワークを構築し海外にアピールすることが大事になってくる。観光圏が日本の観光を牽引していくことを期待している」とあいさつした。

 パネルディスカッション「地域自らが果敢に取り組む! 地方創生の姿」では、富良野・美瑛観光圏、雪国観光圏、八ヶ岳観光圏、にし阿波~剣山・吉野川観光圏、「海風の国」佐世保・小値賀観光圏の代表者らがパネリストとして登壇し、各地域の取り組みや課題を紹介した。多くの地域で、個人客や外国人観光客増大への対応として2次交通の課題があがったほか、人材育成の重要性が述べられた。コーディネーターを務めた観光地域づくりプラットフォーム推進機構会長の清水愼一氏は観光圏事業に取り組むポイントとして(1)一過性ではなく持続すること(2)バラバラでは駄目(3)絶対に他地域の真似はしない「日本の顔になる」――の3点を挙げ、「地域づくりには長い時間がかかるもの」と強調し、安易にゆるキャラやB級グルメに走る観光行政の姿勢に対しては批判的な考えを示した。