大賞5件を表彰、かながわ観光大賞創設

かながわ観光大賞受賞者

 神奈川県(松沢成文知事)は、今年から「かながわ観光大賞」を創設し、第1回の表彰式を11月4日、横浜市内のホテルで行った。応募や推薦であがった19団体・34件のなかから、民間企業や市町村、ボランティア団体など幅広い事業体から5件が大賞に選ばれた。

  当日、表彰の場で大賞を発表し、松沢知事とかながわ観光親善大使の女優・高島礼子さんから、賞状などが授与された。

 松沢知事は「4月に施行された神奈川観光振興計画に基づいて、優れた取り組みを検証するとともに、他の取り組みの模範となるように賞を設けた」と話し、各部門の大賞の講評をした。高島さんも登壇し、「観光親善大使として、微力ながら神奈川県のイメージアップのお手伝いをしたい」とあいさつした。

 各部門の受賞者と取り組み内容は、「魅力ある観光地づくり部門」を京浜運河などで工場夜景クルーズを実施しているケーエムシーコーポレーションの「工場夜景ジャングルクルーズ」が受賞。工場夜景という新たな魅力を創出した先駆性が評価された。

 また、「観光プロモーション部門」は、箱根登山鉄道の「箱根あじさい電車」。あじさいが育ちにくい山間部の沿線にボランティアと協力しながら長年かけてあじさいを整備。新聞社のアンケートであじさい名所の1位に選ばれ、梅雨時期に全国から観光客を集めたことが決め手になった。

 「観光による地域活性化部門」は、三浦市経済振興部営業開発課の「みうらシティセールス・プロモーション」が受賞。自治体で営業開発課を設置し、セールスを行うことは全国的に珍しく、また地域住民が主体的に活動している点などが受賞の理由。

 「受入体制おもてなし部門」ではボランティア団体・神奈川SGG倶楽部の「訪日外国人観光案内と日本・地域文化紹介のボランティア活動による実践」が選ばれ、外国人旅行者へのガイド活動などが認められた。

 さらに、「外国人観光客部門」は小田急電鉄の「春節キャンペーン(箱根、江の島エリア)」が受賞。東アジアからの集客を目指し、海外旅行博やインターネットで周知をはかった。また、和太鼓やもちつきなどのイベントも話題になった。

第20回全国大会に向けて、井上部長 横山次期部長 往復書簡

 全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会の青年部(井上善博部長)は11月25日、島根県松江市のくにびきメッセで「第20回全旅連青年部全国大会in縁結びの地しまね」を開く。

 09―10年度に「誇りば持とう青年部~『誇り』『絆』『友情』~」をテーマに活動してきた井上体制の集大成となる全国大会には、800人を超える青年部員が一堂に会し、2年間の委員会活動の報告に加え、各都道府県青年部の事業活動や功績を称える青年部褒賞の表彰式などが行われる。

 本紙は、全国大会開催に合わせて、第19代青年部長の井上善博氏(福岡県・原鶴温泉/ほどあいの宿六峰舘専務)と、今年9月14日の臨時総会で次期(第20代)青年部長に選出された横山公大氏(高知県高知市/土佐御苑専務)の両氏に、それぞれに宛てた期待と感謝のメッセージを往復書簡のかたちで交換してもらった。内容を紹介する。

有村さん(あゆの里)が委員長に

 全国旅館おかみの集い運営委員会は11月10日、運営委員会を開き、互選で新しい運営委員長に有村政代さん(熊本県人吉温泉・清流山水花あゆの里)を選んだ。

 有村女将は「これまで積み重ねてきたものを大切にしつつ、参加者が楽しめる会にしたい」と次回のプログラムづくりについて自身の考えを伝えた。

 この意向を受けて、基調講演講師や分科会(勉強会)の在り方について意見交換した。分科会では近年、外部から講師を招き、ややもすれば参加の女将たちが聞き役に回る場面も見られた。これを軌道修正し、女将たちが互いに発言し合う場という、立ち上げ当初のスタイルに戻すことで一致した。

 開催スケジュールについては、今年初めて実施し、好評を得た「1日」開催を踏襲する予定。

 基調講演講師については、数名の候補を選び、関係各位に出演を依頼する。

 なお、第22回の集いは、来年7月の開催を予定している。

No.265 金丸流「食による地域おこし」術 - 消費者に届くまでを意識する

金丸流「食による地域おこし」術
消費者に届くまでを意識する

 「田舎力 ヒト・夢・カネが集まる5つの法則」(NHK出版生活人新書)は、発売から1年半たつが現在もインターネット書店アマゾン「地域経済部門」で、ほぼ1位を維持する。著者は食環境ジャーナリスト、金丸弘美氏。全国の食の現場を取材するうちに、その経験、知識を活かして自らが食総合プロデューサーとして「食による地域おこし」に携わるようになった。金丸流「食による地域おこし」術を聞いた。

【沖永 篤郎】

「食のテキスト化で財産共有」

「徹底した地域調査と食のテキスト化」

 食による地域おこしに携わるなかで、金丸氏は地域食材のブランド化の依頼を多く受ける。埋もれている地域食材をブランド化し、大市場である東京など都市部に売り込みたいというもの。 最近では、総務省が認定する地域力創造アドバイザーとして茨城県常陸太田市の「常陸秋そば」、農林水産省のブランド化事業として岐阜県高山市の「宿儺(すくな)かぼちゃ」のブランド化に携わった。

金丸 弘美氏

 地域食材をブランド化するうえで必ず使うのがテキスト化の手法だ。食材の文化的背景、栄養価、栽培法、収穫時期、生産地、料理例などを改めて徹底的に調べ、その食材の物語をテキストとしてまとめる。「背景を説明できるテキストを準備し、ただ『おいしいですよ』だけでは終わらない売り込みをはかろうという戦略」。

 自分が売り込む商品を熟知していなければ、客に商品の魅力を納得してもらい購買につなげることはできない。テキストはいわば営業ツールといえる。金丸氏は「生産偏重の農業政策のなかで、生産者側は生産することだけに一生懸命で、その先で消費者がどういう反応をしているのか、出口がどうなっているのかが見えていない」と強調する。その食材を使ってどういう料理への用途があるのか、健康にどういいのかといった提案がなければ、次の展開につながらない。

 

※ 詳細は本紙1401号または日経テレコン21でお読みいただけます。

22回おかみの集い 有村さんが運営委員長に

 
全国旅館おかみの集い運営委員会は11月10日、運営委員会を開き、互選で新しい委員長に有村政代さん(熊本県人吉温泉・清流山水花あゆの里)を選んだ。有村女将は「これまで積み重ねてきたものを大切にしつつ、参加者が楽しめる会にしたい」と次回のプログラムづくりについて自身の考えを伝えた。

この意向を受けて、基調講演講師や分科会(勉強会)の在り方について意見交換した。分科会では近年、外部から講師を招き、ややもすれば参加の女将たちが聞き役に回る場面も見られた。これを軌道修正し、女将たちが互いに発言し合う場という、立ち上げ当初のスタイルに戻すことで一致した。

開催スケジュールについては、今年初めて実施し、好評を得た「1日」開催を踏襲する。基調講演講師については、数名の候補を選び、関係各位に出演の依頼をする。第22回の集いは、来年7月の開催を予定している。

 

東京1位、日本2位、英国紙の観光地ランキング

 英国の高級日刊紙「ガーディアン」がこのほど発表した「ガーディアン・トラベル・アワード2010」で、東京が都市別部門の1位、日本が国別部門の2位に選ばれた。

 「ガーディアン・トラベル・アワード」は、全22部門の各賞をいずれも読者の満足度投票で決める英国で最も権威ある旅行賞の1つ。都市別部門は、1位東京(満足度97・4%)、2位ベルリン(同96・9%)、昨年まで2年連続1位だったシドニー(同95・4%)が3位となった。国別部門は、1位モルジブ(同97・8%)2位日本(同97・5%)。

お座敷列車で、草津「温泉らくご」

昔昔亭笑海さん
昔昔亭笑海さん

 群馬県草津温泉の草津温泉らくご事務局(小林恵生事務局長)は落語芸術協会(桂歌丸会長)の後援のもと、昨年12月から毎晩夜8時に、湯畑前「熱の湯」で温泉らくご公演を開催し、好評を博している。温泉らくごの入場者数はすでに1万人を超えているという。

 来年7月―9月にかけてJR各社による「群馬デスティネーションキャンペーン(DC)」が計画されているが、そのプレDCの一環として、10月16日と23日の2回、東日本旅客鉄道の高崎支社が企画した「お座敷効能温泉吾妻号で行く草津温泉」が実施された。草津温泉行きの快速お座敷列車「やまなみ」の車内で温泉らくごが楽しめるという企画で、往路のJR高崎駅―中之条駅間で落語を披露する。出演落語家は、温泉らくごにも出演している、昔昔亭笑海(落語芸術協会二ツ目、温泉らくご湯上り落ち着け隊隊長)と鈴鈴舎馬るこ(落語協会二ツ目)の2人。JR高崎→渋川間では1号車と3号車、渋川→中之条間では2号車と4号車に車両を移動して、各20分ずつ落語を披露した。

 お座敷列車「やまなみ」は4両編成で、3連休直後という日程設定や朝早い出発時間など決して恵まれているとはいえない条件下にも関わらず、10月16日・23日ともに約6割程度の乗車率だった。

 

鈴鈴舎馬るこさん
鈴鈴舎馬るこさん

 当日、参加した乗客からは「宣伝告知が少なくて、今日は偶然知って当日乗車で参加した。旅行中の車内で落語が聞けるなんてこんな贅沢な列車はない。せっかくの良い企画なのだから、もっとPRにも力を入れてほしい」という意見も聞こえた。

 今回の企画立案者である東日本旅客鉄道高崎支社の伊藤健一営業部販売促進課旅行業担当課長は「温泉らくご事務局の多大なる協力をいただき企画が実現した。草津温泉で毎晩披露されている落語を列車の中で楽しんでいただき、お客様にもたいへん喜んでもらえた。『いい思い出になった』『来年もやってほしい』などの声をいただき、今後も温泉らくご事務局との連携によって、来年のDC本番に向けて魅力的な企画を考えて行きたい」とコメントした。

 温泉らくご事務局の小林事務局長は「芸達者なエキスパートである落語家さんの力を借りて、旅の始まりから笑いを提供する試みに成功した。旅に付加価値を付け、草津温泉に来ると旅の質が違いますと謳えるようになりたい。草津は泉質主義だけでなく、旅のエンターテイメント性でも日本一を目指したい」と抱負を語った。

 落語家の昔昔亭笑海さんは「新しい試みに可能性を感じた」といい、鈴鈴舎馬るこさんは「車窓の紅葉を観ながら落語を聞けば、気分も高揚すること間違いなし」とアピールした。

 なお、お座敷列車「やまなみ」の運行は今年12月上旬をもって終了となるため、来年夏にはジョイフルトレイン「リゾートやまどり」に生まれ変わり、群馬DCで運行する計画という。

【古沢 克昌】

「ゆかたクレジット」開始、温泉街のつけ払いがヒント

 兵庫県豊岡市の城崎温泉は、10月31日からデジタル外湯券で外湯の入浴、買い物、音声ガイダンスなどが簡単にできる「ゆかたクレジット事業」を始めた。デジタル外湯券は「ゆめぱ」と命名。温泉街に7つある外湯で、ゆめぱをかざすだけで入浴ができる。

 城崎温泉では、旅館に宿泊すれば外湯巡りが無料になり、ゆかた姿でスナックに行けばつけがきき、翌朝旅館で精算できるなどの習慣がある。今回のシステムはこの習慣をヒントに2年前から産業技術総合研究所の協力で実現した。

 ゆめぱは、旅館が発券するバーコード外湯券や、利用者が持つおサイフ機能付携帯電話または、SUICA・ICOCAなどのICカードのいずれかを有効化したもの。利用者が同意書に記入すれば、バーコード入浴券、おサイフ機能付携帯電話、ICカードいずれかにつけ払い機能を付けることができる。この機能は年内に始める予定。

 ゆめぱの導入で入浴客にとっては、外湯の混雑状況などがリアルタイムで分かるようになる。また、旅館組合側はデータを収集、分析することで観光戦略にも役立てていく。

 音声ガイダンスは外湯や町の案内をゆめぱをかざすことで聞けるサービス。外国人観光客向けに英語の案内も用意する。

神戸追加で3つ星12軒、ミシュランガイド京都・大阪・神戸2011

 フランスのタイヤメーカー・ミシュランは10月19日、神戸市内の兵庫県公館でレストランを星の数で評価するミシュランガイド「ミシュランガイド京都・大阪・神戸2011」の発表会と出版記念パーティーを開いた。

 同社は昨年10月に「京都・大阪」版を発行しているが、11年版で「関西の主要都市の1つで、国際色豊かな食文化が育まれている神戸」を追加した。

 11年版で掲載の施設は312軒で、このうちレストランが239軒、ホテル42軒、旅館31軒となっている。最も評価の高い3つ星は12軒(京都7軒、大阪3軒、神戸2軒)で、神戸地区からは創作料理のレストラン「カ・セント」と日本料理の「子孫」が選ばれた。三つ星昇格は京都の「なかむら」、大阪が「柏屋」と「太庵」。

 施設全体の6割が日本料理で、そば、寿司、天ぷら、串揚げなどを加えると8割を超える。

 新たなカテゴリーとして京都のおばんざいや鳥料理、ゆば料理も加わった。また、今回から1人5千円以下で食事できるレストランも40軒選ばれた。

 なお、神戸地区の旅館では有馬温泉の「欽山」が1つ星に選ばれたほか、御所別墅、陶泉御所坊、中の坊端苑など7軒が快適な旅館として掲載されている。

 ミシュランガイド総責任者のジャン=リュック・ナレ氏は「世界には3つ星レストランは90軒しかない。そのうち12軒が京都・大阪・神戸から選ばれたことは賞賛に値する」と高く評価した。

ツイッターの活用法学ぶ、日観連東京都支部 秋季セミナー

 ツイッターの戦略的な活用法を学ぶ――。日本観光旅館連盟東京都支部(齊藤源久支部長)と、東京都ホテル旅館生活衛生同業組合(今井明男理事長)は10月29日、東京都千代田区の全国旅館会館で秋季研修会を開いた。

 研修会では「ツイッター知ってますか? ツイッター使ってますか?」をテーマに、「なう」代表取締役でホテルサンルート札幌を経営する才式祐久氏と、「らーにんぐぽけっと」代表取締役の青山華子氏が講師として、ツイッターの入門から戦略的な活用方法まで説明した。

才式祐久氏
才式祐久氏

 才式氏はツイッターの利点として、「1つの顧客支援が皆に伝わる」ことを挙げ、「○○してくれてありがとうという感動共有がフォロアーに伝わり、企業のメリットになる。ツイッターを活用することでお客様はターゲットではなく、パートナーという関係になる」と述べた。

青山華子氏
青山華子氏

 青山氏は「ツイッター利用者は現在、国内で1千万人超でインターネット人口の16―18%」と紹介し、ツイッターの特徴について(1)共感者、応援者を増やすツールであって宣伝ツールではない(2)期間が限られたものを盛り上げるのにとくに効果を発揮する――などと説明した。さらに「個人のブランディングを促進し、認知度を高めるために有効であり、人との距離を早く縮めやすいので、準見込み客、見込み客を集めるために使うと効果的」とし、「ツイッターは上手に使うと『お客様を身内化する』」と語った。