大阪観光局 NMB48を起用 教育旅行の広報動画

2021年11月5日(金) 配信

右から溝畑理事長、泉さん、塩月さん

大阪観光局(溝畑宏理事長)は10月8日、体験型教育旅行プログラム「大阪B&S(Brother&Sisters)プログラム」の広報動画に、アイドルグループNMB48のメンバーを起用したと発表した。

 同プログラムは昨年11月、大阪観光局とJTB、留学生支援コンソーシアム大阪の3者で始めた。大阪を訪れる国内外の教育旅行団体に、大阪で学ぶ大学生や留学生がガイド役となり、兄弟姉妹のように交流しながら、大阪の魅力を紹介する。コロナ禍で教育旅行の中止や延期が相次いだが、収束後に向け、広報動画を活用し、PRを強化する。

 動画はNMB48のメンバー5人が学生役となり、留学生のガイド役のもと道頓堀や大阪城、通天閣・新世界などの観光スポットを体感する内容だ。同局の公式ページで公開している。

 同日開いた記者会見に、NMB48の泉綾乃さんと塩月希依音さんが出席。泉さんは「留学生と楽しくコミニュケーションできた。このプログラムを通じて大阪の人の優しさが伝わるのではないか」。塩月さんは「もっと長い時間、留学生と一緒に過ごして違った文化を学びたいと思った」などと話していた。

 なお、同プログラムでは校外学習を含め今年度と来年度で計6校の実施が決定している。第1弾として、10月下旬に大阪府下の私立高校が、コロナ禍で海外への語学研修ができないため、代替として同プログラムを利用し、まち歩きを実施した。

「観光ルネサンスの現場から~時代を先駆ける観光地づくり~(201)」 日本遺産サミットと地域連携(石川県小松市)

2021年10月31日(日) 配信

「こまつの石」などを常設展示する小松市博物館

 2016年から始まった「日本遺産サミット」。今年は11月13~14日の両日、石川県小松市で開催される。

 日本遺産サミットは、日本遺産の意義とストーリーを地域の人々に身近に理解して頂くとともに、各認定地域の交流を通じて、日本遺産活用の事業手法などを相互に学び研修するという2つの意義を持っている。

 従って例年、講演やシンポジウムのほか、参加地域による公開講座やPRブースの設置など、日本遺産ブランドの広報活動が展開されてきた。今年の小松サミットでは、これらの定番プログラムに加えて新たに2つの取り組みが展開される。

 1つは、古くからの「ものづくり」技術をもとに、小松の現代の産業をアピールする「GENBAプロジェクト」の開催である。これは九谷焼をはじめ、古くからある多様な工場・工房のオープンファクトリー化の事業であり、3年前から準備を進めてきた。

GENBAプロジェクト拠点の一つ「EATLAB」

 小松の「石の文化」は、地元八日市遺跡など、約2300年前から続く碧玉、瑪瑙(メノウ)、水晶などものづくり加工技術を起源とする。良質の凝灰岩石材や九谷焼原石の陶石など優れた石の加工技術も生み出された。石の加工技術は、古墳の石室にも見られるが、近世以降は城郭や石蔵・石塀などの都市づくり技術にも多用された。今でも石材を切り出す幻想的な石切り場も残る。近世になると、金や銅鉱脈の存在から尾小屋鉱山や遊泉寺鉱山などの鉱山経営も盛んになる。これらの鉱山用の機械を製造した小松鉄工所が、今日の世界的重機メーカー、コマツの原点でもある。

 加賀前田家3代利常公は、産業政策とともに文化を重視し、九谷焼をはじめ瓦、茶、畳表、加賀羽二重(絹織物)などを奨励した。とくに絹織物(小松絹)は機業地としての勧業奨励が大きな後押しとなった。これらの産業をルーツとする現代の工場・工房を開放する「GENBAプロジェクト」は、今回の小松サミットの大きな特色である。

 もう一つは、日本遺産物語として共通テーマをもつ地域同士の研究交流分科会の開催である。小松の石の文化とも共通する宇都宮市、福井市・勝山市、笠岡市など備讃諸島、八代市などの「石の文化」。繊維・織物の文化をもつ八王子市、桐生市、与謝野町、倉敷市、十日町市などの「繊維・織物文化」。多様な食文化物語のある小浜市、北総4都市、湯浅町、高知県中芸、長崎市などによる「食の文化」である。

 日本遺産は地域の文化財などをつなぐ歴史文化物語であるが、これらは、もともと地域を越えて深いつながりを持ってきた。北前船のような「交易」をテーマとする物語だけでなく、それぞれの地域が今回のような機会をきっかけに研究を通じた地域間交流をするきっかけとしてほしい。

 小松の日本遺産サミットの「現場」に是非ともご参加頂きたい。

(日本観光振興協会総合研究所顧問 丁野 朗)

「ZOOM JAPON(ズーム・ジャポン)(10月号)」

2021年10月30日(土)配信

http://zoomjapon.info

特集&主な内容

 ズーム・ジャポンでは、毎年秋には日本の食文化を紹介しています。これまで取り上げたテーマはお茶、お酒、ビール。この10月号では、お米に注目しました。まずは産業としても主食としても危機にある日本のお米の現状を解説。お米マイスターであり、米穀店も営みながら、日本米のために尽力する西島豊造氏にもお話を伺いました。能登半島の当目地区も訪れ、伝統を守りながら米の栽培に取り組む活動を紹介しています。連載のレシピコーナーでは、既にOnigiriがテイクアウトの選択肢になってきたフランスで、フランスで手に入る食材でもできる「おにぎらず」の作り方を紹介。旅のページでは、まだフランス人にもあまり知られていない能登半島を取り上げ、棚田の絶景や夏の祭り、そしてもちろん輪島塗を取り上げました。

〈フランスの様子〉2021年夏の国内旅行消費がコロナ以前の2019年以上に

10月6日付の経済紙Les Echos(レ・ゼコ−)のウェブサイトより。「ツーリズム:リンセによると、この夏、フランス国民は気を抜いた」

 フランス国立統計経済研究所(L’Insee:リンセ)が発表した速報によると、2021年7月と8月に、フランス国内で宿泊・外食・娯楽関連で使われたクレジットカードの消費額が、コロナ禍以前の2019年を上回ったという。◆フランスではこの夏、日本と同じように感染症が再拡大していたが、衛生パスの運用も始まっていた。海外旅行もEU規格の証明などがあれば可能ではあったが、以前は海外旅行をしていた人たちも国内にとどまったことで、フランス国内で過ごす人が多くなり、それが消費額に現れた。◆具体的な数字はまだ発表されていないが、消費額のほか、宿泊数も2011年7月以来の記録的な数字だという。◆ただし、もちろん外国人旅行客は激減、そしてパリやパリ周辺地域は敬遠されて、この恩恵を受けていないという。◆ちなみにフランスでは、日本のようなGo Toキャンペーンはない。政府や自治体の補助はもちろん、企業などからのプロモーションがなくても、これだけ制限された生活が続けば、フランス国民は進んで外食に行くし、旅行にも行く。◆年間5週間の有給休暇を完全消化するフランスと日本の違いだろうか。

ズーム・ジャポン日本窓口 
樫尾 岳-氏

フランスの日本専門情報誌「ZOOM JAPON」への問い合わせ=電話:03(3834)2718〈旬刊旅行新聞 編集部〉

国交省が貸切バスの安全・安心な運行へ取り組み推進 需要回復に備える

2021年10月29日(金) 配信

運賃の下限割れなどを防ぐため情報の周知再徹底はかる

 国土交通省は10月29日、「安全・安心な貸切バスの運行に向けた取り組み」を推進すると発表した。新型コロナウイルスの感染状況が改善し、貸切バスを用いた旅行需要が回復するとみられる。こうしたなか、改めて安全な輸送の確保をはかるために運賃の下限割れなどが起こらないよう、関係各所へ周知の再徹底をはかるのが狙い。

 国交省は「旅行需要が回復するのに備え、貸切バス事業者だけではなく国やバス業界、旅行業界全体が改めて、安全・安心の確保に向けた意識の向上と、さらなる取り組みの実施が必要になる」と判断。バス事業者や旅行会社、各協会へヒアリングを行い、官民が連携して取り組むべき4つの安全対策をまとめた。

 適切な安全投資を確保するための取り組みは、国による監査を通じ、運賃の下限割れを防いでいく。下限割れ運賃通報窓口や、貸切バスツアー適正取引推進委員会通報窓口のホームページリニューアルの再周知などを実施する。

 バス事業者への安全対策徹底の指導は、国や適性化機関が安全講習会や街頭指導などを行う。

 また、輸送の安全をチェックする取り組みとして、「安全運行パートナーシップ宣言」「輸送の安全を確保するための貸切バス選定・利用ガイドライン」の認知・遵守状況を事業者が自己点検するとともに、再周知をはかる。休止事業者らには国が再開時を捉えて自己点検を呼び掛けていく。

 このほか、バス・旅行事業者やバス利用者など関係者に必要な情報の周知を再徹底する。

旅工房、「ハワイ旅会」を出展 オンライン旅行博覧会で

2021年10月28日(木) 配信

オンライン旅行EXPO2021秋内で実施する

 旅工房(高山泰仁会長兼社長、東京都豊島区)は11月19日(金)~21日(日)、日本最大級のオンライン旅行博覧会「オンライン旅行EXPO2021秋」に出展する。同社はこのうち20日(土)に、ハワイ・ワイキキから生中継で行われるオンラインツアー「定番スポットをお散歩!ハワイ旅会」を実施する。

 「ハワイ旅会」は、毎回700人以上の申し込みがあるという、同社主催のオンラインツアー「オンライン旅会」の中でもとくに好評なもの。今回は、ダイヤモンドヘッドが見えるカピオラニ公園からスタートし、ワイキキビーチ周辺を散歩しながら定番スポットを生中継で紹介する。最新のワイキキや店情報も満載で、運が良ければハワイのサンセットが見られるかもしれないとアピールしている。

 催行時間は、日本時間で午前11時50分~午後1時まで。参加無料。なお、今回のハワイ旅会の参加には、EXPO主催企業「ロコタビ」の無料会員登録が必要となる。

JALら3社で北海道のアウトドアスポーツツーリズム推進へ

2021年10月29日(金) 配信

JALとモンベル、JR北海道がジャパンエコトラックの冬版ツアーを企画

 日本航空(JAL、赤坂祐二社長)とモンベル(辰野勇会長、大阪府大阪市)、北海道旅客鉄道(JR北海道、島田修社長)の3社はこのほど、アウトドアスポーツを通じて北海道の自然を体感する旅行商品「JAL×ジャパンエコトラック ダイナミックパッケージ」の冬版を売り出した。

 JALとモンベルは2018年2月に、地域活性化に関する連携協定を締結。これまでもアウトドアスポーツツーリズムの推進を行ってきた。今回は、ジャパンエコトラック推進協議会が推進する「トレッキング・カヤック・自転車など人力による移動手段で、日本各地の豊かで多様な自然を体感し、地域の歴史や文化、人々との交流を楽しみながら旅する」という新しい旅のスタイル“ジャパンエコトラック”を個人で気軽に体験できるよう、JR北海道とも連携して自由度の高いツアーを用意した。

 今回のツアーは北海道のオホーツクエリア、大雪ひがしかわ・南富良野エリアが対象。限定オプションとして、指定フリーエリアでJR北海道の特急や快速、普通列車の指定席・自由席が乗り放題になる「ジャパンエコトラックひがし北海道フリーパス」の販売や、ジャパンエコトラック公式アプリを使った地域の特産品が当たるデジタルスタンプラリーなども行っている。なお、今後エリアは順次拡大していく予定だ。

地方への幅広い経済効果にも「Go Toトラベル事業継続は必要」 日本旅館協会

2021年10月28日(木) 配信

(イメージ)

 日本旅館協会(浜野浩二会長)は10月26日(火)、Go Toトラベル事業継続の必要性について、同協会役員に浜野会長名で資料を送付し、情報と認識を共有した。

 一部メディアでGo To不要論が出るなど、さまざまな動きがあるなかで、「財務を立て直し、再び成長軌道に戻すには、国の強力な後押しが必要」との考えを示している。

 新型コロナウイルスの感染拡大により、旅館・ホテルは、政府や地方自治体から移動制限の要請を受け続けた。飲食店のように、休業・時短要請に伴う協力金もなく、厳しい経営状況におかれている。地域経済活性化に向けても、同協会は「地方での関連産業への経済効果を考えると、Go Toの再開による需要喚起が唯一の方策」とコメントしている。

山形の観光を応援! グランピング施設のヤマガタグラムが加茂水族館らとコラボ

2021年10月28日(木) 配信

Cheer UP!! yamagataを開催へ

 古窯ホールディングスグループ会社のリード(佐藤太一社長、山形県上山市)が運営する、全8室のグランピング施設「yamagata glam(ヤマガタグラム)」(山形県村山市)は11月1日(月)から、山形の観光を応援するコラボ企画「Cheer UP!! yamagata \フォトジェニックに山形を応援します/」を開始する。

 同施設は、グランピングやアクティビティを通して山形の魅力を発信し、「もう一度山形に来たい」と思える非日常体験の提供を目指している。こうしたなか、今回の企画では、コロナ禍で落ち込む山形の観光を応援するため、山形を代表する観光地「鶴岡市立加茂水族館」と、山形の工芸品「米織小紋(山口織物鷹山堂)」と協力し、山形の魅力を発信するコラボルームを展開する。

 ヤマガタグラムの8つのテントは、山形の山をコンセプトに、ドーム内のインテリアをそろえている。今回のコラボルームは、思わず写真が撮りたくなるような“フォトジェニック”をテーマに、インテリアを変更。山形の魅力をさらに発信できるテントに仕上げた。

 加茂水族館とのコラボルーム「sea×加茂水族館」では、鳥海山の「海(sea)」がコンセプト。加茂水族館の美しい「クラゲ」にインスピレーションを受け、クラゲに特化した部屋が完成した。たくさんのクラゲのぬいぐるみは加茂水族館オリジナル。インスタ映えすること間違いなしの写真が撮れそうだ。

 もう1つの「japan×米織小紋」ルームでは、山形の伝統工芸「米織小紋」を現代的にアレンジ。米織生地から作られたテディベア・くまじろうが飾られ、ベッドスローには山形の名産のさくらんぼ柄を生かした特注品を使用している。

 同企画は12月25日(土)までの予定。料金は1基4万4000円(税込)から。食事は1人5720円(税込)。

片柳学園、星野代表が講師に 宿泊施設の発展など学生と対話も

2021年10月28日(木) 配信

星野佳路代表。「〝期待外れ〟と思われないために情報量を極力少なくするべき」と持論を展開した

 日本工学院と東京工科大学を経営する片柳学園は10月15日(金)、ホテルコースや情報ビジネス科の学生ら約1千人に向けて、星野リゾートの星野佳路代表が「旅の楽しさをつくるテクノロジー」をテーマに、宿泊施設のさらなる発展について語る特別講義を開いた。

 片柳学園が4月から開始した星野リゾートとの連携協定を基に実施されたもので、これまでインターシップや、ホテル見学会の開催、社員による講義を実施している。

 星野代表は冒頭、CS(顧客満足度)を高める方法として、ホームページや雑誌などに掲載する情報について、「〝期待外れ〟と思われないために、情報量は極力少なくするべき」と持論を展開した。

具体的には、星のや富士では、客室から富士山が見えることを公表していない。

 「利用客は宿泊日にカーテンを開けた際、予想以上の体感を得て、満足度が向上する。宿は高評価のクチコミが拡散されることで、予約の増加と客室の単価上昇につなげることができる」と強調した。

 さらに、「消費者は価格が上がるほど、宿への期待を膨らませる」ことから、「さまざまなアクティビティの用意で応えている」と話した。

 質疑応答では、学生から「AI(人工知能)の普及によるホテルの変化」について問われ、星野代表は「AIは人間を超えられない。苦手とする新しい体験や料理に対する発想力を磨いてほしい」と求めた。

取手市で特別企画 11月5~21日の週末は小堀の渡しが無料に

2021年10月27日(水) 配信

小堀(おおほり)の渡しと旧取手宿本陣染野家住宅(本陣)

 茨城県取手市で、11月5日(金)~11月21日(日)の金・土・日曜日に特別企画が行われる。旧取手宿本陣染野家住宅(本陣)での特別展示や、「小堀(おおほり)の渡し」無料乗船のほか、それぞれの会場でオリジナルプチノベルティのプレゼントを予定する。

 取手市の観光資源として有名な旧取手宿本陣染野家住宅(本陣)と小堀の渡し。本陣は、今年の大河ドラマの主人公・渋沢栄一氏とつながりのある水戸徳川家とのゆかりが深い歴史的文化財として知られる。期間中は、水戸徳川家当主の直筆掛け軸を週替わりで特別展示する。

 一方、小堀の渡しは、江戸時代、水運の要としても栄えた旧宿場町・取手宿をしのぶことのできる観光資源で、利根川下流唯一の渡し船となっている。通常は乗船料は有料だが、上記期間内の金曜・土曜・日曜は、乗船料が無料になる。さらに、土・日曜日は2艘で運航する。