10月6日から8日に開催の「サロン・ドュ・サケ」に先立ち、今年は「ジャポニスム2018」を運営する国際交流基金が中心となり、「酒巡り in パリ」というイベントが行われました。これまでパリでも多く見受けられた日本酒の無料試飲会とは一線を画し、参加酒蔵が期間限定でパリ市内のレストランとペアを組み、シェフが酒に合う料理を創作したうえで、実際にお店のメニューに載せ、お客さんがお金を払って日本酒を飲むという、お酒の輸出後のシミュレーションのような事業です。このイベントの企画者・関口涼子さんは、多国籍で庶民的なレストランの参加を見込んでいたものの、今年春に参加レストランを募ったところ、蓋を開けてみれば星付きフレンチ「ルドワイヤン」や「ルカ・カルトン」も参加。まさに、関口さんはもちろん、これまでフランスで日本酒の普及に尽力してきた方々の努力の結果です。とはいえ、日本酒の値段はまだ高く、同じお金を出すなら高級ワインを買いたいというフランス人が大半を占めるのも事実。今後のさらなる日本酒の普及には、低コスト化も焦点に入れながらの5年後、10年後を見据えた輸出推進事業が求められます。