「ZOOM JAPON(ズーム・ジャポン)(4月号)」

2023年4月29日(土)配信

https://zoomjapon.info

特集&主な内容

 本誌4月号では、異文化の相互理解に欠かせない翻訳者の特集を企画しました。フランスと日本との文化交流で、とくに大きな役割を果たしているのが、1980年代から活動を始め、井上靖も理事を務めていた小西国際交流財団です。この財団が1993年から行っている日仏文学賞の受賞者にお話を伺いました。丸山眞男の著書の翻訳で2023年の日仏翻訳文学賞を受賞したモルヴァン・ペロンセル氏、そして、2021年に梨木香歩の「西の魔女が死んだ」の仏語訳で奨励賞を受け取ったデボラ・ピエレ=渡邉氏です。グルメページでは、日本での卵の値上げの話題に触れ、日本の食文化における卵の重要性を紹介しています。旅行ページでは、2020年夏に、伝統的な銭湯から現代的な銭湯にリニューアルされた錦糸町の黄金湯の取り組みを取り上げました。

〈フランスの様子〉フランスの花粉症は環境問題

「花粉:アレルギー対策のアイデア」4月8日の民放TF1の夜のニュースより。画面にあるのは2月の花粉注意情報

 フランスの4月といえば春のバカンスの季節、冬が終わってリフレッシュする時期だ。◆しかし、近年この時期になると話題になるのが、花粉症。最新の調査ではフランス国民の25-30%が花粉症にかかっており、その割合は確実に上昇傾向で、2050年には国民の半数が花粉症になるという試算もある。◆今年は、例外的な暖冬だったこともあり、例年よりも花粉の飛散が早く始まり、2月後半から花粉注意報、そして4月に入ってからは多くの地域で警報が発令されている。◆日本よりも北に位置するフランスで、最も飛散が広範囲なのはシラカバの花粉だが、他にもイネ科の花粉や、地域によってはスギなどもある。◆日本でもフランスでも花粉症に悩む人の多さは変わらないが、日本とは対応が異なる。◆花粉対策グッズや市販薬で溢れる日本とは違い、対策は、マスクの着用のほかは、日常生活での朝晩の換気や、髪の毛を洗うことが推奨され、ひどい場合は専門医にかかる。◆そして、この時期の花粉の飛散は、冬の雨不足による乾燥や夏の局地的豪雨や猛暑などと同じく、季節の話題にとどまらず、毎年深刻になる気候変動問題として取り上げられている。

ズーム・ジャポン日本窓口 
樫尾 岳-氏

フランスの日本専門情報誌「ZOOM JAPON」への問い合わせ=電話:03(3834)2718〈旬刊旅行新聞 編集部〉

ジョルダン、MaaSで快適な交通を 「乗換案内」の進化目指す(佐藤俊和社長インタビュー)

2023年4月29日(土)配信

佐藤俊和社長

 経路検索から予約・決済まで、多彩なサービスで“快適な移動”をサポートするジョルダン(佐藤俊和社長、東京都新宿区)は、最短・最適な交通ルートを検索できる「乗換案内」を展開している。コロナ禍による人流の制限を経て、国や自治体とも連携し、地域課題の解決に資する日本版MaaSを牽引している。交通の面から社会課題の解決に貢献する同社の佐藤社長に、デジタル活用の観光やこれからの見通しについて話を聞いた。

【聞き手=編集長・増田 剛、構成=長谷川 貴人】

佐藤 俊和社長インタビュー

 ――コロナ禍からの現状について、お聞かせください。

 新型コロナウイルスの感染が拡大した2020年当初は、人の移動が制限されたことで「乗換案内」へのアクセス数が激減し、広告収入が半分以下まで減りました。終電繰り上げや減便などで行われたダイヤ改正を反映させる必要があり、アクセス数が減ったうえに、メンテナンスコストが非常に掛かる状況からの始まりとなりました。

 徐々に人流が回復へ向かっても、緊急事態宣言などが繰り返されるたびにダイヤが変動し、速やかに対応させなければならず大変でした。法人向けに鉄道会社やバス会社からの要請を受けて、システムの開発・提供をしていましたが、こちらもコロナ禍2年目には激減し、どちらも落ち込む状態を迎えました。

 そのようななか、コロナ前から動き始めていたのがモバイルチケットなどのMaaS(Mobility as a Service)です。MaaSはフィンランドの企業から生まれた考え方であり、スマートフォン1台で複数の公共交通や移動サービスの予約から決済、そして移動中の案内まで一括で行うサービスで、ぜひ日本でやりたいと思っていました。

 しかし、日本は鉄道会社やエアラインなど、予約そのものが自社のダイレクトマーケティングツールになっています。それでも、ジョルダン以外が提供するMaaSアプリからでもすべての機能が使える共通のプラットフォームをつくりたい。そう考え、日本国内向けの「J MaaS」プラットフォームを立ち上げました。旅行者に、ジョルダンをはじめとしたさまざまな企業のMaaSアプリを通じて、公共交通などが予約しやすくなるように開発しました。

 ――一方で、アプリ版「乗換案内」はモバイルチケット「一日きっぷ」の販売を始めました。

 MaaSをどこから始めるか話していたとき、地域のグルメと特産品付きの企画乗車券である、京浜急行電鉄の人気商品「みさきまぐろきっぷ」の存在を知りました。これが日本に合った1つのMaaSのカタチではないかと思い、アイデアを出し合い、システムをリリースさせていただいたのが始まりです。

 やはり、デジタルなプラットフォームを利用すると、今までにない利便性や情報の解析ができるようになります。紙仕様のチケットで行う、加盟店からの回収や京急での集計作業などの処理がなくなることで、両者がすぐに結果がわかるようになり、人流のデータも集めやすくなりました。回復に向かうインバウンド客に対しても、デジタルなら英語や中国語などの言語対応がしやくなることでしょう。

 ――これからインバウンドが増えていくなかでの対応は。

 中国人の多くが利用しているプラットフォーム「Alipay(アリペイ)」上で、中国語対応の「乗換案内」ミニアプリが利用できます。訪日時は、そこで1つのアプリの中から、目的地までの経路検索と、その際に利用可能なモバイルチケットが購入できるため、両替せずにキャッシュレスで旅行ができます。インバウンドではそのような展開を考えています。よりユーザーの手間を省き、使いやすく、シームレスに色々とやれるようなカタチにしたいです。

 ――これからの「乗換案内」の見通しは。

 MaaSに取り組みつつ、「乗換案内」に対しても新しい方向性が見えてきました。1つは、交通手段の候補に地方のバスが増え、さまざまな地方自治体との関係が増えたことで、地方版の乗換案内のようなアプリを作り始めました。加えて、その地域の情報を発信できるような方向に発展していければと考えます。

 そして、単なる近場の経路検索としての利用から、遠方への観光にどう利用してもらえるようになるかを今後の大きなテーマにしています。スマホの「乗換案内」を見ながら、どうやれば旅行に行きやすいかという考えを基に、皆様に提案できたら面白いなと考えています。

 私はスマホ1台で、旅行のプランニングから決済までもっていきたい。観光や旅行の大変さをできるだけなくすようにしていきたいと思っています。ただ、企業として囲い込むよりも情報の基盤みたいなものをつくり、我われのユーザーには早めにそれを届け、使ってもらいながらシステムを改善していく。大きな流れとしてはそうあるべきではないかと思うのです。

 消費者側の視点では、スマホですべての情報を得て旅行を決められたという具合にしたい。そこにはさまざまな好みがあっても良いでしょうから、我われが旅行を独占したいという訳ではなく、基盤として共通のものを使いながら、広く皆様にも使ってもらいたい。場合によっては、ホテルや旅館が自ら旅行パッケージを提案する時代が来るかもしれません。

 ――現状から課題を感じていますか。

 使いやすくしたいというのがこれからの大きな課題となります。今も音声認識システムの活用を検証しているチームがあり、これからはAIの活用が進んでいく可能性がありますので、システムをステップアップしていかなければならないと思っています。

 また、私は旅行で公共交通機関を利用することも、自分の足で歩くことも好きです。このなかで色々と不便があると感じたものを少しでも分かりやすくし、地域の活性化につなげていきたい。移動は楽になったし、次は観光のステージだと考えています。自分にとっても欲しいものをつくっていますので、永遠にテーマが尽きないところです。

 ――ありがとうございます。

JAL、TDR40周年記念で 特別塗装機を国内線に就航

2023年4月28日(金)配信

東京ディズニーリゾート40周年記念した特別塗装機のデザイン

 日本航空(JAL、赤坂祐二社長)とオリエンタルランド(吉田謙次社長兼COO)は、東京ディズニーリゾート40周年記念して、特別塗装機「JAL Colorful Dreams Express」を6月9日(金)から国内線に就航する。

 4月15日(土)から開催中のアニバーサリーイベント「東京ディズニーリゾート40周年“ドリームゴーラウンド”」を記念したもので、両社の特別塗装機によるタイアップは今回で5回目となる。

 今回はボーイング767-300ER型機に、東京ディズニーリゾート40周年の特別な衣装を着たミッキーマウスと仲間たちが描かれたカラフルな機体となっている。ヘッドレストカバーや紙コップなどにも特別なデザインが施されている。

紙コップは全3種類の中からランダムで1種類

 就航期間は2024年4月ごろまでを予定。就航中、希望者には期間ごとに変わる全3種類の搭乗証明ステッカーを配布する。

搭乗でもらえる特別デザインの搭乗証明ステッカー

「温泉文化」無形文化遺産登録へ、第1回検討会開く 「共感するストーリーづくりを」

2023年4月28日(金) 配信

第1回検討会で岡村興太郎氏があいさつ

 日本温泉協会(笹本森雄会長)は4月28日(金)、東京都内で「温泉文化のユネスコ無形文化遺産登録に向けた検討会」の第1回会合を開いた。登録に必要となる「温泉文化」の定義づけや、法的保護措置などについて、専門家や有識者らによって深く議論し、早期の登録実現を目指す考えだ。

 冒頭、日本温泉協会の岡村興太郎常務副会長は、4月24日(月)に登録に向けた全国推進協議会が設立されたことに触れ、「官民一体となった動きが加速していると実感している」とあいさつ。「温泉文化の定義づけや法的保護措置など、忌憚のないご意見をいただき、登録推進の拠り所としていきたい」と語った。

 座長の青柳正規氏(元文化庁長官)は、「登録に向けた課題を整理し、温泉文化の定義として、国民の誰もが納得する理屈を考え、共感するストーリーをつくっていきたい」と述べた。

 検討会の委員は次の各氏。

【座長】青柳正規(元文化庁長官、多摩美術大学理事長など)

【学識経験者】甘露寺泰雄(中央温泉研究所顧問、日本温泉協会名誉会員・学術部顧問)▽新谷尚紀(国立歴史民俗博物館・総合研究大学院大学名誉教授

【温泉関係者】大西雅之(日本旅館協会会長、鶴雅グループ社長)▽笹本森雄(日本温泉協会会長、常盤ホテル前会長)▽多田計介(全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会会長、ゆけむりの宿美湾荘会長)

【行政】蒲島郁夫(熊本県知事、「温泉文化」ユネスコ無形文化遺産登録を応援する知事の会会長)

【オピニオンリーダー】林真理子(作家、日本文藝家協会理事長など)

【専門委員】内田彩(日本温泉協会学術部委員、東洋大学国際観光学部准教授博士〈観光学〉・観光歴史学▽小堀貴亮(日本温泉協会学術部委員、杏林大学外国語学部観光交流文化学科長〈温泉観光学〉)▽松田法子(京都府立大学大学院生命環境科学研究科准教授〈建築史、都市史、別府、熱海の研究〉)

NAA、3月外客数126万人 「コロナ前の8割に回復」 水際対策の緩和などで

2023年4月28日(金) 配信

田村明比古社長

 成田国際空港(NAA、田村明比古社長)が4月27日(木)に発表した2023年3月の総旅客数は前年同月比211%増の267万8675人となった。このうち、国際線の外国人旅客数は同1182%増の125万5750人。コロナ禍前の2019年同月比では約8割まで回復した。同年2月比27%減からも増加した。水際対策の緩和などが主な要因。

 国際線の総旅客数は前年同月比490%増の198万1634人。このうち、日本人旅客数は567%増の51万4268人。コロナ禍前の19年同月比では64%減だった。同年2月比68%減から微増した。

 国内線旅客数は前年同月比33%増の69万7041人。コロナ禍前の19年同月とほぼ同じだった。

 総発着回数は前年同月比%増の1万7176回。国際線は同39%増の1万2784回。国内線は同21%増の4392回だった。

 田村社長は「アウトバウンドは水際措置の解除で5月中旬以降に、さらに増加する」と話した。

 また2022年度の総旅客数は前年度比217%増の2051万6684人。19年度比では約5割まで回復した。発着回数は前年度比29%増17万7837回。19年度比では31%減となった。段階的な水際対策の緩和が主な要因。

 国内線の旅客数は前年度比69%増の695万7058人。19年度比で7%減だった。行動制限のないゴールデンウイークや夏休みとなったことで大幅に増加した。

韓国コロナ前回復 GWは台湾など好調

 4月1(土)~22日(土)までの国際線出国旅客数は前年同期比676%増の61万4800人。このうち、韓国線は同1680%増の11万1800人。19年同期とほぼ同じとなった。

 ゴールデンウイークについては、国際線の旅客数は476.3%増の56万5100人となる見通しを示した。台湾や東南アジアなどが好調。コロナ前の19年比では43.0%減。出国のピークは4月29日(土)。入国は5月7日(日)。

 国内線旅客数は前年同期比10.7%増の24万4600人となる見込み。出発のピークは5月3日(水)。1万5000人の利用を見込んでおり、1日当たりの出発旅客数が過去最高だった19年8月10日(土)の1万4815人を上回る予想を示した。到着のピークは5月6日(土)となる見通しだ。北海道と沖縄が好調となっている。

 田村社長は日本で水際措置が撤廃されることに触れ、「これまで以上に需要が回復することを期待している」と話した。コロナ禍前に最も利用が多かった中国については「団体旅行が解禁されないと大幅な増加が見込めない」と語った。

飛沫フィルム撤去 5類移行日の58日に

 NAAは5月8日(月)から、ほかの利用者との間隔を空ける目安としているディスタンスマーカーやカウンターの飛沫防止フィルム、消毒液などの感染対策品を撤去していく。同日に新型コロナウイルスが5類へ移行するのを受けた措置。

 田村社長は「消毒液は空港の入口などに一部残し、至るところには置かない」と語った。

タヒチ観光局、「Tahiti Festa 2023 YOKOHAMA」に出展(5月3、4日) オリジナルグッズのプレゼントも

2023年4月28日(金)配信

過去のお台場ヴィーナスフォートでの開催時のようす

 タヒチ観光局は5月3日(水・祝)、4日(木・祝)の両日、神奈川県横浜市の横浜大さん橋ホールで行われる国内最大級のタヒチイベント「Tahiti Festa 2023 YOKOHAMA」に出展する。

 2008年にスタートした「Tahiti Festa」は、「タヒチの島々」をコンセプトにした日本最大級のイベント。会期中、タヒチアンフードやタヒチを代表するローカルビール「ヒナノビール」などを提供するフードトラックをはじめ、黒真珠などのタヒチの特産品や、Tahiti Festaオリジナルグッズを販売するショップなどが出店する。

 さらに特設ステージでは、タヒチから来日した著名なヴォーカリストや、人気ダンサーらによるパフォーマンスを繰り広げ、会場を盛り上げるという。

 タヒチ観光局のブースでは、タヒチに関するWebアンケートに回答した人に両日ともに先着200人限定で、タヒチ観光局オリジナルグッズをプレゼントする。

 開催時間は10:00~21:00を予定。会場の横浜大さん橋ホールのほかに、横浜ワールドポーターズ1Fステージにサテライトステージを用意する。入場料は無料。

〈旬刊旅行新聞4月21日・5月1日合併号コラム〉――精神性の高い旅 旅に出て、何かを感じるだけで……

2023年4月28日(金) 配信

 全国的に雨が降った4月の土曜日、ふと旅行がしたくなり、長野県・白馬村に向かった。天気予報では、日本列島の北から南まで雨の予報で、それだけでなく世界の主要都市のほとんどが雨という、地球上に雨が降り続いた日だった。

 

 相模湖ICから中央自動車道に入っても、霧雨や強い雨のせいで鉛色の世界がどこまでも続いた。通常であれば、美しい山々を眺めることができる中央道だが、「私のような旅の上級者になれば、旅はむしろ雨の日の方がいいのだ」と強がって呟いた。

 

 正午前には、安曇野市の大王わさび農場に着いた。安曇野市には2月にも訪れ、太田寛市長にインタビュー取材をしたのだが、何となく、再訪したくなったのだ。大王わさび農場で「本わさび飯」を食べた。長野への出張の際には、ここに立ち寄るほど、定期的に食べたくなる。わさびのソフトクリームも美味しいので、当然いただいた。

 

 悪天候のためか、若干空室が残っていた白馬のホテルを目指した。白馬の美しい山々の景色が正面に一望できる客室だったが、やはり鉛色の世界しか見えなかった。安曇野の山々も見ることができなかったため、さすがに「安曇野や白馬は雨の日よりも快晴の方が良かったかな」と弱気になってしまった。

 

 

 けれど、翌朝、窓を開けると日差しが差し込み、北アルプスを覆う雲が時折遠ざかり、白馬連峰の美しい姿を見ることができた。これに気を良くして、「今日は戸隠神社まで行くぞ」と決心した。

 

 どうして戸隠神社に行きたくなったかと言うと、本紙連載コラム「精神性の高い旅」で、石井亜由美氏が2022年11月1日号に「戸隠神社五社めぐり」(長野県長野市)を紹介していたからだ。「精神性の高い旅」は、島川崇氏と石井亜由美氏の2人に、交互に執筆していただいている。私はこのコラム欄の担当編集者にとどまらず、大ファンの1人でもある。

 

 以前、島川氏が箱根神社(神奈川県・箱根町)を紹介した際には、翌週末に箱根神社を訪れた。石井氏が「袋田の滝と胎内観音&不動尊巡礼」(茨城県・大子町)を紹介された後には、袋田の滝に行きたくなり、初夏のある日、誘われるように行ったことを覚えている。

 

 

 「精神性の高い旅」という響きは、高尚でとても難解なイメージを持たれるかもしれない。しかし、「旅に出て、何かを感じる」だけで、大きなものを得られるのだと思っている。

 

 そこに行くと妙に落ち着く場所であったり、1人きりで大自然に包まれて神秘的な気持ちになったり、壮大な歴史的建造物を目の当たりにして心が動くことがある。人によって違うと思うが、旅は肉体の移動だけでなく、心も体以上に動くものである。旅によって自分の内面と出会う瞬間が多く、あるいは自我を消し去ることもできる。

 

 

 さて、戸隠神社の奥社に向かって歩き始めると、スギの巨樹が続く杉並木が見えてきた。昨日降り続いた雨は上がり、神聖な光景だった。「ここに来たかったのだ」と、しばし足を止め、深呼吸を何度も繰り返した。それほど爽やかな、清々しい空気だった。奥社まで歩き、戸隠そばも見事に美味しかった。

 

 帰りは中央道のみどり湖パーキングエリアでお決りの「山賊焼き」を食べて旅を終えたのだった。

(編集長・増田 剛)

〈観光最前線〉奈良交通創立80周年フォトコン開催

2023年4月28日(金)配信

「バスのある風景」など募集

 奈良交通は今年7月23日に創立80周年を迎えるのを記念して「フォトコンテスト」を開催する。

 募集テーマは「バスのある風景」と「とっておきの奈良」の2部門。インスタグラムで奈良交通公式アカウントをフォローのうえ、季節が春の場合は「#奈良交通80フォトコン春」と、季節に応じたハッシュタグを付けて投稿すれば応募完了。奈良交通バスに関するものが写っている場合は「バスのある風景」、そうでない場合は「とっておきの奈良」への応募となる。

 春の応募締切は6月30日と、季節ごとに締切が異なる。部門、季節ごとに選考を行い、優秀賞(1人)にはVJAギフトカード3万円、入賞(3人)にはミスタードーナツ商品券3千円を進呈する。詳細は同社HPを確認。

【塩野 俊誉】

ジョルダン、沖縄美ら海水族館 モバイルチケットで発売

2023年4月27日(木)配信

沖縄美ら海水族館企画きっぷイメージ

 ジョルダン(佐藤俊和社長、東京都新宿区)は4月25日(火)、「沖縄美ら海水族館企画きっぷ」をジョルダンモバイルチケットで売り出した。同社のアプリ「乗換案内」からキャッシュレスで購入でき、沖縄美ら海水族館の入館券、やんばる急行バスの乗車券のほか、沖縄・本部町の商業施設ハナサキマルシェ内で使える「お楽しみ券」が付く。

 沖縄美ら海水族館の来場者に本部町での滞在を楽しみ、回遊してもらいたいという想いから生まれた今回の企画きっぷ。2次交通を活用することで渋滞の緩和をはかり、さらには脱二酸化炭素化で、沖縄の自然保護への貢献をはかる。

 「お楽しみ券」は3種類の食事券またはおみやげ券のうち、いずれか1つを選んで利用できる。食事券の場合、「和牛焼肉専門店BURIBUSHI」ハナサキマルシェ店のスペシャルランチ、「海人料理 海邦丸」の海ぶどう海鮮丼、「ポーたま 沖縄本部町店」の本部産あぐー豚の生姜焼きのセットメニューから選べる。おみやげ券の場合、「海洋博公園内 ショップやんばるの杜」のぬいぐるみくじ(ハズレなし)。

 乗車できるやんばる急行バスは、那覇空港または県庁北口発で、ホテルマハイナウェルネスリゾートオキナワ(ハナサキマルシェ)、ロイヤルビューホテル美ら海(美ら海水族館)の順で巡る。

 片道料金は那覇空港発が大人5600円、高校生4900円、中学生・小学生3100円で、県庁北口発が同5500円、同4800円、同3050円。

 往復料金は那覇空港発着が同7300円、同6600円、同3950円で、県庁北口発着が同7100円、同6400円、同3850円。

HIS、海外キャンセルサポート刷新 自己都合も補償で「安心して旅行申込を」

2023年4月27日(木) 配信

既存の保険では補償できなかった事由をカバーする

 エイチ・アイ・エス(HIS、矢田素史社長)は4月26日(水)、三井住友海上火災保険(舩曵真一郎社長)と共同で海外旅行キャンセルサポートを刷新し、新たに「ベーシックプラン」と「プレミアムプラン」の2商品の販売を始めた。プレミアムプランは、業界初という予約時に予期できなかった事情による自己都合の取消を補償。「気が変わった」などの理由も対象となる。

 「急な出張や学校行事の変更で旅行に行けなくなった」などの声を受け、既存の保険では補償できなかった事由をカバーする。予測できない事態への不安を払拭し、安心して旅行を申し込んでもらう。

 ベーシックプランでは、本人や同伴者の入院や交通機関の遅延など現行の内容に加え、補償できなかった事由で最も多かった「学校行事・入学試験の日程変更」を対象に加えた。

 1500円のベーシックプランと1万8000円のプレミアムプランは、10万円まで補償する。