日旅、「Holiday」と提携 旅行の相談から予約までアプリで完結

2021年6月29日(火) 配信

日本旅行とホリデーが提携し、アプリ「Holiday」に新機能を導入した

 日本旅行(小谷野悦光社長、東京都中央区)はこのほど、おでかけや旅行プランを投稿し、共有するサービス「Holiday」を提供するホリデー(友巻憲史郎社長、東京都渋谷区)と提携した。これに伴い、旅行予約がすべてオンラインで完結する新しい機能「Holiday for Agency」(オンライン旅行相談機能)を導入する。

 日旅では、コロナ禍のなかで、対面せずに旅行の相談をしたいという要望に応え、Zoomなどを使ったオンライン接客やチャットを利用し、非対面での旅行相談を行ってきた。

 今回の提携で、アプリ「Holiday」の「オンライン旅行相談機能」に参画することで、日旅の専門スタッフが旅行相談に応じる。そのほか、予約や行程表(アプリ内)の作成、旅行中のサポートなどもアプリ一つで完結させるサービスを提供する。

 同サービスを導入・対応している店舗は、日旅TiS大阪支店(大阪府)と、日旅リテイリング 東日本いい旅予約センター(東京都)。

 アプリ「Holiday」は、複数のスポットを組み合わせることで、自分が体験したおすすめのおでかけ・旅行プランを、ほかのユーザーと共有することが可能。全国のユーザーの投稿を見ることで、有名スポットでもユーザーそれぞれの楽しみ方を知ることができる。ガイドブックにも載っていない観光スポットも紹介している。

待ち望んだ富士山、開山! 1組限定 プライベートグランピング×Mt. Fujiトレッキングツアーを企画

2021年6月29日(火)配信

夕食は地元で採れた野菜やお肉のローカルバーベキューを(イメージ)

 静岡富士宮市のグランピング施設「MT. FUJI SATOYAMA VACATION(マウントフジ里山バケーション)」はこのほど、グランピング宿泊と富士山トレッキングツアーを楽しめるファミリー向けプランを企画した。1日1組限定で予約を受け付けている。

 昨年は、新型コロナウイルス感染症の拡大で閉山していた富士山だが、今年は5合目から6合目(富士宮口)までの通行止めが7月1日(木)に解除される。これを受け、親子でも楽しめる宝永火口へのトレッキングをセットにしたプランを企画した。地域に暮らすローカルガイドが案内役を務め、富士山の自然や歴史について解説。1日1組の貸し切りなので、小さい子供連れの家族でも、自分のペースに合わせて、周りを気にせずにゆっくり楽しむことができる。

 ツアー前日には壮大な富士山間近に感じられるグランピングテントに宿泊。夕食は地元で採れた野菜や肉のローカルバーベキューを味わえる。施設内には、高級感あふれるシャワールームとトイレ、アメニティ、アウトドアグッズを用意。地元富士ヒノキを使用したウッドデッキや、テントサイトの電力は太陽光発電で供給するなど、環境に配慮した滞在を楽しめる。

 料金は1人4万700円から(4~8人でグランピングテント利用の場合)。グランピングテント1泊、食事(夕・朝・昼)、焚き火台などアウトドアグッズ、各種アメニティ、ツアーガイド、保険、サービス料が含まれる。

JTB旅ホ連上野浅草ホテル会、オゾン発生器を寄贈 台東区立の全11幼稚園に

2021年6月28日(月) 配信

(左から)服部征夫台東区長、渡辺定利代表

 JTB協定旅館ホテル連盟上野浅草ホテル会(代表=渡辺定利・ホテルニューウエノ社長、9会員)は6月25日(金)、台東区立幼稚園の全11園に低濃度オゾン除菌器を寄贈した。

 渡辺代表は「オゾンの殺菌力を多くの人に知ってもらうことで、発生器の導入を促し、一刻も早く収束させたい」と話す。

 同除菌器を受け取った服部征夫台東区長は「感染が拡大している状況下での贈呈に感謝する。これからも全力で新型コロナウイルスに立ち向かう」と応じた。さらに、「台東区は23区のなかでも観光産業が盛んなので、安全な受け入れができるような体制を構築したい」と述べた。

 渡辺代表はオゾンの効果について、東京経済大学の周牧之教授の論文を引用したうえで、「オゾン発生器を設置した新型コロナウイルスの重症者用病床約1000床を抱える火神山病院(中国・武漢市)に駆け付けた、約4万2000人の医療従事者は罹患しなかった」と説明した。さらに、「東京消防庁がすべての救急車に車載用除菌器を設置している」と、安全な空間づくりに貢献していることを強調した。

東京都旅行業協会、ITを導入した「新しい旅行会社へ」変革を 村山会長が再任

2021年6月28日(月) 配信

総会は役員のみを集めて開いた

 東京都旅行業協会(村山吉三郎会長、712会員)は6月23日(水)、東京都内で2021年度通常総会を開いた。任期満了に伴う役員改選では、村山会長が再任した。(株)全旅が展開するデジタル化支援サービスと協力しながら、ITを導入した新しい旅行会社への変革を促す。

 今年度は感染拡大防止のため、役員のみを集めた。村山会長は新型コロナウイルスの拡大以降、接触を避ける消費者が増えたとしたうえで、「(会員には)時代に合わせて、オンラインツアーやネット販売ができる『新しい旅行会社』になってほしい」と呼び掛けた。

村山吉三郎会長。「時代に合わせた旅行会社になってほしい」と呼び掛けた

 このほか、コロナ禍で「飲食業界に多くの補助金が支払われているが、旅行業への支援額は少ない」として、「全国旅行業協会(ANTA)から関係各所へさらなる支援の増額を要望してほしい」と強調した。

 今後の団体旅行の見通しについては、ワクチン接種率が向上していることから、「夏以降に徐々に戻るだろう」と予想した。

 今年度は指導・調査広報事業の一環で、デジタル化への移行支援をはじめ、2万円の会費を1万5000円とし、納付期限を延長する。

さらに、昨年度に引き続き、送客1人当たり20~100円を会員に払う旅行業者支援対策奨励金制度を維持するため、300万円の予算を計上した。

名鉄観光サービス、拝郷氏が新社長に 大西社長は顧問に就任

2021年6月28日(月) 配信

名鉄観光サービス新社長の拝郷寿夫氏

 名鉄観光サービスは6月20日に開いた定時株主総会と取締役会で、拝郷寿夫(はいごう・としお)代表取締役副社長が同月23日付で代表取締役社長に昇格する人事を承認した。大西哲郎社長は顧問に就任した。

 拝郷氏は1981年に名古屋鉄道に入社後、名鉄総合企業、名鉄マネジメントサービス、宮城交通などに勤務。2008年から名古屋鉄道で要職を歴任し、20年に名鉄観光サービスの代表取締役副社長に就任していた。

 なお、定時株主総会と取締役会で承認した同社の役員人事は次の通り。

 (6月23日)【代表取締役社長】管理統括(代表取締役副社長兼管理統括)拝郷寿夫【取締役】名古屋鉄道株式会社代表取締役副社長 髙﨑裕樹▽同常務執行役員 岩切道郎【執行役員】財務部長 斉藤浩行▽関東営業本部副本部長兼銀座支店長(関東営業本部部長兼銀座支店長)清田浩之▽スポーツ事業部長 富田孝信【顧問】(代表取締役社長)大西哲郎【退任】▽中尾善彦(取締役監査室長兼財務部担当)▽山本亜土(取締役)

県民割の補助支援を期間延長へ 予約販売は10月末まで(観光庁)

2021年6月28日(月) 配信

観光庁は、地域観光事業支援の補助対象となる旅行の予約販売期限を10月末まで延長する

 観光庁は6月25日(金)、当初8月末としていた地域観光事業支援の補助対象となる旅行の予約や販売期限を、10月31日(日)まで延長することを発表した。

 支援対象となる旅行の実施期間は、今まで通り4月1日~12月31日(1月1日チェックアウト分)。

 地域観光事業支援は、新型コロナの感染状況がステージ2以下と判断した都道府県で、県内旅行の割引事業を財政的に支援するもの。前払い方式も支援の対象となる。

 1人1泊当たり5000円(商品代金の50%)を上限に、補助金を交付する(日帰り旅行も同様)。

 また、地域限定クーポンなどを実施する場合には、さらに1人1泊当たり上限2000円の補助金を支給する。

 また、追加措置として、宿泊事業者による感染防止対策へ取り組む際の費用も、国が財政的に補助する。補助率は事業費の2分の1。

 6月15日(火)時点での県民割に対する支援では、18県に交付決定を行った。宿泊事業者による感染防止対策などへの支援にも、既に21府県に交付している。

8代目観光観光庁長官に和田浩一氏 航空局長など歴任

2021年6月28日(月) 配信

和田浩一氏

 国土交通省は6月25日(金)、蒲生篤実観光庁長官が退任し、8代目観光庁長官に和田浩一航空局長を充てるなどの幹部人事を発表した。7月1日(木)の発令。

 和田 浩一氏(わだ・こういち) 1986(昭和62)年東大法卒、87年運輸省(現・国交省)に入省。2017年国交省航空局次長、18年観光庁次長、19年国交省航空局長などを歴任。埼玉県出身、57歳。

東武トップ、北海道で日帰りサイクリングツアー 「もっと、自転車 北海道」と連携

2021年6月28日(月) 配信

北海道の自転車活用促進事業と連携

 東武トップツアーズ(坂巻伸昭社長)はこのほど、 北海道が推進する自転車活用等推進事業「もっと、自転車 北海道。」と連携した取り組みとして、早朝の札幌市内をサイクリングしながら周る「SAPPORO GOOD MORNING RIDE」の日帰りツアーを売り出した。

 「もっと、自転車 北海道。」は、自転車が持つメリット・効果、正しく安全な利用の啓発を行うことで、環境負荷の低減や健康増進などを含むSDGsの推進や観光振興などを目指して推進している事業。

 同事業との連携として、東武トップツアーズは、朝7時に出発して札幌市内を周遊し、9時半に戻ってくる朝の時間帯を有効活用した新しい旅のスタイルでのサイクリングツアーを企画した。同ツアーは7月1日から10月31日まで毎日実施する予定。 

 同社は「自転車の有無にかかわらず気軽に参加でき、 朝のすがすがしい空気を感じながら、札幌市街を見渡せる旭山記念公園や、京都・伏見稲荷大社の分社である札幌伏見稲荷神社などのスポットを自転車で周ります。北海道内外からの旅行者をはじめ、地元住民の方も参加することができ、自転車を通じた交流の場を提供していきたいと考えています」とアピールする。

クラツー、65歳以上対象のCP展開 旅行に行きたい気持ちを後押し

2021年6月28日(月) 配信

出発日までに65歳であることが条件となる

 クラブツーリズム(酒井博社長)は10月31日(日)まで、65歳以上のお客を対象とした「やっぱり旅が好きキャンペーン」を実施している。抽選で5万円の旅行や47都道府県の名産品が当たる。新型コロナウイルスのワクチン接種が進むなか、年齢層を限定したツアーやキャンペーンを展開することで、お客の旅行に行きたい気持ちを後押しするともに、国内旅行の販売強化をはかる。

 対象商品は、2021年8月1日(日)~12月20日(月)の出発で、旅行代金が1人2500円以上の同社主催ツアー。10月31日(日)までに申込み、出発日までに65歳以上となることがキャンペーンの参加条件となる。

 賞品は、1等が任意の5万円の旅行(5人)、2等が47都道府県の名産品(47人)で、合計52人に当たる。

「観光ルネサンスの現場から~時代を先駆ける観光地づくり~(197)」 物語を紡ぐ「GENBA」プロジェクト(石川県小松市)

2021年6月27日(日) 配信

事業企画を進める実行委員会(市内EATLAB)

 ものづくりの歴史は人類とともにある。今から2300年前、縄文人たちは大陸から来た渡来人から、稲作農耕や金属加工、機織りの技術などを学び、独自のものづくり技術を発展させていった。

 こうしたものづくりは、日本各地で個性豊かに花開く。石川県小松市では、弥生時代の「碧玉」の玉つくりをはじめ、金や銅の鉱石、メノウ、オパール、水晶、碧玉の宝石群、良質の凝灰岩石材、九谷焼原石の陶石などの石の資源を見出し、高度に加工しながら豊かな地域を創造してきた。これが日本遺産「『珠玉と歩む物語』~時の流れの中で磨き上げた石の文化~」の物語である。

 玉つくりが始まった八日市地方遺跡は、現在のJR小松駅周辺である。のちに小松製作所(コマツ)本社が置かれ、2013年には、跡地に「ひととものづくり」をテーマとしたサイエンスヒルズこまつが開業した。その会議室の一角で6月上旬、「こまつものづくり未来塾」の第1回全体会議が開かれ参加した。当日は市内約40の事業所の方々が駆け付けてくれた。

 小松と言えば、九谷焼とその関連産業、石材などで有名だが、かつてはジャガード機による日本有数の紋織物産地であった。前田家ゆかりの茶の湯や菓子、酒など豊かな産業・文化も根付いている。

 九谷焼関連では19年5月、かつての九谷焼の陶石(花坂陶石)の製土工場跡に、「九谷焼セラミック・ラボラトリーズ(CERABO KUTANI)が開業した。隈健吾氏設計の建物に、製土工場、ギャラリー・体験工房・レンタル工房などがそろい、九谷焼を核とした新たな産業創業拠点となっている。

オープンファクトリーのイメージ(宮創製陶所)

 今回の「ものづくり未来塾」は、この輪をさらに広げ、小松のあらゆるものづくりの力を結集しようというものである。具体的には参加事業所のオープンファクトリー化を進め、産地全体のブランド化を目指している。

 小松には、日本遺産に象徴される地域の物語があるが、個々の事業所にも、創業から今日に至るまでの「工場物語」がある。実行委員長の小倉織物さんは、1895(明治28)年創業、1902(同35)年にはジャガード機による紋織を開始し、小松の絹織物をリードしてきた。世界的ブランドからも多くの注文を受けている。

 同じく実行委員の宮創製陶所さんは、14(大正3)年創業の九谷焼置物の素地を手掛けてきた。素地をつくるための「型」は誠に特徴的で、工場2階には500点を超える型が保管されている。どの工場にも、こうした固有の物語があり、話を伺うたびにワクワクとする。

 小松では11月12日から14日の3日間、全国の日本遺産認定地域が集まる「日本遺産サミット」が開催される。オープンファクトリー「GENGA」プロジェクトは、ここに照準を合わせている。小松の新たなものづくり観光のスタートである。

(日本観光振興協会総合研究所顧問 丁野 朗)