量と質、中華系OTAの衝撃 世界標準を日本でも (Ctrip)

2018年6月29日(金) 配信

Ctripグループ事務事業部 副総裁 ビクター・ゼン氏インタビュー

インタビューに応じた吉原氏(左)とゼン(Tseng)氏

中国最大手OTA(オンライン旅行会社)Ctrip(シートリップ)が日本展開を加速させている。グループ事業を統括するビクター・ゼン(Victor Tseng、曾怀亿)氏と、国内マーケティング責任者の吉原聖豪氏に話を聞いた。同社はOTAながら、7千ものリアル店舗を有する。【謝 谷楓】

□ポータルサイトと見間違う予約アプリ

 爆買いは影を潜めたが、訪日中国人旅行者数は未だ増加傾向にある。日本政府観光局(JNTO)の発表によると、5月までの累計来訪者数は約330万人。前年同期と比べ20%以上伸長し、全体の4分の1に及ぶ。インバウンド消費額の指標〈外国人観光客売上・来店動向【速報】〉を見ると1、2月の免税総売上高は前年同月比プラス30%。3月以降は同50%増に迫る勢いが続く。免税カウンターの国・エリア別来店者数のトップも中国人旅行者が占める。事業者にとって、中国人旅行者は依然無視できない存在なのだ。

 消費浴旺盛な中国人旅行者の訪日需要に応えてきたのが、Ctripだ。創業は99年、03年には米国・NASDAQに上場し、時価総額は約2・5兆円。昨年11月に国際ブランド(Trip.com)を立ち上げ、日本を含む13カ国で本格的なグローバル展開を開始。会員数は世界で3億人を超える。

 同社の強みは、提供するスマートフォン端末用予約アプリ(Ctrip)1つで航空券から宿、レンタカー、飲食店、アクティビティまでワンストップで予約手配ができること。口コミ情報も豊富。レビューを読み、日本に行きたいと思い立てばすぐ、予約に進める。

 アプリは総合ポータルサイトと見間違うほど内容が充実している。訪日中国人旅行者の3割が、Ctrip経由とされているが、このアプリを目の当たりにすると頷かざるを得ない。旅行や飲食、SNS(交流サイト)など、さまざまなジャンルのサイトや機能が1つのアプリにまとめられ、ウェブブラウザなどを開く理由が見当たらないのだ。「移民サービス」という海外移住を支援するカテゴリまである。

 高い技術力を持つCtrip。真骨頂はアプリ以外にもあるという。

□7千のリアル店舗を運営

 今回インタビューに応じた、Ctripで各グループ事業を統括するビクター・ゼン(Victor Tseng)副総裁(Corporate Affairs VP)は、こう語る。

 「Ctripは、中国全土で7千のリアル店舗をフランチャイズ展開している。アプリでは、富裕層の多いFIT(個人旅行客)をターゲットに、店舗では一般ユーザー向けのパッケージツアー(団体旅行)販売に注力してきた。スタッフの助言を受け、ユーザー自身が備え付けのタブレット端末で購入する」。

 来店者は、アリペイといったモバイル決済で支払いを済ませることができるため、オンライン会員に登録する必要はない。個人情報を取得し、個人旅行を促すなど、リピーターに育てる施策は行っていないのかという問いに対し、ゼン副総裁はこう応じる。

 「意図的ではない。顧客の需要に基づくサービスの提供を心掛けている。店舗でのみ商品を購入する非会員客についても個人情報を取得できるが、あくまでニーズに応えるためのプロモーションに活用するだけだ」。

訪日中国人旅行者の旅行形態の変化(構成比) 「訪日外国人消費動向調査」(観光庁)をもとに、旬刊旅行新聞編集部が作成した

 実際、中国人旅行者の成長は著しい。14年には6割を占めた団体旅行が17年には4割にまで減り、個人旅行と立場が逆転した【グラフ参照】。7千店という膨大なタッチポイントを持つため、同社は意図せずして旅行者の成長に寄与しているのだろう。

□国内旅行会社とも連携

 7千店を運営できる大規模市場は、サービスの質を磨くためにも有効なようだ。同社は24時間の電話対応を取り入れ、キャンセルからクレーム、緊急時対応までさまざまな要望に応えている。6月18日に発生した大阪府北部の地震でも、キャンセルに伴う返金を一手に引き受けた。

 「中国では近年、EC事業を中心にサービスの質的“レボリューション”が起きている。我われもしっかり対応している。万が一の際、ユーザーはCtripにのみ連絡すれば良い。その結果、大手ホテルチェーンともウィンウィンの関係を築いてきた」とゼン副総裁は自信を見せる。

 サービス面で一番驚かされたのは、アプリ内に埋め込まれたSNSの存在だ。旅ナカで困りごとに遭遇した際に質問を投稿でき、不特定多数のユーザーからアドバイスを得られる。東京にあるこのレストランに行きたいが道に迷ったと入力すれば、即座にレスポンスが来る。チャットが、コンシェルジュ機能も兼ねているのだ。

 高品質なサービス提供は、日本展開でも生かされている。国内のマーケティング事業を統括するCtrip Air Ticketing Japanの吉原聖豪代表(GM)は説明する。

 「14年にサイトを開き、国内ユーザー向けのUI改良に励んできた。仕入れは全国にある6支店が担当。本体傘下のメタサーチ・スカイスキャナーでは、ダイレクトブッキングも可能だ。航空券を中心に価格面で強いが、国内でも24時間の電話対応を実現し、旅ナカのサービス品質を高めている」。

 同社は地方への送客にも注力。ローカル地域の中規模旅行会社と連携し、オリジナルプランを中国に売り込んでいる。本土・リアル店舗で販売する団体商品も供給源はここにある。日本政府観光局(JNTO)と連携した東北エリアへの送客計画も進行中だという。

 同社のグローバル従業員数は3万人。需要把握に呼応した技術開発による世界標準のサービスが、日本市場を席巻する日も遠くない。国内外のOTAにとって大きな脅威となりそうだ。

NAA、東京オリ・パラに向けた基本方針と取り組みまとめる

2018年6月29日(金)  配信

定例会見で概要を説明する松本管理部門長

成田国際空港(NAA)はこのほど、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた基本方針と具体的な取り組みをとりまとめた。NAAは、同大会を成田国際空港のさらなる飛躍、発展のチャンスと捉え、将来を見据えた機能強化やさらなる利便性・快適性向上につなげる。

 基本方針は①安全・安定運用の徹底②選手・関係者の安全確保やスムーズな移動の実現③ユニバーサルデザインの更なる充実④おもてなしの心でのお迎えの――4点。安全・安定運用の徹底では、爆発物の自動検知機能を持ち、3D映像で全方向からモニタ確認が可能なCT(コンピュータ断層撮影)型のX線検査装置を19年度末までに7台導入する。

 選手・関係者の安全確保ではロンドンオリンピック・パラリンピックの成功事例に習い、各国選手団用の臨時専用ターミナルを整備。閉会式翌日に一斉に帰国する選手・関係者の安全確保や、既存ターミナルの混雑緩和をはかる。また、選手村で事前に預かった空港外チェックイン手荷物の保安検査・仕分け・一時保管を行う臨時手荷物集積所も整備する。東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会や千葉県が実施主体の大会、都市ボランティアを活用し、空港誘導体制の構築も行う。

 同社はこのほかにも337億円の事業費を使い、ターミナル改装などを実施。組織委員会や空港関係者(航空会社など)との連携を緊密にし、取り組みを進めていく。

夏休みは、四国エリアが人気 楽天トラベルが発表

2018年6月29日(金) 配信

今年の夏休みは、四国が熱い!

今年の夏休みは、四国エリアが人気だ。楽天トラベルがこのほど発表した、国内旅行の「都道府県別人気上昇ランキング」(速報版)によると、徳島県が前年同期と比べ30・9%増とトップの伸び率を記録した。高知県が、22・7%増と次に続く。阿波おどり(徳島市)や「志国高知 幕末維新博」(第二幕、高知県)など、四国エリアのさまざまな催しが注目を集めているようだ。

 徳島市の阿波おどり実行委員会は今年、FacebookとInstagramアカウントを開設し、国内外に対し広く、イベント情報の発信を行っている。6月14日(木)からは、Instagramを利用したフォトコンテスト企画を立ち上げ、徳島の阿波おどりに関連する写真・動画の募集を開始した。実際のおどりのほか、練習風景のようすも募ることで、行政と実行委員会、地域住民が三位一体となった誘致キャンペーンを目指す。

 「志国高知 幕末維新博」第二幕が開幕した高知県は4月、高知市桂浜に「高知県立坂本龍馬記念館」をグランドオープンし、全国から幕末ファンを魅了している。同館に問い合わせたところ、グランドオープンした4月21日(土)から6月28日(木)までの来館者数は5万7393人。前年同期と比べ1・3~1・4倍増加している。「夏休みシーズン、ぜひ多くの方に訪れてほしい」とした。

 国内旅行の「都道府県別人気上昇ランキング」(速報版、楽天トラベル調べ)、トップ5は以下の通り。なお、予約人泊数では、沖縄県がトップとなった。

順位 都道府名 伸び率
1位 徳島県 30・9%
2位 高知県 22・7%
3位 三重県 22・0%
4位 島根県 19・2%
5位 滋賀県 18・6%

トリップアドバイザー「世界のベストビーチ2018」を発表  

2018年6月29日(金) 配信 

古座間味ビーチ

「TripAdvisor(R)」はこのほど、同サイト上に投稿された旅行者の口コミ評価を元に、実際に訪れた旅行者に高く評価されたビーチをランキング化した「トラベラーズチョイス™ 世界のベストビーチ2018」を発表した。今回で6回目となる。

 日本では、沖縄県座間味村(ケラマ諸島)の「古座間味ビーチ」が、昨年の3位から順位を2つ上げ1位に輝いた。那覇市から西へ約40㌔に位置し、ケラマ諸島周辺の海は、「ケラマブルー」とも呼ばれる圧倒的な蒼さが特徴。サンゴ礁が多く群生しているため熱帯魚も多く、ダイビングやシュノーケリングなどを楽しめる。那覇市から高速船で約1時間と近く、旅行の予定に組み込みやすいのも魅力の1つ。沖縄は7つのビーチがランクインした。

 「1㌔以上続く白砂のビーチ。海の透明度、サンゴ、魚の豊富さに驚いた。シュノーケルに最適。アジアのプーケット、バリ、ベトナム、ランカウイ、エルニドなどのリゾートの海よりはるかに美しい」「海の色、魚影、白い砂地、非の打ち所がない素晴らしいビーチです。座間味といえば、ここというくらいの場所です」と絶賛の声が相次いだ。

 2位は「与那覇前浜ビーチ」、 3位には昨年トップだった「ニシ浜ビーチ」がランクインした。順位に変動はあったものの、日本のビーチトップ3の顔ぶれは昨年と同じ。一方で 5~10位まではすべて初登場という波乱の結果となった。

 このほか、18年の世界1位のビーチに輝いたのは、タークス・カイコス諸島にある「グレースベイ」だった。世界各国355のビーチから選ばれた。昨年2位から順位を上げた格好だ。アジア1位のビーチは、世界のベストビーチでも18位にランクインしたインドの「アゴンダビーチ」となった。

※このランキングは、全世界では今年2月に発表している

日本のベストビーチ トップ10

1 位(3) 古座間味ビーチ/沖縄県座間味村(ケラマ諸島)

2 位(2) 与那覇前浜ビーチ/沖縄県宮古島

3 位(1) ニシ浜ビーチ/沖縄県波照間島

4 位(7) 砂山ビーチ/沖縄県宮古島

5 位「初」 阿嘉ビーチ/沖縄県座間味村(ケラマ諸島)

6 位「初」 イダの浜ビーチ/沖縄県西表島

7 位「初」 白浜海岸/静岡県下田市

8 位「初」 白良浜海水浴場/和歌山県白浜町

9 位「初」 古宇利ビーチ/沖縄県今帰仁村

10位「初」 永田いなか浜/鹿児島県屋久島

  (※括弧内は前年度順位。「初」は今年初登場)

世界のベストビーチ トップ10

1 位 グレースベイ/タークス・カイコス諸島(カリブ諸島)

2 位 サンチョ湾ビーチ/ブラジル

3 位 バラデロビーチ/キューバ

4 位 イーグルビーチ/アルバ

5 位 セブンマイルビーチ/ケイマン諸島

6 位 ラ・コンチャ海岸/スペイン

7 位 クリアウォータービーチ/アメリカ

8 位 セブンマイルビーチ/ジャマイカ

9 位 ババロビーチ/ドミニカ共和国

10 位 プラヤ・ノルテ/メキシコ

アジアのベストビーチ トップ10

1 位 アゴンダビーチ/インド

2 位 ホワイトビーチ/フィリピン

3 位 ガパリビーチ/ミャンマー

4 位 ラドハンガービーチ/インド

5 位 プラナンビーチ/タイ

6 位 ベントータビーチ/スリランカ

7 位 ナイハーンビーチ/タイ

8 位 ナクパーンビーチ/フィリピン

9 位 ヌサ ドゥア ビーチ/インドネシア

10 位 ベリガンドゥ・アイランドビーチ/モルディブ

※評価方法…当ランキングは、 2016年11月から2017年10月の1年間に投稿された世界中の旅行者の口コミの評価点(5段階)、投稿数などをもとに、独自のアルゴリズムで集計したもの

トラベラーズチョイス™ 世界のベストビーチ2018は下記からも閲覧可能

日本:

世界:

アジア:

豊田市の夏の風物詩「小渡夢かけ風鈴」 7月15日~8月31日

2018年6月29日(金) 配信 

風鈴展示

愛知県豊田市北部の小渡町(おどちょう)は2018年7月15日(日)~8月31日(金)の期間、各世帯の軒先に風鈴を吊るすイベント「小渡夢かけ風鈴」を開催する。期間中は撮影会や絵付け体験など、さまざまな催しが予定されている。

 2003年から始まった「小渡夢かけ風鈴」は、各世帯の軒先に風鈴をつるし、約6千個の風鈴が涼しげな音色を奏でる夏の風物詩。風鈴寺(増福寺)で、風鈴の短冊に願い事を書く「風鈴奉納」や「写経体験」、「坐禅体験」が行われるほか、小渡商店街で「風鈴絵付け」や「ゆかたの着付・モデルなりきり撮影会」など、数多くのイベントを開催する。

風鈴絵付け体験

「小渡夢かけ風鈴」内で開催されるイベント一覧

小渡 夢かけ風鈴 オープニングイベント

開催日:7月15日(日)

内容:流しそうめん・屋台・風鈴奉納式・風鈴行列

ゆかた姿でモデルなりきり撮影会

開催日:7月15日(日)

 ※参加希望者は、旭観光協会・あさひ観光案内所まで。

ゆかた着付け

開催日:7月15日(日)~8月31日(金)

時間:午前10:00~午後3:00

定休日:水曜日、8月13日(月)~8月15日(水)

 ※事前に予約を行えば、定休日もゆかたの着付け可能。

予約先:旭女性の会 貸衣裳/旭支所2階(TEL:0565-68-2153)

 ※予約優先(混み合う場合があるので、予約をおすすめする)

 静寂のとき、風鈴の音色を聴きながら写経体験・坐禅体験

風鈴寺(増幅寺)

開催日:7月15日(日)~8月31日(金)※臨時で休む場合あり

会場:風鈴寺(増福寺)※予約不要

こけ玉作り

開催日:

 7月21日(土)、7月22日(日)、

 8月4日(土)、8月5日(日)、8月19日(日)、8月25日(土)、8月26日(日)

場所:小渡公民館

時間:午前10:00~随時(所要時間は約1時間)※予約不要

オリジナル風鈴を作ろう! 風鈴絵付け

開催日:7月15日(日)~8月31日(金)

場所:風鈴通り・さかや

時間:午前8:00~午後5:00(所要時間は約1時間)

 ※1度に体験できるのは10人まで

 ※予約不要

鮎つかみ体験

開催日:7月22日(日)※雨天中止(川の水量が増えるため)

場所:小渡中央広場

時間:午前10:50までに集合

予約先:旭観光協会(TEL:0565-68-3653)※要予約、定員30人

 ※鮎は、つかみ放題。そのうち2匹を塩焼きにして食べることができる。

夏休み工作教室

開催日:7月15日(日)~8月31日(金)

場所:糟谷工房※予約不要

「小渡夢かけ風鈴」概要

イベント名:小渡夢かけ風鈴(おどゆめかけふうりん)

日時:2018年7月15日(日)~8月31日(金)

場所:愛知県豊田市小渡町一帯

料金:イベント毎に異なる

アクセス:東海環状自動車道「豊田環八IC」より約35分

URL以下のページリンクから

町の人の目に触れる結婚式を「第7回ふるさとウェディングコンクール」

2018年6月29日(金) 配信

「第7回ふるさとウエディングコンクール」表彰式

近年、結婚式のかたちが多様化している。

 従来の伝統や型にはまらない式が増えるなか、地域の子供たちが結婚装束の新郎新婦を見る機会が減少したと桂由美氏は警鐘を鳴らす。「1960年代くらいまでは、自宅で花嫁支度を整え、家から出発。会場までの道を、近所の人に祝福されながら移動した。今はホテルや式場での結婚式が主流で、町で花嫁姿を目にすることがほとんどなくなった」(桂氏)。

 「地域の子供たちに、結婚式に夢と希望を抱いてほしい」という桂氏の想いに、総務省と観光庁が後援。「ふるさとウェディングコンクール」が始まった。町の人の目に触れる新しい結婚式を募集し、表彰を行っている。

 審査ポイントは①市民参加型結婚式であること、そのための工夫点②地域の良さと、新郎新婦の個性を生かした唯一無二の結婚式であること③単に伝統を再現した結婚式ではなく、新しいアイデア・感覚が盛り込まれた作品であること――。

 7回目となる今年の総務大臣賞には、「藍染大通りストリートウェディング」が選ばれた。東京都からは初めてのグランプリとなる。観光庁長官賞は「日本百名山「月山」の麓で誓う家族の幸せ~にしかわ七夕ウェディング~」となった。6月19日(火)に東京都内で表彰式が開かれ、受賞者2組がプレゼンテーションを行った。

総務大臣賞 「藍染大通りストリートウェディング」

 藍染町は、住民でない人も積極的に町内会に迎え入れており、若い人材の確保に努めている。就職を機に東京の下町・根津に移り住んだ新郎の上田一樹さんは、根津の祭りや行事などの町会活動に参加していた。地元の人と親しくなるにつれて、短い年月でもその地に愛着を感じるようになった。

 「地域住民の交流の場として親しまれてきた『藍染大通り』の路上で結婚式を挙げてみては」。新婦との結婚が決まり、町内会長とのお酒の席で出たアイデアが満を持して実現した。

 根津神社で親族と神前式を行ったあと、提灯の先導で境内をそぞろ歩き、人力車に乗って藍染大通りまで移動。純白のヴァージンロードや黄白の風船で飾り付けられた道には参加者が並んだ。シャボン玉のキットが配布され、退場の際にバブルシャワーで送り出す演出で参加者との一体感を高めた。

 「誰でも参加できる結婚式」というコンセプトを実現するため、多くの観光客でにぎわう「根津・千駄木下町まつり」のイベントとして実施した。スタッフは祭りのはんてんを着て、町をアピール。通りすがりの人が参加しやすいよう、1千円の会費で飲食や人力車体験、子供向けワークショップなどを楽しめるようにした。

 見ず知らずの人も一緒に偶然の出会いを祝福し、オープンで活気のある地域のようすを見てもらうことで、さらに仲間を呼び込むきっかけとなることを目指した。現在新郎新婦は根津で子育て中だという。

観光庁長官賞 「日本百名山『月山』の麓で誓う家族の幸せ~にしかわ七夕ウェディング~」

 夫婦が暮らす山形県西川町の総人口は減少傾向にあり、2040年には1980年比で64%の減少予測が立てられている。全国の地域で過疎化が深刻化するなか、結婚式の力で地域に暮らす魅力を山形から全国に発信したいと、山形ウェディング協議会が同コンクールにエントリーした。

  山形ウェディング協議会は、何らかの理由で結婚式を挙げられなかった人たちのために、「夢婚」として結婚式をプレゼントしている。

 夫婦は入籍から10年間。4人の子供たちと共に、にぎやかな毎日を送っていた。しかし、新郎の阿部道雄さんにはひとつ心残りがあった。「結婚式を挙げていない」。

 両家でお披露目会は行ったが、結婚式を挙げる余裕がなく、結婚指輪も渡さないままだった。

 結婚式を改めて挙げたいと思うようになったタイミングで、山形ウェディング協議会が結婚式をトータルサポートする「夢婚」が目にとまった。妻にも喜んでもらえたらと応募し、当選した。

 挙式は新郎が2017年3月まで勤務していた「弓張平公園オートキャンプ場」の芝生スペースに、1日限りの式場を特設して行った。披露宴は新郎が現在勤務する「道の駅にしかわ月山銘水館」で開いた。隣町の道の駅が休という状況に追い込まれているなか、道の駅の新たな活用方法として、県内で注目を集めた。

 地元の作家が結婚式の主旨に共感し、月山和紙の装飾、山形ふるさと工芸品の月山瑪瑙などを無料で提供。地のワインや町の特産品を料理に使い、地域性を演出した。

 「今は結婚式をしない方が増えているが、結婚式は新しい家族が誕生する人生の節目。今後も『夢婚』を通して、結婚式の素晴らしさを伝えていきたい」。山形ウエディング協議会は、「要望があれば、各市町村でもその土地ならではの結婚式を提案したい」と今後の展望を語った。

【特集No.496】有村女将×下竹原女将×東川氏 盛り上がる鹿児島の今語る

2018年6月29日(金) 配信

 7月4日、鹿児島県鹿児島市の城山ホテル鹿児島で「全国旅館おかみの集い―第29回全国女将サミット2018鹿児島」が開かれる。今回のテーマは「明治維新150年~熱き女将の想い・伝える、つなぐ、薩摩から~」。開催を前に、大会の運営委員長の有村青子女将(指宿シーサイドホテル)と下竹原成美女将(指宿白水館)、鹿児島まち歩きのプロ・東川隆太郎氏の鼎談が実現。今大会にかける想いや、大河ドラマ「西郷どん」で盛り上がる鹿児島の今について語り合った。【司会=鈴木 克範、構成=井坂 和香】

     ◇

日本列島の“端っこ”から発信 ―― 有 村 女将
魅力の“余韻”残して再訪促す ―― 東 川  氏 
現場が力つけ業界自体を強く ―― 下竹原 女将

 ――東川さんの自己紹介も兼ねて、活動内容を教えてください。

東川:鹿児島で「まち歩き」をしています。活動を始めてから15年間、その本質は変わっていません。大学では地質学を専攻していましたが、幼いころから歴史が好きでした。地元の面白いものを自分の視点で発見したいという思いから、まち歩きを始めました。
 ただ歩くだけではもったいない、仕事にできないかと考え、2001年にNPO法人を立ち上げました。以来、発見した鹿児島の魅力をパンフレットや講演会、イベントなどで発信してきました。
 パンフレットやガイドブックに記載されている情報はほんの一部で、鹿児島にはまだまだ掘り起こされていない面白いものがたくさんあります。
 住んでいると足元はなかなか見えづらいので、活動で得た情報を地域の方と共有しています。「観光の仕事をしている人に自分の情報を使ってもらう」。それが私の役目だと考えています。地域のいいものは皆で使っていきたいですね。

 ――指宿の女将会「華の会」の取り組みは。

下竹原:当時(20年前)鹿児島には女将文化がありませんでした。仲間が欲しいということで、初回はお茶飲み会を企画。同じ境遇の仲間が5人集まり「華の会」が生まれました。

有村:5人とも他所から嫁いできた身でした。同世代で、なおさら一体感が生まれました。仕事はもちろん、家族や子育てなどの悩みも一緒。いつも話に花が咲きます。

東川:人生の過程が同じということは、喜びも悩みも同じ。共有できることが多いですね。

下竹原:指宿と鹿児島の魅力を全国にアピールしたいという気持ちも、皆が同じでした。南の果てで全国に情報を発信しづらい土地なので、とにかく指宿と鹿児島のPRに取り組みました。温泉ミストやヘアケア商品、石鹸などオリジナル商品もプロデュースしました。砂むし温泉の効能を調べるため、自ら実証実験を行ったことも。個人差はありましたが、皆の体重が平均0・9㌔落ちました。自分たちも、改めて砂むし温泉の良さを見直す機会になりました。

東川:やはり砂むし温泉は指宿の最大の個性ですが、美と健康に注目したのは女将さんならではの視点ですね。実証実験を行って説得力を高めたことも素晴らしい。チームだからこそできたことですね。 

 ――東川さんから見た「女将さん」とは。……

 

【全文は、本紙1715号または7月5日以降日経テレコン21でお読みいただけます。】

タコとフグの島「日間賀島」を東京都内でPR

2018年6月29日(金) 配信

鈴木会長が島の魅力を説明

日間賀島観光協会は6月28日(木)、東京都内でマスコミを集めてキャラバンを初めて行い関東圏での認知拡大をはかった。日間賀島観光協会の鈴木安博会長は「食を目的にしている人にとっては、1年中さまざまな旬の海の幸を楽しめる島。漁業体験などさまざな体験企画もあり、アクセスもしやすい」とPRした。

 日間賀島は、愛知県・南知多町にあるタコとフグが有名な三河湾に浮かぶ島。車、電車ともに名古屋から約1時間で最寄りの師崎港、河和港まで行くことができ、そこからは高速船で師崎港から10分、河和港から20分で島に渡ることができる。高速船は午前6時~午後7時までの間30分おきにでていて、離島の中でもアクセスがしやすいという。

 島は原風景が残る東里と旅館などが立つにぎやかな西里に分かれ、集落を形成している。島内には2カ所の海水浴場があり、西浜ではイルカと遊ぶことができる「ドルフィンビーチ」を実施している。同イベントでは、腰のあたりまで海に入りイルカに触れられる「ふれあいビーチ体験」など3つのプログラムを用意している。鈴木会長はこの企画を「島の一押し」とし、「人間の膝ぐらいの浅瀬までイルカが来て、人と触れ合うというのは珍しい体験。値段も、ほかに比べお値打ちだと思う」と語る。

 島の売りは、タコや貝類、鱧、フグなどさまざまな海産物を四季折々に楽しめること。とくに、タコとフグに関しては、島の代名詞にもなっている。地元では、タコをタコめしやたこ焼きで食べるのが定番だが、海水と同じ濃度の塩水で丸茹したタコも絶品だという。フグは、観光協会が島おこしとして、ほかの島がまねできないインパクトのある企画として売り出したことがきっかけで、島の代名詞となった。魅力は、値ごろ感。民宿では1泊2日で1万3千円ほどでてっさや空揚げなどのフグ料理フルコースにタコの丸茹、伊勢海老がつく食事を楽しめる。

タコを使ったアヒージョを土産として開発している

処女航海を終えたばかりの外国船籍新造船を日本初チャーター JTB

2018年6月29日(金) 配信 

写真提供:コスタクルーズ

 

JTBメディアリテーリング(大谷美文社長、東京都文京区)は2018年7月10日(火)から、コスタクルーズが現在建造中の新造船「コスタ ベネチア」を日本初チャーター(貸切)の企画商品を売り出す。

 ゴールデンウイークの8日間に、台湾・鹿児島クルーズを9万9800円からと参加しやすい料金設定にした。〝お高い〟イメージを払しょくして、クルーズ旅行の需要喚起をはかる。

 「新造船が日本に寄港することが滅多にないうえ、今回のチャータークルーズのあとは、中国を中心とした配船となるため、貴重な機会となります」(同社)。

 新造船「コスタ ベネチア」はコスタ史上最大級の「コスタ ベネチア」は総トン数13万5500㌧、客室数2116室、最大乗客定員5260人の大型客船となる。現在イタリアの造船所で建造が進められ、 19年3月に竣工を見通す。19年3月8日にイタリアを出港し、日本までの処女航海を行う。処女航海を終えたばかりの外国船籍新造船を、日本の旅行会社としては初めてチャーターし、今回ツアーを企画・実施することとなった。

 船内はベニスの街をイメージしたデザインをあしらう。イタリアの豊かな食、アート、音楽、エンターテインメントなど、「五感でベニスの街を旅する気分を堪能いただける」(同)という。同社の日本人スタッフが多数乗船予定で、船内新聞やレストランのメニュー、船内アナウンスなど日本語で案内する。

 19年4月29日(月・祝)夕刻に、東京・大井埠頭を出港したあと、航海日を挟んで鹿児島に寄港する。そして、美食の宝庫である台湾へ。台湾出航後は太平洋の大海原を船上から楽しみながら、5月6日(月・祝)に東京・大井埠頭へ入港する。

 商品名は「東京発着 コスタ ベネチアで航く!憧れの台湾・鹿児島クルーズ8日間」。旅行代金は1人9万9800円(内側客室/3~4人1室)から、45万円(スイート)となる。販売はJTB旅物語販売センター(首都圏初)。電話=03-6902-5530。※港湾税と国際観光旅客税、船内チップが別途必要

 なお、6月30日(土)午前10時~午前11:20に、東京・新宿ルミネゼロで説明会を開く(事前予約制)。電話=03-6902-5505

上映50年で「黒部の太陽ウィーク」を開催 長野県大町市

2018年6月29日(金) 配信

イベントチラシ

大町市プロモーション委員会(長野県大町市)は、映画「黒部の太陽」が上映されて今年で50年、さらに「関電トンネルトロリーバス」の運行終了という節目を迎えたことから8月に、イベント「黒部の太陽ウィーク」を開催する。

 石原裕次郎さん・三船敏郎さんが主演し、黒部ダム建設の苦闘を描いた名作・映画「黒部の太陽」が上映され今年で50年を迎えた。その苦闘の最初の舞台が北アルプス・後立山連峰を貫く「大町トンネル」。現在は「関電トンネルトロリーバス」が年間100万人もの観光客を安全かつスムーズに「黒部ダム」へと誘っている。その「関電トンネルトロリーバス」は、今年で54年間の運行に幕を下ろす。

黒部の太陽ウィーク

開催日:8月1日(水)~8月19日(日)

おもな催し:

■関電トンネルトロリーバス トロバースデー 駅長体験

「関電トロリーバス」(初代100型)

 日時:8月1日(水) 午前9:00~午前11:30

 場所:扇沢駅

 内容:制帽を被り発車合図を。(子供用制服も用意している)

 ※予約不要 当日、駅2階・駅長体験受付へ。

■当時のロケ地に思いを馳せる「まちなかギャラリー」写真パネル展

 日時:8月1日(水)~8月19日(日)

 場所:大町市街地協力店舗など

 内容:映画のロケ地である愛知県豊川市の豊川「黒部の太陽」の会所蔵の写真パネルなどを展示。

■JR信濃大町駅前特設会場(インフォメーションセンター)「特別展」

 日時:8月1日(水)~8月19日(日) 午前9:30 ~午後4:00

 費用:期間中無休・入場無料

 内容:映画「黒部の太陽」当時の予告編 期間中上映

    石原裕次郎記念館グッズ 特別販売

    豊川「黒部の太陽」の会所蔵「お宝グッズ」展示

    西元祐貴さん墨絵作品展示

■市内提供店で破砕ロックを楽しもう!

 期間:8月1日(水)~8月19日(日)

 内容:期間中、市内「破砕ロック」提供店にて「破砕ロック」を注文すると特典が。(一部店舗などを除く)

 ※黒部の太陽ウィーク開催期間中で、各店舗の営業時間内

 

■「黒部の太陽ウィーク」インフォメーションセンター(JR信濃大町駅前)

 開催期間中に開設する。センターは「特別展」会場となっているほか、来場者には「おおまちのおいしい水・トロバスラストイヤー特別ラベル」(非売品)をプレゼント。(数量限定)

 インフォメーションセンター開設時間:午前9:30~午後4:00

期間中の関連イベント

関電トンネルトロリーバス「トロバスラストカウントダウン111日前イベント」

 日時:8月11日(土・山の日)午前10:00~午後4:00

 実施:大町市プロモーション委員会・北アルプス地域振興局

 場所:「黒部の太陽ウィーク」インフォメーションセンター(JR信濃大町駅前 特設会場)

 内容:(1)トロリーバスInstagramキャンペーンのPR

      (黒部ダムレストハウスで使用している顔出しボードを設置)

    (2)おおまぴょん・くろにょん・アルクマ撮影会

      午前10:00・正午・午後1:30・午後3:00

    (3)駅弁「大糸線の旅」特別包装紙verを30個限定で販売(販売時間午前11:00~)

      ※弁当購入者には、ひのき箸をもれなくプレゼント。

      ※駅弁「大糸線の旅」は、沿線の食材を使った素朴なお弁当。

      ※大糸線で現在運行している「127系」「あずさ257系」「リゾートビューHB300」に加え、「関電トンネルトロリーバス」を加えた4車両をデザインした特別包装紙。     

      ※特別包装紙仕様は8/11~9/9までの30日間、毎日10食の限定販売(松本駅)弁当価格1,080円。

     (4)県産材を使った「マイはし」づくり体験コーナーの設置

      ※当日の「山の日」にちなんで、長野県産材の利用した体験。