広島・三原 食の魅力を発信するマーケットの定期開催決定

2018年5月18日(金) 配信 

出店者とメニュー黒板

広島県三原市の食の魅力を発信する「瀬戸内みはら 美味しいMARKEEE(t)(マーケー)」の定期開催が決定した。第1回は2018年5月27日(日)、広島・三原駅前市民広場に飲食店24店舗(新規5店舗)、ハンドメイド6店舗(同3店舗)が集まる。

定期開催の背景

試験開催時のようす

 イベントを運営する「まちづくり三原(勝村善博代表)」は、2018年2月25日(日)に「瀬戸内みはら 美味しいMARKEEE(t)」のテスト事業を実施した。当日は飲食店24店舗、ハンドメイド4店舗の出店と、約3,500人の来場者を迎える大盛況。予想以上の来場客になり、開始後1時間程度で売り切れる店舗も出たほどという。

 2月のテスト事業成功を受けて、「瀬戸内みはら 美味しいMARKEEE(t)」を5、7、9、11月に定期開催することを決定した。

「瀬戸内みはら 美味しいMARKEEE(t)」

 三原の食の魅力を発信することを通じて、三原の食を目的に来ていただくお客様づくりと、三原の飲食店のレベルアップ、ブランド力向上とPR を目的としている。三原の恵まれた気候によって育まれた農漁業産品、生産者の手仕事にこだわった美味しいもの・良いものを集め、各店がイベントのために新商品の開発など新しいチャレンジに取り組んでいる。

 ネーミングの「MARKEEE(t)」は「マーケー」と呼び、「マーケット」と「広島の言葉で“まあ来なさい”を意味する“まぁけぇ”」を掛け合わした造語。

 5月27日(日)の開催では、道の駅みはら神明の里が市内の特産物である「米粉」と「神明鶏」を使用したオリジナルメニュー、「くりーむパン」で有名な八天堂がセミハードパンが販売される。そのほか、出店者が工夫を凝らしたメニューが勢ぞろいする。

<開催概要>

名称:瀬戸内みはら 美味しいMARKEEE(t)

開催日時:2018年5月27日(日) 午前10:00~午後3:30

開催場所:三原駅前市民広場

※7月29日(日)、9月23日(日)、11月25日(日)の開催時間と場所は、5月17日時点調整中。

url

Facebook

会社概要

 まちづくり三原は、中心市街地活性化を促進し、まちなかの魅力と資産価値を高め、まちなかの再生を目指している企業。創業促進事業や遊休土地活用に向けた調査や整備事業、市内事業所活性化のためのイベントなど展開している。

会社名:株式会社まちづくり三原

所在地:広島県三原市港町1-2-26 渡辺ビル2F

代表者:勝村 善博

設立:2009年

事業内容:まちづくりに関する事業推進及び実施、企画調整、調査研究

url

民泊届け出724件 違法民泊へ対策会議開く 観光庁

2018年5月18日(金) 配信 

長官会見で報告する田村明比古観光庁長官(5月17日撮影)

 

住宅宿泊事業(民泊)の施行(6月15日)まで1カ月を切ったことを受け、観光庁は5月17日(木)の会見で状況を報告した。民泊の届け出は5月11日(金)時点で724件と依然動きは鈍かった。仲介業の登録申請は33件で、管理業は512件だった。同日には違法民泊の取り締まり強化のため、21日(月)に厚生労働省や警察庁らと対策会議を開くと発表があった。

 届け出は4月から500件ほど増えたものの、訪日外国人が頻繁に訪れる東京や大阪は「現時点では多くない」(田村明比古長官)という。田村長官は「施行日を過ぎてから増えていく可能性もあり、推移をみていったほうがいい」とした。

 民泊ポータルサイトのアクセス数では、3月の開設当初は2万5千回だったが、16万9千回と大きく増えた。コールセンターは5月に入り問い合わせが増加。問い合わせの1週間平均は85件で、平日だけに絞ると平均120件だった。

 一方、仲介業者らが業界団体の設立に向け準備をしているとの報告があり、田村長官は「民間事業者の連携も得て民泊の適正化に努めていきたい」と述べた。

 21日の対策会議では関係省庁や現場レベルでの連携強化など、今後の対策を議論していく。「施行まで1カ月を切り、改めて違法民泊対策と民泊の適正な普及に向けギアアップをはかる」と説明した。

〈旬刊旅行新聞5月11・21日合併号コラム〉茨城の海 外連味のなさが妙にしっくりとくる

2018年5月18日(金)配信 

茨城県の日立・太田尻海岸

 

 九州の小さな海辺の町に生まれ、幼いころから海とは親しんできた。遠浅の海のせいで、干潮時には随分遠くまで潮が引き、岸から数百㍍離れたころに、ピッチャーマウンドのような砂浜が浮かび上がる。小学生のころ、よくその小さな砂浜で遊んでいて、ふと辺りを見渡すと満ち潮が音もなく、周りを覆っていたことがあり、その風景は今でも時折、夢に現れる。

 高校時代には、50㏄のオートバイで海岸線を好んで走った。誰もいない砂浜に寝転がって、波の音を聴いているうちに、日が傾き、夕暮れになる。「この海の向こうは四国なのかな」と、瀬戸内海の西端から海の果てを想像していた。

 今号の1面特集では、茨城県の海辺に佇む2軒の独創的な小宿の館主が対談した。

 プライベートビーチのような日立・太田尻海岸の白浜に佇む「うのしまヴィラ」(館主・原田実能氏)と、大洗海岸の波打ち際の宿「里海邸 金波楼本邸」(主人・石井盛志氏)だ。

 海は一つひとつ表情が違う。とくに茨城の海岸線から眺める海は、独特な雰囲気があり、印象的だ。

 神奈川の湘南や、千葉の九十九里浜の波とも異なる。言うなれば、見る者に一切、迎合しない表情だ。広い関東平野を海辺の方に北上していくと、天体や雲の動きが一層ダイナミックに映る。大海原が水平線まで広がる、青く澄み切った空も圧巻だが、分厚い雲と、強めの風、灰色の雨が景色を消す海面も、迫力がある。

 心身ともに充実し、心が穏やかなときには、凪いだ海や静かな湖畔に心地よさを感じる。しかし、人間関係に疲れ果てたり、挫折や気分が荒れてしまった心理状態のときには、茨城の外連味のない海が、妙にしっくりとくるのだ。

 私は南の海辺で育ったせいか、北の海に心惹かれる。クロード・ルルーシュ監督の映画「男と女」の舞台となった北フランスの海辺のリゾート「ドーヴィル」の風景などがそうだ。

 一方で、米国カリフォルニアの乾いた海にも憧れがある。広大な砂漠と、退廃的な雰囲気を纏わせるホテルがある海辺の街。東京都心からクルマのハンドルを握り、茨城の海岸線を走るとき、「夢のカリフォルニア」や「ホテルカリフォルニア」の音楽が似合うのはなぜだろうか。風景のドライさと、ウェットな情緒を結びつけさせるエリアだからかもしれない。

 うのしまヴィラの原田氏と、里海邸の石井氏との対談は、スリリングだった。昼過ぎから始めた対談は、いつの間にか夕方近くになっていた。対談が殺風景な貸会議室のような場所ではなく、太田尻海岸の水平線を眺めながら、静かに行うことができたのは幸運であった。というのも、私自身、対談中に多くのインスピレーションを得ることができたからだ。

 毎日、小さな宿で海を眺めながらお客を迎えている2人の館主。日々、波の音や、海の表情、雲や天体の動きから新たな着想を得ているのだろうと、何度も思った。2人は建築や空間デザイン、音楽、映画、絵画、家具、器、料理、ファッションにも鋭い感性と知識への貪欲さを持っている。人工的な空間ではなく、自然を土台としながら、旅人の「孤」と「つながり」について深く思索し、自然との融合を追求しているところに凄みを感じる。

(編集長・増田 剛)

岩手県北バス、「仙台空港・松島・平泉線」をいわて花巻空港まで延伸

2018年5月18日(金) 配信

松島海岸や中尊寺などの観光地へのアクセスが容易に(写真はイメージ)

岩手県北自動車(岩手県北バス)が、「仙台空港・松島・平泉線」をいわて花巻空港まで延伸した。2つの地方空港を結ぶ観光路線バスは、日本初。海外で知名度が高い花巻温泉郷を併せて発信することで、松島・平泉・花巻を一体でアピール。東北観光周遊ルートの起点を2空港に増やし、旅行商品の開発や FIT(個人旅行)ニーズへの対応も容易にした。

 「仙台空港・松島・平泉線」は、仙台空港を起点に日本三景松島と世界文化遺産平泉をガイド付きで直行する便として、昨年運行を開始した。同社は、仙台空港から松島・平泉を経て、いわて花巻空港に至るルートを“東北のゴールデンルート”と評価し、訪日外国人の地方周遊を促進する重要な役割を担う交通手段に位置づける。

 車内では、ガイドが観光案内・情報の提供を行い、 外国人向けの5言語アナウンス・システムも導入済み。全車に国内外すべてのキャリアに対応する無料Wi-Fiも用意している。

 チケットは予約の必要がなく、車内購入も可能。利用者は、松島観光物産館と平泉レストハウスで手荷物を無料で預けられるほか、指定施設でバス乗車券を提示すれば、さまざまな特典を受けられる。

中国地方に初出店、ロイヤルパークホテルズが今秋広島で開業

2018年5月18日(金) 配信

広島市中区上幟ホテル計画地(仮称)

三菱地所グループのロイヤルパークホテズアンドリゾーツ( 河野雅明社長、東京都千代田区)はこのほど、広島リバーサイドホテルが所有する広島県市中区上幟町 7丁目の建物を賃借し、2018年秋にホテルを出店すると発表した。改装のうえで開業する予定。中国地方への出店は今回が初めて。

 広島県は原爆ドームや厳島神社など観光資源が豊富で、アメリカや欧州、オーストラリアなど多数のインバウンド観光客が訪問する。今回の計画地は広島駅から徒歩5分と、レジャー客、ビジネス客双方に利便性の高い立地だ。

 ロイヤルパークホテルはフルサービス型ホテルと、宿泊主体型の「ザ ロイヤルパークホテル(+都市名)」「ザ ロイヤルパーク キャンバス(+都市名)」の計3ブランドを全国展開しているが、今回はさまざまなニーズに応えるため、宿泊主体型のホテルを開業する。

 同社は今後もチェーン拡大をはかっていく方針だ。

ホテル計画概要

施設構成:客室127室、飲食施設、宴会場など

ホテル経営・運営:ロイヤルパークホテルズアンドリゾーツ(三菱地100%出資)

デザイン監修:メック・デザイン・インターナショナル

スケジュール:2018年秋オープン

物件名称:ホテルJALシティ広島

所在地:広島県広島市中区上幟町7-14

敷地面積:716・16平方㍍

構造規模:鉄骨造、地上14階、塔屋1階

アパリゾート上越妙高 6月20日から新体験型ナイトイベント

2018年5月18日(金) 配信 

アパリュージョン2018 キービジュアル

アパグループ(元谷外志雄代表、東京都港区赤坂)が運営するアパリゾート上越妙高(新潟県妙高市)は6月20日(水)から、新たな体験型ナイトイベント「アパリュージョン2018」を開く。国内最大級の敷地面積で行うプロジェクションマッピングや、160万球の電球を使ったイルミネーションなど楽しめる。

 会期は2018年6月20日(水)~2018年11月15日(木)まで。オープン当日の6月20日(水)~22日(金)の3日間は、女性を入場無料で招待する。さらに、5月16日(水)に発売開始した前売券を、入場ゲートまたはスターライトテラス内の売店(ベガ☆アルタイル)で提示すると、会場内の飲食・売店の50円割引券3枚(150円分)をプレゼントする。

五感で体験!7つの異次元世界

 今年から始まるアパリゾート上越妙高のイルミネーション「アパリュージョン」は、昨年までのイルミネーションの内容をすべて一新し、これまでに見たことのないような7つのコンテンツを用意した。見て、感じて、触れて楽しめる、“五感体験型”のナイトイベントが楽しめる。

【すべてが新しい7つのコンテンツをピックアップ】

一部コンテンツを紹介。フォトジェニックな1枚を「#アパリュージョン」で投稿して自慢しよう!

①星座が瞬くミルキーウェイ

星座が瞬くミルキーウェイ

 長さ300㍍の道をイルミネーションが彩り、まるで天の川を歩いているような感覚に。家族、友達、恋人と、ベストショットポイントを探してみては。

②フォトジェニックナイトサファリ

フォトジェニックナイトサファリ

 たくさんの可愛い動物に囲まれて写真が撮れるスポットを多数用意。他では体験できない、光る動物との撮影を楽しめる。

アパリュージョン2018について

名称:APALLUSION2018(アパリュージョン2018)

開催期間:2018年6月20日(水)~11月15日(木)毎日開催 149日間

 ※荒天時は営業休止または内容の変更あり

 6月20日(水)~8月31日(金) 午後6:00~11:00(最終入場10:00)

 9月1日(土)~11月15日(木) 午後5:00~10:00(最終入場9:00)

総合プロデューサープロフィール

丸々もとお氏

夜景評論家/イルミネーションプロデューサー

日本でも唯一無二の夜景評論家として本格的活動を始める。

夜景観光のパイオニアとして、神戸市、横浜市、長崎市、川崎市、足利市、広島県、札幌市などで夜景観光アドバイザーを歴任。イルミネーションプロデューサーとして「八ウステンボス」などの全国の大型イルミネーションを多数手掛ける。夜景検定の総監修。工場夜景の仕掛け人の顔も。

公式HP「スーパー夜景サイト」:

チケット情報

【料金(税込)】

種別

一般

小学生

当日券

1,500円

1,000円

前売券

1,400円

900円

※小学生未満無料

【前売券の購入について】

項目

内容

販売期間

2018年5月16日(水)~11月14日(水) 183日間

販売場所

(1)アパホテルフロント(首都圏・新潟・北陸・東海地区限定)

(2)ローソンチケット、チケットぴあ、イープラス

特典

スターライトテラス割引券進呈

入場ゲートまたはスターライトテラス内売店(ベガ☆アルタイル)で前売り券を提示すると、会場内の飲食・売店の50円割引券3枚(150円分)をプレゼント。

※500円毎に1枚使用可

諸注意

利用前日までの購入

アパリゾート上越妙高について

アパホテル&リゾート〈上越妙高〉

〒949-2224 新潟県妙高市桶海1090

TELナビダイヤル 0570-004-111

FAX0255-82-4011

アクセス:

◇車の場合

[長野方面から]

 上信越自動車道「妙高高原I.C」から国道18号線で18㌔

[北陸方面から]

 上信越自動車道「中郷I.C」から国道18号線で14㌔

◇電車の場合

[東京・北陸方面から]

 北陸新幹線→JR「上越妙高」駅下車

HP

女子会向けお遍路ツアー企画 アトリエ香川

2018年5月18日(金) 配信

各種霊場巡礼用品を販売するアトリエ香川(香川県木田郡三木町)はこのほど、「らくらくお遍路」のブランド名で、お遍路(四国八十八ヶ所)ツアーの販売を始めた。女子会や外国人、高齢者向けのツアーを企画している。

 同社は「お遍路さんと共に歩んで40年あまり」。四国八十八ヶ所霊場会の公認先達が5人在籍し、これまで先達の派遣や巡礼用品の販売、納経軸の表装・修理に至るまで、お遍路文化に貢献してきた。今年2月には、新たに地域限定旅行業の資格を取得。「お遍路さんをもっと楽しくもっと気楽にもっと開運を!」をテーマに、よりディープなお遍路体験を提案していく。

らくらくお遍路の特徴

1)公認先達が同行

2)移動は基本的に「歩き遍路」とタクシーを利用

3)通訳をつけられる(※オプション1人2万5千円)

4)ツアー代金はお遍路衣装レンタル代込み

女子会・小家族向け商品一例

「スイーツ順礼&お遍路体験」や「恋愛成就!お遍路体験」ツアー

 香川県さぬき市の有名スイーツを食べながらのんびりゆっくり「結願(けちがん)ロード」を遍路したり、ピンクのうどんが入った「たらいうどん」を食べたり、恋愛パワースポットを巡ったりと、気の合う仲間でゆっくりと遍路体験が楽しめる。

旅行会社と協業 ウィンウィンの関係築く (横浜中華街・招福門)

2018年5月18日(金) 配信

【図表】国内宿泊における団体と個人旅行者数の推移(増減率)、観光庁の資料を基に、旬刊旅行新聞編集部が作成した

旅行会社を経由した団体客の取り込みをどう立て直していくのか? FIT(個人旅行客)全盛のなかで、この問いに対する答えを見つけることは難しい。IT技術を活用した販売管理や営業努力に頼るだけでなく、コンテンツ力や旅行会社との関係強化も視野に入れる必要がありそうだ。実践例を求め、横浜中華街・招福門(6階、570席)を訪ねた。【謝 谷楓】

個人と団体客 双方に照準

 団体旅行の減少が著しい。2017年と13年を比較すると、団体旅行者数(延べ)は15%のマイナスと大きく落ち込んだ。個人旅行者数が順調に推移しているだけに、両者の差は今後ますます深まることが予想される。これまで、団体客の取り込みを念頭に施設や設備の投資・設計を行った観光関連事業者も多く、すぐさまターゲットをFITに鞍替えすることは容易いことではない。投資費用の回収を思えば、TTA(既存旅行会社)からの送客は、欠かすことのできない収入源。団体旅行の減少は、ホテル・旅館や飲食店、土産物屋ら地域に根付く事業者にとって、看過できない事態となっているのだ。

 団体客をいかに増やすか? 設備などハード面の変更が困難ななか、旅行会社の事務所訪問や、営業代行を担う総合案内所を経由したセールスなど、施設担当者の工夫は尽きない。一方【図表】が示すように、団体と個人旅行の増減率の差は明らか。時代の流れに即しつつ、団体客にも照準を定める、ハイブリット型の戦略が求められている。そんななか、長年培ったコンテンツ力を武器に、新しい仕掛けを提案する施設も出てきた。

インタビューに応じてくれた、横浜中華街・招福門の小林清美営業部長

品質と価格、個人客はバランスの良さで獲得

 1999年にオープンし、横浜中華街で飲茶食べ放題を広めた招福門(勝田俊也代表、神奈川県横浜市)では、1月から新たに美食同源ブッフェフロアを設け、「新中国料理・オーダー式食べ放題」の提供を始めた。F2層(35―49歳の女性)の獲得に注力している。同社営業部長の小林清美氏は、団体と個人双方を意識した商品だとしたうえで、次のように語る。

七種野菜の烏龍茶漬け(新中国料理・オーダー式食べ放題メニューより、提供=招福門)

 「モノからコト消費への転換など、国内ユーザーの成熟が顕著ななか、高い品質を維持しつつ、価格を据え置くというバランスの良さが求められています。新しく設けたフロアのコンセプトは美食同源。料理100種のうち、薬膳を意識したものを約20種用意しました。中華街で食べ放題は一般化していますが、この価格(3758円、ランチ、ディナー同じ)でこのクオリティを提供することは容易いことではありません。大規模店ならではの取り組みで、差別化をはかっていきたいと考えているのです」。

 飲茶食べ放題とフカヒレのコース料理が経営の柱となっている同店。各々F1(20―34歳)層とミドル世代後半の女性を中心に支持を集めてきた。F2層をターゲットに据え、新設ブッフェフロアで提供する新中国料理・オーダー式食べ放題は、これまでの取りこぼしを拾い上げる狙いもある。

 「20歳代にとって、4千円に近い価格は高いと感じるかもしれませんが、美容に対する関心がより高いF2層には刺さるテーマです。当店は飲茶食べ放題を中華街で最初に始めたこともあって、リピーターが豊富です。得意客のなかでも、美味しさ以上の価値を求めるようになった大人の女性を取り込めると考えています」。

 ユーザーの消費動向を理解したうえで、自社の強みと顧客需要のマッチングポイントを探り当て、商品化に漕ぎつけた一例といえよう。では、団体客の獲得につながる旅行会社との関係構築についてはどうか。

旅行会社の視点に立ったコンテンツづくりを

雲白肉 ~ゆで豚の薄切り薬膳ニンニクソース~(新中国料理・オーダー式食べ放題メニューより、提供=招福門)

 招福門では、旅行会社向けには、3600~1万5千円台の宴会メニュー(8種)を用意するほか、ランチを中心に飲茶セット(2千円から)の提供も行ってきた。団体客1人当たりの平均単価は4千円。宴会需要が減少するなか、ランチ単価の底上げが求められていたという。自社の利益に直結する単価を引き上げつつ、旅行会社からの送客を促す。相矛盾する2つの課題を同時に解決するためにも、新設の食べ放題は有効だと小林氏は説明する。

 「当店の利益を確保しつつ、旅行会社からの送客を促すことは本当に難しい。実際、断らざるを得ない単価から商談を始めることもあり、頭を抱えることも少なくありません。一方、団体客が占める割合は25%(年間8万人)、宴会場の稼働やお土産購入も期待できるため、旅行会社経由の送客は当店にとって欠かすことのできない比重を占めています。自社と旅行会社、ウィンウィンの関係を維持するためにできることを考えたとき辿り着いたのが、旅行会社の視点に立ったコンテンツづくりでした。飲食店である当店は、ターゲット選定と受入対応で、旅行会社をサポートできると考えています」。

白身魚のガダイフ巻き上げザクロソース(新中国料理・オーダー式食べ放題メニューより、提供=招福門)

 旅行商品のなかで、飲食店は通過ポイントと見なされる場合が多い。売上は〈席数×回転数×客単価〉から求められ、座席と回転数の積がその日の客数となる。単価か回転数いずれかを高めことができれば売上増を期待できる仕組みだ。旅ナカの通過点となるため、時間ごとにどれだけ回転数を上げられるかが闘いとなるが、平均単価(4千円)を顧慮すると、単価の引き上げは難しい。商談でもやはり、高品質のコンテンツをどれだけ低価格で提供できるかが成否を分けてしまう。

 「一般ユーザーの視点に立つ旅行会社が、価格にシビアなのは当たり前のことですから、送客増を望む我われが、その意図を汲み取ることは当然です。そのためには、しっかりとターゲットに刺さるコンテンツをつくり、商品造成に資する提案を行うことが必要だと捉えています。例えば、美食同源をテーマとした新設の食べ放題では、F2層にメインターゲットを据えていますから、旅行会社の狙う団体層と合致すれば、営業提案を協力して行うことが可能となります。旅行会社の担当者にとって、心強い味方でありたいと考えているのです」。

 同食べ放題はすでに、FIT向けのプラン商品に起用され、早くも実績を上げている。

デザート イメージ(新中国料理・オーダー式食べ放題メニューより、提供=招福門)

 「クーポンや、大型バスの無料駐車場、添乗員への食事対応など、現場レベルでも送客をサポートする仕組みが整っています。立ち寄れない団体客のために、車内販売を行うこともあります。バスの車内で注文を伺えば、その日のうちに届けることが可能です。旅行会社と事業者間には良くも悪くも緊張関係があるものですが、団体客が減少するなか、旅行会社任せにするのではなく協業する姿勢を示すことで、ウィンウィンの関係を構築していきたいですね」。

 大手旅行会社が販売する宴会パック商品でも、毎年高い評価を獲得している招福門。長年培ったコンテンツ力で、時代に立ち向かう。

【特集 No.492】茨城の海辺の“独創的”な小宿 うのしまヴィラ×里海邸 金波楼本邸

2018年5月18日(金) 配信

 茨城県の海辺に“独創的”な小宿がある。1つは日立・太田尻海岸のビーチに面した「うのしまヴィラ」(館主・原田実能氏)。もう1つは、大洗海岸の波打ち際にある「里海邸 金波楼本邸」(主人・石井盛志氏)だ。うのしまヴィラは「気軽に泊まれるセカンドハウス」がコンセプト。里海邸は保養地・大洗海岸の自然環境を生かした「別荘宿」をテーマとしている。天体や雲がダイナミックに動き、大海原が水平線まで広がる茨城の海辺で思索的な宿づくりをする、原田氏と石井氏の対談が実現した。
【増田 剛】

石井氏『いかに装いを崩していくか』
原田氏『“深日常”提供する空間に』

 石井 文明開化期の1888年ごろ、里海邸の前身である金波楼が開業しました。

 当時の大洗には潮湯治に来る流れがありました。金波楼には桟敷席で食事ができ、大洗海岸の自然環境を味わう舞台も備えていました。滞在志向で、ゆっくりと時間をかけて大洗の空気を満喫する思想や設計が建築にも表れていました。木造のしゃれた擬洋風の建物でしたが、団体旅行ブーム期には鉄筋化しました。

 2011年に里海邸に変えるときには、自分の性質に合った宿を作りたいという思いが強くありました。今の建物も鉄筋コンクリートですが、創業時の思想を自分なりに研究して、もう一度かたちにしたいという思いはあります。

 女将と結婚して、宿の6代目になったとき、「自分の人生でもあるので自分のやりたいようにやらせてほしい」というようなことを言いました。女将とはたくさんの宿に泊まりに行きました。

 ――夫婦でぶつかることはありますか。

 石井 毎日ぶつかっています。

 ――どの部分でぶつかるのですか。

 石井 お客様の滞在中の品質について「絶え間なく」です。チェックインからチェックアウトまで何度も打ち合わせと議論が続きます。

 例えば、外は風が吹いている。窓を開けるか、閉めるか。そのことで議論になります。私は少し寒くても、お客様が上着を羽織ることになったとしても、「開けよう」と言います。でも女将は「窓を閉めて部屋を暖かくしないと、年配のお客様もいらっしゃるし、快適ではなくなる」と主張します。ごもっともな意見ですが、この宿の場所が持つ価値観を伝えるためには、「暖房よりも上着を着させなさい」と私は言うのです。そういったせめぎ合いが毎日続いて、サッカーの局面が一秒ごとに変化するように、議論し合っています。スタッフも同じような意識で「こうした方がいい」という意見を戦わせ合っています。

 里海邸は「海辺でゆっくりと過ごす別荘を味わっていただく」ことがテーマです。私たちはモノを作っているわけでもないのですが、色々な部分でクリエイティブなのだと思います。保養の空間、時間、空気感、流れる音楽の音量、置いてあるイスの幅、話す声のトーン、歩く足音まで、スタッフも細やかにこだわっています。

 ――疲れませんか。

 石井 疲れちゃいますよね。でも、そういったものの積み上げで独特の雰囲気が出ているのかもしれません。快適性の追求だけでは宿の文化としては面白くないので、いかに大洗の自然環境を味わってもらい、五感に訴え、記憶に焼き付けていくかを考えています。

 ――うのしまヴィラの歴史を教えてください。

 原田 創業は1959年です。元々は青果卸を営んでいましたが、戦時中の日立空襲で焼け野原になった後、妻の祖父母がここ太田尻海岸に、鵜の島温泉旅館を開業したのが始まりです。初代の女将が、西行法師が訪れた時代から裸島と呼ばれている小島に、海鵜が馬のたてがみのように止まっているのを見て、鵜の島と名付けました。

 創業時は日立製作所の人たちの接待や、福利厚生で利用していただくような健康増進施設でした。当時としては海の前にプールがあるのも珍しかったと思います。2代目は哲学者タイプでした。初代の営業方針とは方向を変え、日立グループに関わる人たちのビジネス向けの旅館へと重心を移していきました。

 私が妻と結婚して宿に入ったころは、バブル経済が崩壊する直前の時期でした。この宿に来る前は、東京で音楽の道を歩んでいましたが、挫折を経験しました。数年間放浪しながら実父が絵を描いていたこともあり、画商になりました。結婚して間もない31歳のころに妻の母が倒れ、宿に携わることになりました。それから約20年間、海の前で理想的な宿のことを考え続けました。2代目が亡くなり、私が社長になったのが09年です。「観光色を強くした宿にしたい」という思いは強かったですね。その後、11年3月に東日本大震災で津波によって被災しました。補助金申請を出しましたが2年間保留となり、3年目にようやく申請が認められ、新しい宿の図面を引き始めました。

 今の建物の形になるまでの漠然とした思いとして、小学校の古い木造建築の廃校を海辺に移設するような映像を思い浮かべていました。そして14年4月に「観光旅館で勝負しよう」とスタイルを変え、7室の「うのしまヴィラ」としてリボーン・オープン(生まれ変わり)しました。……

【全文は、本紙1712号または5月22日以降日経テレコン21でお読みいただけます。】

スカイツリーで台湾観光フェア開催!

2018年5月17日(木) 配信

東武タワースカイツリーの酒見社長(左から2番目)、台北駐日経済文化代表処の謝代表(中央)

東京スカイツリーと台湾観光局・台湾観光協会東京事務所が共同で取り組んできた日台観光友好交流が今年で5周年を迎える。 同時に開業6周年を迎える東京スカイツリータウンは、これを記念して「東京スカイツリー・日台観光友好交流5周年 台湾観光フェア」を5月17日(木)~20日(日)に開催する。

 イベント初日の5月17日(木)、イベントの共催者の台湾観光協会東京事務所や、後援する台北駐日経済文化代表処などの台湾関係者が招待され、オープニングセレモニーが開かれた。

 東武タワースカイツリーの酒見重範取締役社長は、「多くの人に台湾の食、文化に触れてもらい、日台の交流や台湾観光のきっかけになれば嬉しい」とコメント。

 来賓として駆けつけた台北駐日経済文化代表処の謝長廷代表は、「旅においてグルメは深い思い出になるものだ。台湾の魅力のひとつであるグルメをぜひ楽しんでもらいたい」とアピールした。

 さらにセレモニーでは台湾伝統芸能の「獅子舞」が披露され、迫力の舞いで会場を沸かせた。 

 会場のスカイアリーナには、台湾のグルメやPRブースが並ぶ。「台湾風味のたまごクレープ」や台湾伝統食と洋食をミックスアレンジした「台湾ハンバーガー」など、日本初上陸のグルメが目白押しだ。

 さらに、台湾人デザイナーによるファブリックブランドの紹介や、足裏マッサージが体験できるブースも出店。ステージでは、獅子舞のパフォーマンスに加え、台湾の格式高いお茶が楽しめる「茶藝館」のデモンストレーションも実施する。

 開催期間は5月17日(木)~20日(日)の3日間。東京スカイツリータウン4階のスカイアリーナで開催中だ。