JTB、小豆島でエリア開発事業 日本の課題解決に向けて

2024年8月2日(金) 配信

シェアサイクル拡充で利便性向上と周遊促進へ

 JTBは8月1日(木)、香川県・小豆島で観光地の実感価値向上と持続可能な発展を目指す「エリア開発事業」を始めた。第1弾として、IoT搭載の最新式のシェアサイクル専用車両160台を導入し、島内のサイクルステーションを拡大して、来島者の利便性向上と島内の周遊促進をはかる。

 同社は、日本の縮図と言える小豆島の課題解決を目指すことで、将来の日本の観光のあり方を示すことにつながると主張。20年先の未来を見据え、観光を基盤とした持続可能な産業を作っていくことを使命に、「20年先の小豆島をつくるプロジェクト」を発足した。小豆島・瀬戸内エリアマネジメント協会への参画を通じて、小豆島における投資開発をすることで、島を活性化させ、新しい投資を呼び込み、収益が地域に再投資される“正の循環”を生み出していく狙いだ。

 小豆島は、国内最大級のシェアサイクルアプリ「HELLO CYCLING」を使って、島内の「ステーション」と呼ばれる駐輪スペースで自由に電動アシスト自転車の貸し借りができる。JTBはより利便性の高いサービスとなることを目指し、最新型車両160台の導入と島内のステーションを42カ所まで拡大させる方針だ。

 今回のシェアサイクル事業を皮切りに、将来を見据えた自動運転バスやAIによる自律運航無人ボートの導入に向けた実証。言葉の壁を解消するためのAI翻訳機ポケトークの導入など、多様なソリューションを組み合わせ、エリアの面的な価値向上に力を入れる。

ECYCで怪談ナイトツアー開始 岡山・天満屋が展開する新モビリティ 

2024年8月2日(金) 配信

AR音声アプリを活用した周遊ホラーコンテンツ

 岡山で百貨店事業などを手掛ける天満屋(斎藤和好社長、岡山県岡山市)はこのほど、エイベックス・アライアンス&パートナーズ(丹雅彦社長、東京都港区)とともに、スマートフォンの位置情報と音声を組み合わせた、同社の音声ARアプリ「SARF(サーフ)」を活用したホラーコンテンツを制作。観光モビリティサービス「ECYC(エシク)」の期間限定コンテンツ「岡山 ECYC 怪談ナイトツアー」として、8月1日(木)から開始した。

 エシクは、創業195周年を迎えた天満屋が今年の4月に、岡山県内外からの観光誘客や回遊性向上による地域経済の活性化を目的に運行を開始した、新たな2次交通サービス。走行中にCO2を排出しない、フランス製の電動アシスト三輪自転車「シクロポリタン」を採用。タクシーのように利用することができ、地元ドライバーが時速10キロで、隠れた名所などを案内する。

 今回の「岡山 ECYC 怪談ナイトツアー」は、後楽園でのライトアップイベント「幻想庭園」と岡山城での「鳥城灯源郷」開催期間に合わせ、岡山県を舞台にした物語「雨月物語 吉備津の釜」と「桃太郎伝説」をベースに制作したホラーコンテンツ。

 乗客はヘッドホンを着用して乗車。あらかじめGPS上に音声を設定した7カ所のスポットをエシカで巡ると、そのスポットごとに音声が流れて物語が進んでいく。物語は2パターン用意しており、日暮れの岡山の情景と相まり、思わず背筋が凍るような臨場感ある肝試しができるという。

 どちらも所要時間は約15分、走行距離は約1・5キロ。「桃太郎伝説(ウラの復讐)」は、岡山城月見櫓から岡山後楽園外苑までのコースを走る。「雨月物語『吉備津の釜』は後楽園外苑から岡山城月見楼までのコース。

 実施期間は前期が8月1~7日まで、後期が8月21~31日まで。火曜日は定休。時間は午後6~8時まで。料金は1台1500円。

温泉旅館「かくれの里ゆかり」が特別清算(帝国データバンク調べ)

2024年8月2日(金) 配信

 かくれの里ゆかり(代表清算人=郷田隆行氏、島根県浜田市)は7月17日(水)に、松江地裁浜田支部から特別清算開始命令を受けた。帝国データバンクによると、負債は約3億9100万円。

 同社は、1992(平成4)年6月に設立された温泉旅館の運営業者。旭温泉内にある4つの温泉施設のうち最も新しい施設で、開設当初は浜田道の開通や、近隣の水族館開館などにより、山陽方面から多数の観光客が訪れ、売上を確保していた。

 しかし、その後は、競合激化などにより売上は年々減少。「過大な設備投資による負担増加から採算性も振るわず、債務超過に陥っていた」(帝国データバンク)。

 2005年8月には、中小企業再生ファンドと金融機関による再生計画が策定。金融支援が行われたほか、営業形態の見直しなどがはかられたが、23年5月に旅館の不動産と事業のすべてを広島県の業者に譲渡。今年3月31日に開いた株主総会の決議により解散していた。

JTB×ANA、宮古島から女満別へ 富裕層向け旅行商品を発売

2024年8月2日(金) 配信

プライベートジェット「ファルコン2000LXS」機内(イメージ)

 JTBと全日本空輸(ANA)は8月1日(木)、初めて共同開発した富裕層向け旅行商品「南国の楽園から北の大地へ プライベートジェットで巡るプレミアムな旅2日間」を売り出した。JTBのラグジュアリー旅行専門店「ロイヤルロード銀座」の募集型企画旅行商品「夢の休日」で、9人限定で販売している。出発日は2025年2月15日(土)。

 中型プライベートジェット「ファルコン2000LXS」をチャーターし、機内ではANAファーストクラスのアメニティや、高級リゾート「THE SHIGIRA」の特製ブランチを用意する。定期便就航のない宮古島から女満別まで、ラグジュアリーな機内でくつろぎながら移動できる。

 このほか、通常の旅客機では体験できないコックピット見学などの機会も用意。宿泊は「THE SHIGIRA」のバトラー付きスイートヴィラ「ラ・ブルーヴィスタ」で、両社の共同企画ならではの特別な「夢の休日」を体感できる旅を提供する。

 予約方法は「夢の休日」取扱店のほか、JTBホームページから。

新潟の新アンテナショップ 銀座に8月8日オープン

2024年8月2日(金) 配信

日本酒の有料試飲コーナー

 新潟県の東京都内での新たなアンテナショップ「銀座・新潟情報館 THE NIIGATA」が8月8日(木)にオープンする。

 地下鉄銀座駅から徒歩1分の複合ビルの1~3階、8階、そして地下1階を占める。

 このうち1、2階がショップで約1000品目の商品を用意する。1階では野菜や米、米菓子、へぎそばなどの食料品を、2階では日本酒やワイン、地ビールといったアルコールと刃物、小千谷縮などの工芸品を販売するほか、日本酒コーナーには約40種の日本酒を試飲できる有料試飲機を設置、AIソムリエが気分や好みの酒を提案してくれる。また、1階では新潟産コシヒカリを使ったおにぎりも常時販売する。

 3階はイベントスペース。県内の自治体や観光協会などの観光物産展に利用する。8階は燕三条を本拠地とするレストランが新潟の食材を中心としたイタリア料理を提供する。地下1階は移住相談窓口。

 新潟県の都内でのアンテナショップは表参道で長らく「新潟館ネスパス」として営業していたが、老朽化したビルの取り壊しのため昨年末に閉館していた。

ACAO SPA&RESORT(旧商号:ホテルニューアカオ) 民事再生法の適用を申請(帝国データバンク調べ)

2024年8月2日(金) 配信

 ACAO SPA&RESORT(旧商号:ホテルニューアカオ、中野善壽代表、東京都千代田区)は7月29日(月)に東京地裁に民事再生法の適用を申請し、同日保全命令を受けた。帝国データバンクによると、負債は約63億円。

 同社は1954(昭和29)年3月創業、70(昭和45)年6月に法人改組されたリゾート施設の運営業者。静岡県熱海市錦ヶ浦エリアで、本館「ホテルニューアカオ」と、新館「ロイヤルウイング」の2つの大型ホテルに加え、植物園・海水浴場の運営なども手掛けていた。

 熱海温泉エリアの老舗ホテルとして知名度は高く、国内客だけでなくインバウンド客の取り込みでも実績を重ね、2018年12月期には年間収入高約48億400万円を計上していた。

 しかし、20年以降は新型コロナの影響で業容の大幅な縮小を余儀なくされ、21年12月期の年間収入高は約9億6300万円に落ち込んだ。

 この間、2つのホテルは他社へ売却し、同社は植物園・海水浴場の運営と、社有不動産の開発に注力していたが、「業容縮小により採算の悪化が進んでいた。近時も改善の目途が立たないことから、自力再建を断念した」(帝国データバンク)という。

 なお、他社に売却した各ホテルは営業を継続中。同社が運営している植物園と海水浴場の営業も継続している。

東京スカイツリーで制服着用体験 夏休みのキッズ向けに初企画、はとバスも登場

2024年8月2日(金) 配信

キッズユニフォーム (イメージ)©TOKYO-SKYTREE

 東京スカイツリーは8月8日(木)~12日(月)まで、夏休みの特別企画として「夏休み 東京スカイツリー®キッズユニフォーム体験」を初めて実施する。東京スカイツリースタッフの制服を着用し、東京スカイツリーのパネルを背景に写真撮影ができる。子供向けサービスの充実で家族連れの来館を促すほか、子供に仕事や社会に関心を持ってもらう機会を創出するのが狙い。

 期間中、午前11時~午後4時まで、東京スカイツリー5階出口フロアで開催する。対象は3~12歳(100~150サイズ相当)。各日、3回限定で公式キャラクターの「ソラカラちゃん」も登場し、一緒に写真撮影ができる。参加費は無料。

 また、8月10日(土)の「はとの日」には、はとバス(武市玲子社長、東京都大田区)との連動企画で、はとバスの運転士・ガイドユニフォームの着用もできる。当日はノベルティのペンスタンドを配布するほか、はとバス公式キャラクターの「しゃぽぽ」と写真撮影が楽しめる。「しゃぽぽ」は午前11:30と午後1時の2回登場する。

群馬県のダムから長野県のダムへ 管理道路走るレースへの参加ランナー募集中

2024年8月2日(金) 配信

2023年開催写真

 群馬県・上野村の上野ダムと長野県・南相木村の南相木ダムを管理するための道路をコースにしたランニングレース「上信国境ダムtoダム ハイランドラン2024」が9月29日(日)に開催される。9月22日(日)まで参加ランナーを募集している。累計標高は1057メートル、距離は23キロ。

 普段は立ち入り禁止の作業用道路をコースとしたロードランニングレースで、今回が3回目。途中、ランナーはヘッドライトを身に着け、真っ暗なトンネルを通過。標高差694メートルを駆け上がったゴール地点の南相木村では、村民があたたかく迎えてくれる。

 2つのダムは発電所のための調整池で、上下2つのダムの落差を利用して発電し、神流川発電所では47万キロワット出力の発電機が2台稼働する。今後、6号機まで整備する計画で、完成して運転を開始すると世界最大級の揚水式発電所になるという。

 レースは午前9:30分に開会式、スタートは10時。フィニッシュ制限は午後4時まで。参加費は9500円。申し込みは専用URLから。

大阪観光大学×相撲レストラン越智泉部屋 学生が地元食材でインバウンド向け屋台メニュー考案

2024年8月2日(金) 配信

相撲レストラン越智泉部屋で、学生たちと山本剛准教授(左端)

 大阪観光大学(山田良治学長、大阪府・熊取町)は7月28日(日)、ビーエルデーオリエンタルが運営する「小錦プロデュース相撲レストラン越智泉部屋」(越智やすし代表、大阪府泉佐野市)とコラボレーションして、学生が地元食材で考案した屋台メニューを販売するPRイベントを実施した。

 同社が得意とするインバウンド向け飲食エンターテインメントサービス事業に学生が関わることにより、大阪・泉州地域の活性化と若手の観光人材育成が目的。

 参加したのは、大阪観光大学観光学部・山本剛准教授のゼミ生ら観光を学ぶ2、3年生25人。このうち、約半数が中国、台湾、ベトナム、インドネシア出身など留学生が占める。

学生たちは何度も試作を繰り返した

 学生は3チームに分かれ、①泉州水ナスと夏野菜のベトナム風生春巻②旬の泉州ガッチョ唐揚げ+地元野菜具だくさんタルタルソースぞえ(いずみピクルス社製)③旬の泉州タマネギの無限オニオンフライ――などを考案。イベントに先立って、学生たちは越智泉部屋の休業日に厨房を借りて試作を繰り返すなど、外国人観光客に喜んでもらえる屋台メニューの開発に挑んだ。

かぶりものでイベントをPRする学生

 当日は、学生たちは水ナスやタマネギ、ガッチョ(魚)のかぶりものでイベントをアピール。一番人気のメニューは「水ナスピクルス和風mix」だったという。

 ただ、初めてのイベントのため、集客、販売ともに苦戦気味。山本准教授は「『インバウンド×地域PR』をより深化し、企画を練り込んでいく起点となった1日だった」と、次年度の課題と手応えを感じたようす。学生たちも「リベンジ開催をしたい」と意気込んでいる。

移動を通じた関係・つながり創造を JALが取り組み可視化するマップ公開

2024年8月2日(金) 配信

未来を描いた「JAL FUTURE MAP」

 日本航空(JAL)はこのほど、「移動を通じた関係・つながり」を創造する未来を描いた「JAL FUTURE MAP」を公開した。社内外に取り組みを広く発信するため、特設サイトを開設。コンセプトムービーも作成した。

 JALグループは中期経営計画のローリングプランで、環境や社会に配慮するESG戦略を最上位の戦略に位置づけ、社会的価値と経済的価値双方を創出して企業価値を向上させる考えを示している。今回、ESG戦略で掲げる「関係・つながりの創造」に向けて活動をさらに促進するため、取り組みを可視化するマップを作成した。さまざまな社員がマップ作りに参画し、未来のアイデアやJALと社会のこれからの関り方の例を描いた。

 取り組みの具体的なものとして、7月1日にJALグループの横断的な推進をはかるため「関係・つながり創造部」を立ち上げた。関係人口の拡大や地域社会、コミュニティとの関わり度合いを高め、何度も訪れたくなる仕組みづくりを通じて「関係・つながりの総量」の増大を目指す。

 また、移動の新たな目的をつくるための事業として、昨年度から実証実験を行ってきた、学びを通じて地域とつながるプラットフォーム「旅アカデミー」を8月下旬に本開校する。同アカデミーはジャルパックが新たな旅のカタチとして提案する「旅と学びの体験型プログラム」で、実際に地域とつながることで、生き方や考え方が変わるような出会いが得られるのが特徴。開校時には、国内4つのプログラムを募集する予定で、今後は海外にも対象地域を拡大していきたい考え。