距離70㌔を簡単走破 E-BIKEで需要喚起

2019年7月17日(水) 配信

導入するE-BIKEの一例

 愛媛県今治市と広島県尾道市を結ぶしまなみ海道はこのほど、E-BIKE(スポーツタイプの電動自転車)の普及に向けたレンタル事業の実証実験「E-BIKEアクションしまなみ」を始めた。

 全長70㌔の同海道はサイクリング道路として名高いが、般的な自転車で8―10時間ほどかかり途中で断念する人も多い。E-BIKEを使えば6―8時間ほどで制覇できる。サイクリング経験が少ない女性や、シニア層、普段運動習慣がない人を対象に、しまなみ海道の利用を促進する。

 7月3日(水)には東京都内で、同プロジェクト始動の発表会を行った。愛媛県企画振興部の河上芳一氏は「E-BIKEは一定のスピードを長時間維持でき、スムーズに発進できる。新しい利用者層を取り込みたい。実証実験では2万人の利用を目標にしている」と意気込む。

 レンタル料金は1台3千―5千円で、当面は日帰りでの利用に限定する。貸し出し箇所は愛媛県今治市と広島県尾道市で、それぞれ2カ所ずつ設けた。

 途中には充電スポットを2カ所設置した。併せて、充電中の絶景スポットやレストランの利用を見込む。

 今後は、アンケートを基に環境を整備し、四国を一周するための環境整備を進めていく。

「六甲ミーツ・アート芸術散歩」 オフィシャルツアーを初実施

2019年7月17日(水)配信

現代アートの展覧会を昼食付きツアーで楽しめる

 六甲山観光(宮西幸治社長、兵庫県神戸市)は2019年9月14日(土)~11月24日(日)までの土日祝日の計27日間、「六甲ミーツ・アート芸術散歩2019」のオフィシャルツアーを初めて実施する。同祭典は今年で10回目の節目を迎え、さらに多くの人に現代アートの魅力と六甲山を知ってもらうため、便利な神戸三宮・新神戸からの直行バスを運行。ガイドの解説付きで六甲山上のアート作品をめぐるツアーを提供する。

 同ツアーは、六甲山観光がプロデュースする旅行ブランド「旅する六甲山」のもので、眺望や自然、歴史、アート、夜景など六甲山の四季折々の魅力を気軽に楽しめるオリジナルツアーを用意している。

ツアー概要

ツアーのみどころ:

 見どころとなる6会場(六甲ケーブル、風の教会、六甲ガーデンテラス、六甲山カンツリーハウス、六甲高山植物園、六甲オルゴールミュージアム)をバスで移動しながら、各施設に展示されている作品を鑑賞する。作品のコンセプトやアーティストの想いをより深く知ってもらうため、ガイドが同行して解説する。

 食事は、海抜約800㍍にある展望レストラン「六甲ビューパレス」で特別ランチを用意。ほのかに甘く柔らかい肉質の三田ポークのミラノ風カツレツと、旨みをしっかり閉じ込めたローストビーフをメインに、秋の味覚をつめ込んだサラダやスープ、手作りデザートを添えた贅沢なランチを堪能できる。

日程:2019年9月14日(土)~11月24日(日)の土日祝 計27日間

料金:8700円(税込価格/鑑賞チケット、バス、ケーブル、ランチ、保険、ガイド料金含む)

定員:22人

スケジュール:午前10:00~午後5:00

(午前)

10:00 三宮出発 →10:10 新神戸 →10:50 六甲ケーブル下駅着→11:25 風の教会 →11:50 六甲ガーデンテラス(ランチ45分)、六甲山カンツリーハウス

(午後)

 →2:20 六甲高山植物園、六甲オルゴールミュージアム→4:00 ガイド終了 →4:45 新神戸 →5:00 三宮到着

参加特典:

 ツアー限定!鈴木なるみのイラスト入りオリジナルレジャーシート(非売品)をプレゼント

 参加証として 六甲ミーツ・アート 芸術散歩2019 オリジナル缶バッチを配布

予約:WEBサイト

世界初のアボカド型宿泊施設で特別な体験を 予約は「早いもの勝ち」 ブッキング・ドットコム

2019年7月17日(水) 配信

アボコンドイメージ

 ブッキング・ドットコム・ジャパンはこのほど、7月31日(水)の「ナショナル・アボカド・デー」を記念し、アボカドのカタチをした世界初の宿泊施設「Avo-Condo(アボコンド)」を発表した。アボコンドはオーストラリア・シドニーにあり、7月29日(日本時間午前8:00)から同社限定で予約を始める。予約は先着順で、いわゆる「早いもの勝ち」方式。予約可能日は7月31日と8月1日の2泊のうちいずれかの日付となる。

 アボコンドは外からは半分に切ったアボカドのようで、 室内にはアボカドがテーマの家具が設えてある特注のコンドミニアムだという。宿泊中には美味しいアボカド料理を味わうこともできる。1泊当たりの料金は日本円で7600円ほど。

※予約は下記から

※予約方法の詳細は下記から

トラベルコ、新幹線+ホテル比較サービスで山陽・九州新幹線の掲載を開始

2019年7月16日(火) 配信

現在運行する全国の新幹線路線をカバー(写真はイメージ)

 「トラベルコ」を運営するオープンドアはこのほど、 新幹線+ホテル比較サービスにおいて山陽新幹線・九州新幹線の掲載を開始した。併せて、東海道新幹線の全駅を検索条件に追加した。

 トラベルコ新幹線+ホテル比較サービスは、新幹線とホテルを自由に組み合わせて検索し、掲載旅行会社が取り扱う商品を同一画面内で比較できるサービス。7月から山陽新幹線と九州新幹線を利用する商品の比較が可能となり、ユーザーの利便性が大幅に向上した。

 また、これまで東京や名古屋など主要6駅のみが対象だった東海道新幹線の検索は、検索対象を全駅に拡大したことで発着駅の選択肢が大幅に増加した。近畿日本ツーリストと日本旅行、びゅうトラベルサービスが取り扱っている商品であれば、より自由に発着駅とホテルとの組合せを探すことができるようなった。同社は今後、特急の路線も検索対象に加えることで、掲載商品をさらに拡大していく予定だ。

東横INN 6ブランドのQRコード決済サービス導入

2019年7月16日(火) 配信

東横INN

 東横イン(黒田麻衣子社長、東京都大田区)はこのほど、国内283店舗の東横INNで新たにQRコード決済サービスの「楽天Pay」「LINE Pay」「d払い」を導入し、すでに利用できる「PayPay」「Alipay」「WeChatPay」と合わせ、計6ブランドが利用できるようになったと発表した。

 東横INNは日本のみならず、アジア圏のはじめとする海外の利用者も数多く存在する。QRコード決済サービス6ブランドを導入することで、国内外からの高まるキャッシュレス決済のニーズに応える。一方、海外の東横INNでは利用できず、返金の対応ができない点は注意が必要だ。

東横INNの特長

 東横INNは1986(昭和61)年に蒲田店をオープンして以来「駅前旅館の鉄筋版」を基本コンセプトに、「清潔・安心・値ごろ感」のある客室をリーズナブルな料金で提供する宿泊特化型のホテル。2019年7月11日現在、日本国内283店舗、海外15店舗(韓国11、カンボジア1、フィリピン1、ドイツ1、フランス1)の合計298店舗、総客室6万3885室を展開している。

 2006年2月以降にオープンした店舗は、国際化に向けた施設の充実をはかるため、ベッドを5㌢、ユニットバスのバスタブを14㌢長くし、身体が大きくても利用しやすくなった。さらに2015年3月にオープンしたあべの天王寺の一部客室からは客室とユニットバスの段差をなくし、天井の高さを従来の1987㍉から2100㍉にした。

HIS、日本初の「リーガ・エスパニョーラ」オフィシャルパートナーに VIPシートで試合観戦を

2019年7月16日(火) 配信

7月16日に東京都内で、締結式を開いた。イバン・コディナ氏(左)、山野邉淳氏

 エイチ・アイ・エス(HIS)は2019年7月16日(火)、スペインのプロサッカーリーグLaLiga(リーガ・エスパニョーラ)とスポンサー契約を結んだ。HISは日本初のLaLigaオフィシャルパートナーとなる。今後はVIPシートで試合観戦ができるツアーなどを売り出す。BtoCだけでなく、企業へのインセンティブツアーといった販路も拡げていく。

 LaLigaは1929(昭和4)年にスペインで設立された。1部リーグにはFCバルセロナやレアル・マドリードCFなど世界的なビッグクラブがそろい、日本でもファンが多く人気がある。レアル・マドリードには久保建英選手が移籍するといった発表があり、ファン増加にも拍車がかかりそうだ。

 HISでも需要は高く、欧州5大リーグ(スペイン、イングランド、イタリア、ドイツ、フランス)などの観戦ツアーのうち、半数ほどがスペインだという。とくに近年は前年比10~20%増ほどで推移している。

 同日には締結式が開かれ、HIS執行役員の山野邉淳氏は「多くのお客様に楽しんでもらうために、非常に嬉しい契約だ」と語った。契約は2019~20年シーズンとなるが、同氏は「長期的なビジョンを持って、互いの目標を達成できるような協力体制ができれば」と引き続き関係を維持したい考えを示した。

 今回の契約により、VIPシートの販売ができるようになる。同氏は「欧州ではVIPシートでサッカーを観戦するだけでなく、そこで人との交流なども楽しんでいる。このような新たなサッカー観戦のカタチも提供していきたい」と意気込んだ。

 一方、今回の契約は「ただチケットを販売するだけではない」と強調。子供向けスポーツコンテンツ開発や、法人向けのスポーツ市場における視察ツアーなどを展開していくという。

 HISは、若年層に本場スペインのサッカーに触れてもらう機会を創出するため、大会や教室を開くなどし、相互交流をはかる。「子供達や若い世代にぜひ体験してもらいたい。日本サッカーのレベルアップにもつながれば」と期待を込めた。

 このほか、LaLigaのリーグ運営や集客の方法など、世界的なリーグに成長させたビジネスモデルなどについて、スポーツ関係者らに向けた視察・研修ツアーを考えている。

中央がジュリオ・バチスタ氏

 LaLiga東南アジア、日本、韓国、オーストラリア地区 プロジェクトマネージャーのイバン・コディナ氏は、「正直なところ、これまでアジア市場に注力していなかった。国際的な知名度を考えたときに、サッカーファンがものすごい勢いで増えているアジアは重要な市場で、なかでも日本は外せないと考えている」と述べた。

 「我われの最大の目的の1つは、日本にいる数多くのサッカーファンに近づくこと。締結により、スペインサッカーのファン増加だけでなく、スペインの伝統や文化、食、観光地などにもLaLigaを通じて出会ってほしい」。同氏はスペインにあるさまざまな魅力も、同時に楽しんでもらいたい考えだ。

 なお、同日にはレアル・マドリードなどでもプレーした経歴を持つ元ブラジル代表MFのジュリオ・バチスタ氏(LaLigaアンバサダー)も登壇。同氏は契約について、「大きな絆が生まれる第一歩だ。日本人選手も数多くスペインリーグで活躍している。今後の両国間の関係を深めるために重要なことだと思う」と話した。

行って良かった離島1位は沖縄の「波照間島」 エアトリ調査

2019年7月16日(火)配信

行って良かった離島TOP5

 エアトリ(吉村英毅社長)がこのほど20~70代の男女1028人を対象に実施した「離島旅」に関する調査によると、“行って良かった離島”の1位に波照間島(沖縄県)が選ばれた。2位は屋久島(鹿児島県)、3~5位は「与那国島」「西表島」「竹富島」が入り、沖縄離島の人気の高さがうかがえる結果になった。

 手つかずの自然や独自の文化が魅力の「離島」は近年、空路が拡充され、ますます身近な旅行先となってきた。有人島だけで400以上を保有する日本。エアトリは「離島に興味はあるけど、旅行に行くならどこがいいのか?」と悩んでいる人も多いと予想し、実際に離島に行ったことがある人のうち「良かった」と回答した割合を算出し、「行って良かった離島」ランキングを作成した。

エアトリ会員、過半数が離島旅に「行ったことある」

国内の離島に「行ったことがある」が過半数

 エアトリの調査によると、国内の離島に旅行に「行ったことある」と答えた割合は57・4%と過半数を占めた。一方、「行ったことはないが、興味がある」は36・0%と、実に93・4%の人が「離島」に興味があることが分かった。

 各離島につき、実際に行ったことがある人の中で「良かった」と答えた人の割合を基にランキング化したところ、2位の「屋久島(鹿児島県)」(93・3%)を僅差で抑え、「波照間島(沖縄県)」(94・9%)が1位となった。3位以降は「与那国島」(92・5%)、「西表島」(92・0%)、「竹富島」(90・6%)が入り、沖縄離島の人気の高さが見えた。

 「行ったことがある」と回答した人の中で、今年も「離島」に行く予定が「ある」と回答したのは26・6%。4人に1人以上が今年も離島に行く予定で、リピーター率の高さが伺える。

 また、離島に「行ったことがある」「行ったことはないが、興味がある」と回答した人の中で、離島の良いところ1位は「手つかずの自然」(69・0%)と回答。続いて「独自の文化」(45・9%)、「人とは違う場所に行くというワクワク感」(40・5%)となった。

「行って良かった離島」に選ばれた離島の魅力とは

 調査結果によると、「波照間島」は“波照間ブルー”と呼ばれる海の青さや空気がキレイだからこそ見える星空に感動したとの声が多く聞かれたという。2位の「屋久島」は縄文杉をはじめとする屋久島ならではの生態系が人気な一方、「人が優しい」との声も多く聞かれた。また、3位の与那国島は「海中遺跡」、4位の西表島は「マングローブ」、5位の竹富島は「のんびりとした空気」がそれぞれ人気の理由のようだ。

調査概要

調査タイトル:「離島旅」に関するアンケート調査

調査対象:20~70代の男女1028人

調査期間:2019年7月4~7日

調査方法:インターネット調査

調査主体:株式会社エアトリ

※「離島」…同調査は北海道、本州、四国、九州、沖縄本土を除いた島を指す

HIS、2020年夏に「サン・プリンセス」チャータークルーズ売り出す 徳島「阿波おどり」や世界遺産の「熊野の都」巡る

2019年7月16日(火) 配信

サン・プリンセスイメージ

 エイチ・アイ・エス(HIS)とグループ会社のクルーズプラネットは共同で2020年夏に、「サン・プリンセス」のチャータークルーズツアーの売り出す。サン・プリンセスは屋外プールサイドで映画鑑賞が可能で、4層吹き抜けの広々としたアトリウムなど、大型船に匹敵する充実した施設が魅力だという。サン・プリンセスが初寄港となる新宮では、夕方まで世界遺産の「熊野の都」を楽しめるよう設定した。

 今回チャータークルーズする「サン・プリンセス」は横浜港を出港し、関門海峡を通り、プサン、徳島、新宮に巡る7日間のコースとなる。寄港地の徳島では「阿波おどり」を観覧席で見ることができ、船内では事前に阿波おどりを体験するオプショナルツアーも用意している。

夏休みチャータークルーズ特別企画

▽プレミアム客船「サン・プリンセス」 お盆休み 阿波おどり・世界遺産熊野の地7日間~釜山・徳島・新宮~▽

出発日:2020年8月10日(月・祝)

出発地:横浜港

旅行代金:14万8千円~88万円(大人1人/2人1室利用時/港湾税・船内チップ等別途)

ロックハート城 ドレス体験の期間限定「フォロ割り」開始

2019年7月16日(火)配信

ドレス体験料がフォロワー数に応じて割引に

 サンポウ(平井秀明社長、群馬県沼田市)が運営する英国の古城「ロックハート城」(同県・高山村)は2019年7月31日(水)まで、インスタグラムのフォロワー数に応じてドレス体験の体験料を割引する「フォロ割り」を実施する。1フォロワーにつき1円、最大500円まで「プリンセスドレス体験」の体験料金を割り引く。割引対象は100フォロワーから。

さまざまなロケ地となった古城「ロックハート城」

城を背景にインスタ映えする写真が撮影できる

1.プロも認めたロックハート城のインスタ映え

 ロックハート城は、ロケ地としても知られる有名な撮影スポット。この10年、毎年50本超の映画やテレビ、プロモーションビデオなどのロケが行われている。これまでの撮影実績は、映像のプロに選ばれ認められた証。

2.一般の口コミからもわかるロックハート城への関心の高さ

 近年インスタグラム目的の来場が多く、お客様からのインスタ投稿数はこの1年群馬県内観光施設トップのみならず、全国的にもインスタ映えする施設として多くの媒体で紹介されている。

 「Yahoo!検索トレンドマップ2018」(トレンドワード篇)Instagram関心者ベースでは、観光施設として全国トップレベルに挙がった。

ドレス体験「フォロ割」概要

実施期間:2019年7月16日(火)~31日(水)

場所:ロックハート城3F ドレス体験受付口

ドレスレンタル料:各60分

 成人ドレス・タキシード2,500円

 カップル(男女2人)4千円

 子供ドレス・タキシード1,500円

フォロ割りの受け方:

・インスタグラムのマイアカウント画面を開き、フォロワー数を受付に見せる。

・申し込み時のフォロワー数×1円の料金が割引(最小人数100人フォロワー)。

 ※ただし最大500円引きとする(当日有効のお買物券でキャッシュバック)

施設アクセス

車利用

 関越自動車道 練馬ICから約120分。新潟ICから約150分

 北関東自動車道 水戸・大洗ICから約180分

 上越自動車道 富岡製糸場から約70分

電車利用

 JR上越新幹線「上毛高原駅」からタクシー約20分

 JR上越線「沼田駅」からタクシー約15分

施設概要

〒377-0702 群馬県吾妻郡高山村5583-1

入場料:大人1千円、中学生・高校生800円、4才~小学生500円、ペット無料

施設URL

「提言!これからの日本観光」 「教育旅行」に「産業観光」を

2019年7月15日(月) 配信

教育旅行において産業観光の導入を

 日本には「教育旅行」(修学旅行)という独特の学校行事がある。はじまりは、明治時代の東京高等師範学校の「長途遠足」からと言われ、100年に及ぶ長い歴史をもつ。今も小中学校では、ほとんどの学校がほぼ全員参加で実施し、修学旅行が生まれて初めての旅行体験だった人も多い。筆者もそのひとりだ。

 非日常的体験を通じての学習効果も大きく、観光の普及にも大きい役割を果たした。

 昨今、国内観光の様相は大きく変わってきた。外国人観光客の急増、観光の盛行で、リピーターの増加が目立ってきた。外国人観光客の受入体制整備、観光資源の魅力(再)開発などによる日本の「光」の維持と発揚策は急務である。とくに、観光資源への視点を変えて、新しい魅力を発見する「産業観光」などのテーマ別観光の推進が期待される。日本観光振興協会(日観振)は「新産業観光」ともいうべき産業観光の国際展開(外客誘致、工場工房、農漁場の見学、体験)など、受入体制の整備と情報システムの構築を進めている。

 一方、学習指導要領では「知識及び技能を確実に習得させ、これを活用して課題を解決するための思考力、判断力、表現力を育むべき」と定めている。人間の基本的営みで、知識技能の集積である「産業(ものづくり)観光」は最適な教育手法でもあると考えられる。

 日観振は、日本修学旅行協会、各自治体、教育関係機関と連携して、教育(旅行)に「産業観光」を取り入れた「教育産業観光(旅行)」を提案している。

 具体的には①学校での「産業(ものづくり)」に関わる授業への講師派遣、資料提供など「出前授業」の実施②「産業(ものづくり)」にかかわる副読本の作製(既存の郷土理解への副読本への収録も含む)への資料提供、編集協力③教育旅行で「産業」(ものづくり)現場の見学と体験を実施(「教育産業観光」の実現)④教育旅行の計画に、日観振の「産業観光総合情報システム」を活用する――。

 教育旅行でのプログラムとしては、次のようなものが考えられる。

 農業(田畑や牧場など)、水産業(漁場、市場)、製塩、林業(山林、苗場)、窯業(陶磁器)、製造業(工場、工房)などの作業現場の見学と体験などだ。これらにかかわる加工製品の工場と工房での作業体験(酪農製品、農業製品、水産加工品などの生産過程の見学、一部の体験など)も教育旅行の対象として効果的だ。

 「産業観光」は地域の暮らしに密着しており、観光を通じて、地域(学校)間のコミュニケーションがはかれるので、教育旅行にふさわしい観光だ。教育旅行の目標である「見る」「学ぶ」「体験する」の三位一体の観光も実現できる。「教育産業観光(旅行)」は「心をよせあうなかから文化が生まれる」―「令和」の時代精神にふさわしい学校行事になると考える。「教育産業観光(旅行)」の普及に期待したい。

須田 寛

 

日本商工会議所 観光専門委員会 委員

 
須田 寬 氏