中国こども大使を招待、KNT「旅通じて子供に笑顔を」

 近畿日本ツーリスト(KNT)は7月26―30日の5日間、2008年に中国・四川省で発生した大地震に被災した子供たちを「中国こども大使」として日本へ招待した。同社創立55周年プロジェクト「みんなの笑顔が見たいから」の一環として、「旅を通じ子供たちの笑顔をとりもどしたい」をテーマに企画。子供たちは小学4―5年生の35人。山梨県甲府市で小学生と交流、記念植樹を行ったほか、富士山や箱根周辺、東京ディズニーランドなどの観光を楽しんだ。

 28日夜には東京都内のホテルで「中国こども大使交流会」が行われた。26日、北京まで「こども大使」を迎えに行ったKNTの吉川勝久社長は「国家旅遊局の祝副局長ともお会いし、『素晴らしい事業である』と高い評価と謝意を受けた」と報告。「両国の人口からすると、とても少人数の交流ではあるが、このような中日間の良好な関係が、子子孫孫、世々代々に渡って育まれることを願ってやまない」と語った。また、子供たちに「元気に旅をしていますか。帰ったら、みんなに日本のことを話してあげてください」と話しかけ、元気な返事を受けた。

 在日本中華人民共和国大使館の張成慶参事官は「この旅により、子供たちがパワーをもらい、四川に戻って新しくスタートできると信じている。日本の良さ、日本の方々の親切さを中国の皆さんにたっぷり伝えていただきたい」と語った。こども大使からは、感謝の気持ちを込めて、歌や踊りなどが披露された。

第2回観光甲子園、10校が本選大会出場(8月29日)

昨年の観光甲子園
昨年の観光甲子園

 高校生が主役となって地域の観光資源を再発見・再発掘して作り上げた「地域観光プラン」を競い合うコンテスト、第2回「観光甲子園」(主催・大会組織委員会、委員長・石森秀三北海道大学観光学高等研究センター長)の本選大会出場10校が決定した。

 大会は昨年に第1回を開催し、応募してきた69校、157プランの中からグランプリなどを決定した。今回は「ディスカバーマイタウン・マイエリア」をテーマに、4月1日から全国の高等学校6200校を対象にプランを募集した。

 応募は前回を上回る75校、125プラン(今回から1校3プランに制限)と増え、参加都道府県も30から36に拡大した。7月9日に締め切られ、審査委員による予備選で本選出場の10校を決定した。

 本選大会は8月29日に、兵庫県神戸市の神戸夙川学院大学を会場に開催。10校の生徒が、審査委員を前にしたプレゼンテーションを行い、その中からグランプリの文部科学大臣賞と観光庁官賞など各賞を決定する。

 本選出場校(都道府県)は次の通り。

 私立東北生活文化大学高等学校(宮城)▽県立置賜農業高等学校(山形)▽私立清真学園高等学校(茨城)▽横浜市立みなと総合高等学校(神奈川)▽県立法隆寺国際高等学校(奈良)▽県立新翔高等学校(和歌山)▽松江市立女子高等学校(島根)▽県立上浮穴高等学校(愛媛)▽県立新居浜商業高等学校(同)▽県立島原農業高等学校(長崎)

国産食料の流通活性化、子供たちに「たから」発掘

 日本青年会議所(JCI)は7月24日、神奈川県のパシフィコ横浜で、食料の国産商品流通の活性化をはかるためのイベント「地域活性たから市」を開いた。ローカルファースト確立委員会(秋山洋一郎委員長)を中心に、日本の食料自給率の向上や地域の「たから」を発掘する試みとして、初めて実施。横浜市内の小学校などにPRし、約1万人を集客した。

秋山委員長

 秋山委員長は「日本の国土は力があるが、生産者が減少し、消費者もファーストフードの利用などで、何がおいしいのか分からなくなっている。ふるさとの味もなくなっているなかで、作り手と消費者をつなぐ出会いの場を作りたいと思いイベントを開いた」と経緯を話す

 JCIは、さまざまな産業の関係者が参加し、全国で地域資産の活用や永続的な地域の発展、地産地消の呼び掛けなどの活動を行っている。そのなかで、今回は「未来の子供たちのための食を通した日本経済の再興」を目的に、「たから市」を実施した。

 今回は、地域の青年会議所や企業が協力して44ブースを出展。知名度の高いものからあまり知られていないものまで、安心・安全の国内産食材、料理を並べた。出展を断ったものもあるというが、「適正なものを適正な価格で提供する。手間がかかるものは、それなりの値段になる。それが分かる人たちのブース。企業の利潤追求ではなく、人と人との信頼関係を築くことを主に、新たな産業構造を築くためのもの」と強調する。

 今後は、このような小さいイベントを各地域で行えないかと考えている。「日本には約1700の自治体があるが、地元の人が地元のモノに出会う機会を作りたい」と意気込みを語る。