新会長は金谷氏(金谷ホテル)に、東武トップツアーズ旅ホ連設立

旅ホ連・金谷譲児会長
旅ホ連・金谷譲児会長

 東武トラベルとトップツアーが4月1日付で合併し、東武トップツアーズを設立したのにともない、両社の協定旅館ホテル連盟は3月25日、東京都内のホテルで「東武トップツアーズ協定旅館ホテル連盟」設立総会を開いた。会長には金谷ホテル観光社長(鬼怒川温泉ホテル)の金谷譲児氏を選任したほか、本部規約などを承認した。会員数は1726会員。

 金谷新会長は「若輩者の私が会長に指名されたということは、連盟への進化や変化が求められているのではと感じている。ゼロベースのスタートなので、何がしてもらえるかではなく、何ができるかを新役員と本音で議論していきたい」と意気込みを語った。

 
 

坂巻伸昭社長
坂巻伸昭社長

 連盟の名誉会長に就任した東武トップツアーズの坂巻伸昭社長は、新会社の設立経緯や経営理念「Warm Heart~ありがとうの連鎖を~」などを紹介。「新会社は人が財産を根幹に据えている」とし、「お客様や従業員、パートナーとありがとうの輪を広げていきたい。皆さんとは施設というハードと付き合っているのではなく、施設を作っている一人ひとりと付き合っていると考えている」と述べた。そのうえで、連盟会員に対し、「我われに何ができるかを伝えてほしい。“送る”“送られる”ではなく、いかにお客様に喜んでいただくか、『ありがとう』と言ってもらえるかを同じ目線で考えていきたい。皆様一人ひとりの力を与えていただき、私たち社員一人ひとりが少しでも皆さんに貢献できればありがとうの輪がつながり、新しい会社は必ずよいものとなる」と訴えた。

 

施設連盟・中野吉貫会長
施設連盟・中野吉貫会長

 また、当日は東武トラベル協定観光施設連盟と東武トラベル協定運輸機関連盟、トップツアー・トップ会の3組織が一つになり、「東武トップツアーズ協定運輸観光施設連盟」(1022会員)を設立。会長には四国・琴平のナカノヤ社長の中野吉貫氏が就任した。中野新会長は「この組織を永久にバトンタッチできるよう、初代会長として努めていきたい」とし、「会社から『ありがとう』といってもらえるような商品づくりをしていかなければならない。仕事を期待するのではなく、新会社に何ができるのか提案できる関係性を作っていくことが大切だ」と語った。
 
 
 

LCC旅の隆盛

 4月8日に成田国際空港の第3旅客ターミナルビルが供用開始した。LCC専用で、ジェットスター・ジャパンやバニラエアなど5社が入居。国内線は札幌、関西、広島、高松、松山、福岡、大分、佐賀、熊本、鹿児島、奄美大島、那覇の12都市、国際線は台北、高雄、香港、ソウル、ケアンズ、ゴールドコースト、メルボルンの7都市を結ぶ。天井は仕上げをせず剥き出し、ブリッジは空調のない半屋外空間にするなど、コスト削減を意識。一方で、国内最大級の450席を擁するフードコートや免税店などで華やかさを演出し、旅のわくわく感を煽る。

 記者は昨夏、プライベートでLCCを使い旅に出たが、空港へのアクセスも含め、座席空間の狭さも気にならず、満足度は高い。懐のさみしい層には、もはやLCCは旅の必須交通かもしれない。安全を徹底したさらなる低額化に期待がかかる。

【伊集院 悟】

通訳案内士制度の検討会、業務独占の是非も課題

18人の委員が参加
18人の委員が参加

地域資格の新設など論点整理

 観光庁は3月23日、第7回「通訳案内士制度のあり方に関する検討会」を開き、これまでの各業界・委員からのヒアリングをもとに、業務独占の是非や地域が主体となり養成・確保する資格区分の設定、品質確保のための更新制度・評価制度の導入など、今後の論点を整理した。

 観光庁は、通訳案内士制度が創設されてから60年以上が過ぎ、現状とのズレが生じてきたことから、訪日外国人旅行者の増加とニーズの多様化に的確に対応できるよう制度のあり方について、昨年12月に検討会を立ち上げた。これまでは通訳案内士の団体や旅行業界、地方自治体、経済団体など、関係する業界から現状や課題、その改善策などをヒアリング。次の段階に進むべく、今回、論点を整理した。

 論点は(1)資格制度の法的枠組み(2)資格付与のあり方(3)品質確保の方策(4)利用促進方策――に分類。資格制度の法的枠組みのなかでは、業務独占規制の是非が大きな論点となる。現行制度では「資格取得者でなければ報酬を得て通訳案内を業として行ってはならない」と、業務独占規制となってきたが、見直しの要請も多い。現行制度を維持するのかどうか、もし見直す場合はどのような規制をするのか。また一方で、無資格通訳案内士の取り締まりなどについても検討していく。

 そのほか、ボランティアガイドの位置づけや、資格対象言語以外の言語の取り扱い、また地域のさまざまなニーズに応えるための地域が主体となって養成・確保する地域通訳案内士の資格区分などについても検討する。

 品質確保の方策では、更新制度導入などについて議論。現行制度では、試験合格後に登録されると、死亡や身体的負傷、業務意思がなくても登録され続け支障をきたしているので、更新制度導入やその制度設計について話し合う。また、品質向上促進のため、新人研修や更新研修、評価制度に導入などについても検討していく。

 なお、次回は4月下旬を予定し、(1)資格制度の法的枠組み(2)資格付与のあり方――について議論していく。

“べた”を楽しむ

 北陸新幹線が開業し、何かとメディアに取り上げられる機会が増えてきた北陸だが、ここでも少し話題を。

 能登半島の西側、日本で唯一、車で走ることのできる砂浜として知られる「千里浜なぎさドライブウェイ」では、砂浜を爽快に走れるレンタサイクルが注目を集めている。同ドライブウェイにある「千里浜レストハウス」が、地元自転車メーカーと連携し昨年から実施するもので、今シーズンも4月1日からレンタルを始めた。「ビーチクルーザー」と呼ばれるアメリカンスタイルの自転車で、タイヤが太く砂浜でも走りやすい。何より普通にカッコいい。

 8キロもの砂浜、遥か彼方の水平線、美しいサンセット――。言葉にするといかにも“べた”なシチュエーションだが、それってやっぱり絵になるのだ。

【塩野 俊誉】

訪日事業の執行機関に、海外企業と直接契約も可能(JNTO)

松山良一JNTO理事長(左)と山口由美観光庁次長
松山良一JNTO理事長(左)と山口由美観光庁次長

 日本政府観光局(JNTO、松山良一理事長)は4月1日、これまで観光庁が担ってきた訪日プロモーション事業の新たな執行機関としてスタートを切った。同日開いた会見で松山理事長は、JNTOが執行機関となる利点として、現地目線でのプロモーション実施や、現地ニーズに対応した迅速な意思決定をあげ、海外事務所でのこれまで蓄積してきたネットワークを最大限に生かした効果的なプロモーションに尽力していく。

 ビジット・ジャパン(VJ)事業はこれまで、観光庁が事業実施主体、JNTOが監督役として行ってきたが、今後はJNTOが事業実施主体も担い、海外の民間事業者との直接契約もできるようになる。14年度補正予算事業からすでにJNTOが執行機関を担っていたが、4月から正式に新体制となる。

 松山理事長は「JNTOが執行機関となることで、より外国人目線を重視したプロモーションや、現地ニーズに対応した迅速な意思決定が可能となる」と語り、人材育成の観点では「観光庁と比べ異動が少なく、現地で長期間業務に就けるので、よりノウハウの蓄積ができる」とした。観光庁の山口由美次長は、「JNTOにはインバウンドの牽引役としてさらなる期待をしている。観光庁とも適度な緊張感を持ちつつ連携してインバウンドを推進していきたい」と期待を述べた。

 JNTOは組織体制も改変し、内部統制や契約管理体制を整備するため監査室を設置。また、より戦略的に訪日プロモーション事業を実施するためインバウンド戦略部を新設し、データを重視したマーケティングのための調査・コンサルティンググループ、プロモーションの連携を担う誘致戦略グループ、受入環境の整備を促進する受入対策グループ、賛助団体への情報提供を行う会員サービスグループを置いた。4月から人員を13人補強し、海外事務所やインバウンド戦略部などへ重点配分した。

 なお、小堀守統括役が理事に昇格。新役員体制は次の通り。

 【理事長】松山良一【統括理事】加藤隆司(全体統括・経営管理部担当)
 【理事】山崎道徳(インバウンド戦略担当)▽小堀守(海外プロモーション部・コンベンション誘致部担当)
 【監事】久松完(常勤)▽大塚美智子(非常勤)

新たに6社を認定、ツアオペ品質認証制度

 日本旅行業協会(JATA)は4月1日、インバウンド事業に携わるツアーオペレーターの品質を認証するツアーオペレーター品質認証制度の第5期申請で、品質認証審査委員会(委員長=松本大学教授・佐藤博康氏)が新たに6社を認証したと発表した。現在の認証会社は計45社。

 今回認証を受けたのは、ワールド航空サービスとジャルパック、日本旅行東北、日本旅行沖縄、ティ・エ・エス、ポラリスジャパン。なお、4月1日付の東武トラベルとトップツアーの合併で、品質認証制度の登録会社は東武トップツアーズとなっている。

 同制度は年1回の申請制度で、次回6期の申請受け付けは2016年1月1―31日。審査結果は4月1日に発表予定。

わずか4分で完売、コンビニ販売のプレミアム宿泊券(鳥取県)

ポスターに「完売御礼」
ポスターに「完売御礼」

 鳥取県は4月1日、国の地方創生向け交付金を活用したプレミアム付き宿泊券を、全国展開する大手コンビニエンスストア(セブン―イレブン、ローソン、ファミリーマート、サークルK・サンクス、ミニストップ)の約4万9千店舗に設置している専用端末で売り出した。

 県によると、今回の交付金にともない、大手コンビニで宿泊券を発売したのは鳥取県発行分が全国第1号になる。

 県内宿泊施設(ホテル・旅館・民宿など計163軒)での宿泊代や土産物購入などに使える額面1万円のプレミアム宿泊券1万4千枚を半額の5千円で限定販売したところ、わずか4分で完売した。県担当者は「事前告知の段階から電話での問い合わせも多かったので、手応えはあったが4分で売り切れるとは想定外だった」(森谷邦彦文化観光スポーツ局長)と、うれしい悲鳴を上げた。鳥取の魅力に加え、高いプレミアム率も、瞬く間の売り切れにつながった。今後追加発行の予定はないという。

プレミアム宿泊券の見本
プレミアム宿泊券の見本

 プレミアム宿泊券の利用期間は4月13日チェックイン分から11月1日チェックアウト分まで。1泊につき、1人あたり2枚まで(額面2万円)を上限とし、連泊や複数名で利用することもできる。

 県は同日正午から、鳥取県出身で地元選出の石破茂衆議院議員に、実際にコンビニで体験購入してもらいPRする予定だったが、完売のため急きょ中止となった。

今年度2カ所認定へ、ふるさとオンリーワンのまち

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 NPO法人ふるさとオンリーワンのまち(津田令子理事長)の15年度総会が3月26日、東京都内で開かれ、今年度はふるさとの素晴らしさを再認識し、日本を元気にしていくための事業「ふるさとオンリーワンのまち」として2カ所程度認定するほか、セミナー事業などに取り組むことを確認した=写真。

 14年度の「ふるさとオンリーワンのまち」認定事業では、世界遺産“日光の社寺”の観光ガイドを350年以上継続している「堂者引き」日光殿堂案内協同組合を第3号、東京・向島や神田、浅草など全国の料亭や芸妓文化を保護・育成する「界隈を勝手に応援する協議会」連合会を第4号、「ふたつのアルプスが見えるまち」南信州・飯島町がもたらす自然の恵みを活かしたまちづくりに取り組む長野県・飯島町観光協会を第5号として認定した。

 津田理事長は「『ふるさとオンリーワンのまち』の認定も5つになった。もっと我われの活動が認知されるよう、ホームページの充実や、ラジオなどを活用したPR事業なども展開しながら、会員拡大にも積極的に取り組んでいきたい」と語った。

第2回科学的旅館・ホテル経営フォーラム、6月16、17日 東京・秋葉原で開催

サービス産業革新推進機構、旅行新聞新社が共催

 サービス産業革新推進機構(内藤耕代表理事)と旅行新聞新社(石井貞徳社長)は6月16、17日の2日間、東京・秋葉原の富士ソフトアキバプラザで第2回「科学的旅館・ホテル経営フォーラム~宿泊業のビジネスモデルの深化とIT化戦略」を開く。国土交通省観光庁が協力。

 旅館・ホテルのさらなる経営力強化に向け、(1)ビジネスモデルの新潮流(2)地域社会との相互連携(3)業務革新とIT活用――のあり方について、具体的な事例に基づいて議論していく。

 フォーラムは16日の午後1時30分からスタートし、2時からセッション(1)「宿泊業ビジネスモデルの新潮流」では、鹿児島県・南きりしま温泉「天空の森」の田島健夫氏が「“素”に戻れる宿」、スーパーホテルの山本健策氏が「“ぐっすり”眠れるホテル」をテーマに語る。

 午後5時30分からは、懇親会を予定している。

 17日午前9時からのセッション(2)「観光地のIT化戦略と地域活性化」では、石川県・和倉温泉の野原博氏が「IT活用で地域情報を結ぶ」、兵庫県・城崎温泉「山本屋」の高宮浩之氏が「IT活用で人・宿・街を結ぶ」をテーマに、議論を広げていく。午後1時からのセッション(3)「宿泊業のIT化戦略と生産性深耕」では、福岡県北九州市「千草ホテル」の小嶋亮氏が「CS向上に向けたIT活用」、新潟県・越後湯沢温泉「越後湯澤HATAGO井仙」の井口智裕氏が「社内活性化に向けたIT活用」について語る。

 参加料は1人5万円+消費税(交流会、昼食、資料の費用を含む。宿泊は各自で確保)、定員は60人程度。対象は旅館・ホテルの経営者、現場実務者限定。申込みは氏名、所属、住所、メールアドレスをEメールで事務局まで送信。事務局は、サービス産業革新推進機構 メールアドレス「ryokan.science@gmail.com」。

17年に観光学部構想、「文化理解・発信の人財を」(東洋大学)

竹村学長
竹村学長

 東洋大学(竹村牧男学長)は3月27日、東京都のホテルニューオータニで入試プレス発表会を開き、2017年に開設を予定する国際観光学部など3学部の構想を発表した。

 新設を検討しているのは「国際学部」「国際観光学部」「情報連携学部」(仮称)。グローバルリーダーが集うアジアのハブ大学を目指す「東洋グローバルダイヤモンド」構想の一環として設立を目指す。

 竹村学長は「語学堪能なだけではグローバル人財とは言えない。異国と自国の文化の理解と発信ができる人財が必要になる」と述べ、国際意識を高めた新たな教育体制に期待を込めた。

 現在の国際地域学部は国際学部の学科に変更され、国際地域学部下にある国際観光学科は独立し、国際観光学部となる予定。