2013年がスタート ― 国民が日本を良くする

 2013年という新しい年を迎えるにあたり、12年の年末に実施された衆議院総選挙について触れなければならない。政権与党だった民主党は壊滅的な惨敗を喫した。代わって自由民主党・公明党が政権を引き受けることになった。

 民主党政権が発足した3年数カ月前、多くの国民は閉塞している日本が変わるかもしれないと、久しぶりに大きな期待感を抱いた。しかし、鳩山内閣で普天間基地移設問題で信頼を失った。菅内閣では中国漁船問題など外交問題で不安を抱いた。その後、東日本大震災、原発事故の被災者への対応や、復興に対して迅速な行動ができなかったもたつきが、民主党政権への期待感を急速に下降させた。さらに、公約になかった消費税増税を打ち出したことで、党は分裂し、国民の心も離れていった。野田前首相は消費税増税に政治生命を賭して取り組んだ。ものすごいエネルギーで全力で立ち向かった。歴代首相が避けて通る消費税増税を掲げる勇気と、実行に向かう気魄に凄みを感じた。しかし、願わくば、これだけの稀有なエネルギーを国家の弛みきった組織改革や、議員削減に身を捨てて切り込んでほしかった。政治家が自らの血を流したうえで国民に消費税増税をお願いすべきだった。自民党の長期政権に嫌気がさした多くの国民との約束「マニフェスト」はあまりに軽く流れていった。そして、いつの間にか、違いを際立たせなければならないはずの、自民党・公明党と手を組んだ時点で、今回の民主党の壊滅的惨敗は確定した。

 2013年は安倍政権の下、スタートする。金融緩和など大胆な経済政策を打ち出している。デフレ脱却によって経済や財政は上手く回っていくのか。注意深く見守っていく必要がある。また、日本同様にトップが相次いで代わった中国や韓国、北朝鮮、ロシアなど近隣諸国、そして米国との外交も大切な問題だ。

 今回の総選挙の投票率は前回から約10%下落し、戦後最低となった。積極的な支持ではない。国民の視線は相当に厳しい。支持を失えば惨敗する。私は、これでいいと思う。政治家にはいつも緊張感を持ってほしい。権力は必ず腐敗する。政権は常に交代すべきである。そして、少しずつ、国民が日本の国を良くしていかなければならない。

(編集長・増田 剛) 

最大級の訪日誘客CP、中・韓など20―30代女性に(観光庁)

 観光庁は今冬、「Meet The New JAPAN Campaign 2013」を開き、国内最大級のインバウンドキャンペーンとして、訪日外国人旅行客の新規増加をはかる。

 閑散期の訪日旅行需要の喚起策として、東京・関西地区で、訪日外国人旅行客がパスポートを提示することで、普段は体験できないようなイベントや特典を提供するもの。

 コンセプトは「あなたの好きな日本がきっと見つかる。日本の魅力、新発見!」で、中国・台湾・香港・韓国の20―30代女性を中心にPRする。

 関西エリアは12月1日―13年2月28日、東京エリアは13年2月1日―3月31日で、百貨店やホテル、観光施設など約1万店舗が参加。大阪城での兜・陣羽織試着体験、高幡不動尊でキャンペーン・スペシャルサポーター、ミス日本のグランプリ2013との豆まき参加など季節性に富んだイベントや仕掛けを用意する。

 また、現地旅行会社とタイアップをし、キャンペーン・オリジナル認定ツアーを100本以上販売する。

 キャンペーンサポーターには日本在住の20人の外国人留学生が選ばれ、SNSでの発信や取材など多岐に渡る分野で外国人の視野を活用する。ホームページは英語・簡体語・繁体語・ハングル対応で、1月31日まで日本への航空チケットなどが当たるアンケートキャンペーンを実施。

 URL=http://meet-j.jp 。公式フェイスブック「Meet The New Japan Campaign2013」で検索。 

西村屋6代目社長・西村肇氏、「社長のかわら版」書籍に

 兵庫県・城崎温泉の老舗旅館「西村屋」6代目社長の西村肇氏が社長時代、阪神大震災後の1995年8月から16年あまり、社員の給料袋の中に西村氏の考え方や社会の動きを記した「社長かわら版」を差し入れていたものをまとめて、このほど書籍化された。「社員との絆」を何よりも大切に感じて、時には社員を激励し、宿の向かうべき方向性を示しながら、11年12月の社長退任まで毎月1度も欠かすことなく続けてきた。給料は現金支給にこだわった。

 「出迎え」と「見送り」の意味や、ミスが起こったときの対応など、語りかけるようにアドバイスしている。また、売上高や決算状況をオープンにし、経営者としての考えを伝えている。

 本書は希望者に先着順で提供している。

 問い合わせ=日観チェーン(安藤寛一所長) 電話:03(3354)3795。 

搭乗者が100万人突破、計画より1カ月早く(Peach)

井上CEOが記念品を贈呈
井上CEOが記念品を贈呈

 Peach Aviationは11月29日、累計搭乗者数が100万人を突破したと発表した。当初の計画では12月末の予定だったが、1カ月早く達成し、同日、関西国際空港発の鹿児島空港行きを利用した100万人目の乗客に記念品を贈呈した。また、売切れ次第終了の国内線全路線1千円など、「通算搭乗者100万人達成!!ありがとうキャンペーン」を各種展開している。

 井上慎一CEOは、100万人突破について「今年3月に就航して以来、この短い期間で100万人ものお客様にご利用いただき、大変嬉しい」とコメント。「これからもPeachは、日本のLCCの先駆者として、安全運航を何よりも優先させ、お客様に末永く愛される『空飛ぶ電車』を目指していく」と意気込みを語った。

 キャンペーンは、12月3―21日の搭乗期間の国内線運賃を売切れ次第終了の片道1千円で提供するほか、航空券購入者のなかから、実質航空券が100円になる抽選などを実施。また、12月27日まで、同社の公式フェイスブックに「いいね!」を押した人のなかから、抽選で100人にピーチポイント5千円分をプレゼントする。 

「ピンクリボンのお宿」冊子発行、加盟宿のお風呂情報紹介

 旅行新聞新社が事務局を務める、ピンクリボンのお宿ネットワーク(会長=畠ひで子・匠のこころ吉川屋女将)は12月7日、加盟するお宿情報をまとめた冊子「ピンクリボンのお宿」を発刊した。

 誌面では加盟するお宿のお風呂・温泉情報を中心に、「洗い場の仕切りがある」「脱衣所での配慮」「入浴着着用の有無」「貸切り風呂対応」などの項目から、特記事項を紹介。宿泊プランや特典情報のほか、コラム「気兼ねなく入る入浴方法」も掲載する。旅のガイドブックとして持ち運びも便利なA5判、カラー48ページで構成する。

 冊子は全国の病院や加盟宿などで配布するほか、希望者には1冊無料(送料別途)で送付も行う。 詳細はピンクリボンのお宿ネットワークホームページ(http://www.ryoko-net.co.jp/modules/pink_oyado )から。 

MICE国際競争力強化へ、委員会で議論、来春に提言(観光庁)

委員会のようす
委員会のようす

 観光庁は11月28日、中央合同庁舎で第1回「MICE国際競争力強化委員会」を開いた。

 近年、アジアなどの競合国が誘致に向け積極的に取り組みを行う一方、日本の競争力が相対的に低下傾向にある。

 同委員会では、誘致主体となる地方公共団体や民間企業などの誘致・開催に関する活動や競争力強化に向けた取り組みに力を入れていく。委員会には、東京大学副学長で教授の西村幸夫氏をはじめ、京都市やJTB法人東京などMICEに積極的な関係者、各省庁の担当者などが名を連ね、13年春の最終提言を目標に、2月は中間報告を行う予定。

 観光庁の井手憲文長官は、「この委員会は、MICEというものを今一度再認識してもらうために開かれた。日本のMICEがほかの外国並になるためには何が必要か、具体的にどうやっていくのか議論していただきたい」とあいさつした。

 観光庁の高見牧人参事官がMICEの意義とマーケットの動向を説明したあと、今後の課題として(1)マーケティング戦略の策定・実施(2)MICE推進体制の構築(3)受け入れ環境――の3つを提示した。

 東京都産業労働局長の中西充氏は「マーケティングを行い、ターゲットを絞るべき。海外市場の動向をより調べていくことで、日本のMICEのやり方を改めて見直す必要がある」と述べた。

 JTB法人東京代表取締役社長の川村益之氏は「国としてどれくらい協力できるかが焦点。海外とは要求のギャップがあり、それを埋めなければならない」と話し、ソフト面の問題では「窓口が一本化されておらず、どこに問い合わせたらいいのかが不透明なところも気になる」と指摘した。

 日本政府観光局(JNTO)理事長の松山良一氏は国・都市・民間でそれぞれの役割に対し、「心を一つにして取り組むことが重要だ」とし、強化する分野では啓蒙活動、人材育成、インフラを挙げた。日本コングレス&コンベンションビューロー(JCCB)副会長の石井清昭氏も人材の確保と育成を強調したうえで、自治体の理解力を上げることも大事だと話した。

 また、小委員会を設置し、第1・2回でマーケティング戦略の高度化の具体例を中心に議論する。

 なお、12月12日に東京国際フォーラムでMICEリーダーズシンポジウムを開き、講演やパネルディスカッションなどを通して、激化する国際的なMICE誘致競争のなかで、日本が求められる対応を探る。 

地元食材の料理実演、辻調の講師が女将らに紹介(熊本県)

料理セミナーin阿蘇
料理セミナーin阿蘇

 熊本県観光連盟は11月28、29日、熊本県阿蘇市の阿蘇ホテル一番館と山鹿市の山鹿温泉清流荘で、地元食材を使った料理セミナーを開いた。熊本県旅連女将の会の共催で、辻調グループと旅行新聞新社が企画・協力した。辻調グループの講師が、あか牛など地元の食材を使用した料理を実演で紹介したセミナーには、周辺の旅館・ホテルから女将や料理人、高校生などが参加した。

 同セミナーは、講師のアドバイスで県の食材を利用した料理に磨きをかけるとともに、改めて料理の基本的な知識を学び、新たな料理開発に生かすのが目的。1回目は今年の3月6日に天草市で開催し、地元の伊勢エビなどを使った料理を実演し、好評だった。

 2回目となる28日は、阿蘇エリアを対象に「阿蘇をイメージしたフランス料理のセミナー」をテーマに実施。辻調グループ西洋料理教授の杉本昌宏先生が、あか牛と高菜を使用した料理を披露したほか、同じ肉でも焼き方でうまみがより引き出せることなどをアドバイスした(詳細は2013年2月1日号掲載予定)。

料理セミナーin山鹿
料理セミナーin山鹿

 翌日の29日は、辻調グループ日本料理教授の中村泰弘教授が、山鹿エリアを対象にしたセミナー「やまが和牛と山鹿の地元食材を使った日本料理の実演」を開いた。地元の城北高等学校で調理を学ぶ生徒も約30人参加し、熱心にプロの話しに耳を傾けていた(詳細は13年3月1日号掲載予定)。

指導・監督の甘さ露呈、抜き打ち検査実施も、トムラウシ山遭難事故後の対応検証

会長する観光庁の河野総務課長(左)
会長する観光庁の河野総務課長(左)

 観光庁は11月30日、旅行会社アミューズトラベルが2009年に起こした北海道トムラウシ山のツアー登山での遭難事故後の国の対応の検証をまとめ、中間発表を行った。同社への計8回におよぶ立入検査がすべて事前連絡のものであることや、業務停止処分後の対応について規定がなく、処分後は2回の事前連絡による立入検査でチェックを終えていたことが判明。観光庁の対応の甘さを露呈した。今後、抜き打ちの立入検査の実施や、処分後の対応の規定を作ることを検討していく方針という。

【伊集院 悟】

≪観光庁、処分後の対応の規定づくり≫

 今年11月3日に中国の万里の長城付近で日本人3人が死亡する事故が起きたツアーを実施したアミューズトラベルは、09年にも北海道トムラウシ山のツアー登山で8人が死亡する遭難事故を起こしている。羽田雄一郎国土交通大臣は11月8日、今後の同社への立入検査、処分を含む旅行業者全体に対する指導監督の改善につなげるため、観光庁内に観光庁長官をトップとする検証のためのチームを設置し、検証するよう指示。検証チームでは09年7月―11年12月までに在職した観光庁幹部や管理職、担当者計14人にこの間の対応に関しヒアリングなどを行い、中間報告をまとめて11月30日に発表。同日、観光庁総務課の河野春彦課長が会見を開いた。

 09年7月16日の事故発生後、7月31日と10月6日の2回の聴取をはさみ、第1回の立入検査が行われたのは11月5日。立入検査が遅れた理由に(1)まずは聴取という手段をとったこと(2)警察の捜査が行われていたこと(3)日本山岳ガイド協会の「トムラウシ山遭難事故調査特別委員会」が設置され、その状況を注視していたこと(4)ツアー登山の専門家の知見を集めて全体的な対応を行うべく、有識者からなる「ツアー登山安全対策連絡会議」の準備をしつつ、立入検査でチェックすべき項目の精査を行っていたこと――などを挙げた。

 10年3月31日、「旅行業者が行うツアー登山の安全確保」を取りまとめ、旅行業協会とアミューズトラベルへ指導文書を通達し、「ツアー登山運行ガイドライン」の遵守、ツアー登山の企画内容・実施体制・管理体制などの総点検と確認をするよう促した。6月10日、22日に同社の安全対策について同社社長から聴取。7月から10月にかけての4度の立入検査を経て、12月15日、旅行業務に関する管理・監督義務の違反などを理由に51日間の業務停止処分を行った。

 3月8日、法律違反がないことから、法定の拒否事由がないとして同社の旅行業の登録更新については認め、6月30日と12月12日の立入検査をもち、同社への検査・監督を終えている。

 河野課長は事故後の対応について、「8回の立入検査や指導・処分などについては、法例に則って行ったので職務をまっとうしている」としたうえで、「結果的に、その後に遭難事故を起こしているので、不十分な点があったことも事実」とする見解を述べた。

 鉄道局など、他庁や他局では検査専門の職員を確保しているが、観光庁の場合は、他の業務も行いながら旅行業の指導・監督に従事する要員として本庁17人、地方運輸局71人だけで対応。観光庁長官登録の第1種旅行業者(12年4月時点で726社)については、立入検査は平均すると約10年に1回だけとなる。また、問題を起こしたり処分された会社への対応について規定がなく、処分後の同社への立入検査も、規定ではなく自主的な判断という。さらに、立入検査はすべて事前通告で、抜き打ち検査は一度も行っていない。

 河野課長は観光庁の見解として、今後について「抜き打ち検査の実施や、処分後の対応の規定を作ることを検討していく方針」と話す。同社への指導に関しては、会社側が提出した書面へのチェックや、提出のあったツアーのみをサンプリングチェックするに留まり、同庁からの積極的な監督は行っておらず、またそれを義務付ける規定もないのが現状だ。

 今後の改善策について既出の「抜き打ち検査の実施」や「処分後の対応の規定作り」に加え、(1)処分の厳罰化(2)検査方法の改善(3)処分後の立入検査の継続的かつ頻度を高めての実施(4)組織的な安全のマネジメントなど安全管理体制の確立(5)重大事案の処理では、全体の方針だけでなく、個別具体的な対応についても観光庁幹部がみずから能動的に指揮を取ること――などを挙げている。

 なお、最終報告は年内をめどに出される予定だが、基本的にはこの中間報告がベースになるという。

長距離が好調、JTB年末年始旅行動向

≪国内は北海道、沖縄、海外は欧州、米国本土≫

 JTB(田川博己社長)がこのほど発表した、年末年始(2012年12月23日―13年1月3日)の旅行動向によると、1泊以上の旅行に出かける人数は前年比1・3%増の3002万8千人と、6年ぶりに3千万人台となる見込み。国内旅行は同1・3%増の2937万1千人、海外旅行は同0・3%増の65万7千人と、国内・海外ともに前年より増加した。海外旅行人数は、過去最高を記録した96―97年に次いで2番目になる見込み。旅行動向は、JTB予約状況、航空会社予約状況、業界動向、1200人へのアンケート調査などから推計した。

 国内旅行をみると、長期の休みを利用して沖縄や九州、北海道など長距離方面への旅行者が増加する見込み。また、開業後初の年末年始を迎える東京スカイツリーや、改装を終えた東京駅周辺を中心に都心のホテルはクリスマスから年末年始にかけて人気を集めている。

 13年に式年遷宮を迎える伊勢神宮は、正月の参拝客が増えると予想されており、12月31日から年明けまで三重県・鳥羽、賢島、長嶋地区の温泉施設などの予約が前年を大きく上回っている。東北地域では、13年の大河ドラマの舞台である福島県会津の奥座敷・東山温泉や、土湯、磐梯熱海の予約が堅調で、現地を旅行することで震災復興を応援する動きが続いている。

 出発日のピークは12月29、31日、帰着日は1月3、6日に集中する模様。旅行日数は長期の休みを利用して3泊以上が増加。1泊2日が同2・2%減の32・7%と最も多い。次に2泊3日、3泊4日と続いた。

 旅行の同行者は「家族」が6・4%減の65・9%と最多。旅行目的は「実家で過ごすため」が4・4%減の36・0%と昨年より減少しているが、「家族や友人と一緒に過ごす」が3・9%増の40・4%で、昨年から引き続き絆を大切にする傾向が見られる。

 また、宿泊施設の意向では、「実家」が4・5%減の45・5%と比率が下がっているが、都市滞在や友人同士の旅行に適したホテルが7・4%増の27・6%、旅館・ホテル・民宿・ペンションも4・3%増の43・1%と増えていることから、今年の年末年始は、まとまった長期の休暇を利用して、普段なかなか一緒の時間をとれない人と旅行に出かける人が多くなる見込み。

 海外旅行は、日並びの良さや、引き続き円高基調であることから、ヨーロッパやアメリカ本土など長距離方面の旅行が増加。そのほか洪水被害から回復したタイ、マリーナ地区が人気のシンガポール、バリ島なども好調。出発のピークは12月29、30日が最も多く、年始の1月3日までラッシュが続く見込み。帰国は1月3、6日がピークとなりそうだ。

 平均旅行費用は国内が同0・4%増の3万800円、海外旅行が同2・6%増の20万7千円となる見通し。 

約1千人が東北へ、役員含め会員が各地視察(JATA)

上野駅で出発式
上野駅で出発式

 日本旅行業協会(JATA)は12月3、4日の2日間、「JATA東北復興支援プロジェクト『行こうよ!東北』」を実施した。今後の商品造成に生かし、東北観光の需要を拡大するため、会員会社の121社・935人と各現地の会員合計約1千人が、東北6県・28コースに分かれて視察を行った。菊間潤吾会長をはじめ、JATA役員もそれぞれコースに分かれて各地を視察した。

 3日の朝、貸切団体列車で出発する約700人が上野駅に集合し、出発式を行った。菊間会長は参加者を前に「観光庁の発表によると、3月から9月の東北への観光客数は3080万人と対前年で7%増加したが、震災前と比べると10%近く減少している。この10%をどう上乗せするか」と数字を示しながら「2日間という短い期間だが、真剣に東北と向かい合い、プロの目で見れば現地の人々や風景、食事から色々な新しい発見があると思う。新しい東北の魅力を1人でも多くの人に紹介し、ご案内することが我われの使命。現地で精力的に観光の目玉となりそうなものを発見し、次につなげてほしい」と呼び掛けた。中村達朗理事長は「1人でも多くの人を東北へ送ることが我われの使命」とし、「新しい商品づくりをしてほしい」と期待を込めた。

各地で盛大な歓迎(仙台駅)
各地で盛大な歓迎(仙台駅)

 今回は6県の各エリアの特色を生かし、ボランティアも含む多彩な体験を盛り込んだ。4コースのみ日帰りで設定したほかは、1泊2日で各地を巡った。コースごとに福島や仙台など、降りる駅が異なったが、どの駅でも現地の関係者が横断幕を用意して歓迎するなど、現地の期待が表れていた。宮城コースは、仙台駅に伊達の武将隊やゆるキャラ・むすび丸なども駆けつけ、盛大な出迎えが行われた。

 なお、今回参加した会員を対象に、商品企画コンテストを実施する。