「JR楽パック赤い風船」共同で提供へ 日本旅行×楽天トラベル

2023年7月18日(火) 配信

日本旅行と楽天グループはこのほど「JR楽パック赤い風船」を共同で売り出す

 日本旅行(小谷野悦光社長)と楽天グループ(三木谷浩史会長)はこのほど、楽天が運営する旅行予約サービス「楽天トラベル」において、JR各社が取り扱う全国のJR新幹線・特急と宿泊施設をセットにしたツアー商品「JR楽パック赤い風船」の提供に向けた協業に合意した。

 国内の宿泊施設の案内と参画受付を開始し、2023年内を目指して、楽天トラベルユーザー向けに同商品の提供を始める予定だ。

 日本旅行は、楽天との協業と同商品の利用をきっかけとし、宿泊施設への送客強化を始め、沿線の地域と自治体が課題とする誘客促進に貢献する考え。

 楽天は、楽天トラベルの商品の選択に「JR楽パック赤い風船」を加えることで、ユーザーの利便性のさらなる向上と、地域・宿泊施設に向けたより一層の送客強化をはかる。

南あわじ―徳島空港結ぶ、来年3月までバス運行、南あわじ市

2023年7月18日(火) 配信

玉ねぎデザインのラッピングバスを導入

 兵庫県南あわじ市は7月1日(土)、同市と徳島阿波おどり空港(徳島県松茂町)を結ぶアクセスバス「オニオンバス」の運行を始めた。2024年3月31日(日)まで運行する。

 市は定期運行の実現に向けた実証運行を2021年度から取り組み、今回で3回目。同空港には東京(羽田)と福岡便が就航しており、首都圏など都市圏からの誘客に力を入れている。

 今回は航空便のダイヤに合わせ、市内発8本、空港発9本のバスを設定した。淡路交通(同市)とみなと観光バス(兵庫県南あわじ市)が小型バスを運行する。今回から市の特産の玉ねぎをデザインしたラッピング車両を導入し、車内での電子決済サービスに対応した。

 早朝の始発便と夜間の最終便など一部の便は乗車2日前までの完全予約制。日中の便は予約なしでも乗車できる。

 停留所は淡路島南インター(IC)、福良、陸の港淡、イングランドの丘の4カ所。運賃は空港―イングランドの丘間で片道大人1200円、子供600円など。往復割引もある。

 空港からの所要時間は、淡路島南ICが25分、イングランドの丘が67分。市内のみでの乗降はできない。

新鉄道館8月26日開館、体験エリアが充実、福知山市

2023年7月18日(火) 配信

福知山鉄道館フクレルの外観イメージ図

 京都府福知山市は、福知山城公園親水広場内に建設中の「福知山鉄道館フクレル」を8月26日(土)に開館する。

 老朽化のため2018年に閉館した「福知山鉄道館ポッポランド1号館」に代わる新施設となる。

 鉄筋コンクリート造(一部鉄骨造)の平屋建て(一部2階建て)。延床面積は約584平方㍍。館内は「歴史展示」「交流体験」の2エリアに分かれる。

 歴史展示エリアでは、1899(明治32)年に大阪から福知山までの鉄道が開業して以来、鉄道とともに発展してきたまちの歴史をジオラマ模型などで紹介する。

 交流体験エリアには、スコップで投炭しSL機関助士の作業を体験するコーナーや、運転シミュレーターなどをそろえる。

 開館時間は午前9時から午後5時。26日(土)の開館日は午後1時のオープンとなる。入館料は高校生以上500円、小・中学生250円、未就学児無料。運転シミュレーターは1回300円。

 なお、蒸気機関車C5856が展示されている「福知山鉄道館ポッポランド2号館」は引き続き営業し、市は新たな鉄道館との周遊を促す。

「提言!これからの日本観光」 「逆境(?)観光」(心の観光)

2023年7月17日(月) 配信

 「鉄道友の会」の会合に出席するため青森県五所川原市を訪れる機会を得た。私の訪れた日はたまたま雨であったが、路傍には除雪された雪が積み上がっており、厳しい北国の冬を思わせる情景に接した。この地域は、このような厳しい冬を逆手にとって、さまざまなアイデアを出して観光客を誘致することで注目されてきた。いわば「逆境観光」とでもいえようか。

 例えば、当地の冬の厳しさを象徴するのは“地吹雪”という気象現象である。降り積もった雪が北からの強風に煽られて、吹雪のように舞い上がる。一瞬、周囲のものが真っ白に見える状態となるほど景観が一変する。

 これを体験する「地吹雪ツアー」を旅行会社と地元観光関係者などが企画して、冬のユニークな観光資源として話題になったこともある。

 観光は日常生活の場を離れて、非日常体験を味わう行動とされるが、このような日常体験できない異常な気象のなかから新しい魅力を見出すことも、確かに「観光」というにふさわしいと思う。この「観光」を通じて我われは季節の移り変わりに直接、接することができるからだ。

 厳しい体験ではあるがそのなかから直接、大自然に接する得難い体験ができる窮極の「観光」でないかとも思う。このような寒冷な降雪地域の人たちは厳しい冬を過ごすためにさまざまな工夫をしてきた。

 寒いときには、囲炉裏の火を囲んで暖をとりながら、談笑に時を過ごすことによって、冬の暮らしに彩りを添えることもその1つである。

 冬の「観光」のなかでこのような寒冷地の人たちが、永年の経験のなかからつくり出してきた「暖炉」を囲んでの楽しい人々の輪に参加する真の「観光」も盛んになっている。

 そこには特別な造作もまた演出もない。囲炉裏(暖炉)の傍で集まって地域の人とのコミュニケーションを深め、地域の雰囲気を味わうことがその目的となる。

 これによって、観光客の心に地域の人々の心に触れる温かみのある冬の心の「観光」が心証に残るのではないだろうか。特別な景観や名所、旧蹟などのほか、このような心の観光資源ともいうべき地域のぬくもりに参加することこそ北国の真の「観光」ではないだろうか。

 特色ある風物を持つ地域を訪れ、地元の方々から、その地の特色・魅力などの話を聞く。地域の魅力を深く味わうため地元の方々との対話を通じて地域の特色・魅力を話し合う場を作り、それに参加して心の観光を完結させる。

 そのような対話による交流(具体的には観光を考える地域での集まりに参加する者)の場を作ることも厳しい気象条件で戸外の観光が限られる時期にあっての「観光」の1つの趣向なのではないだろうか。

 北国の民鉄の努力によって運行されているストーブ列車への乗車は、私にとって心に残る旅となった。

 

須田 寛

 

日本商工会議所 観光専門委員会 委員

 
須田 寬 氏
 
 
 
 

「津田令子のにっぽん風土記(99)」東奔西走、渡り歩く仕事師~ 福島県郡山市編 ~

2023年7月16日(日) 配信

通勤コースになっている麓山公園
NHK文化センター郡山支社長 上村妙子さん

 これまで日本各地を駆け巡ってきたNHK文化センター郡山支社長の上村妙子さん。赴任先は福岡を皮切りに、北九州、再び福岡へ、一気に北へ飛び帯広支社を経て福山へ赴く。さらに長崎から東京(本社)へ。その後も仙台、川越、水戸の各支社を経て、昨年5月から福島県郡山に着任したという。「段ボールの荷解きをしないまま次の赴任先へなんてこともありましたよ」とケロッとおっしゃる。

 

 移動する先々でその土地と人に心底惚れ、自ら馴染み仲間を増やしながら仕事を愉しまれているように映る。とくに印象に残っているのは「帯広です。九州からの海峡を2つ超えて初めて室長として勤務したのですべてが新鮮で刺激もありました」と語る。

 

 NHK文化センターに入ったきっかけは、「福岡教室でアルバイトをしているときに当時の支社長から勧められ社員試験を受けました。気づいたら数十年働いていました」と話す。小学3年の夏まで生まれ育った大分にいた上村さん。「高齢の両親もまだ健在ですので定年後には帰りたいと思っています」と言うが、まだまだ、日本各地の文化や食、人との出会いを謳歌できたらと意気軒昂だ。

 

 現在は、支社長として主に講座管理・企画・運営を行っている。郡山の印象は「ちょうど赴任して1年が経ちました。とにかく優しい方が多く、人間関係はばっちり。観光地もたくさんあるので皆さん親切です」と話す。

 

 気に入っている場所は、「郡山駅前周辺の飲食店です」と何とも上村さんらしい答えが返ってくる。会社帰りに一杯ひっかけるのが、目下、最大の楽しみだという。「以前はテニスもしていましたが、今は仕事帰りに飲むビールや焼酎がライフワークです」と断言する。「それと通勤で毎日荒池公園を3~4分、芝生の周りを歩いていますが、空気が澄んでいて気持ちよく癒されます」と街の魅力のアピールも忘れない。「麓山公園は、教室があるNHK郡山支局の隣で、向かいには郡山中央図書館も隣接しています。疲れたときには滝を眺めてリフレッシュしています」。

 

 結果として、寅(映画「男はつらいよ」の主人公・車寅次郎)さんのごとく、日本全国旅をされている上村さん。「赴任してすぐのころは前任地を思いだしますが、2年目になると、『ここもいいかも』と思い、3年目には大好きな場所になる」と振り返る。このあたりに「東奔西走もろともせず渡り歩く仕事師」と呼ばれる秘訣があるのでは。

 

 

津田 令子 氏

 社団法人日本観光協会旅番組室長を経てフリーの旅行ジャーナリストに。全国約3000カ所を旅する経験から、旅の楽しさを伝えるトラベルキャスターとしてテレビ・ラジオなどに出演する。観光大使や市町村などのアドバイザー、カルチャースクールの講師も務める。NPO法人ふるさとオンリーワンのまち理事長。著書多数。

旅館「嬉野八十八」が嬉野温泉で10月開業 JR九州ホテルマネジメント

2023年7月15日(土)配信

嬉野八十八の全景

 JR九州ホテルマネジメント(浜田真知子社長、福岡県福岡市)は10月1日に、佐賀県嬉野市に建設中の旅館「嬉野八十八(やどや)」を開業する。6月1日から宿泊予約をスタートした。

 嬉野温泉駅から車で7分の同館は36室。内訳は母屋棟24室、離れ棟12室で構成される。

 母屋棟のうち、45平方㍍の客室は全14室で定員3人、70平方㍍の客室は定員4人で10室を用意した。

 離れ棟は80平方㍍で定員4人の客室8室と、100平方㍍の客室4室を設けた。

 すべての各部屋に設置する温泉風呂や温泉半露天風呂は、「日本3大美肌の湯」といわれる源泉100%掛け流しとなる。

 専属茶師によるティーセレモニーや、茶アロマのロウリュウサウナ、茶BARなど用意。料理は佐賀牛や竹崎カニ、呼子のイカなど西九州の豊かな食材を調理して、肥前吉田、有田・伊万里焼などの器に盛って提供する。

第10回日豪観光交流促進協議 長野県飯山市で4年ぶりに開く

2023年7月14日(金) 配信

日豪観光交流促進協議は7月5日(水)に開かれた(観光庁HPから)

 日豪観光交流促進協議は7月5日(水)、長野県飯山市で開かれた。2019年にオーストラリア・パースで開催して以来、4年ぶりとなる。日本からは観光庁の星野光明国際観光部長や阿部守一長野県知事が参加し、ポストコロナにおける両国の観光政策やアドベンチャーツーリズムや、持続可能な観光についての事例発表や意見交換が行われた。

 豪州側は、オーストラリア政府観光局のアンドリュー・ホグアジア地区・航空担当副局長と、在日オーストラリア大使館のエリザベス・コックス公使兼北東アジア統括ジェネラルマネージャーなどが参加した。

 関連行事では、県内の多くの自治体が協力した。豪州側の参加者は、長野の観光の魅力に触れた。

 協議前日の7月4日(火)には、しなの鉄道の観光列車「ろくもん」で歓迎レセプションを開いた。

全旅連女性経営者の会 23・24年度定例会議in湯河原開く 牧島かれん氏が講演

2023年7月14日(金) 配信

会議のようす

 全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会女性経営者の会(JKK、会長=高橋美江・益子舘里山リゾートホテル社長)は7月13日(木)、ホテルあかね(神奈川県・湯河原町)を会場に、2023・24年度定例会議を開いた。

 小林佳子前会長から引き継ぎ、第1回目の定例会議に臨んだ高橋会長は、「湯河原は観光立町を掲げている町。療養泉とされている湯河原の温泉に浸かりながら、今日の学びを宿に持ち帰っていただきたい」と呼び掛けた。

 全国から約50人のJKK会員が参加。定例会議では、各委員会が今年度のこれまでの活動を報告した。

高橋美江会長

 勉強会は2部構成で行われた。第1部では、フェイスアップ代表取締役の飯野智子氏が「関係性の質を高めるコミュニケーション研修」をテーマに講演した。第2部では、デジタル大臣を務めた衆議院議員の牧島かれん氏が「観光の未来について」というテーマで話した。

 飯野氏は、女将はCOO(チーフオペレーティングオフィサー)であり、「場のマネジメント」を行うことが重要だと説いた。チーム内での関係性の質を高める手段として、スタッフ一人ひとりとコミュニケーションを行うとき、「言葉を介して接している以上、自分の認知をスタッフに正しく伝えることは難しい。リーダーほど言葉を多く持つ必要がある」と述べた。

 牧島氏はデジタル庁の革新的な組織づくりについて紹介。組織作りにはディズニーランドやサンリオピューロランドを参考にした。「部署などの垣根を越えて、テーマパーク全体でサービスを提供している体制をデジタル庁に採用した。観光地域づくりにおいても同様で、観光関連の人だけではなく、地域の人も観光客を受け入れ楽しませるような、地域全体での取り組みが求められる」と話した。

牧島かれん氏

むさしの会、青木由記子会長へ引継ぎ式 「新たな旅程管理システムで業務効率化を」(小原代表)

2023年7月14日(金) 配信

高橋美江直前会長(左)と青木由記子会長

 むさしの手配センター(小原寛信代表、東京都立川市)の「むさしの会」(会長=青木由記子・よろこびの宿しん喜若女将、40会員)は7月11日(火)、東京都内で第40回定時総会を開いた。コロナ禍によって対面での総会ができなかったため、2020年に会長に就任した青木会長への引継ぎ式からスタートした。

 13年から7年間、会長を務めた高橋美江直前会長(益子舘里山リゾートホテル社長)は、「観光は再スタートの位置に立っている。むさしの会の皆さんと協力して日本の観光を盛り上げていきましょう」と語った。

 バトンを引き継いだ青木会長は、「団体客の減少や感染対策、おもてなしの仕方など、現場は大きな変化を求められた」とコロナ禍の3年間を振り返り、「さまざまな試行錯誤によって考えさせられてきたことを今後の活動につなげていきたい」とあいさつした。

 さらに、「実績と経験豊富な高橋直前会長に支えていただきながら、皆さんと一緒に学ばせていただければ」と述べた。その後、青木会長から高橋直前会長に花束が贈られた。

 

むさしの手配センターの小原寛信代表

 むさしの手配センターの小原代表は、「コロナ禍で廃業された仲間も多く残念でならないが、我われも厳しい環境のなか、スタッフとともに前しか見ずにさまざまな取り組みや挑戦をしてきた」と語った。

 「今回は感謝の意を込めて、初めて勉強会を用意した。何かを得ていただけるとうれしい」と述べた。

 今年度の主な事業は、女性キャラバンなど販売促進活動などを計画している。

 総会後の勉強会では、旅行業者や旅行サービス手配業者とのやりとりを効率化する旅程管理システム「Tour Manager」について、小原代表が説明した。  

 「Tour Manager」はむさしの手配センターが独自に開発した旅程管理システムで、受入施設と旅行会社、ランドオペレーターがWeb上で同じカルテを共有するため、内容の行き違いがなくなるメリットがある。

 予約の変更があった際には電話ではなく、メールで通知されるなど、生産性の向上や業務の効率化につながる。むさしの会の受入会員施設のほとんどが導入する予定で、システム利用料については「当面は無料」(小原代表)としている。

 

矢崎道紀氏(下部ホテル)

 勉強会の第2部では、山梨県・下部温泉「下部ホテル」社長の矢崎道紀氏が「両方必要! 今後の個人・団体の取り込み」をテーマに講演を行った。

水木しげるロードで音声ARガイド、7月21日から夏季限定企画

2023年7月14日(金) 配信

30周年記念企画の第1弾

 JTB(山北栄二郎社長、東京都品川区)とジェーシービー(二重孝好社長、東京都港区、JCB)が共同出資する事業会社、J&J事業創造(森保幸社長、東京都港区)は7月21日(金)から8月31日(木)まで、鳥取県境港市の「水木しげるロード」で、音声AR(拡張現実)アプリを用いた音声ガイドコンテンツ「目玉おやじと行く夜の妖怪ぶらり旅」の提供を行う。

 同ロードの誕生30周年の記念企画。ソニー(東京都港区)が開発したアプリ「Locatone(ロケトーン)」内に、水木プロダクション(東京都調布市)の監修のもと、コンテンツを投入する。

 アプリを起動させイヤホン装着でロードを歩くと、各スポットで目玉おやじの音声ガイドが聞ける。音声によって妖怪の存在が身近に感じられるという。妖怪と写真撮影ができるARカメラ機能も搭載する。

 利用にはアプリ内からチケット(500円)の購入が必要だ。

 水木しげるロードは1993年7月に誕生し、今月で30周年の節目を迎えた。地元の境港観光協会などは今後、多彩な記念事業・イベントを展開する予定だ。