〈旬刊旅行新聞11月11日号コラム〉地方空港 地元民にとっては“愛すべき”存在だ

2020年11月11日(水) 配信

地方空港は地元民の誇りであり、愛すべき存在だ(写真はイメージ)

 欧州各国や米国では、新型コロナウイルスの感染が再び拡大しており、外出自粛や都市封鎖などの措置が取られている。米国のジョンズ・ホプキンス大学によると、世界中で感染者は5000万人を突破し、死者は125万人を超えているという。

 
 コロナ禍はまもなく1年になろうとしているが、感染拡大の勢いは衰えていない。国内でも北海道で感染が拡がっている。観光業界にとっても、国を挙げた支援策Go Toキャンペーンの真只中で、一定の観光客が訪れている地域や施設もあると思うが、予算も有限である。

 
 ビジネス出張も制限されており、航空会社や鉄道会社、バス会社など運輸機関に加え、地方都市のビジネスホテルの経営も厳しい状況が続いている。当然、経済への影響も大きく、厚生労働省は新型コロナよる失業者が全国で7万人を超えたと発表した。

 

 
 コロナ禍では、公共交通機関をなるべく避けて、自家用車などでの旅行を選ぶ人が増えている。とはいえ、遠距離の移動などは、やはり航空機や鉄道などを利用する方が便利だ。

 
 成田や羽田空港といった大規模な国際空港は、行き先と出発時間を表示する電光掲示板を眺めるだけで旅情を誘われる。流ちょうな英語でのアナウンスも雰囲気を盛り上げる。

 
 国際線を利用するときは、なぜか早めに空港に到着してしまう。空港に着いたときから旅が始まっている。空港のラウンジでスーツケースに足を乗せて出国を待つ時間は、何度経験しても心が躍る。

 

 
 小林一茶の俳句の世界観のような、地方空港ののんびりとした雰囲気も好きだ。

 
 先日、あまりに暇だったので、全国の空港地図を眺めていたら、離島などを除く北陸から中部地方以西の地方空港の大多数は、一度は利用したことがあることに気づいた。飛行機を頻繁に利用する方ではないが、長年観光業界の端くれにいると、空路で各地を訪れていたのだ。

 
 一方、東北や北海道は、新千歳空港を除いて利用したことがないことが分かった。北の方面への旅は、鉄道や車、フェリーを使うことが多かったことを改めて思い出した。

 
 私の実家の近くには、北九州空港という小さな空港がある。周防灘の人工島に浮かぶ海上空港だ。

 
 福岡県内には、福岡空港という都心部からのアクセスがずば抜けて優れている大空港があるため、北九州市民も地元・北九州空港ではなく、「福岡空港を利用することが多い」と聞く。「情けない気分」にもなるが、かく言う私も何を隠そう、福岡空港をしばしば利用している。だが、北九州空港は実家から車で20分ほどの距離なので、重宝している。駐車場も広くて、安い。地方空港は地元民にとっては、愛すべき、誇れる存在だ。

 

 
 昨夏には、この北九州空港からスターフライヤーに乗って台北(桃園)へ飛んだ。小さな事務室のような簡易的な佇まいの空間で搭乗手続きを済ませ、機上の人となった。率直に言って、これから海外に行くという高揚感は皆無に等しかった。Tシャツ・短パン姿で玄関を出て、日帰りのバスツアーに参加するような気分だったが、その気軽さも悪くなかった。

 
 コロナ禍で海外渡航が難しい状況だが、早く以前のように気軽に海外を旅したいと思う日々である。

 

(編集長・増田 剛)

 

応募者全員に最大10%の割引クーポン Go To併用可で需要増狙う、Relux

2020年11月11日(水) 配信

2月1日(月)にチェックアウトする宿泊まで使える

 ホテル・旅館の宿泊予約サービス「Relux(リラックス)」を運営するLoco Partners(ロコ・パートナーズ、村上文彦社長、東京都港区)は11月11日(水)から、応募者全員にGo  To トラベルキャンペーンと合わせて使える、最大10%OFFのクーポンを配布する「冬のおでかけキャンペーン」を行う。日本全国の旅行需要を増加させたい考え。
 
 クーポンの割引率は10%と8%、5%、3%の4種類となる。11月30日(月)までにエントリーした人にいずれかの割引券をプレゼントする。予約期限は2021年1月31日(日)まで。11月12日(木)~2021年2月1日(月)までにチェックアウトする宿泊で使える。

Go To Eat東京、デジタル食事券は抽選 紙版はハガキとスマホで

2020年11月11日(水)配信

アナログ食事券の販売店で掲出するステッカー

 Go To Eat Tokyo食事券発行共同事業体は11月10日(火)、「Go To EatキャンペーンTokyo」の食事券購入に関する詳細を発表した。アナログ食事券とデジタル食事券の2種類を発行し、購入までの流れを案内している。

 アナログ食事券は、購入する際に引換券が必要で、引換券はスマートフォンと専用ハガキから申し込みが可能。発行した引換券を販売場所で提示することで購入できる。一方のデジタル食事券は抽選で、デジタルチケット販売サービスのパスマーケットで申し込みが可能。抽選後、当選者に送られる購入案内メールから購入できる。

アナログ食事券の見本

 アナログ食事券の販売額は1セット1万円。1セットにつき、1000円券10枚と500円券5枚の合計1万2500円分に利用できる。販売予定数は300万セット。引換券の申し込み期間は11月19日(木)からで、スマートフォンは2021年1月31日(日)まで、自治体などに設置された専用ハガキからは同年1月8日(金)必着。

 アナログ食事券の販売期間は11月20日(金)~2021年1月31日(日)で、同年3月31日まで利用できる。販売場所は東京都内400~500カ所を予定。一部は東京近郊の神奈川、千葉、埼玉県内に所在する販売所を含む。

 一方、デジタル食事券の販売額は1 セット8000円。1 セットにつき、1千円券10枚の合計1万円分に利用できる。販売予定数は125万セット。1次抽選の申し込み期間は11月20日(金)~24日(火)、1次販売期間は11月27日(金)~12月4日(金)で、2021年3月31日(水)まで利用できる。申し込みはパスマーケット特設ページから。なお、2次抽選申し込み以降の詳細は公式ホームページで発表を予定している。

 そのほかの注意点として、再発行不可で2種類とも1回の購入にあたり2セットまで購入可能。食事券は同事業の登録利用店舗のみ利用できる。

浅間山を望む北軽井沢に11月28日(土)開業  一棟貸し切り型ヴィラリゾート「俺の別荘 あさま空山望」

2020年11月11日(水)配信

自然の中に誕生する6万平方メートル以上の広大なヴィラリゾート

 空山望くらぶ(東京都千代田区)は2020年11月28日(土)、群馬県の北軽井沢に6万平方メートル以上の広大な一棟貸し切り型のヴィラリゾート「俺の別荘 あさま空山望(くうざんぼう)」を開業する。全棟から浅間山の絶景を一望できる贅沢な空間が自慢の施設だ。

 群馬県北軽井沢は、人気観光地・軽井沢と隣接していながらも手付かずの自然が残り、雄大な浅間山や荘厳な滝など美しい大自然を体感できるエリアだ。

 「俺の別荘 あさま空山望」は6万平方メートルを超える広大な敷地の中に、16棟の宿泊ヴィラとレストラン・スパ棟、ラウンジ棟を贅沢に配置。絶景を眺めながらのくつろぎや、地元食材を使ったバーベキュー、さらに同施設を拠点にゴルフや乗馬など、非日常な別荘ライフを提案する。

 各ヴィラの室内インテリアは、世界的デザイナーのコシノジュンコ氏がコーディネートを担当。モダンなインテリアの中に木の温もりを感じられるしつらえとした。全3タイプで、8人定員のプレジデンシャルスイート「ポラリス」と6人定員のスーペリアスイート「シリウス」、4人定員のデラックススイート「カシオペア」があり、すべての棟から浅間山の絶景を眺望できる。

 食事は、北軽井沢の高原野菜や全国選りすぐりの食材を提供する。バーベキューや鍋料理など、季節に合わせた料理を客室内やテラスをはじめ、レストランでも楽しめる。

映画「越年 Lovers」とタイアップ 旅工房がオンラインツアー

2020年11月11日(水) 配信

©2019映画「越年」パートナーズ

 旅工房(高山泰仁社長、東京都豊島区)と映画配給事業者のギグリーボックス(宮崎聡代表、東京都新宿区)は12月20日(日)、今冬公開の映画「越年 Lovers」とタイアップした有料オンラインツアーを実施する。ロケ地の台湾を楽しむ旅で、参加チケット費用に応じて台湾の土産を郵送してもらえるプランもある。

 ロケ地の台湾一のパワースポットで縁結びでも有名な「霞海城隍廟(シアハイチェンホアンミャオ)」を中継でつなぎ、現地ガイドが参加者の代わりにお参りする。また、動画では普段台湾のカップルが行く定番デートスポットを紹介する。なお、開会の際は、映画に出演した峯田和伸さんと橋本マナミさんからの動画コメントが視聴できる。

 ツアーはZoomを使用し、午後1:00から2:30まで行う。参加チケットはオンラインツアー参加のみが1500円、ツアーにミニチュア天燈が付くものが3000円、ツアーと土産のセットは4000円。

HISとNOVA、顧客斡旋契約結ぶ 第1弾は留学に必要な航空券などを手配

2020年11月11日(水) 配信

今後は新しいユニークな留学パッケージ商品の開発なども行う
 全国各地で駅前留学を展開するNOVAホールディングス(稲吉正樹社長、東京都品川区)とエイチ・アイ・エス(HIS、澤田秀雄会長兼社長)はこのほど、「顧客斡旋契約」を結んだ。新型コロナウイルスの感染拡大で各国で入国制限が行われていたが、段階的な入国緩和も進むなか、ウィズコロナ時代の海外留学スタイルの構築をはかる。

 第1弾では、安心して海外に留学してもらおうとHISが、NOVAホールディングスのグループ会社で留学事業を運営するラストリゾートの利用客に、航空券手配や入国の条件として多くの国で求められるPCR検査の証明書、日本帰国後の14日間の自己隔離先の手配などの旅行サービスを提供する。

 両社は今後、今までにないユニークな留学パッケージ商品の開発をはじめ、ウィズコロナ時代の新しい留学を展開するという。

日本RV協会、キャンピングカー所有者約半数が2人世帯 夫婦旅が6割占める

2020年11月11日(水) 配信

キャンピングカーは観光地旅行や温泉での利用が多かった。画像はキャンプを楽しむイメージ

 日本RV協会はキャンピングカー所有者と、興味を持つ人を対象にキャンピングカーの旅で家族との関係に与える影響や、一緒に出掛ける人などを聞いた。この結果、一緒に出掛ける人は「妻または夫」が58・5%と約6割を占めた。このうち、78・5%が「夫婦の会話が増えた」と回答した。レポートはユーザーの旅に対する自由回答も紹介している。

 調査は8月18日(火)~9月17(木)に、協会のホームページ閲覧者を対象にWebで実施した。

 キャンピングカーの所有者は81・7%。このうち、約半数の46・4%は2人世帯だった。

 旅の目的は、観光地旅行が31・8%でトップ。次いで温泉が23・8%、キャンプが15・9%。趣味とその他と答えた人は14・0%。

 具体的には、海と川遊びのほか、キャンプ、スキーなどでの利用が挙がった。このほかにも、写真撮影やダムカード、御朱印収集などがあった。

 子供や孫とキャンピングカーを使った旅行に多く出掛けるユーザーは24・5%。約8割が「子供と孫との会話が増えた」という。また、約6割が子供、孫が社会人になっても一緒に旅行することを望んだ。

 95・5%は同居家族がいるが、1人を楽しみたい人も1割を占めた。具体的なシーンは趣味や温泉など。理由として56・5%が自由な旅を望み、39・1%が予定の不一致と回答した。

好日山荘、日本初のアウトドア複合型サイト「GsMALL」開設

2020年11月11日(水)配信

好日山荘の池田真吾社長(写真左)が「GsMALL」を発表

 登山・アウトドア用品専門店などを運営する好日山荘(池田真吾社長、兵庫県神戸市)は11月10日(火)、オールアウトドア複合型プラットフォーム「GsMALL(ジーズモール)」を開設した。アウトドア関連の商品販売だけでなく、ライブ配信やコンシェルジュサービス、アクティビティのプラン予約など、ワンストップでアウトドアのサービスを網羅できる、日本初のサイトだという。

 ジーズモールは、ファション業界でEC運営を行うクルーズECパートナーズ(稲子谷光社長、東京都品川区)が、サービス開発を支援した。メーカーや小売流通業社のほか、旅行業やアクティビティガイドなどのアウトドア関連産業の各社と連携。これにより、アウトドア業界の横のつながりを広げていき、消費者に幅広いアウトドアの提案をはかっていく狙い。

 オールアウトドアの専門ECモールとして、さまざまなアウトドアアクティビティに対応できる商品を用意。ビギナーからコアユーザーまでカバーする商品を展開する。さらに、業界初の「バイヤー目利き機能」を設定し、好日山荘がこれまで培ってきた商品選定眼と知識で、具体的な商品情報をわかりやすく伝える。取り扱いブランド数は、開設時が166ブランドだが、2020年末には225ブランドまで拡大する予定で、順次拡大を目指している。

当日にローンチ発表会、アウトドア業界を語る

アウトドア業界関係者によるトークセッションのようす

 好日山荘は開設当日の11日(火)に、東京都内で「好日山荘『GsMALLローンチ発表会』」を開いた。クルーズECパートナーズの稲子谷社長による概要説明をはじめ、オンライン会議システムを用いたトークセッションが行われた。

 トークセッションは、好日山荘の池田社長のほか、オンラインで3人のアウトドア業界関係者がゲストで参加した。ゲストは、ゴールドウイン常務執行役員兼第一事業部本部長の森光氏、アドベンチャーガイズ代表取締役の近藤謙司氏、ミレー・マウンテン・グループ・ジャパン取締役のペア・ラスムセン氏。各氏らは、ジーズモールの立ち上げ側やメーカー側などの立場から、同サイトに対する期待や役割について思いを語り合った。

発表会場には「GsMALL」の体験コーナーが設けられた

 好日山荘の池田社長が今後の展望について、「拡大期には来訪者数・売上が大きく伸長すると予測。また、他ジャンルのアウトドアアクティビティからの出店により、新たなアウトドアユーザーが来訪し、さらなる売上の拡大を見込んでいける。5年後には取扱高100億円を目指していきたい」と語った。併せて、「オールアウトドア複合型プラットフォームをハブとしたエコシステムの構築と発展を目指し、総合アウトドアサービス企業への成長を遂げる」と意気込んだ。

東武トップ沖縄支店がおきなわSDGsパートナーに認定

2020年11月11日(水) 配信

おきなわSDGsパートナー登録証

 東武トップツアーズ(坂巻伸昭社長、東京都墨田区)の沖縄支店はこのほど、沖縄県から「おきなわSDGsパートナー」の登録認定を受けた。今後は地域の文化資源を生かしたコンテンツやビジネスの振興、国際的な観光プログラムの創出、国内外からの誘客などを通し、同県のSDGs達成に向けた普及啓発に貢献していく。

 同県は2019年11月に「沖縄県SDGs推進方針」を策定。県民に向けたSDGsの普及活動を行う企業・団体をパートナーとして登録している。今回は、東武トップツアーズの地域活性化の取り組みや、学習プログラムを通じた教育事業への参画を評価して、登録認定した。

 なお、同社のSDGs達成に向けた取り組み例としては、新潟県妙高市におけるワーケーション事業など新しい旅行スタイルの提案やインフラツーリズムの促進、「北九州市SDGs未来都市」への探究学習プログラムなどがある。

【特集No.569】CT・酒井博社長にインタビュー 強みは社員の「顧客接点」の多さ

2020年11月11日(水) 配信

1815号(11月11日発行)1面

 クラブツーリズム(CT)の社長に歴代最年少の52歳で就任した酒井博社長。入社以降、国内旅行や海外旅行の企画造成、グループ会社での業務など豊富な経験を有し、常に現場の感覚を忘れない。年間2万ツアー以上の取り扱いがある同社では、添乗に出る社員たちの「顧客接点」の多さが武器だ。新たなターゲットの1つに「80歳台」を挙げ、旅行会社が未開拓の分野にも果敢に挑戦していく。さらに、自治体とのつながりや東京2020公式観戦ツアーなど、今後の方向性について話を聞いた。【入江 千恵子】

未開拓の「80歳台」市場に挑む

――顧客の中心である団塊の世代が全員70代となり、高齢化している。今後のターゲットはどこに定めるか。

 2つある。1つは「新・クラブ1000構想」のクラブ事業において、顧客の幅を広げていきたい。歴史、写真、鉄道、ハイキング、登山など、共通の趣味・趣向を持ったコミュニティをオンラインでつないでいく。有料会員を作ることも検討している。構想の実現に向け、プロジェクトチームも立ち上げた。

――もう1つは。

 80歳台のお客様。安心して参加できる旅行商品の開発を進めている。これは、シニア層が得意分野な我われがやらなければいけない。現在64―75歳の会員がアクティブに活動している。だが、この先10年間は減少していく。違う世代をターゲットにする方法もあるが、いまは健康年齢が伸びていて、元気な方が多い。

 80歳を超えると、旅を諦め、旅行会社側もターゲットとして見ないようにしている。だがこの分野は、レッドオーシャン(既存市場)でなく、ブルーオーシャン(未開拓市場)ではないだろうか。我われは介護事業も手掛け、長年、シニアビジネスに携わってきた強みがある。見よう見まねで運営できる分野ではない。

――80歳台のツアーを作るときに、気を配ることは何か。

 ゆとりの行程、安全安心を徹底的に追求したもの。時間配分やお客様のケアなど、普段のツアーと異なる点が多い。例えば添乗員を2人にするなど、専門特化してやったほうが良い。

 私たちは添乗に出て、80歳台のお客様を実際に見ている。かゆい所に手が届くようなポイントを熟知している社員が大勢いる。……

【全文は、本紙1815号または11月17日(火)以降、日経テレコン21でお読みいただけます。】