日旅が新中期経営計画2022~2025策定 ウィズコロナでの生き残りへ 店舗の大幅縮小・要員最適化

2022年1月7日(金) 配信

日本旅行はこのほど、新たに中期経営計画を策定した

 日本旅行(小谷野悦光社長)はこのほど、新型コロナの影響を踏まえ、新たに「日本旅行グループ中期経営計画2022~2025」を策定した。1年をかけてソリューション事業とツーリズム事業を機軸とした事業ポートフォリオ経営に移行する組織改正を行う。市場がコロナ禍以前には戻らない前提で、店舗の大幅縮小や要員体制の最適化により、ウィズコロナの生き残りと持続的成長の実現を目指す考えだ。

 同社は、今般の経営計画に関する企業ビジョンを、「アライアンスパートナーとの共創でお客様の求める価値を実現する『顧客と地域のソリューション企業グループ』」と定めた。

 22年度は構造改革期として、ウィズコロナでの生き残りとビジネスモデル変革のために、早期黒字化を目指す。緊急経費対策の継続のほか、非旅行業分野をはじめとした「需要があり収益性が高い分野」へのシフトを行う。店舗縮小や、要員体制などの運営体制を見直し、最適化する。

 事業戦略として、Web特化推進と、ウォークイン店舗は基本的に完全予約制とした。海外旅行事業においても、ソリューション事業への対応を強化していく。

 23~25年度は構造改革の成果による持続的成長と位置づけ、構造改革の定着化や、アライアンスの拡大、デジタルトランスフォーメーション(DX)の加速化に向け、各事業に取り組む。

 ツーリズム事業では、個人旅行に関わる部門の一体運営と着地シフトによって、22年の「赤い風船50周年」や、25年「大阪・関西万博」を契機に着地商品を拡充していく考え。全商品においてWebを基軸とした運営転換と実店舗運営の見極めや、Web上でのコンサルティング(空間店舗)など、DXとリアルの特徴を活かす運営を続ける。

 インバウンド事業では需要回復期を想定し、欧州・米州・豪州への取り組みを強化し、MICEや富裕層などへの重点営業を推進する。大阪・関西万博をインバウンド拡大のチャンスとし、JR西日本グループと連携して事業に取り組む。

 経営目標として、「公務・地域」、「教育」、「企業」、「ビジネストラベル」を4本柱に、法人営業をソリューション事業に転換する。このソリューション事業の収益で、19年度は40%だったシェアを、25年度までに68%へ引き上げる。

 また、19年度は2・3%だった営業利益率を、25年度には5・0%に収益性を向上させる。

 

事業領域単位へ転換、23年までに組織改正

 同社は、従来のエリア(営業本部)単位から、事業ごとに統合した新たな事業領域単位の経営に転換し、組織知が迅速に全社共有されるよう組織を事業ポートフォリオ経営に再編した。23年度には全社の改正を完了する予定だ。

 本社では、管理部門において組織の簡素化と要員運用の柔軟化を推進するため、経営管理部や総務人事部などの各チームを廃止した。DX推進本部を設置するとともに、既存の情報システム部とデジタルイノベーション推進部をこの部内に置いた。

 営業部門においては、営業戦略本部やJR横断ソリューション本部を設置するほか、事業共創推進本部内へSDGs推進チームや京急沿線事業推進部などを置く。

 ソリューション事業部門では、ソリューション事業本部を設置し、法人営業の4本柱となる事業部門に係る事業部をそれぞれ設置する。

 このほか、ツーリズム事業本部の設置に伴い、既存の各部署を統合した企画部、アライアンスマーケティング推進部、ダイレクトマーケティング事業部、国内旅行事業部を設置。東西に置かれていた海外旅行統括部を統合し、海外旅行推進部とした。

 西日本営業本部と九州営業本部では、個人旅行営業部を廃止し、従来の法人営業部を「企画部」へ名称を変更した。また、販売部は「営業部」に名称を変更した。

アソビュー、都内ユーザーの遊び調査 レジャー予約はコロナ禍前から240%増に

2022年1月7日 (金) 配信

1位は前年比235%増のキャニオニング・シャワークライミング
 レジャー施設のチケットをインターネットで販売するアソビュー(山野智久社長、東京都渋谷区)はこのほど、同社が運営する「アソビュー!」で、コロナ禍の2021年に東京都に在住するユーザーの遊びについての調査結果を公表した。このうち、レジャー予約数は前年比166・1%増加。コロナ禍前の19年比では240%増えた。
 
 具体的に最も伸長したアクティビティは、前年同期比235%増の自らの体で渓流を上り下りするキャニオニング・シャワークライミングだった。以降は同215%増のカヌー・カヤック、同212%増の急流の川を下るラフティング、同181%増で香水などを作る調香体験と続いた。
 
 内田有映アソビュー総研所長は「密集を避けられる『外での遊び』を選ぶ傾向が強い。コロナ禍で提唱された“マイクロツーリズム”の意識が高まり、奥多摩などのエリアが注目されていた。調香体験は、参加後のおうち時間が充実できるようなアイテムとして選ばれている」と分析している。
 

F.C.大阪とパートナーシップ契約、東武トップツアーズ

2022年1月7日(金) 配信

地域活性化などを支援

 東武トップツアーズ(百木田康二社長、東京都墨田区)はこのほど、F.C.大阪(近藤祐輔社長、大阪府東大阪市)とパートナーシップ契約を結んだと発表した。同クラブとともに大阪府内各自治体と連携した事業などを通じて、地域の活性化やスポーツの発展、普及などを支援する。
 
 F.C.大阪は、大阪から3クラブ目となるJリーグ入りを目指しているサッカーチーム。地域と共に地域社会の成長と発展に向けた原動力となることをミッションに掲げる。同クラブはJリーグが目指す「地域に根差したスポーツクラブ」を核とした「豊かなスポーツ文化の醸成」の具現化に取り組むとともに、サッカークラブの枠にとどまらず、地域に貢献するためにさまざまな物事をつなぐコンテンツとしての役割や、地域発展の新たな取り組みを生み出す結節点・発信地の役割を担っていくことを目指している。
 
 東武トップツアーズはこの「F.C.大阪」の理念に共感し、今回のパートナーシップ契約の締結に至った。

カワスイ 川崎水族館で1月31日まで、「カワスイのお正月~開運水族館2022~」 神奈川県民の新成人限定企画も

2022年1月6日(木) 配信

アルマジロ

 カワスイ 川崎水族館(神奈川県川崎市)は1月31日(月)まで、「カワスイのお正月~開運水族館2022~」を実施している。

 さらに、神奈川県民の新成人限定で成人の日1月10日(月・祝)から1月31日まで、本人と同伴者2人が無料で水族館を楽しめるキャンペーンも展開。

 寅年にかけて別名が「タイガーフィッシュ」であるダトニオイデス・ミクロレピスをイメージしたソフトクリーム「ダトニオソフト」が付いたお得な入場券も、

WEBサイトEPARK限定で売り出している。

カワスイおみくじ

 同館では、生きものの生態になぞらえたカワスイおみくじで2022年の運勢も占える。今年は新たに「ダトニオイデス」や、「ニシキマゲクビガメ」が加わり、全9種類をラインナップしている。

第2のふるさとづくりPJ 今春にモデル実証へ(観光庁)

2022年1月6日(木) 配信

観光庁はこのほど、第2のふるさとづくりPJの中間とりまとめを行った

 観光庁は昨年12月28日(火)に、「第2のふるさとづくりプロジェクト」の骨子となる中間とりまとめを行った。3回にわたり行われた有識者会議の内容を踏まえ、市場調査や仮説検証を行ったうえで今年3月には最終のとりまとめを行う。4月のモデル実証を目指し、検証を進めていく。

 同プロジェクトでは、ふるさとを持たない大都市の若者が田舎にあこがれを持って関わりを求める動きに、新たな国内観光需要の可能性を見出した。

 地域資源に触れ、地域との関係性や参画が徐々に深まることで、自発的な来訪が増え、滞在の長期化が見込める可能性があるとして、旅行者側の潜在需要に着目。他者とのリアルなつながりを求める動きがあるなかで、交流・関係人口のさらなる創出を目指す。

 有識者会議では、地域を訪れる人びとには、旅行している層や旅行をしたい層のほかに、旅行と認識せずに移動している層、ボランティア層など「個人の発意」によるものと、企業研修や教育旅行で訪れた「組織の意向」によるものの2種類がいると分析した。

 これらの層が滞在する環境づくりとして、安心と居心地の良さを提供するほかにも、地域と来訪者双方にメリットが感じられるつながりを形成する必要があるとした。

 また、宿ナカであるヤドには、訪問頻度や滞在スタイルに応じた快適で柔軟なサービス、最低限のインフラが整っていることや、泊食分離による地域での食事を促すなどの工夫が求められる。宿ソトであるマチには、再来訪する理由や、地域への「関わりしろ」が感じられるかが重要とした。

 都市―地域間や地域内での移動環境(アシ)については、公共交通が発達していない地域内の移動手段を確保することが課題とされている。タクシーやレンタカー、新たなモビリティなどを活用しているモデル事業を参考に取組みを検討する。

 観光庁は、「何度も地域に通う旅、帰る旅」というスタイルの推進・定着を目指し、地域経済の活性化につなげていく。

京都鉄道博物館を夜間貸切 都シティ近鉄京都駅が10周年記念

2022年1月6日(木) 配信

京都鉄道博物館を満喫

 都シティ近鉄京都駅(京都府京都市)は2月19日(土)、ホテル開業10周年を記念し、京都鉄道博物館でイベントを開く。講演会や館内見学のほか、夜間には博物館を貸し切って、SL転車台の回転(ライトアップ付き)や、運転シュミレーターの体験も予定する。現在イベント付宿泊プランを売り出している。

 講演会は、近畿日本鉄道の元名物広報マン・福原稔浩氏が登壇する。福原氏は鉄道知識に精通しており、NHK「ブラタモリ」や「鉄オタ選手権」、毎日放送「痛快!!明石家電視台」などの鉄道番組や講演活動など多数の出演経験を持つ。

 同ホテルは「イベント終了後は、トレインビューが自慢の当ホテルに宿泊し、客室からも鉄道を満喫!大人も子供も思う存分“鉄分”補給しませんか?」とアピールする。

 料金は、素泊まり1人2万193円など。料金には講演会やイベント料金、宿泊料金などが含まれる。なお、講演会・イベントのみの参加はできない。

貸切バス事業「蔵商」が破産 負債は約2億600万円

2022年1月6日(木) 配信

 貸切バス事業を展開する「蔵商」(地蔵豊社長、埼玉県さいたま市岩槻区)は昨年12月14日(火)、さいたま地裁から破産手続き開始決定を受けた。帝国データバンクによると、負債は約2億600万円。

 同社は2004(平成16)年10月に設立した。川口市と東京都世田谷区に営業所を有し、大学や公共施設などを得意先に定期送迎バスを運行。観光バス事業も手掛け、19年9月期には年間収入高約1億3400万円を計上していた。

 しかし、20年春以降は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で受注が減少。20年9月期の年間収入高は約7000万円に落ち込み、厳しい業況を支えきれなかった。

「るるぶキッチン×山口県長門市」特集フェア、1月31日まで

2022年1月6日(木) 配信

山口県長門市特集フェアメニュー5品のイメージ

 JTBパブリッシング(今井敏行社長、東京都新宿区)は1月4日(火)~31日(月)まで、直営飲食店舗「るるぶキッチン 酒処 何方此方」(東京都新宿区)で、山口県長門市の特産品を使用した「るるぶキッチン×山口県長門市」特集フェアを実施している。期間中、長門市の特産品を使用したオリジナルメニューの提供のほか、長門市の酒の提供や土産の販売など、長門市の魅力を発信している。

 「るるぶキッチン」は、「地域」や「食材」を変えながら、その土地の産品を生かしたメニューを開発する「特集フェアメニュー」が特徴。今回は、正月シーズンにもピッタリの日本酒に合うおつまみをテーマに、長門市の特産品である「長州黒かしわ(地鶏)」や「仙崎イカ(ケンサキイカ)」などを使用したオリジナルメニューを5品提供している。

 長門市特産フェアのオリジナルメニューは、「長州黒かしわのカオマンガイ」(1200円)、「猪肉の旨辛煮ライスバーガー」(900円)、「長門ゆずきちを使ったタコの酢の物」(450円)、「仙崎イカのメンマ」(600円)、「地酒ほれぼれの熱燗 イカゲソを添えて」(700円)の5品。価格はすべて税込み。

HIS、約6億8000万円不正受給 Go To調査報告書を公表

2022年1月5日(水) 配信

澤田秀雄会長兼社長。「HISはGo Toに参加したい」と語った

 エイチ・アイ・エス(HIS、澤田秀雄会長兼社長)は12月24日(金)、子会社であるミキ・ツーリストとジャパンホリデートラベル(JPH)がGo Toトラベル事業で不正に補助金を受給した疑いに関して、調査委員会の報告書を公表した。不正受給額は、最大で6億8329万円。全額がHIS元社長で平林朗氏が社長を務めるホテル運営会社JHAT(ジェイハット)との取引によるもの。調査委員会委員長の荒竹純一弁護士は「宿泊した事実はほとんどなかった」と述べた。

 ミキ・ツーリストは、4080万円を不正に得た。このうち、Go To給付金は2856万円。地域共通クーポンは1224万円。

 具体的には、同社はJHATと20室60泊分(1室4人)を1室1泊6万8000円、合計8160万円で買い取る契約を締結。延べ4800泊のうち実際に宿泊がなされたのは114泊だった。

 調査委員会は、ミキ・ツーリストが受け取った地域共通クーポンより高額な客室買取契約金などを支出しながら、JHATから同契約金を補填できる実態のない同社ホテルの販促活動協賛金などを得て、「給付金を両社で折半できるようにした」と指摘した。

 JPHは、給付金3億1249万4000円と地域共通クーポン3億3万円の合計6億4249万4000円を不正に受給していた。JHATから4社の団体顧客5万5053人を紹介されたうえで、1泊1人4万円の研修付き宿泊プランを販売するよう提案され、応諾していた。このことから、「JPHは主観的意図がなかった」(調査委員会)と結論付けた。

GoTo参加望む 不正金は返還へ

 澤田会長は調査報告書を受け、「監督不行き届きだった」と釈明。今後は不正に得た給付金を返還していく。

 また、1月下旬以降に再開が見込まれるGo Toについては、「子会社2社は辞退させる」とし、「HISは参加したい」と話した。

 この問題を受けて、同社は澤田会長の報酬を3カ月間、75%減額する。さらに、JPHの役員も務めるHISの中森達也取締役専務執行役員と織田正幸取締役常務執行役員は、同期間50%報酬を減額する。ミキ・ツーリストの檀原徹典社長は解任し、JPHの吴煜康社長は取締役に降格する処分を決めた。

 澤田会長は再発防止策として、HIS子会社の全社長と面接し、規定やガバナンスなどを見直していく。

640億円の営業赤字 主力の海外需要減

 調査委員会が不正受給金額を明らかにしたことを受けて、HISが12月28日(火)に発表した2021年10月期決算によると、営業損失は640億5800万円(前期は311億2900万円の損失)と2期連続で赤字となった。緊急事態宣言で長期間、旅行需要が低迷したことが主な要因。

 売上高は同72・4%減の1185億6300万円。経常損失は632億9900万円(前期は312億8300万円の損失)、当期純損失は500億5000万円(同250億3700万円の損失)と赤字幅は拡大した。

 なお、同社は子会社の不正を受けて、売上高20億100万円、営業利益5億8700万円、経常利益5億8700万円、当期純利益3億9500万円を、それぞれ減少している。

 次期は国内旅行事業をより強化するため、沖縄本島のホテルのM&Aなどを行う。渡航制限の解除時期が不透明であるため、見通しについては未定とした。

Go To不正受給 業界へコンプラ遵守求める(観光庁)

2022年1月5日(水) 配信

観光庁はこのほど、Go Toトラベル事業給付金の不適切な受給について調査した

 観光庁は、JHAT、ミキ・ツーリスト、ジャパンホリデートラベルのGo Toトラベル事業給付金の不適切な受給について調査を行い、昨年12月28日(火)付で旅行・宿泊業の団体に対し、コンプライアンス遵守を求める通達を出した。

 3社に対し、既に観光庁から支払われている給付金と、地域共通クーポンのうち、不適切な使用分の返還を求めた。また、再開する新たなGo To事業では、この3社の参加を停止する意向を示した。

 ミキ・ツーリストとジャパンホリデートラベルの親会社であるエイチ・アイ・エス(HIS)には、ガバナンス欠如について厳重注意を行い、事実関係の全体を明らかにするための調査を継続することを指示した。

 観光庁は今回の事案についていま一度管理・監督を促すため、日本旅行業協会、全国旅行業協会、全日本ホテル連盟、日本旅館協会、日本ホテル協会、全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会の旅行・宿泊業6団体の会長に対し、コンプライアンス遵守の徹底について通達した。「事業者として内部統制の強化と、コンプライアンスの向上が求められる」とし、再発防止のための取り組み方策と、実施スケジュールの報告を求めた。

 同庁では、不正利用の疑いのある案件の調査対象を拡大する。給付金支払い審査の厳格化や、審査体制の強化など、「必要な対策を講じていく」考えだ。