ホテル祖谷温泉 新ケーブルカー始動 木村英輝氏の作品彩る

2023年3月9日(木) 配信

祖谷渓に映える新車両

 徳島県三好市の大歩危・祖谷温泉郷の「和(な)の宿ホテル祖谷温泉」(植田佳宏社長)は2月22日、同館名物の約170㍍谷底へ下ったところにある露天風呂に向かうケーブルカーの車両の付替工事を完了させ、新車両「シン・ケーブルカー肆号機(4号機)」の運転を開始した。

 新車両の外観は同社のコーポレートカラーである淡い水色系の「祖谷ブルー」をベースに、ダイナミックな構図と色彩で知られる壁画絵師と、木村英輝氏監修デザインの「イワツツジ」が映える。車内は濃い藍色の天井に、鮮烈な赤色の「ヤブツバキ」を配した。車窓からは四季折々に変化する祖谷渓の景色が楽しめる。

 17人乗りで傾斜角42度の断崖を5分ほどで移動する。男女別の露天風呂は、祖谷川の渓谷にせり出すように配され抜群の開放感が特徴だ。温泉はアルカリ成分を多く含んだ肌に優しい泉質で、源泉掛け流しで楽しめる。

【土橋 孝秀】

HMS 松井一郎市長が登壇 発足記念講演会を開く

2023年3月9日(木) 配信

松井一郎市長

 ホスピタリティ産業の発展を目的とした産学連携組織「ホスピタリティマネジメント・スタディーズ(HMS)」の発足記念講演会が2月21日、大阪学院大学(大阪府吹田市)で開かれた。大阪市の松井一郎市長による基調講演のほか、有識者らによるパネルディスカッションが行われ、学校関係者やホスピタリティ産業従事者らが聴講した。

 HMSは、大阪・関西万博の開催を2025年に控え、宿泊とブライダル、厨房設備、調理師といった今後、ますます大きな役割を担っていくホスピタリティ産業のさらなる発展と、そこに働く人々の幸福に貢献することを目的に、今年4月に発足する新たな組織。

 観光学部などを有する関西圏の大学や観光、ブライダル、調理師などの各種専門学校、さらにはホテルや食料品製造、厨房設備といった各産業関係者が会員となり、定期的に勉強会や見学会などを開いて知見を広め、業界の発展に貢献していく。関係者と学生による情報交換の場も設け、将来を担う後進の育成にも取り組む。HMS会長には、大阪学院大学経営学部教授の森重喜三雄氏が就く。

 記念講演会では、大阪市の松井一郎市長が「2025年大阪・関西万博と大阪IRを契機とする大阪の成長・発展に向けて」と題して講演。

 松井市長は「世界のなかでも魅力的で住みやすい都市として大阪が上位にランクインしている。大阪は、さらに多くの人を迎えられる都市になる」と、大阪が持つポテンシャルを紹介。一方で、宿泊施設の少なさを課題に挙げ、「現在、整備している『うめきた』には、海外ブランドの高級ホテルが誕生するなど、宿泊施設を増やしている最中だ。万博時には、さまざまなニーズのお客様に対応できるようになる」とした。

 IRについては「ギャンブル依存症対策はしっかり取り組んでいく。IRに多くの人が訪れることで、関西全体が活性化され、東京一極を解消することにもつながる。民間の方にも、ぜひ参画してほしい」と呼び掛けた。

有識者らによるパネルディスカッションも開催した

 パネルディスカッションは森重教授をコーディネーターに、大阪学院大学ホスピタリティ経営学科教授のテイラー雅子氏、オータパブリケイションズ制作ディレクターの長谷川耕平氏、カトープレジャーグループ取締役人事統括本部長の大山邦子氏、祇をん新門荘女将の山内理江氏、リーガロイヤルホテル(大阪)総支配人の中川智子氏の5人が登壇。「ウィズコロナ期におけるホスピタリティ産業の課題」をテーマに話し合った。

 このなかで、山内氏は旅館の人材不足を課題の1つに挙げ「学生たちが旅館に勤めたがらない。ホスピタリティ産業の魅力を、もっとしっかりと発信していくことが我われの役目」と述べた。

 中川氏は「コロナ禍で、接客をしたくても、その機会がなく、Zoomによる研修が多かった。現場での経験が不足し、思うようにレベルが上がらず、挫折して辞めていく人もいた」と振り返り「人材育成はしっかりとやるべき。若手だけでなく、新任の管理職に対しても、部下をどう育てていくかを学ばせることは大切」と語った。

 ほかにも、長期雇用に関心がない若い世代の離職率の問題や、ホテル業界におけるDXの取り組みの低さなど、さまざまな課題が挙げられた。森重教授は「とくに人材育成は、大学としても重視すべき課題」とした。

 最後に、森重教授は「HMSは、人と人の結びつきで業界の発展に寄与していく。学生や新入社員などの情報交換の場も設けたいので、若い人にどんどん入会してほしい」と呼び掛けた。

横浜の学会で活動をアピール(ピンクリボンのお宿ネットワーク)

2023年3月8日(水) 配信

ピンクリボンのお宿ネットワークの活動をアピール

 ピンクリボンのお宿ネットワーク(略称・リボン宿ネット、会長=畠ひで子・匠のこころ吉川屋女将)は2月25(土)、26日(日)の2日間、神奈川県横浜市のパシフィコ横浜で開催された「第37回 日本がん看護学会学術集会」で、同ネットワークの活動をアピールした。

 リボン宿ネット会員の池山メディカルジャパン(愛知県名古屋市)が出展するブースを活用し、昨年10月に作成した「ピンクリボンのお宿」冊子を参加者の看護師らに配り、会への理解と患者さんへの周知をお願いするとともに、今年1月に作成した入浴着着用の啓蒙をはかるポスターも掲示、理解を呼び掛けた。

掛け流し温泉と光彫りの作品が楽しめる 上野屋別邸(神奈川県・湯河原町)開業

2023年3月7日(火) 配信

洋室

 源泉上野屋(神奈川県・湯河原町)は昨年、掛け流し温泉と光彫りの作品を楽しめる別邸を開業した。

 湯河原にアトリエを構える作家のゆるかわふう氏の作品7点を館内に飾る一棟貸しの宿で、作品は不定期で入れ替わる。最大宿泊人数は6人、「まちに出て食事を楽しんでもらう」目的で素泊まりを基本プランに据える。

 これに加え、本館で食事ができる1泊2食付きや朝食のみ利用のプランも用意している。

 「空き家を活用し、湯元通りを再びにぎやかにしたい」という思いを込め、室伏常夫代表が空き家となっていた床屋を改装して開業した上野屋別邸は、「宿に特徴を持たせたい」という室伏氏の想いと、展示する場所を探していたゆるかわ氏の想いが重なり、「泊まれる美術館」となった。

 断熱材に彫刻を施し背後からLED照明を当て鑑賞する光彫りは、同氏が考案した技法。作品を飾るにあたっては旅館でしか見られない展示の仕方にこだわり、寝室や風呂、お手洗いなどパーソナルスペースに、湯河原の景観をモチーフにした光彫り作品を展示した。

 上野屋別邸はワーケションでの利用も想定、高速Wi‐Fiやコンセント付テーブル、大画面テレビといった設備を整えている。また宿泊客は浴衣で湯元通りをそぞろ歩き、本館の温泉を楽しむことができる。

湯河原梅林で「梅の宴」 3月12日(日)まで開催中

2023年3月7日(火) 配信

ほのかな香りに包まれる

 湯河原梅林(神奈川県・湯河原町)で3月12日(日)まで、「梅の宴」が行われている。

 会場の幕山公園(湯河原梅林)には約4千本の紅梅・白梅がさながら「梅のじゅうたん」のごとく咲きほこり、園内はほのかな梅の香りに包まれる。

 園内出店ブースでは、湯河原の地場産品や土産品などが購入できるほか、会場限定の梅ソフトクリームをはじめ、湯河原ならではの味覚などが楽しめる。

園内出店ブースでは、湯河原の地場産品や土産品などが購入できるほか、会場限定の梅ソフトクリームをはじめ、湯河原ならではの味覚などが楽しめる。また各出店ブースで買い物をすると、100円ごとに1㌽のサービス券がもらえ、15㌽で甘酒やきび餅に交換可能。これに加え20㌽貯めると、真鶴ブルーラインの無料券ももらえ
る。

 入園料金は200円、町民と町内宿泊の人は無料。期間中は、駅と会場を約15
分で結ぶバスも運行する。

新会長に白石武博氏(カヌチャベイホテル&ヴィラズ) 会社と共働共生へ(日旅ホ連23年度通常総会)

2023年3月7日(火) 配信

新会長に就任した白石武博氏

 日本旅行協定旅館ホテル連盟(桑島繁行会長、1799会員)は3月2日(木)、東京都内で2023年度通常総会を開き、任期満了に伴う役員改選で、新会長には白石武博氏(カヌチャベイホテル&ヴィラズ、沖縄県)が就任した。

 白石氏は、「旅行・観光の復活を期した新しい年になっていく。新年度の事業は私が引き継いでいくが、皆さんとコミュニケーションを交わしながら、相互理解のなかで会が一体となり、日本旅行と一緒になって共働共生していきたい」と意気込みを述べた。

 3年ぶりのリアル開催となった今期で3期6年間にわたり会長を務めた桑島氏が退任した。桑島氏は退任あいさつで、「今年は国際観光復活の年」であるとし、人流の活発化に期待を寄せた。

 退任に当たり、桑島氏は「今年は国際観光復活の年になると期待している。これからウィズコロナ・アフターコロナの生活が日常化していくと考えられ、人流そのものが活発化していく」と期待を寄せた。

桑島繁行会長

 日本旅行の小谷野悦光社長は、「カーボンオフセットや地域の課題解決などの切り口を大事にしながら、価値を生み出してもらいたい。地域との連動性を高めて単価アップを目指していく」と力を込めた。

 また、日本旅行・JR西日本・野村総合研究所のアライアンス契約に触れ、ツーリズム事業のデジタル化の実現に向けた提携について、大都市部に集中していたニーズを分散させ、「地域に持っていくインバウンドに最大注力する」考えを示した。

小谷野悦光社長

 23年度の主な事業計画は、宿泊販売拡大への取り組みに加え、ワークショップの開催、会員の加盟促進、顧客紹介運動の推進、第14回日旅連塾の開催──など5項目を挙げた。

 また、SDGs推進特別賞表彰を行った。

 取り組み発表ではSDGs推進特別賞に選ばれた、北海道支部連合会知床地区の「知床地区の生物多様性をより深く知り、知床での滞在を充実させるプログラム開発」と、北陸支部連合会加賀地区の「教育旅行担当者現地研修の実施とSDGsの素材開発」を紹介した。

福島県浜通りでアウトドア アクティビティ 古民家キャンプやSUP、テントサウナなど、ユニークなプログラムを体験

2023年3月7日(火)配信

「アウトドア アクティビティ」を通じて観光再生を目指す

 福島県双葉郡の8町村が交流人口拡大や移住・定住促進を目指して連携する組織「ふたばエイト(双葉郡まちづくり協議会)」はこのほど、浜通りの「アウトドア アクティビティ」を通じて観光再生を目指すプロジェクトをスタートさせた。各地で楽しめるプログラムを通じて各町村が持つ魅力を体感してもらい、観光客と地元住民とが交流を深めることで、地域の活性化を目指す。

 東日本大震災、福島第一原発事故の発生で、大きなダメージを受けた浜通り地区に位置する双葉郡の8町村(楢葉町、富岡町、川内村、大熊町、双葉町、浪江町、葛尾村、広野町)は、10年以上の歳月をかけ、復興と再生を進めてきた。プロジェクトの第1弾として、木戸川河口でのSUP体験(楢葉町)や古民家キャンプ場「TATSUNO BASE」(浪江町)、テントサウナ体験(川内町)など、受入態勢が整った7町村のメニューをPRしている。

テレワーク・ワーケーション官民推進協議会の設立(観光庁)

2023年3月6日(月) 配信 

観光庁はこのほど「テレワーク・ワーケ―ション官民推進協」を立ち上げた

 観光庁はこのほど、「テレワーク・ワーケーション官民推進協議会」を立ち上げた。取り組みの見える化やネットワーク化を通じて、テレワーク・ワーケーションの普及や定着をはかる。

 会長には、官民共創未来コンソーシアム理事の箕浦龍一氏が就任。副会長には、東日本旅客鉄道マーケティング本部くらしづくり・地方創生部門 部門長の小崎博子氏、YeeY代表取締役の島田由香氏、JTB執行役員の高﨑邦子氏。

 同協議会には、観光庁や総務省、企業、関連団体、個人、地方自治体が参画し、会員数は139機関。引き続き入会を受け付けている。

 設立総会の後、第1回運営委員会で今後の活動方針について詳しく討議を行った。

 今後は、討議の結果を踏まえ、テレワーク・ワーケーションの機運醸成や、企業における制度導入に向けて、情報発信のためのセミナーなどを開催する方針だ。

FDA、北海道路線を開設 JALとの共同運航始める

2023年3月6日(月)配信

名古屋(小牧)⇒札幌(丘珠)

 フジドリームエアラインズ(FDA、楠瀬俊一社長)は3月6日(月)、名古屋(小牧)~札幌(丘珠)線を開設すると発表した。夏ダイヤの運航開始日である同月26日(日)から、日本航空(JAL、赤坂祐二社長)とのコードシェア(共同運航)便を始める。

 FDAによると、同社の拠点空港である名古屋(小牧)空港から北海道地区への就航は初めて。1日2往復4便。両空港を約1時間40分~1時間50分で運航する。9月30日(土)までの運航予定が決まり、10月1日(日)~28日(土)の搭乗分は別途調整中という。

札幌(丘珠)⇒名古屋(小牧)

 運航時刻は、名古屋発が午前8時発の9時40分着、午後4時55分発の6時35分着で、札幌発が午前10時25分発の午後0時15分着、午後7時5分発の午後8時55分着。

 航空券は、JALのWebサイト上で3月13日(月)の午前9時30分から販売する。就航を記念して、14日前までに予約・購入ができる「就航記念運賃」(片道4500円)を、3月7日(火)の午前9時から4月28日(金)まで販売する。

丸峰観光ホテル(福島県・会津芦ノ牧温泉)民事再生法の適用を申請 負債は2社合計で約25億5500万円(帝国データバンク調べ)

2023年3月6日(月) 配信

 丸峰観光ホテル(星保洋社長、福島県会津若松市)と、関係会社の丸峰庵(同社長、福島県郡山市)は2月28日(火)に福島地裁会津若松支部に民事再生法の適用を申請し、同日保全処分を受けた。 

 帝国データバンクによると、負債は2社合計で約25億5500万円。

 同社は1965(昭和40)年5月に設立。観光温泉ホテル「丸峰本館」「丸峰別館 川音」「離れ山翠」を運営していた。丸峰本館は、600畳で舞台付きの会食場「瑞峰」や、最大1000人収容可能なコンベンションホール「麗峰」などを有し、会津芦ノ牧温泉では最大規模の温泉観光ホテルの1つとして知名度も高く、2002年3月期には年間収入高約17億7100万円を計上していた。

 しかし、過年度の設備投資による有利子負債が重荷となっていたほか、2011年3月に発生した東日本大震災と福島第一原発事故による風評被害の影響から、19年3月期の年間収入高は10億円を割り込んでいた。

 さらに、新型コロナウイルス感染拡大に伴う外出自粛により利用客が減少し、22年3月期の年間収入高は約5億2300万円に落ち込んだ。施設維持経費がかさむなか、燃料費の急激な高騰を受けて、利益面の改善も進まず、今回の措置となった。

 なお、丸峰庵は06(平成18)年2月に設立。郡山市内で3店舗の飲食店を経営していた。