〈観光最前線〉桔梗信玄餅 極(きわみ)

2022年8月2日(火) 配信

桔梗信玄餅-極

 山梨県を代表する土産品の「桔梗信玄餅」の新商品が、山梨県内の一部店舗で昨年12月24日から発売された。

 桔梗信玄餅を発売した昭和43年に寄せられたお客様からの声をついに実現。餅を入れる容器を最中に変更して、フタもカップもそのまま食べられるようにした「桔梗信玄餅 極」だ。価格は1箱3個入り700円(税込)。

 発売開始された直後からSNSなどで一気に話題となった。製造販売する桔梗屋の甲府本館など県内数店舗だけで店頭販売されているが、毎日数量限定で、開店直後にすぐ売り切れてしまうため、入手困難な〝幻〟の商品という状況が続いていた。

 先日、山梨出張の際に運よく購入できた。餅ときなこに黒蜜をかけて最中を食べるとむせてしまい、案外と食べ方が難しいぞ。

【古沢 克昌】

宮﨑信雄氏(中之条町総合アドバイザー、中之条町観光協会 事務局長)に聞く メディアとの「橋渡し役」に 地元・中之条町に“恩返し”

2022年8月2日(火) 配信

宮﨑信雄氏

 今年4月、群馬県・中之条町(伊能正夫町長)の「総合アドバイザー」に宮﨑信雄氏が就任した。併せて中之条町観光協会の事務局長も務める。東京・銀座の群馬県アンテナショップ「ぐんまちゃん家」の所長などを歴任してきた宮﨑氏は、さまざまなメディアとのネットワークを重視し、ロケ誘致など宣伝効果を発揮してきた。伊能町長は「観光客誘致と交流人口の増大により中之条町の活性化を達成できる請負人は、この人しかない」と、宮﨑氏への期待は大きい。   【増田 剛】

        ◇

伊能正夫町長

 ――今年4月に中之条町総合アドバイザーに就任されました。宮﨑さんの目から見た課題などはありますか。

 
 「花と湯の町なかのじょう」をキャッチフレーズに掲げる中之条町は「観光で集客し、交流人口を増やす」ことを重点施策に据えていますが、その目的に向かっていく骨格づくりも、まだまだという段階です。

 
 季節ごとのお祭りやイベント、観光キャラバンなど年間スケジュールに沿って、前例踏襲してしまう傾向にあります。伊能町長からも「新しい発想や経験豊富なノウハウを中之条町の観光発展に向けて注入してほしい」と託されました。

 
 従来とは少し切り口を変えたアプローチや、自分が長年培ってきた、きめの細かなメディア対応などを徐々に生かしていきたいと思っています。

 
 ――中之条町観光協会の事務局長も務められています。

 
 会員である旅館や飲食店、商店などの「売上を伸ばす」努力をするのが、観光協会の使命だと認識しています。目新しい取り組みや、やる気のある会員を精一杯支援していくのが私の考え方です。会員の売上が伸びると町の税収も増え、観光協会の存在意義も高まっていきます。中之条町の知名度や関心度を上げることで、移住、定住にもつながっていくと長期的な視点も大切です。

 
 ――宣伝活動で大事なことは。

 
 「ポイントのぼやけた宣伝はしない」が鉄則です。例えば、町内には四万温泉や、沢渡温泉、六合温泉郷など、規模や個性のまったく異なる魅力的な温泉地がありますが、1つのポスターに並列でアピールしてもインパクトも、訴える力もありません。

 
 観光協会としてしっかりと考えなければならないことは、「それぞれの個性がキラキラと輝く」宣伝の仕方です。

 
 中之条町には季節ごとに多種多様な花と触れ合える施設「中之条ガーデンズ」や、イベントでは国際現代芸術祭「中之条ビエンナーレ」などがあります。「いかに宿泊に結び付けていくか」と民間企業のセンスで、経済波及効果との関連性を持った宣伝方法を探っていくことも大切です。

 
 メディアには明確なターゲットや意図を絞ってアピールしなければ取り上げてもらえないし、消費者にも訴えかけることはできません。

 
 平等に門戸を開いていますので、会員には「観光協会をフルに利用してほしい」と思っています。東京で長年築いてきた財産であるメディアとのネットワークを活用し“セールスマン”として売り込んでいきます。

 
 長年の経験から、マスコミが望むものもわかります。テレビ番組の制作担当者が現地に求めるガイドの用意や、撮影許可などを先回りして用意する“かゆいところに手が届く”手配も可能です。

 
 電話でのやり取りの途中で制作担当者に「プロの方ですか?」と毎度驚かれますが、「いえ、ズブの素人です」と答えています。

 
 ――“歩くDMO”と呼ばれた男の真骨頂ですね。

 
 新聞や雑誌など掲載による費用対効果も見据え、メディアに対する投資も必要です。観光地が伸びるためにはメディアとの人脈づくり、付き合い方はとても大事です。

 
 取材しやすい環境づくりや気配りによって、相互理解や信頼関係が生まれます。地道ですが、“人間の力”がものを言う世界です。取材される旅館や飲食店、商店とメディアとの「橋渡し役」として、積極的に発信していくつもりです。

 

人気観光スポット「奥四万湖」のほとりで

 
 ――組織のあり方はどうですか。

 
 会員が納得する組織であるべきだと思います。会長、副会長、理事の意見をしっかりと聞きながら、事業計画のなかで必要なものと不要なものを精査する。会員と一緒に考え、具体的な手法を明確にして行動する観光協会を目指します。

 
 時代のニーズに合わせてIT化への対応も加速していきたいですね。

 
 ――観光業では、人手不足なども課題です。

 
 観光産業が発展すれば、就労者が増え、人口増にもつながっていきます。衰退せず活性化させるサイクルも考えています。

 
 まず取り組みたいのは、町内の保育園・小学校・中学校の母親など保護者を対象に、就労についてのアンケートを実施し、例えば、Aさんは「子供が学校に行っている午前10時~午後3時まで働くことができる」などの希望をリスト化して登録します。

 
 一方、旅館やカフェ、商店にも人手が欲しい曜日や時間帯を聞き、マッチングさせる仕組みを作りたいと思っています。

 
 旅館や食堂の人手が足りない時間帯と合致すれば、雇用側も常態的な人手不足が解消します。働く人も1日や半日拘束されるのは難しいけど、「2時間なら働きたい」というニーズはたくさんあると思っています。

 
 民間企業だと手数料が発生しますが、観光協会がコントロールすれば無料でできます。町や教育委員会も巻き込んでいきたいと考えています。

 
 観光宣伝とは違い、会員への側面からの支援となりますが、労働力や雇用の確保といった基盤が安定していなければ、観光誘客をしても満足度は高まらず、発展にもつながりません。ぜひ実現させたいと思っています。

 
 人生の集大成として、四万温泉に生まれ、育てていただいた地元・中之条町に“恩返し”をしていきたいと思っています。

 
 ――期待しています。ありがとうございました。

 

宮﨑 信雄(みやざき・のぶお)氏
 1956年群馬県・中之条町生まれ。81年から四万温泉協会でメディアへの宣伝活動を展開。93年には事務局長就任。四万温泉への入込客数を飛躍的に伸ばした手腕を買われ、2008年6月群馬県観光協会(現・群馬県観光物産国際協会)観光部長就任。10年4月ぐんま総合情報センター「ぐんまちゃん家」所長に就任。群馬県各地の観光業者・行政が東京でメディア、旅行会社と交流しながら直接情報発信する「サロンドG」を開き、群馬県観光PRの拠点となった。20年4月同所アドバイザー。22年4月から現職。

濃飛バスが「バス停カード」を発行 3日間乗り放題の「エリアフリーきっぷ」も発売

2022年8月1日(月)配信

高山濃飛バスセンターから約1時間の「秋神温泉」バス停は五つ星のレアカード

 濃飛バス(水野敏秀社長、岐阜県高山市)は、2022年8月1日(月)から「バス停カード」の無料配布を始めた。

 周遊観光の促進及び路線バスの利用促進を目的に発行するもので、表面にはバス停の写真と名称、裏面には設置位置(住所と緯度経度)、利用路線名、バス停名称の由来や理由が記載されている。

 今回、第1弾としておもに飛騨地区のバス停の中から選んだ20バス停分を作成した。バス停カードは運行本数や設置されている場所によって一つ星からレアバス停の五つ星まであり、バス車内の運賃表示機に表示されるバス停キーワードを所定の用紙に記入し、濃飛バスの窓口に提出すると受け取ることができる。(1人1バス停につき1枚限定)バスカードの発行枚数は三つ星バス停までは各200枚、四つ星、五つ星は各100枚。いずれも無くなり次第、配布を終了する。

 また、JR東海の特急「ひだ」新型車両デビューに合わせ、2022年7月23日(土)から同11月30日(水)まで、飛騨地区を運行する濃飛バスのほとんどの路線バス(一部除外路線あり)が3日間乗り放題となるお得な乗車券「エリアフリーきっぷ」も販売している。通常発売料金は大人8000円(小人4000円)で、JR利用者については枚数限定で大人6000円(小人3000円)で販売する。高山-新穂高ロープウェイ間往復運賃は大人4400円、高山-白川郷間は同4600円なので、この2路線に乗車するだけでもお得なきっぷだ。今回発行したバス停カード対象路線にもすべて乗車することができる。

〈旬刊旅行新聞8月1日号コラム〉旅と酒――少量の日本酒をゆっくりと味わいたい

2022年8月1日(月) 配信

 旅と酒は相性がいい。旅先で飲む酒は、自宅で飲む酒よりも美味しく感じることが多い。

 

 20代のころは、ビールばかりを飲んでいた。安い居酒屋で生ビールを勢いに任せて何杯もおかわりをして、二日酔いに苦しめられた。

 

 30代になって、赤ワインが好きになり、最初の1杯は生ビール、そのあとは赤ワインを飲むスタイルに変わっていった。

 

 1人でバーに行くこともたまにあり、そのときはスコッチをロックで飲んだ。マッカラン18年が美味しく感じ、シーバス・リーガル18年も好きだった。懐事情により、実際に多く飲んだのは、バランタイン12年だったと記憶している。

 

 

 旅先の旅館で宿泊する際には、宿に着いてチェックインが終わって客室で荷物を降ろすと、まずは広縁で、窓から見える風景を眺めながら「プシューッ」と缶ビールを開けて、1日の旅の疲れを癒す。

 

 その後、大浴場で温泉にゆったりと浸かって、浴衣姿で汗を拭きながら客室でもう1本プシューッを開ける。ほろ酔いのまま食事処で、麦焼酎の水割りなどを注文して、夕食を堪能するのが楽しみであった。

 

 旅館の売店で土産品などを眺めていると、決まって美味しいおつまみが目に留まるもので、そうすると、そのおつまみと缶酎ハイで眠くなるまで飲むというのがおおよその旅館での過ごし方であった。

 

 地方都市で宿泊する場合は、日暮れ時にビジネスホテルを出て、街に繰り出す。

 

 にぎやかな飲み屋街を歩き、少し離れた場末か、裏通りの目立たない看板の小料理屋に入って、少ないお品書きの中から、数品選んで、瓶ビールと、日本酒の熱燗などを注文して旅情に浸る。

 

 そのような店は1軒だけでは収まりがつかず、結局2、3軒回って千鳥足気味にホテルに戻るということも多々あった。

 

 小樽や青森、輪島、金沢、大阪、松本、博多、長崎、熊本、那覇など、近年訪れて楽しませていただいた街での酒場めぐりが、忘れられない思い出となっている。

 

 

 最近は、長年の不摂生がたたり、無茶な酒の飲み方を禁じているし、そもそも大酒を飲みたいという気持ちが、これっぽっちもなくなってきている。

 

 私はこの状態を少しも寂しく感じず、むしろ歓迎すべき状態だと捉えている。今は、舐めるように少量の日本酒をゆっくりと味わいたいと思っている。

 

 「美味しいものを少量いただきたい」というニーズがあるとは聞いていたが、今の自分がそうなった。地元の旨い肴を、細い箸先でちびちびと舌の上に乗っけては、お猪口に冷酒を注いで、口の中に少しだけ流し込む。体の内側に芳醇な酒が沁みわたり、五臓六腑が「もう少しください」と要求してきても、「そう、焦るない」と静かに説得する。窓から見える夜空に白い月が出ていると、尚良い。

 

 

 昨夏は旅で東北を2周した。そのときに、1人旅をしている私と同じような中年男性をつぶさに観察した。実に気ままで楽しそうに映った。

 

 最近の宿はスタイリッシュで、お洒落で、写真映えするようになった。心底から敬意を表したい。しかし、ガタがきてくたびれ気味の中年男には、障子が少し破れた宿の方が休まることもある。寂れた宿が捨て難い夜もある。

 

(編集長・増田 剛)

【特集No.616】お花見久兵衛(石川県) 価値あるコンテンツづくりへ

2022年8月1日(月) 配信 

 高品質のおもてなしサービスを提供することで、お客の強い支持を得て集客している宿の経営者と、工学博士で、サービス産業革新推進機構代表理事の内藤耕氏が、その人気の秘訣を探っていく対談シリーズ「いい旅館にしよう! Ⅲ」の12回目は、石川県・山中温泉「お花見久兵衛」社長の吉本龍平氏が登場。若い世代は「価値や意味があるものには金を出す」傾向を踏まえ、リニューアルによって滞在中に楽しめる空間づくりを目指す吉本社長と内藤耕氏が語り合った。

【増田 剛】

 ――宿の始まりから教えてください。

 吉本:山中温泉街の中心部で10室未満の小さな宿「吉本屋」を営んでいました。1933(昭和8)年の大火で被災し、その後、祖祖父が地元の何人かと共同で宿を始めました。58(昭和33)年に現在の地で、木造80人収容の旅館「山水閣」を建てました。
 84(昭和59)年には64室約300人収容の鉄筋コンクリート造に建て替えました。バブル期の団体旅行全盛期だったので、団体客向けに規模を拡大しました。
 バブル崩壊後には個人化に対応するため、2部屋を1部屋にまとめ、露天風呂付き客室などに改修し、現在48室です。02年には館名を「お花見久兵衛」と変えました。

 内藤:代替わりをしたのはいつでしたか。

 吉本:私が旅館に戻ったのが2004年10月で、社長になったのは12年5月です。
 東京の大学を卒業後、1年半ほど名古屋で営業職を担当していました。すると、04年7月に女将(母)から「旅館の経営がピンチだ」という電話があり、会社を辞めて宿に戻ってきました。

 ――どのような状況でしたか。

 吉本:個人化への対応の遅れや収益構造自体に問題を抱えていました。当時メインバンクの石川銀行が破綻し、債権がすべてRCC(整理回収機構)に行ったこともあり、厳しい状況になりました。
 社長に就任する直前の12年2月に「中小企業IT経営力大賞」で、優秀賞をいただきました。当時、先駆けてホテルシステムを導入したほか、旅行会社に頼っていた販売チャネルを、インターネットを活用して自社公式サイトや、OTA(オンライン旅行会社)に切り替えました。営業体制や内部のオペレーションについても、例えば、紙の台帳で管理していたものをデジタルに移行しました。
 経営状況は、優秀賞を受賞した12年からも、じり貧状態を打開することが上手くできませんでした。バブル後では、10年に売上のピークを迎えたのは、そもそも他よりも早くネット上で販路開拓をしたことで瞬間的に先行者利益を得ただけでした。
 若女将(妻)は2年間、子供が小さかったので休職していましたが、コロナ禍の20年4月に現場に戻ってきました。厳しい経営状況を確認し合い、「根本的に改革しなければコロナ禍を乗り切れない」ことを話し合いました。内部の事務的な部分を含め、「利益が出せる体質に見直す」必要性を感じました。

 内藤:具体的にはどの部分を感じましたか。

 吉本:団体旅行の場合、宿泊料金よりも、宴会での飲食やコンパニオン費などで利益を出す構造になっていました。
 個人客はアルコールなど飲食で大きな利益は計上できません。付帯の売上は1人当たり平均1300―1500円程度で、なおかつ、1部屋の平均稼働率は2人ほどです。これほどの空間があっても利益を得られない構造になっていました。
 利益を出すには「稼働率を高める」、「付帯の売上を増やす」、もしくは「コストを下げるために販売・管理費を下げる」しかありません。
 団体から個人へと移行するなかで、限界利益率も飲食込みで2万円と、飲食なしで1万6千円では大きく違ってきます。その分、人件費を含む販管費をいかに削っていくかが課題となりました。
 若女将が休職する前に一番大変だったのは、団体客は一度に食事を提供できますが、個人客はオペレーションが大幅に増え、人件費が増えていきました。団体と個人を効率よく対応するオペレーションもなかなかできずに、「お客様から求められたものにすべて応えなければならない」という思想から離れることができないでいました。
 高級旅館のように高単価な料金をいただける施設を持っていないにも関わらず、お客様からは高級旅館並みのフルサービスを求められ、対応しようとしていました。

 ――いただける料金以上のサービスをしていたということですね。

 吉本:人材難によるサービスの低下、顧客満足度も下がるという悪循環に陥り、ビジネスモデルとしてまったく成立していない状態でした。

 内藤:さまざまな旅館を見てきましたが、皆同じようなご苦労をされて乗り越えた宿と、そうでないところに分かれています。その差は、団体から個人客に切り替えが上手くいっているか、否かです。 

 吉本:最終的には単価を上げていける宿になっていきたいので、計画的な設備投資だけではなく、サービスの品質を上げ、オペレーションのムダを省いていく見直しを行っています。

 ――具体的にはどのようなことですか。

 吉本:昨年はドリンクのオーダーをタブレットで受けることを始めました。ずっと伝票でオーダーをとっていましたが、スタッフが忙し過ぎてお客様が注文できないという状況を改善しました。付帯売上のチャンスの確保が大きな目的です。内部で伝票の書き間違えや会計でのミスなども多く、根性や教育でミスをなくす工夫はしてきましたが、思うようにはいきませんでした。
 このため、お客様にタブレットをお渡しし、ドリンクだけはタブレットから注文していただくスタイルに変えました。お客様も好きな時に注文できるので結果的にドリンクの売上が増え、伝票のミスもなくなりました。料飲部の書いた伝票がフロントで読めないなど、毎日のように発生していた不毛なトラブルもなくなりました。
 施設も、今夏のリニューアルオープンに向けて改修をしていきます。

 内藤:どのような改修をされるのですか。

 吉本:一番大きな宴会場を個室食事処にします。ほぼ稼働していなかったクラブラウンジを宿泊客が漫画を読んだり、卓球をしたり、くつろいだりできるエンターテインメント・リラックススペースにする予定です。
 そのほか、ラウンジでお団子や手焼きのせんべいなどをサービスで出していましたが、玄関を入ってすぐに大きな階段があったので視野が遮られ、フロントから土産物の売店や、ラウンジも見えない状況でした。昨年12月に思い切って階段を取っ払って動線を集約し、フロントスタッフがすべて対応できるように変えました。お客様に館内を動いていただくように考えています。

 内藤:それは正しいと思います。館内が楽しければ、お客は歩くことは苦痛ではありません。

 吉本:コロナ禍で始めたのですが、お菓子やジュースなど飲み物をフリーで提供するコーナーも館内に散りばめており、滞在中に楽しんでもらいたいと考えています。
 構造的な変更だけでなく、コロナ禍でお客様が何を求めているのか、実験的にサービスを変えながら確認をしています。
 例えば、これまでフロントカウンターで立ったままご案内用紙を見せながら一方的に長々と説明していましたが、お客様はすべて覚えられないし、客室に入ってからさまざまな問い合わせもありました。
 これを昨年思い切ってやめて、カウンターでは必要最小限の説明をし、ラウンジに座ってゆっくりとお団子を召し上がりながら読んでいただき、「もし分からないことがあればスタッフが丁寧に説明します」という、主導権をお客様にお渡しするスタイルに変えてみました。それでも1つか、2つしか質問はないのですが、お答えすると「親切だった」という評価をいただけるようになりました。
 スタッフの説明も、欲しいタイミングでなければ苦痛に感じてしまいます。スタッフの労力が大幅に省けたにも関わらず、お客様の満足度が上がる結果となりました。
 客室の案内もやめました。サービス業のスタッフは「何でもお客様にして差し上げたい」という想いが強いので抵抗を感じていましたが、客層も変わってきて、とくに若い世代などはべったりとした過剰なサービスが逆に苦痛に感じ、顕著に表情に表れることもあります。
 若い層は合理的に消費する世代なので、「ムダと感じるサービスが宿泊料に含まれているのなら選ばない」という考えが浸透しているのを感じます。つまり、「望まないサービスをパッケージ的に売られることを拒否する」傾向が強いのです。ミスマッチがあるのであれば、求められていないサービスを一旦削ってみて、お客様が本当に求めているものを拾い上げていく方が良い消費関係になれると考えています。

 ――客室はベッドが多いのですか。

 吉本:ほとんどが布団です。

 内藤:「客室にあまり入ってほしくない」というお客は洋室を選ぶかたちですか。

 吉本:いえ、客室での食事提供もほぼやめていますので、和室にも布団敷きのときを除いて入りません。布団敷きもやめたくて、コロナ禍で助成金も活用しながら、和洋室を徐々に増やしていっています。48室中、ベッドの客室は13室まで増えました。

 内藤:サービス業の面白く、難しくて怖い部分ではありますが、サービスの内容を何か一つ変えると、客層が入れ変わってしまいます。これまではすべてのお客をターゲットにしていたために色々なことを幅広くやられていたのを、サービスの内容を絞り込むことで客層も絞り込んでいこうとされているのですね。

 吉本:おっしゃる通りです。2009年に200畳の大広間の半分を、20席のレストランに改修してオープンしました。そのときにまだ団体客もあったので、思い切れなくて84畳分を残していました。結果として中途半端なレストランのため、48室に対し、20席しか作れず席も足りない状態でした。

 内藤:中途半端が一番良くありません。これまでやっていたことをやめるとすぐにお客が来なくなりますが、次の新しいお客が来るまでには時間がかかってしまいます。
 一般的に若い人は宿泊料金が安い方がいい。単価を上げて収益を出す方向と矛盾する面もありますが。

 吉本:若い人の消費の仕方は、「価値や意味があるものにはお金を出す」傾向が強いと見ています。
 一般的な旅館の1泊2食のパッケージでは、出された料理がいくらなのか分からない状態で購入しなければなりません。この場合、出費の拒否反応が強くなります。最終的には泊食分離が理想ですが、料理もアラカルトで選べるようにしないとお金を出してもらえない。価値を感じてもらえるものや、食べたいと思うものを商品開発していく必要があります。
 現在、ラウンジにカフェスペースを作る改修を行っています。お洒落なカフェに写真映えするドリンクであれば、高い単価でも若い層はお金を出すことは惜しみません。一方、お酒の瓶のままでは注文しません。
 「宿泊客がお酒を飲まなくなった」と愚痴を言うよりも、飲みたくなるもの、お金を出したくなるものは何かを考えて商品開発をしていく。付帯売上を最終的に増やすためには、売店も若い客が欲している商品をそろえるべきだと思っています。
 アメニティも決まったものを客室に置いていますが、ピックアップ方式に変えようと思っています。その代わり、少し宿泊単価を上げて、品質の良いものを用意して、「自分のためのお土産としてほしい」と思えるものを用意する。何にお金がかかっているか、お客様に対してきちんと「見える化」していくことが目標です。

 内藤:価格帯はどのくらいを想定しているのですか。

 吉本:2万―2万2千円の価格帯です。

 内藤:いい線ですね。

 吉本:若い人がしっかりと合理的に価値があると思っていただけるコンテンツを作っていき、単価アップしていきたいと思います。
 現状では、1泊2食でパッケージ化されたサービスがほとんどですが、お客様は必ずしもすべての内容に納得して払っているわけではないと認識しています。納得していないところに単価アップをしようとしても離れてしまう。サービスを細分化して組み合わせ、納得できる内容にしていければと思っています。

 内藤:「見える化」するということは、宿泊料金をどのように考えているのですか。

 吉本:ホテルに近い概念が必要で、1泊2食であっても客室料金を設定し、料理も松2万円、竹1万5千円、梅1万円などです。泊食分離に近づける過程で整理していきたいと思います。

 内藤:飲食店と違って20時間も滞在するなかで、収支の計算は難しいと思います。チェックインからチェックアウトまでの長い時間の中での価値を分割しようとされていますが、立地条件などで常識的に相場はこれくらいだろうと先に決まってしまう。どうしても小売業的に逆算して決まるのだろうと思います。
 単価アップをするにはどういうところに価値を付けるのですか。

 吉本:客室の単価アップは投資では作れないと考えています。それよりもパブリックを改修して、滞在して楽しめる空間をたくさん作る予定です。コワーキングもできるカフェもあり、茶室では抹茶を自分で点てられるスペースにする。デッドスペースになっていたクラブラウンジは、エンタメゾーンにして、雑誌を置き、卓球スペース、ボードゲームが楽しめるリラックスゾーンとして展開する計画です。
 パブリック部分はスーパー銭湯を持ってくるようなイメージです。
 若い世代は旅館の滞在中に客室で過ごすのではなく、パブリックスペースで滞在を楽しむスタイルが定着してきています。「客室にいても何をしていいのか分からない」、「スマホを眺めるだけでは家に居るのと変わらない」という声も多くあります。
 私自身も旅館に宿泊しても退屈を感じることがあります。お風呂に入って、夕食に2時間費やし、もう一度風呂に入るか、布団に入って寝るだけ。慌ただしくもあり、暇でもある。元々旅館は風呂、部屋、料理が基本機能ですが、それ以外がオマケではつまらない。どちらかと言えば、風呂、部屋、料理の比率を弱めて、その他の部分の楽しみを高めていきたいですね。

 内藤:旅館の客室には床の間があるのでリビング。一方、ホテルはベッドルーム。旅館はリビングがメインですが、ホテルはベッドルームなのでパブリックに出てくる傾向が強くなります。和洋室化して、ベッドルームが増えることで、パブリックで楽しんでもらおうとするコンセプトはいいと思います。

 吉本:客層的にもそちらの方が「ニーズが高い」と思っています。
 コロナ禍でホテルやビジネスホテルが苦戦しているなかで、宿泊特化型がパブリックを充実させるライフスタイル型のホテルが増えてきています。近年はグランピングや、貸別荘、一棟貸しなども注目されており、その傾向はコロナ禍でさらに加速したのではないかと思います。
 客室以外のサービスが充実した施設を一度体験してしまうと、時間緒制約が大きく、顧客にとって融通の利かない旅館の過ごし方は退屈してしまうと考えています。

 ――基本的にお客のニーズに応えきれていないということですか。

 吉本:若い世代は情報を主体的に取っていますが、旅館のお仕着せ文化は受け入れられないのだと思います。
 お客様の満足度にもつながらず経費が掛かっているサービスは削って、お客様が真に求められるサービスを提供していきたいと思っています。飲料水や駄菓子のサービスもお客様が自分で客室に持って行っていただけるし、満足度も高い。「旅館には饅頭や煎餅しかないと思っていたけど、市販の人気のチョコレートやポテトチップスなどもあってうれしかった」との声も多い。単価も1人平均200円程度で、満足度のリターンはとても大きいと感じています。

 内藤:客室にお菓子を置いてもそのくらいはかかる。コストがかかるときに目くじらを立てがちですが、コストをかけることをしないから減らすこともできない状態になってしまいます。費用対効果という概念は大事になってきます。
 バスタオルを大浴場に持っていくことにも抵抗が強いですね。

 吉本:アメニティをピックアップ方式にする理由の1つに、外部委託ですがバックヤードでセッティングするだけでもものすごく人件費がかかってしまうことも大きいです。4人部屋でも大人2人・子供2人や、大人2人・子供1人、大人2人など高齢の清掃スタッフは覚えられないので、廊下を何度も何度も往復して「歯ブラシは3本でよかったかな」と確認する時間もかかってしまいます。これをなくしたら、アメニティの単価が1人当たり100円上がったとしても、経費を考えると利益がでることになります。ミスも無くなり、クレームも減ります。

 内藤:帳票づくりにも相当にコストがかかっています。それに、間違えないようなチェックも何重にもしています。裏方で指数関数的にコストが増えていることには気にしないで、お客様満足度につながる数10円のコストが増えることについては拒否反応が大きくなります。

 吉本:人から生まれる労力を費用対効果として見ない傾向は強いですね。だからこそ数10円のコスト増が悪目立ちしてしまいがちです。今回のリニューアルを機に、オペレーションにおいて紙を全面的に廃止する方向で進めています。

 内藤:フロントスタッフが紙を見てルームキーを渡すか、パソコンの画面を見ながら渡すかで大きく変わってきます。デジタルだと直前まで修正や変更が可能です。帳票づくりがなくなるし、報告・連絡・相談がなくなります。

 吉本:紙に印刷すると更新ができず更新が発生したときに、「伝えた、伝えていない」の揉め事があちこちで起こりました。これによりチェック作業が発生します。

 内藤:紙とデータベースの違いは、紙は出力して渡すという報・連・相で「プッシュ型」。データベースは皆が見に来るので「プル型」になります。

 吉本:社員も、お客様も必要なときに、必要なタイミングで各々が情報を見に行ける環境づくりが、一番ミスマッチが少ないと思っています。

 内藤:紙ベースからデータベースに切り替えるだけで、大きな改革につながります。
 私は教育と管理と指導は無い方がいいと思っています。生産性向上に最も大事なのは業務の単純化です。

 吉本:まったく同感です。どうしても教育に転嫁されやすい傾向がありますが、すべてのオペレーションを単純化、標準化することに取り組んでいます。
 マニュアルも、動画で作ることで効率化していきたいと考えています。マニュアルを作る前には、その作業が本当に必要なのかと見直しも行っています。
 今日入社した社員が複雑な業務プロセスもなく、単純化されて、夕食を提供できるような状況が理想と考えています。

 ――ありがとうございました。

【全文は、本紙1876号または8月5日(金)以降日経テレコン21でお読みいただけます。】

「観光ルネサンスの現場から~時代を先駆ける観光地づくり~(210)」新たな産業観光概念としての「生業」(神奈川県小田原市)

2022年7月31日(日) 配信

ワークショップ風景(旧松本剛吉邸・第6分科会)

 2001(平成13)年に名古屋で始まった「全国産業観光フォーラム」も、21回目を迎えた。今年の開催地は、私にとっても馴染み深い、神奈川県小田原市であった。

 産業観光と言えば、産業遺構はもとより現役の工場・工房などのものづくりやその製品などを対象とする観光の一形態であり、編集視点だが、今やすっかり定着した感がある。

 しかし、今回の小田原はこれまでとは一味違っていた。テーマは「生業」。日々の商いやサービスなどを含む広い営みが対象となった。

 小田原は、戦国時代の後北条氏の「城下町」として発展し、また江戸時代には東海道屈指の「宿場町」として栄えた。明治期になると、政財界人や文化人たちの「別荘・居住地」としても愛されてきた。

 そのなかで、これら「城下町」「宿場町」「別荘・居住地」を支える、実に豊かな生業が生まれ、数百年を経た現在も色濃く残っている。

 海からの魚を加工した蒲鉾や干物などの「海なりわい」、山の木を加工した木製品や寄木細工、漆器などの「山なりわい」、温暖な気候と富士山の火山灰による水捌けの良い土壌に恵まれた柑橘類や梅干しなどの「里なりわい」など、豊かな生業がある。後北条時代から続く鎧甲冑の鋳物(砂張)や、500年を超える「ういろう」などの薬業や和菓子と茶の文化なども魅力的である。

かつての魚市場のにぎわい(現在の蒲鉾通り)

 「生業」概念は誠に多様である。2001年に小田原市政策総合研究所がまとめた紀要には、「なり」を「実り」、「わい」を「這う」という意味に解釈し、自然の恵みを加工して、流通に乗せ広げていく一連の流れのすべてを表す言葉として捉えている。つまり、自然の資源を加工・生産し、これらを販売・消費するすべての営みが「生業」とされている。

 これは、従来の「産業観光」の概念を大きく拡大することを意味する。産業は、日々の暮らしを支える根幹だが、そう考えれば商業・サービス活動も立派な産業観光の対象となる。

 旅館・ホテルをはじめ、日本の商業・サービス業は「生産性」が低いと指摘されるが、顧客視点からみたきめ細かい「おもてなし」は、海外からみると、ある意味素晴らしい観光資源でもある。

 2016(平成28)年に策定した小田原市観光戦略ビジョンでは、小田原の観光戦略の要を、こうした生業を元気にすることと明記した。まちなかの暮らしに支えられた生き生きとした生業こそが、小田原の「光」という捉え方である。観光ビジョンでは観光客の数や観光消費額は重要な指標となるが、その究極の目的は、地域の生き生きとした暮らしの実現であり、生業の元気なのであろう。

 観光戦略ビジョンは、今年度から新たな見直し作業に入る。次の小田原の観光まちづくりの戦略が楽しみである。

(日本観光振興協会総合研究所顧問 丁野 朗)

安来市観光協会 ナビゲーター養成 10月からのツアー向け

2022年7月30日(土) 配信 

フィールド実習で安来の魅力を再確認

 島根県の安来市観光協会は7月23、24日の2日間、10月から本格的に始めるサイクリングツアーに向け、ナビゲーター養成講座を開いた。同ツアーの案内役を目指す地元サイクルショップのスタッフなど13人が参加した。

 講師はサイクリングイベントの企画運営などを行う「BREZZA」(神奈川県横浜市)の筬島洋敏代表と、ホスピタリティアドバイザーの加藤香穂里さんの2人が務めた。

 講座では、初日にサイクリングツーリズムの現況分析や地域活性のための自転車活用事例と、ガイドに必要な安全知識などを座学でレクチャーし、参加者は真剣な表情でメモを取っていた。

座学ではメンテナンス方法なども学んだ

 2日目は、実際に安来市内を講師とともに走行するフィールド実習へ繰り出した。市内の観光スポットを巡ったほか、JR安来駅からほど近い十神山を臨む公園では、語り継がれる出雲神話のエピソードの説明も受けた。講師はツアー実施時のお客への気配り方法やSNS(交流サイト)に投稿してもらうための仕掛けなども伝授していた。

 同協会は、個人や小グループが地域をアクティブに巡る旅のスタイルを構築しようと、JR安来駅を拠点にしたサイクリング事業の拡大に力を入れている。昨年実施した4本のモニターツアーで手応えを掴み、10月以降の土、日曜日に隔週ペースでガイド付きのツアーを始める予定だ。

 コースは月山富田城跡・能義平野方面、能義・伯太・雲樹寺方面など、約20―40㌔を5時間程度かけて、ゆっくりと周遊する計画だ。日本遺産に認定されている「たたら製鉄」関連の要素も盛り込み、より深く安来の魅力を体感できるものにする。料金はレンタサイクル、昼食、ガイド料などを含め1人4千円前後を想定する。

 ナビゲーターが独自に考案するコースの実施も視野に入れる。今回の講座には、安来駅で観光列車の乗客を出迎える「どじょうすくい出迎え隊」の上田信也隊長(夢ランドしらさぎ総支配人)が参加しており、どうじょうすくいの衣装でのサイクリングツアー実施も1つのアイデアだ。

 同協会の門脇修二事務局長は「サイクリングだからこそ感じられる空気感や風景がある。走るだけでなく、立ち寄りを増やすことで地元の人と参加者の交流の場面をつくり、新しい安来観光の魅力をつくっていきたい」と意気込む。

国交省、22年観光功労者大臣表彰 開催延期した表彰式開く

2022年7月29日(金)配信

斉藤大臣から表彰状を受け取るロイヤルホテルの中村雅昭専務

 国土交通省は7月29日(金)、開催を延期していた2022年観光関係功労者国土交通大臣表彰の表彰式を行った。当初、今年4月25日(月)に表彰式を行う予定だったが、新型コロナの感染状況を鑑みて開催を延期していた。表彰式当日は受賞者15人のうち9人が出席。各功績分野の代表者が登壇し、斉藤鉄夫国土交通大臣から表彰状を授与された。

 斉藤大臣は、受賞者に対して「長年にわたり活躍され、他の模範となる顕著な業績を上げてこられた」と、これまでの努力と功績に敬意を表した。そのうえで、国交省として「必ずやこの苦境を乗り越え、かつてのように各地が観光業でにぎわう日が来るよう最大限の努力をしていく。受賞者には先頭に立っていただくことを期待する」と語った。

 受賞者は次の各氏。

 【ホテル業・経営者】中村雅昭(ロイヤルホテル代表取締役専務執行役員)

 【ホテル業・従事者】髙橋義明(帝国ホテル調理部センターキッチン課専門職課長)▽佐藤進一(京王プラザホテル取締役総料理長)▽折田道明(富士屋ホテル湯本富士屋ホテル宿泊課マネージャー)▽前田忠司(高山グリーンホテル調理本部調理部主厨房)▽藤原浩二(倉敷国際ホテル本館支配人兼料飲部長)▽塚脇邦浩(リーガロイヤルホテル広島総支配人室〈施設〉課長)

 【旅館業・経営者】田中榮一(元日本旅館協会北陸信越支部連合会長野県支部常務理事、ホテル亀屋代表取締役会長)▽市川行雄(日本旅館協会理事、蒲郡竹島観光取締役相談役)▽岡田昇(日本旅館協会中部支部連合会常任理事、岡田旅館代表取締役)

 【旅館業・女将】堀美惠(つるやホテル常務取締役〈女将〉)▽渡邉やゑ(海栄館取締役〈大女将〉)▽下竹原実穗(指宿白水館取締役〈女将〉)

 【旅行業・従事者】坂井信予(シーエム・ネット添乗員)▽野渕直美(TEI添乗員)

7月28日までの申請1万2291人 外国人の新規入国希望者数(観光庁)

2022年7月29日(金) 配信

観光庁は7月28日時点の新規入国希望者数を発表した

 観光庁は7月28日(木)時点の外国人観光客の受け入れ状況を発表した。入国健康確認システム(ERFS)における7月28日(木)午後6時時点の新規入国希望者数は、1万2291人。

 外国人の観光目的の新規入国については6月10日(金)から、日本国内に所在する旅行業者などが受入責任者となり、入国予定者のERFSにおける事前登録が必要となっている。

 時期別の新規入国希望者数は、7月29(金)~31日(日)は1386人、8月1(月)~31日(水)は8072人、9月以降は2833人。

 国籍別では、上位5カ国は韓国(5244人)、米国(1344人)、タイ(1217人)、フランス(535人)、マレーシア(424人)の順。

 希望者数は、ERFSから旅行業者へ発行された受付済証数から集計した。なお、ERFSへの申請数のため、希望者数は随時変化している。

 新規入国希望者数は、毎週発表される。

ジャニーズJr.の5人が映像バスガイド、8月1日から都市観光バスツアー「WOW RIDE」 東京都内で運行

2022年7月28日(木) 配信

車体外装

 KNT-CTホールディングスと同グループのクラブツーリズム、フジ・メディア・ホールディングスの総合広告会社のクオラスは8⽉1⽇から、都市観光バスツアー「WOW RIDE」の運行を開始する。

 バスの窓を「透過有機EL ディスプレイ」と⼀体化させることで、VR(仮想現実)、AR(拡張現実)映像の投影を可能にした映像表⽰システムを使用し、VRゴーグルを装着せずに⾮⽇常空間の体感が出来る「世界初」の都市観光バスツアー。

 好評を博した今年2~3月に実施したツアーの内容を深化させ、ジャニーズJr.の5人を、ジャニーズ初の映像バスガイドに採用。最新のAI対話システムを導入したことで、ジャニーズJr.との疑似対話も実現した。

 新感覚バスツアー「WOW RIDE」東京タイムトリップは、東京の観光名所を巡る60分間のモビリティーエンターテインメント。複合商業施設GINZA SIXに隣接する銀座六丁⽬バス乗降所を出発し、⽇本橋、東京駅、皇居、国会議事堂、東京タワー、レインボーブリッジ、豊洲、勝鬨橋、歌舞伎座を巡る約60分の周遊コース。

 走行中は車窓から東京の街並みを楽しむだけではなく、映画監督の堤幸彦氏が総合演出を手掛けた映像を通じ、東京というまちを楽しく学べるのが特徴。同映像は実際に走行している場所周辺の車窓風景と関連付けられており、皇居周辺では桜田門外の変、虎ノ門付近では東京の地下鉄の構造など、歴史やまちの構造などを没入感を感じながら、楽しく学ぶことができる。

 ツアーは12⽉末までの運行で、現在8月分の予約を受け付けている。料金は大人、子供ともに4800円(税込み)で、定員は各回21人。ツアーは1日4回行われる。