小豆島―神戸にフェリー就航、乗船無料キャンペーン

 神戸―高松(香川県)間で定期フェリーを運航する「ジャンボフェリー」(神戸市)は7月6日、同航路で1日4往復する便のうち3便で、小豆島の坂手港への寄港を始める。小豆島―神戸間の定期旅客船の運航は、1995年の関西汽船の航路廃止以来、16年ぶりの復活で、観光客誘致に弾みがつきそうだ。

ダイヤは、小豆島発が午前7時20分、午後4時20分、8時40分。神戸発が午前5時40分、午後2時、午前1時。小豆島―神戸間の所要時間は約3時間。

料金(片道)は、一般旅客大人1800円、小人900円。普通車(運転手1人の料金含む)4990円。軽自動車(同)4490円など。往復の割引運賃設定もある。

就航を記念し、小豆島では帰りの車フェリー代金が無料になる「ふねタダ・のりのり祭り」キャンペーンを7月7日から8月31日まで実施する(8月6・7、 12-16、20・21日の9日間は除く)。ジャンボフェリーを車で利用し、キャンペーンに参加する小豆島の宿泊施設に宿泊した場合、帰りの乗船料金(普通車4990円、軽自動車4490円)が無料になる。
 

キャンペーンの詳細は下記ウェブサイトで。

小豆島ジャンボフェリー就航記念「ふねタダ・のりのり祭り」!

大町の「おいしい水」プレゼント

 北アルプスの麓に位置する長野県大町市。市内の水道水は、北アルプスからわき出る豊富な湧水を源としている。観光キャンペーン大町レディースの宮尾敬子さんは「夏でも冷たくておいしいです。東京で暮らした経験もありますが、こんなにおいしい水が当たり前に飲めるなんて贅沢です」とPRする。

そんな北アルプス山麓の名水をボトリングしたピュアウォーター「アルピナ」(280ミリリットル)1ダースを10名様に読者プレゼントする。希望者はハガキに住所、氏名、電話番号をお書きのうえ、旅行新聞新社 大町市の水プレゼント係宛て(〒101―0021 東京都千代田区外神田6―7―2)までお送りください。締め切りは7月11日です。

 大町市内にはまちの中央通りを境に、西は北アルプスの湧水「男清水(おとこみず)」、東は里山居谷里の水「女清水(おんなみず)」の水道水が整備されている。

最新のシーズンパンフレット「信濃大町」は水紀行をテーマに編集。路地裏の小さな川に沿って歩く、まちなか散策などを紹介する。

現在放送中NHK連続テレビ小説「おひさま」のロケ地でもある同市。オープニング使われいるそばの花畑(中山高原)は8月下旬から9月上旬に花の見ごろを迎える。大型バス8台が入る駐車場も整備した。

第3次観光戦略始動へ、13年に3370万人泊へ

九州観光推進機構総会

 九州観光推進機構(石原進会長)は5月25日、福岡市内のホテルで2011年度定時総会を開き、11年度事業計画として九州の魅力を磨き、国内の大都市圏や海外などから観光客を呼び込む4つの観光戦略を柱に37の事業を実施することを決定した。

 今年度は第3次九州観光戦略の初年度。戦略では3年後の13年度に九州での延べ宿泊者数を3370万人泊、入国外国人数150万人を目標に掲げる。

 石原会長は「震災の影響で3月は宿泊が2割減少、4月に国内は回復してきたが、原発の影響で海外はアジアのビッグ4がいなくなった。風評被害対策として韓国、中国などで訴えていく必要がある」と強調した。

 第3次戦略では「第2次戦略で海外は目標のほぼ100万人を達成。13年に150万人を目指す。九州への延べ宿泊客数は3298万人泊といい成績を残せた」と評価。「13年には3370万人泊にしたい」と述べ、九州アジア観光戦略特区を目指す意欲を示した。

 新年度事業では、九州の魅力を磨きブランド化する戦略が、観光人材の育成・活用として、旅館従業員や将来の観光人材の育成支援、市町村職員の受入研修。第5回九州観光ボランティアガイド大会を大分県で開催する。 外国人観光客の受入れ体制の整備はコールセンター支援スキームを検討。「なないろ九州バス」運行支援、観光客満足度調査の検討、観光特区への取り組みなどを盛り込んだ。

 国内大都市圏などからの誘客戦略では、関東、中部、近畿に加え中国地方を重点市場に位置づけ、プロモーション活動を強化し宿泊客増加をはかる。旅行会社とのタイアップを推進し、商品の拡充をはかるとともに、なないろ九州バスの商品化・販売を支援する。ロングステイ提案も行う。

 また、WEBやPR媒体など活用して「行きたくなる九州」を演出。セミナー、旅フェア、観光展などで九州の魅力を直移アピールする。

 海外からの誘客戦略では、旅行博などへの参加と各国・地域の市場特性に応じた誘客対策を展開する。クルーズ博覧会への出展も盛り込んだ。

11年春の叙勲・褒章受章者、黄綬に針谷氏、藍綬に上月氏

 政府は4月29日付発令の春の叙勲および褒章受章者を発表した。東日本大震災の影響で正式決定が延期されていた。
 本紙関連では、黄綬褒章を、滋賀県大津市の「湯元舘」監査役(大女将)の針谷愛子氏と、三重県鳥羽市の「鳥羽ビューホテル花真珠」料理長の松浦貞勝氏が受章。藍綬褒章を、全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会副会長の上月敬一郎氏(大分県別府市・おにやまホテル)が受章した。

11月初旬に1便運航、長崎―上海航路 来春には定期

澤田秀雄社長
澤田秀雄社長

 長崎県佐世保市のリゾート施設・ハウステンボス(HTB)とグループ会社・HTBクルーズ、長崎県は5月30日、HTB内のホテルで記者会見を開き、長崎―上海航路の就航計画と船舶取得について発表した。

 第1ステップが11月初旬(3日予定)に、長崎県と上海市の友好交流関係樹立15周年の記念事業の一環として1往復運航する。その後に約2カ月かけて改装を行い、第2ステップとして、1月下旬の旧正月需要に合わせて、週1―2便の不定期運航。第3ステップで3月下旬から4月上旬ごろに週3便の定期運航を開始する。

 第1、2ステップまでは乗客定員を700人に押さえ、第3ステップの本格運航時に1500人に拡大する。船は長崎港と上海を約20時間で結び、運賃は最も安い料金で7―8千円を予定。豪華なクルーズ船と運搬船のフェリーの中間を占める「ローコスト・エンターテイメント・シップ」を目指し、船内に劇場やシアター、九州の観光情報と物産店など設け、楽しい船旅を演出する。

船体イメージ図
船体イメージ図

 ギリシャの船会社から約30億円で購入した船は、全長192・91メートル、幅29・42メートルで総トン数は30・412トン。車両輸送もできる貨客船だ。HTBの澤田秀雄社長は「最初は旅客のみだが、将来は貨物も検討したい」と話し、港の整備など県に要望した。

 また、「事業は最初の2―3年が苦しく、難しい時期。それを乗り越えて将来につなげたい。海の大航海時代の幕開けになり、九州・日本にとって大きな1歩になる」と強調した。

全国の女将40人が集結、品川駅でうちわを配布

全国40都道府県の女将が集結
全国40都道府県の女将が集結

 全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会は6月7日、午後に開く全国大会に先駆け、「観光業界から復興の風を」と、全国の旅館女将総勢40人によるうちわ配布イベントを、旅(新幹線)の出発地点である品川駅で行った。

 品川駅構内に、和装にそれぞれの地元の法被を来た全国40都道府県の女将が集結。観光庁の溝畑宏長官も駆け付け、「日本の観光に風を!みんなで旅に出掛けよう!」という1万本の特製うちわを通行客に配布し、「みんなで旅に出よう」と呼びかけた。

 湯郷温泉(岡山県)の「季譜の里」の佐々木裕子女将は「全国の女将が一つになって行動するこのイベントに参加できてよかった。大変なときだけど、みんなで観光を盛り上げ、観光で少しでも日本を元気にできたら」と感想を語った。

日光市女将の会設立、初代会長に臼井さん

臼井静枝さん
臼井静枝さん

 栃木県の「日光市女将の会」が5月16日、代表者会議を経て正式に設立が決まった。初代会長には鬼怒川温泉「花の宿松や」の臼井静枝女将が就任した。

 

 日光市は地域ごとに旅館組合が存在し、女将の会もこれまで個別に活動を行ってきた。今回、臼井女将が所属する鬼怒川・川治をはじめ、日光、奥日光湯元、今市、湯西川の5団体の代表者が集まり、日光市全体の女将会を創設した。東日本大震災や原発事故の影響で日光を訪れる観光客が激減している状況を少しでも改善したいという狙いもある。

 臼井会長は「1本の矢より3本の矢の方が強い。女将の会もそれぞれ単独に活動するだけでなく、みんなで協力し、日光市全体で一つになって日光を魅力的な観光地にしていきたい」と語る。

 今後は設立総会を開き、市内のホテル・旅館からメンバーを募り、勉強会や研修旅行、宣伝・誘客活動などにも積極的に取り組んでいく考え。

 「先月は北関東自動車道経由での誘客をはかろうと長野県上田市で観光安全宣言キャンペーンを行ってきました。上田市まで車で2時間半。安心や安全を訴えながら、近くなった日光にお越し下さいとPRしてきました。今後は銀座・日本橋・新宿での観光キャラバンも計画中」とこれからの活動にも意欲をみせた。

被災者受入料金の見直しを、全国の女将が観議連に要望

意見を述べる佐勘の佐藤女将
意見を述べる佐勘の佐藤女将

 観光振興議員連盟(川内博史会長)は6月8日、第5回総会を開き、旅館3団体のトップや全国の旅館女将と意見交換を行い、女将からは被災者受入れについて国の料金の見直しや、高速道路料金割引の現状維持などを求めた。

 川内会長は「現場で働いている女将の言葉を今後の政策の糧にしていきたい。忌憚のない意見を聞かせてほしい」と述べると、宮城県の伝承千年の宿佐勘の佐藤潤女将は「現在、多くの旅館が被災者を受け入れているが、国際観光旅館連盟の指標では1日1人当たり6850円の原価が掛かっている。しかし、国が決めた5千円以内、そして消費税分の250円は宿が負担という料金設定は少し低すぎるという声が上がっている。これは厚生労働省が新潟での地震の際に決めた金額で、今後も、災害に遭われた被災者を日本のどの地域であれ、旅館が長期間受け入れることが予想されるので、金額設定の見直しをお願いしたい」と訴えた。

 

行燈旅館の石井敏子女将
行燈旅館の石井敏子女将

 東京都の行燈旅館の石井敏子女将は「インバウンドに特化してほぼ100%外国人旅行者を受け入れている宿を経営しているが、3月11日以降、旅行者がまったく来ない状況が続いている。原発事故の風評被害は、実害だと思っている。解決策を国でも考えてほしい」と窮状を述べた。

 

 北海道の登別温泉郷滝乃家の須賀紀子女将は「北海道は広く、6月20日から実施される高速道路料金の割引撤廃はきつい。最低でも現状維持を」と訴えた。

 川内会長は「高速道路料金の割引をやめることは、観光業、流通業にとっても大きな打撃。人が活発に交流することが日本経済を元気にさせる。今後、第2次補正予算案が編成されるが、観議連として現状を維持できるよう要望していく」と語った。

経営者VS後継者、本音で“事業継承”語る

経営者チームの4人
経営者チームの4人

 全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会の女性経営者の会(JKK、石橋利栄会長)は6月7日に全国大会の分科会で、経営者とその後継者4組のパネリストを呼び、「消すな!燃やし続けろ!宿屋の火―未来につなげる宿屋のこころ―」と題するパネルディスカッションを行った。

 コーディネーターに、JKK広報委員長の永山いずみ氏(岡山県美作市、ゆのごう美春閣)、パネリストには、ホテル志戸平(岩手県・花巻南温泉郷)の久保田浩基代表とご子息の久保田龍介常務、ホテル美やま(埼玉県秩父市)の北川雅代専務取締役とご子息の北川誠八専務、旅館こうろ(京都府中京区)の北原茂樹社長とご子息の北原達馬常務、土佐御苑(高知県高知市)の横山佳代子社長とご子息の横山公大専務(全旅連青年部長)の4組が登壇。それぞれの親子が事業継承について体験談を語った。

後継者チームの4人
後継者チームの4人

 北原常務は「言葉には出さずに態度で『継いでほしい』というのを示された。いずれ旅館を継ぐのであれば、他の仕事をせずに今すぐやろうと思った」と当時を振り返った。

 小さい頃からよくホテルの手伝いをさせられたという北川専務は、「手伝いのおかげで、すぐに旅館の仕事に入っていけた」と話し、事業継承について「現場への早くからの理解」がポイントにあがった。

 経営者と後継者という親子関係について、すでに子供に旅館ならではの過ごし方を体験させ、教育をしているという横山専務は「青年部で掲げている『利他精神』同様、子供には旅館で働く父親の背中を見せていきたい」と話した。久保田代表は、「親父が酒飲みながら仕事の愚痴ばかりを言っていたら、子供が継ぎたいとは思わないのでは」と疑問を投げかけ、「旅館で働く楽しさを子供に見せていけば、自然と子供は親の仕事を継ぎたいと思ってくれるはず」と語り、会場からは共感の拍手が巻き起こった。

 ディスカッション後の質疑応答では、同じように事業継承について悩む経営者などから、たくさんの質問や相談が飛び交い盛況のうちに幕を閉じた。

 最後にJKKの石橋会長が登壇し、「同業者、仲間の前で本音を語っていただきありがたい。事業継承については、よそはどのようにしているのか実はみんな聞きたいけど、なかなか聞けないというのが本音。私もそろそろ継承について考えなくてはいけない年齢に差し掛かってきたので、今回の話はとても参考になった」と述べ、「宿の火を消さないよう、みんなでがんばっていきましょう」と呼びかけた。

福島・宮城を訪問、震災後の観光促進で協力

鶴ヶ城前で(応援ツアー一行)
鶴ヶ城前で(応援ツアー一行)

 JTB協定旅館ホテル連盟鹿児島支部と山口支部は東日本大震災で多大な被害や原発事故による風評被害を受け、観光客が激減している福島・宮城両支部を激励する応援ツアーを6月5―7日の日程で実施した。

 今回のツアーは「昨年の口蹄疫や鳥インフルエンザ、そして今年の新燃岳の噴火など同じような風評被害を体験している鹿児島支部と、歴史の関わりが深い山口支部が、同じく戊申戦争で関わりがあった会津がある東北を何とか元気づけたい」(中原国男鹿児島支部長)と計画したもの。昨年12月、両支部は姉妹盟約を結び、今回が初の合同事業。

 一行は5日に同連盟福島支部と意見交換。翌6日には鶴ヶ城での合同記者会見、福島県庁表敬訪問の後、宮城県に入り同連盟宮城県支部との意見交換会、最終日には宮城県庁表敬訪問を行った。このうち、鶴ヶ城での合同記者会見では歓迎のあいさつに立った渋谷たみお会津若松観光物産協会統括本部長が会津に伝えられている移り住んだ人が最初その排他性に泣き、生活を続けるうちにその人情の深さに泣き、そして会津の地を離れる時に離れがたさに泣く、という会津三泣きを引き合いに出し「会津は過去の歴史に泣き、今回の震災で泣き、そして今日の支援で泣いた」という例えで感謝の意を表した。

 これを受けて中原国男鹿児島支部長が「今回の震災で苦境に立たされているが、今回のような応援ツアーが全国に広がり東北復興へ繋げるようにしていきたい」と述べ、宮川力山口支部長が「厳しい環境下からの早い復興を祈念する。今後も鹿児島支部と連携して地元での福島の観光、物産振興にお手伝いしていく」と語った。最後に福島を代表した畠隆章支部長が「鹿児島、山口両支部がいち早く福島を訪れてくれたことに感謝する。この激励に応えるべき。一致団結して昔のにぎわいを取り戻すために頑張ることを誓う」と結んだ。