冬期一時金過去最低に、春季は雇用の確保が第一(サービス連合)

 サービス・ツーリズム産業団体連合会の観光・航空貨物委員会(横山征夫委員長)は2月2日に会見を開き、1月28日の第9回中央委員会で確認した2009年秋闘のまとめや、2010春季生活闘争方針などを報告した。これによると09年秋闘は、冬期一時金が過去最低水準と厳しい結果だった。10年春季も取り巻く環境が極めて厳しいと捉え、改めて「雇用の安定的な確保」の考え方を念頭に活動していく。

 09年秋闘は、26組合が冬期一時金要求を掲げ、秋闘を組織。11月30日までの決着を目指した結果、同日までに合意・妥結した組合が11組合、12月22日までに14組合が合意した。集計の行えた25組合の単純平均カ月数は、0・905カ月で、前年同期から0・612カ月減少した。09春季生活闘争で合意済みなどを含めた54組合の平均は1・090カ月で前年を0・536カ月下回った。合わせた年間の一時金は、2・705カ月(前年比1・059カ月減)だった。下げ幅も過去最大となったが、横山委員長は「それぞれの組合が雇用の確保、構造改革を求めるなかで、従業員のモチベーションを視野に入れながら戦った結果だ」と語った。今後の課題として、従来通りの労働条件の向上への取り組みに加え、自社の経営に対し働く側の視点から積極的に意見し、安定的な企業基盤の確立に取り組むことも必要だとした。

 一方、2010春季生活闘争で連合が掲げる要求は(1)正規労働者の賃金水準の維持、底上げ・年収維持のための一時金の確保(2)契約社員やパートタイマー等の安定的な雇用の確保を前提とした均等・均衡待遇の実現(3)産業全体の底上げを目指した最低保障賃金の協定化(4)年間総実労働時間短縮によるワーク・ライフ・バランスの実現(5)裁判員休暇制度・男女平等の推進・60歳以上の雇用の確保などのワークルールの取り組み(6)雇用の安定的な確保に向けた取り組み(7)連合が強化する共闘連絡会議への参加や、掲げる要求の実現――の7項目。現下の経済状況を踏まえ、まず賃金カーブを維持し、年間収入の維持と向上を第一に取り組む。そのうえで、中期的な目標の「35歳年収 550万円」の実現に向けた取り組みも継続する。また、雇用に関わる問題が起こった場合に備え、本部に初となる「雇用対策本部」を設置する。

 観光・航空貨物業の賃金要求は、賃金水準の低下を阻止するため、定昇相当分(年齢間間差見合い分)の確保をはかり、可能な限り0・5%以上の賃金改善原資要求を行う。一時金の要求基準は年間4・0カ月とした。

 連合内では、ベースアップについて「とても要求できる状況ではない」という声もあったというが、横山委員長は「中期的な賃金目標を掲げている以上、厳しい状況下でもそこにどう繋げるかを頭に入れながら、要求すべきことを要求していく。賃金制度や一時金の意味合いを整理をし、雇用の維持、確保を前提にしたうえで、次に定期昇給の確保をし、可能な限りの要求をしていくという方針を明確にすべきだ」と考えを述べた。

「古伊万里カップ」 がグランプリ、VJCおみやげコンテスト2010

 観光庁が主催する「ビジット・ジャパン・キャンペーン(VJC)魅力ある日本のおみやげコンテスト2010」(桐谷エリザベス委員長、YOKOSO JAPAN大使)の最終審査が2月12日、東京都内で行われた。魅力的なおみやげを通して日本の魅力を海外に伝え、日本への来訪を促進することが目的。今回で6回目。グランプリには、「古伊万里文様絵変りワインカップ(小)」が選ばれた。

 商品総数は全国から約700品、そのうち第1次審査を通過した約100品を外国大使館の代表者や日本人委員など25人の審査員が審査した。部門は、トラディショナルジャパン、クールジャパン、ラグジュアリージャパンの3部門。

 審査後の意見交換会では、各国代表者からおみやげを選ぶ基準について、価格や日本らしさ、実用性、運びやすさなどの点が上げられた。

 YOKOSO JAPAN大使で俳優の別所哲也氏は「おみやげは、プレゼントした後に会話がはずむかが大事な点」と語った。吉村作治サイバー大学学長は「日本の高い技術を使ったエコ商品など、日本のハイテク技術の商品部門もあればおもしろい」と指摘した。

 各部門の金賞は、トラディショナルジャパンジャパン部門が「わさび塩」(350円/カメヤ食品)、クールジャパン部門が「本物そっくりお寿司のマグネット」(620円/京都シルク)、ラグジュアリー部門が「古伊万里文様絵変わりワインカップ(小)」(2万1600円/賞美堂本店)。

環境への取り組み発表など、エコホテル・旅館フォーラム開く(京都GPN)

“自信持って取り組みアピール”

 京都グリーン購入ネットワーク(158会員)は2月3日、京都府長岡京市の村田製作所本社で「エコホテル・旅館フォーラム」を開き、京都府内のホテルや旅館の環境への取り組み事例発表やパネルディスカッションを実施した。

 同フォーラムは一昨年に続き2回目。今回は京都府内19のホテル・旅館の協力で行われた利用者アンケートの調査報告のほか、スカンジナビア政府観光局が認定する国際的な環境認証「グリーンキー」をアジアで初取得した銀座吉水の中川誼美社長による事例紹介などが行われた。

 事例紹介で、銀座吉水のほか円山公園の京都吉水など3軒を運営する「お宿吉水」の中川社長は「宿泊業は素人だったが1998年に京都吉水を開業し、普段実践していたナチュラルライフをそのまま宿のコンセプトにした。テレビや冷蔵庫、電話を置かず、料理はすべてオーガニック。布団の上げ下ろしもしない。コンセプトをはっきりさせ、思いきって取り組めばお客様も受け入れてくれる。今までクレームはない」と語った。

 パネルディスカッションでは、京都府立大学大学院の宗田好文准教授をコーディネーターに、パネラーとしてお宿吉水・中川社長、環境ISO14001取得の瀬田アーバンホテルの片岡尉光専務、阪急交通社の宿泊予約サイト「エコ泊」を担当する同社東日本営業本部の川北明課長、京都府観光政策監の有馬透氏、京都市地球環境政策監の大島仁氏の5人が登壇し、エコと京都の観光について積極的な議論を展開した。

 瀬田アーバンホテルの片岡専務は「環境ISO取得は社員全員をいかにやる気にさせ、楽しく取り組むかが大事」と語り、京都市の大島さんは「お客の環境意識は高まっている。宿も自信を持って環境への取り組みをアピールしてほしい」と述べた。宗田氏は「京都市が目指す低炭素社会への取り組みが、京都の自然や景観の保全につながり、その京都らしさを求めて観光客も集まる」と述べた。

セミナー&カクテルパーティー、JPPA、3月30日帝国ホテル

 日本パーティープランナー協会(JPPA、丸山洋子会長)は3月30日、東京都千代田区の帝国ホテルで「パーティー再発見 価値を高める新ビジネスパーティー」をコンセプトに、セミナー&カクテルパーティーを開く。

 セミナーでは英国の文化・風俗に詳しい上智大学教授の小林章夫氏、マンダリンオリエンタル東京副総料理長の村山茂氏、そして食空間プロデューサーでJPPA会長の丸山氏が講演する。カクテルパーティーは、ドイツの老舗ブランド「ダルマイヤーコーヒー」の認知度を高める新しいスタイルのパーティーをプロデュースする。

 問い合わせ=JPPA( www.partyplanner.jp ) 電話050(7527)2088。

「埼玉県観光人材育成」で締結、JTB首都圏や立教大学など

 JTB首都圏は2月16日、埼玉県、立教大学、埼玉りそな産業協力財団と協定を結び、埼玉県のそれぞれの地域で観光振興の牽引役として活躍できる人材を育成する「埼玉県観光人材育成」をスタートさせた。商工会議所や商工会、観光協会などの職員を対象に、地域の観光資源を発掘し、PRできる将来地域の観光リーダーになりうる人材を育成する。

 今年6月には「埼玉県観光育成講座」を開設する。JTB首都圏と立教大学観光学部が講座内容の企画やプログラムの監修を行い、講座の事業費は埼玉りそな産業協力財団が中心となって負担する。

“位置ゲー”のコロプラと連動、JTBの新形態旅行「コロ旅」

 JTBはこのほど、コロプラが運営するユーザー数約88万人の携帯位置ゲーム「コロニーな生活☆PLUS」(コロプラ)と連動したツアー「コロ旅」を売り出した。第1弾は、東京発着の岩手ツアー。1泊2日で岩手県内を一周し、ゲーム内の岩手県全地域のスタンプを取得し、岩手県を制覇する。

 コロプラは、携帯の位置情報を活用したゲーム。ユーザーは実際に場所を移動して情報を送ることで、ゲーム内通貨を稼ぎ、オリジナルコロニー(街)を育てる。携帯ゲームでありながら、実際の移動と連動するため、「リアルな旅」と融合させることで新たな顧客層の獲得や地域活性化を狙う。今後は各地にも対象を広げる予定。

新幹線開業で連携、青森・鹿児島がフェスタ

 青森県(三村申吾知事)と鹿児島県(伊藤祐一郎知事)は2月5日、東京都内のホテルで、東北・九州新幹線全線開業共同キャンペーン「青森・鹿児島 二倍満足フェスタ」を開いた。今年12月の東北新幹線全線開業、来年3月の九州新幹線全線開業を控えた両県がスクラムを組んで開業の周知をはかるのが目的。

 席上、あいさつに立った三村知事は「本州最北端から九州最南端まで新幹線が繋がる。新幹線新駅の新青森は八甲田とむつ湾が一望できる駅。開業で東京から3時間20分、2012年度末までには3時間5分で結ばれる。北から南から日本を元気にしていく」と述べた。

  一方、伊藤知事も「鹿児島と青森は形が似ているといわれる。鹿児島には大隅、薩摩の半島が、青森にも下北、津軽の半島があり、鹿児島をひっくり返せば青森とほぼ同じ形になる。また、世界自然遺産に屋久島と白神山地が登録されているが、その登録も同じ時期だった。お互いに競いあって観光客誘致に取り組みたい」と両県の連携を強調した。

 フェスタでは、両知事がプレゼンターになり、温泉や食、自然、文化、祭り・イベントなど両県の魅力を旅行会社に説明した。また、青森出身のオリンピックレスリング金メダリストの伊調馨さん、鹿児島出身の歌手の辛島美登里が食や温泉に関してふるさと自慢を行った。最後に東日本旅客鉄道の見並陽一常務と九州旅客鉄道の町孝常務が応援メッセージを送った。

 今回のフェスタに合わせ千葉県習志野市のジャスコ津田沼店では、同日から7日まで「青森 鹿児島合同フェア」を開催。両県の物産品の販売や観光地の紹介のほか、郷土芸能を披露した。

伊勢参拝昨年上回る、各エリアの新着情報も(三重県交流会)

 三重県(野呂昭彦知事)は2月4日、東京都内のホテルで2010年度三重県観光・記者発表会および交流会を開いた。交流会では、三重県内の観光行社や市町など約40団体がブース出展、松坂牛や伊勢海老など地元食材も振る舞われた。

 辰巳清和観光局長は、「1830年、伊勢神宮参拝が全国的なブームで、半年間で日本の人口の6人に1人、460万人が伊勢へ訪れたといわれている。今年はその年から数えてちょうど180年。60年に1度のおかげ参りの年。昨年は798万人と記録的な人が訪れ、今年はすでに1月で223万人と昨年を上回るペース。たくさんの方に来ていただきたい」とPR。

 エリアごとの担当者は新着情報を紹介。鳥羽・志摩エリアからは、海女さん自らが登場し、話題の海人小屋体験をPRした。海女さんたちと会話を楽しみながら、獲ったばかりの新鮮な魚介を炭火で贅沢に焼いて食べられる。

 東紀州エリアの担当者は、熊野古道から、初心者向けの松本峠コースをおすすめ。鬼ヶ城や七里御浜、獅子岩など世界遺産の集中地域でもある。

 中勢、松坂・奥伊勢エリアは来年のNHK大河ドラマ「江(ごう)~姫たちの戦国~」で、注目が集まりそうだ。江は織田信長の妹・お市の三女。幼少のころ、津市で暮らしたといわれている。

 毎年恒例の観光ポスターもお披露目された。「常若」「伝統」「繋ぐ」をキーワードに、新らしく架け替えられた伊勢神宮の宇治橋、紅葉の赤目四十八滝、夕暮れの関町、雨の熊野古道の風景が選ばれた。

 海女さんや忍者、レースクイーンをはじめ、人気マスコット、ご当地キャキャラクターが野呂知事を囲んでフォトセッションも行われた。

歌うバスガールと一緒、はとバス 往年の名曲聞きながら

 はとバス(東京)は定期観光遊覧開始記念日の3月19日、1日限定で「初代コロンビア・ローズさんミニ歌謡ショー シンフォニーランチクルーズとなつかしの昭和の歌でつづる東京ドライブ」を運行する。

 初代コロンビア・ローズを迎え、東京湾クルージング船「シンフォニー」でのミニ歌謡ショー付きの食事とクルージング。その後はバスに乗り換え、東京をドライブしながら懐メロゆかりの場所を、バスガイドとガイドOGが歌で紹介する。初代コロンビア・ローズが歌った「東京のバスガール」は、今も同社ガイドに歌い継がれているという。

 そのほかの披露曲は、「鉄道唱歌」(新橋)や「ああ上の駅」「リンゴの歌」(上野)、「高校三年生」(本郷)、「有楽町で逢いましょう」「君の名は」(晴海通り)など。料金は大人・子供ともに6600円。

 また、クルージング抜きで、バス乗車だけのAコース「あの歌が聞きたい!!なつかしの歌謡曲でつづる東京ドライブ」とBコース「蘇る青春!!フォークソング・ニューミュージックでつづる東京ドライブ」の2コースも合わせて運行。Bコースの披露曲は、「青春時代」(東京タワー付近)や「別れても好きな人」(六本木)、「恋の季節」(都庁展望台)、「神田川(御茶ノ水)、「学生街の喫茶店」(神保町)など。2コースの料金は大人、子供ともに2500円。

09年7-12月は7689人、中国個人観光ビザ発給件数、5-6月に要件緩和具体策 ― 溝畑観光庁長官

 観光庁の溝畑宏長官は1月27日に開いた定例会見で、中国の個人観光ビザの発給件数が昨年7月1日―12月31日までの半年間で、7689人にのぼったことを報告。現状では年間で団体が32万人程度(08年)、個人は2万人弱と圧倒的に団体が多く、「団体・個人ともにビザの発給件数を増やしていくには、今後個人ビザの要件緩和が需要な課題となる」と強調した。

 要件緩和への見通しについて、「現在、観光立国推進本部の外客誘致ワーキンググループの中で、関係省庁に経済(所得)要件の撤廃も含めて提案している。外務省や法務省などにも協力を求め、国土交通省成長戦略会議観光分科会での議論と連動しながら、早ければ上海万博が始まる5月、6月には具体的な方針、方向性を示したい」と語った。日本の旅行会社が空港で義務づけられている帰国確認といった手続き緩和なども、合意ができたものから緩和していきたい考えだ。北京、上海、広州に限定されていた発給地域は今年7月から中国全土に解禁されるが、すべての地域において条件緩和が適用される。「中国における外資企業のアウトバウンド事業の規制緩和もあわせて進めていきたい」とした。

「プロ野球、Jリーグと連携しスポーツ観光推進」

 溝畑長官は、「欧州では『スポーツ観光』は明確に位置付けられている。スポーツは大きな集客力があり、観光の中でも魅力あるコンテンツの一つ」と語り、観光庁はまずは、プロ野球やJリーグなどプロスポーツとの連携を進めいく考えを示した。

 プロ野球は北海道から九州まで12球団あり、年間2千万人の観客を集める。また、選手は北中米や韓国や台湾などに広がり、「国内観光やインバウンド活性化に向けて、観光とタイアップできるものがたくさんある」と述べた。今後は、大相撲やマラソン、F1などとの連携も視野に入れている。