全旅連、地域活性化に向けてモデル地区を選定 成功事例を客不足に悩む旅館に共有

2020年1月10日(金) 配信

キックオフミーティングのようす

 全国旅館ホテル生活衛生共同組合連合会の中小宿泊施設観光総合対策委員会(井上善博委員長)は1月9日(木)、賑わい観光創造モデル地区キックオフミーティングを開いた。

 同委員会では、事前に応募があったなかからモデル地区の3地域を選んだ。同日、モデル地区からイベントや宣伝事業などの地域活性化策を提案し、審査を受け、すべて認定された。認定された事業は、宿の経営者が観光庁でプレゼンテーションを行ったうえで、同庁の予算から実施する考え。成功した事例は今後、客不足に悩む中小旅館に共有し、地域活性化をはかる。

 ◇

 中小宿泊施設観光総合対策委員会が選んだモデル地区は、男鹿温泉郷(秋田県男鹿市)と四万温泉(群馬県・中之条町)、内牧温泉(熊本県阿蘇市)の3つとなっている。

山本社長

 男鹿温泉郷からは元湯雄山閣の山本貴紀社長が出席。同地区の宿はナマハゲ紫灯まつりが開催される3日間、満室になるという。同地区ではまつりの延長を地元自治体に提案したが、予算の面から断られていた。

 山本社長はナマハゲの旬である冬に、野外の会場でナマハゲのイルミネーションをミュージカル風に行う事業を提案。外国人の誘客もはかるため、案内の多言語化をはじめ、長靴や使い捨てカイロの提供など防寒対策も行いたい考え。

 このほか、山本社長は「秋田の地酒と男鹿の旬ぐるめ事業」と「なはまげ五鬼伝説の里 環境整備事業」、「地形活用事業」をプレゼンテーションした。目標は、訪日客数を5%以上増加させるとした。

田村社長

 四万温泉からは時わすれの宿佳元の田村佳之社長が登壇した。田村社長は「四万温泉訪日外国人ターゲット選定調査・研究事業」の必要性を訴えた。同地区では、さまざまな国から訪日客を受け入れる一方、宣伝事業は各国の訪日客に合ったプロモーションを行えてなかったという。

 同事業では民間リサーチセンターを利用し、プロモーションの適切なタイミングと国を選定。訪日客目線で撮影した動画などを配信する。このほか、四万温泉協会で外国人を6カ月ほど雇用。雇用した従業員は、外国人目線における四万温泉の魅力を発信する。同事業などの実現で、訪日客数を2018年の2548人から22年までに1万5487人を目指す。

永田社長

 内牧温泉は蘇山郷の永田祐介社長がプレゼンテーションを行った。同地区では16年の熊本地震以降、観光客が減少。復興に向けたキャンペーンなどを4つ提案した。このうち「代替トンネル開通記念プラン」は、熊本市内から同地区にアクセスできるようなった二重峠トンネル(仮称)の開通を発信するもの。

 このほか、永田社長は「内牧温泉 泊食分離化宣言」と「JR豊肥線復旧記念プラン」、「大型荷物のポーターサービス(内牧手ぶら観光サービス)」を説明した。すべての事業を通じて、宿泊客数を熊本地震前の60万人にすることを目指す。

 井上善博委員長は「3地区の前進を記念した最初の委員会になる」と思いを込めた。

 観光庁観光産業課係長の中村太郎氏は「観光庁は地方創生の一環で、地方の宿泊施設の活性化に力を入れている。全旅連と一緒になって進めたい」と語った。

日本気象、桜の開花予想発表 全国的に早い開花になる見込み

2020年1月10日(金) 配信

2020年桜開花予想マップ

 日本気象(鈴木正徳代表、大阪府大阪市)はこのほど、北海道から鹿児島まで約1000カ所におけるソメイヨシノの開花日・満開日の予想を発表した。今年は春先の高温の影響で、全国的に早い開花となる見込みだ。

主な都市の開花・満開予想日

 今年は東京と高知で3月19日ごろに開花がスタートし、続いて九州、東海地方でも開花し始める予想となっている。今シーズンは全国的な暖冬・暖春の傾向で、暖冬の影響で開花に必要な花芽の目覚めが遅れるが、暖春によって生長が早くなり、最終的に遅れを取り戻し全国的に早めの開花となるという。

東京の過去の桜開花日

 東京では平年より7日早い開花となり、3月27日ごろに満開を迎える予想だ。早い開花となった昨年よりも2日早く、2013年から8年連続で平年より早い開花となる見込みだ。ソメイヨシノは秋から冬にかけての適度な寒さと春先の気温の上昇の2つが必要となっている。東京都心部では近年、この2つを両立しておりソメイヨシノが早く開花するために最適な状況となっている。

桜開花予想サービス

 桜の開花予想に関する情報をWebサイト「お天気ナビゲータ 桜ナビ」とアプリ「桜のきもち」で掲載している。

 「お天気ナビゲータ」は天気・防災情報専門のWebサイト。桜情報を発信するコーナー「桜ナビ」では、全国約1000カ所の開花・満開予想日のほか、日本気象が独自で開発した、開花までの過程が分かる「開花メーター」や「お花見ベスト週末」などを期間中掲載している。

 「桜のきもち」は、全国の開花・満開予想日や桜の生長状態がわかる花見を楽しむためのアプリ。日本語・英語・中国語の3カ国語に対応しており、2019年は台湾やシンガポールなど5カ国のApp Store旅行カテゴリ(有料)でランキング1位を獲得した。

ジェットスター・ジャパン、国内線増便分の航空券売り出す 成田ー関西は3470円~

2020年1月10日(金) 配信

航空機(イメージ)

 ジェットスター・ジャパン(片岡優社長)は1月10日(金)午後1時から、2~3月の国内線増便分の航空券を売り出した。成田―新千歳線や関西―下地線など国内8路線52便が対象となる。

 増便期間は2月9日(日)~3月28日(土)で、レジャーやビジネス、春休みの旅行などに利用しやすい。販売はWebサイトのほか、モバイルアプリ、コンタクトセンター(0570-550-538)、コンビニエンスストア、旅行会社で行っている。

対象路線と増便数

成田国際空港発着路線

関西国際空港発着路線

「箱根史上最大規模でエヴァンゲリオン化」 箱根エリアで6月までコラボイベント展開

2020年1月10日(金) 配信

桃源台駅

 小田急グループと藤田観光は6月30日(火)まで、人気アニメ「エヴァンゲリオン」とのコラボレーションイベント「エヴァンゲリオン×箱根 2020 MEET EVANGELION IN HAKONE」をアニメの舞台となった神奈川県・箱根エリアで展開している。「箱根史上最大規模でエヴァンゲリオン化」と銘打たれたコラボを展開し、昨年10月に発生した台風19号などの被害に苦しんだ箱根を盛り上げる。

 メインとなるスタンプラリーの台紙も兼ねる「箱根補完マップ」は、箱根フリーパスなどの購入者に配布する。スタンプの設置場所は箱根湯本駅や箱根強羅公園など14カ所で、1泊2日の旅程で箱根エリアの観光をしながら周遊できるよう設定。ラリーの商品は2種類で、スタンプを5つ集めるとステッカー、すべて集めるとクリアファイルがもらえる。

 箱根ロープウェイの桃源台駅は副駅名を「第3新東京市駅」とし、ネルフ本部風のデザインでラッピングした。併せて、高さ約2㍍のエヴァンゲリオン「初号機」大型フィギュアが展示している。

 藤田観光が運営する「箱根小涌園ユネッサン」では、作中に登場する赤く染まった海をイメージした「セカンドインパクトの湯」が楽しめる。期間は3月31日までで、4月1日からはエヴァ 搭乗時に必須の液体を再現した「L.C.Lの湯」を新たにスタートする。また期間中は作品とのコラボレーショングルメも味わえる。

セカンドインパクトの湯(洞窟風呂)

 箱根観光の移動手段となる箱根登山鉄道バスは、エヴァ5機のカラーをイメージしたラッピングバスを5台限定で運行する。5台の現在地は、バスロケーションシステムでリアルタイムに確認が可能。千石高原や元箱根港な18カ所のバス停は、順次エヴァデザインのものに変わるほか、小田原駅―箱根町港を結ぶ「箱根町線(H路線)では、「葛城ミサト」(CV三石琴乃)の車内アナウンスも楽しめる。

2号機デザインのバス

 芦ノ湖上では3月28日と5月23日の2日間、「新世紀エヴァンゲリオン」の主題歌「残酷な天使のテーゼ」を歌う高橋洋子氏のスペシャルライブイベントを開催する。箱根観光船が運航する海賊船をステージに行われるライブを「シン・エヴァンゲリオン劇場版:序」の中で、芦ノ湖上で決行される「ヤシマ作戦」を模した花火や光を駆使した特別演出で盛り上げる。

キャビンスタイルホテル「ファーストキャビン秋葉原 電気街」、20年春開業

2020年1月10日(金)配信

ファーストクラスキャビン

 アキバキャビン (大井誠社長、東京都千代田区)とファーストキャビン(来海忠男社長、東京都千代田区)は2020年春、キャビンスタイルホテル「ファーストキャビン秋葉原 電気街」(東京都千代田区)を開業する。

 同社は「コンパクト&ラグジュアリー」をコンセプトに、飛行機のファーストクラスをイメージしたキャビンスタイルホテル(進化型カプセルホテル)を展開している。秋葉原エリアでは2013年6月に、1号店となる「ファーストキャビン秋葉原 昭和通り」をオープンした。
 
 120㌢のセミダブルサイズベッドを備えたファーストキャビンは高さが2・1メートル、横2・1メートルと広く、立ったまま着替えなどができるのがうりだという。

 またホテル内にはラウンジスペースと大浴場を完備し、女性目線で厳選したアメニティもそろえている。さらに、館内はセキュリティーゲートを設け男性専用・女性専用エリアに分けているので安心して滞在可能だ。

【特集No.542】新春鼎談「精神性の高い旅」とは 本来の命がよみがえるきっかけに

2020年1月10日(金) 配信 


 今年は東京オリンピック・パラリンピックの開催や、訪日外国人旅行者4000万人といったさまざまな目標数値が設定されている年でもある。近年“写真映え”や“経済効果”などで語られがちな観光だが、本紙の新春鼎談では、「精神性の高い旅」をテーマとした。東洋大学学長の竹村牧男氏と、同大学国際観光学部国際観光学科教授の島川崇氏、カラーセラピストの石井亜由美氏の3氏が登場し、見落とされがちな「旅の根源的な力」について語り合った。

【編集長・増田 剛】

 ――竹村先生は生涯をかけて仏教や宗教学を研究してこられました。宗教と旅には、深い関係がありますか。

 竹村:私は、「人生の目的は何なのか」「自分という存在は何なのか」といった根源的な問いを究めたいという想いがありまして、仏教をずっと学んできました。
 一方、宗教学の分野も多少勉強して、学生には例えば、「宗教と旅」などについても話してきました。「宗教と旅」には切り離すことができないものがあり、それには大きく分けて2つあると思っています。

 1つは「求道の旅」です。色々な師匠に会いに行って、自分の境地を高めていきながら、最終的に宗教的な目的を達成するというものです。雲水さんは師匠の下で修行をしながら、一定の修行が終わると行脚に出て他の老師方に学び、さらに境涯を深めていきます。ときには荒野に1人で行って孤独のなかで、「絶対的なものと対話する」などの経験を経て、宗教的な境地を高めていくこともあるでしょう。

 もう一つは「伝道の旅」です。「自分が得たものを皆さんに伝えたい」という想いから旅をするものです。釈尊自身が雨季には一定の場所にとどまり、乾季には行脚して「教え」を人々に広めていきました。

 一遍上人は生涯、旅に生きた人でした。「一所不住」(いっしょふじゅう)、まさにさすらいの人生を送りました。それは、何か宗教的な体験を求めて旅をしたというよりは、「自分が得たものを人々に伝えたい」という想いで、念仏札を配りながら人々と結縁して救済していこうとするものでした。そういう旅のあり方もあるのではないかと考えます。

 ――一般の人々の宗教的な旅については。

 竹村:お遍路や巡礼などの旅がありますね。日本では四国八十八ヶ所のお遍路が有名です。

 キリスト教では、サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼などがあります。一般に、西洋では一つの聖地に向かって行って帰ってくるスタイルです。日本では、札所を巡拝していくようなかたちが特徴的です。この巡礼やお遍路は、日常の中で疲れたり、行き詰まったりした人が、その旅に出ることによって、「もう一度、生命力を回復して、日常に戻っていく」という機能を持ったシステムだと思います。

 お祭りなどにも同じような意味合いがありますが、一定の時期にしか催されません。しかし巡礼は“いつでも、誰にでも”開かれています。深刻な状況に陥った人がそれに参加することによって、本来の命がよみがえってくるきっかけになっています。

 そのほかにも神社仏閣の建築や庭園などに心を動かされたり、仏像巡りをしたり、祖師方の宗教体験を追体験したり、意義深い宗教的な旅がたくさんあると思います。

 ――島川先生は、日本国際観光学会に「精神性の高い観光研究部会」を立ち上げました。

 島川:研究部会を創ったのは、石井さんから「精神性の高い旅の研究をしていきましょう」とお誘いを受けて共感したのがきっかけでした。ちょうど大学も、観光も、社会全体が「役に立つものや、対外的なアピール力を競い合うばかりだ」と感じていたときでした。

 あるとき、地域の観光資源として、古くから言い伝えられた“パワースポット”の掘り起こしをしていたときに、「エビデンスがないパワースポットなどを、自治体が観光資源として取り上げるのはいかがなものか」といった議論がありました。観光で訪れるものにまで、「〇×に効く、役に立つ」といった科学的な証明が必要だということに違和感を覚えました。…

【全文は、本紙1783号または1月16日(木)以降日経テレコン21でお読みいただけます。】

じゃらん、「開運×絶景スポット」ランキング発表 西日本の神社が上位を占める 関東は2県ランクイン

2020年1月10日(金) 配信

1位の伏見稲荷大社(提供・リクルートライフスタイル)

 リクルートライフスタイル(淺野健社長)が企画・編集する旅行情報誌「じゃらん」は、「開運・パワースポット」に関するアンケートを実施し、結果をランキング形式でこのほど発表した。西日本の神社が上位を占めた。

 1位には、“千本鳥居”が圧巻の「伏見稲荷大社」(京都府)が選ばれた。2位は高屋神社「天空の鳥居」(香川県)、3位は箱根神社(神奈川県)と続いた。

 「開運やパワースポットを目的に出掛けたり、旅行したことがあるか」との問いには、「行ったことがある」(31.91%)と「今後行ってみたいと思う」(37.45%)の合計が約7割にのぼり、関心の高さがうかがえる。

 「行きたいと思うタイミングについて」は、約半数の人が「気になるスポットがあればいつでも」(48.8%)と回答し、時期やタイミングなどは問わないことが分かった。

 調査は、47都道府県在住の20~40代男女を対象にインターネット上で行われた。「じゃらん」掲載されたスポットを中心に画像選択方式のアンケートで、同誌がランキングにまとめた。調査期間は2019年12月10日(火)~12月11日(水)で、有効回答数は1028人。

開運×絶景スポットランキング

【1位】伏見稲荷大社(京都)

お稲荷さんとして親しまれ、全国3万社ある稲荷神社の総本宮。本殿背後から奥社に通じる千本鳥居は幻想的な光景。

伏見稲荷大社(イメージ)

【2位】高屋神社「天空の鳥居」(香川県)

標高404㍍の稲積山頂上にある本宮の鳥居は、運気アップのご利益があると言われている。本宮からは瀬戸内海や観音寺市内も一望できる。

高屋神社「天空の鳥居」(提供・リクルートライフスタイル)

【3位】箱根神社(神奈川県)

関東屈指のパワースポットとして知られ、芦ノ湖に浮かぶ大鳥居も見どころのひとつ。外国人も多く訪れる。

箱根神社神門(提供・リクルートライフスタイル)

【4位】宮地嶽神社(福岡県)

1年のうち2回だけ見られる「光の道」は、奇跡的な光景としてテレビコマーシャルでも注目を集めた。商売繁昌、交通安全、家内安全の神様としても知られている。

宮地嶽神社(提供・リクルートライフスタイル)

【5位】白鬚神社(滋賀県)

琵琶湖畔に浮かぶ朱色の湖中鳥居が目印。全国にある白鬚神社の総本社とも言われ、延命長寿の神様がまつられている。夕刻の光景も絶景。

白鬚神社(提供・リクルートライフスタイル)

【6位】元乃隅神社(山口県)

コバルトブルーの日本海と123基の赤い鳥居が印象的なパワースポット。高さ約6㍍の大鳥居の上部にさい銭箱があり、さい銭が入ると願いが叶うと言われている。

元乃隅神社(提供・リクルートライフスタイル)

【7位】大洗磯前神社(茨城県)

平安時代初期に創建された歴史ある神社。御祭神に大己貴命と少彦名命の2柱をまつり、さまざまな願いを叶えてくれるとされる。

大洗磯前神社(提供・リクルートライフスタイル)

【8位】白浜神社(静岡県)

縁結びの神社として知られ、2400年以上の歴史を持つ伊豆最古の社がある。鳥居は海から来られるとされる神様を迎えるため、白浜海岸の海に向かって建てられている。

白浜神社(提供・リクルートライフスタイル)

【9位】新倉山浅間公園(新倉富士浅間神社)(山梨県)

富士山と五重塔を望むことができ、日本らしさを感じられるスポット。「忠霊塔」と呼ばれ親しまれている慰霊塔がある。

新倉山浅間公園(新倉富士浅間神社)(提供・リクルートライフスタイル)

【10位】二見興玉神社(三重県)

猿田彦大神(さるたひこのおおかみ)をまつり、開運や家内安全などにご利益があるとされる。夫婦岩は、沖合700㍍に鎮まる猿田彦大神ゆかりの神石「興玉神石」と、「日の大神」を拝むための鳥居とされる。

二見興玉神社(提供・リクルートライフスタイル)

名鉄電車の音がリラックスミュージックに 音で受験生を応援

2020年1月10日(金)配信

音楽家・henlywork氏によるサンプリングのようす

 名古屋鉄道は2020年1月9日(木)、名鉄グループ受験生応援企画「MEITETSU SAKURA PROJECT.」の特設WEBサイトで、名鉄電車の音で制作したリラックスミュージック「Rail Yell/Relaxing Rhythm for Study」を公開した。同応援企画は「RELAX」をテーマに、20年3月31日(火)まで展開。特設WEBサイト上で楽曲のダウンロードもできる。

 楽曲制作にあたり、音響研究を専門とする名城大学教授の西野隆典氏の協力のもと、名鉄電車の音とリラックス効果に関する調査が実施された。結果、名鉄電車の音に集中力アップや、リラックス効果があると注目を集める「1/f ゆらぎ」があると判明。電車の走行音や車内のアナウンス音、踏切の音など、名古屋鉄道が奏でるさまざまな音をサンプリングし、心地よいリラックスミュージックに仕上げた。

 音楽制作は、音楽家として活躍するhenlywork氏が手掛けた。Rail(=鉄道)からの、Yell(=応援歌)という意味を込めて制作。受験勉強の息抜きや、リラックスして勉強にのぞみたいときにぴったりの楽曲となっている。

「Rail Yell/Relaxing Rhythm for Study」について

作品名:「Rail Yell/Relaxing Rhythm for Study」

公開期間:2020年1月9日(木)~3月31日(火)

公開先:「MEITETSU SAKURA PROJECT.」特設WEBサイト

4千万人達成「やれる」 赤羽国交大臣新春インタビュー

2020年1月10日(金) 配信

赤羽一嘉大臣。新春インタビューは2019年12月13日、国交省内で開かれた

 赤羽一嘉国土交通大臣は新春会見を開き、政府目標の20年に訪客数4千万人達成などに向け、抱負を語った。赤羽大臣は「(4千万人達成は)相当挑戦的な数値だと思っていた。ただ今の率直な感覚では、やれるし、やらなければいけない目標だ」と意欲を燃やした。そのうえで、長期滞在の促進や地方部への誘客がカギになると話した。

 政府は16年、20年に訪客数4千万人の達成などを掲げた「明日の日本を支える観光ビジョン」を策定した。各種観光政策も観光ビジョンを踏まえて進められてきた。赤羽大臣は、数値目標は観光政策を確立させるという意味で非常に大事だとした。

 一方で、「観光は数値目標の話だけでなく、互いの民族性を理解し合えるなど非常に豊かなものだ」と指摘。「(そのような観光の豊かさは)19年のラグビーW杯などで感じられたはず」という。

 ラグビーW杯では観光面で大きな成果があった。開催期間(9月20日―11月2日)にあたる9―10月の出場国の訪客数は、前年同期比29・4%増の76万4100人。18年の同期間から17万人以上増えた。観戦者の平均泊数は観戦していない訪日客よりも5日以上長く、観光業にとって大きな追い風になった。

 「日本の観光政策は長期滞在を課題にしながら、なかなか実現できていなかった。ただ、ラグビーW杯では長期滞在もあり、多地域で交流があった」(赤羽大臣)。

 20年は東京五輪が控える。「ラグビーW杯で欧州地域などから来てもらい『日本は良かった』と、東京五輪にリピーターとして戻ってきてくれるはず。なので、それにふさわしい受入環境の整備を具体的に進めないといけない」とした。

 受け入れには地方部への誘客も重要だと語った。「日本の各地域には観光資源の塊。地方部での素朴な交わりが良かったとの声もある。日本各地でもっと受け入れられる可能性はある」。

 各観光地ではDMOの重要性を挙げた。「上手くいっている観光地の多くは、しっかりとしたDMOができている。地域が主体になって、観光地の魅力づくりをしている」とし、「(DMOが機能している地域を)1つでも増やす。外国人旅行者らがストレスを感じないような、アクセスに関する施策は国交省の責任で行う」と強調した。

 このほか、韓国との関係悪化により冷え込んでいる訪日韓国人市場については「大きな問題で改善化する努力はしている。ただ、リスク分散の面から、多方面から、とくに遠方からも来てもらえれば、長期滞在も増える。こうしたことを進め、受入環境の整備をしっかりすれば目に見えて変わるはず」と述べた。

20年のキーワードは「交流新時代」 JATAの新春会見で田川会長が「若年層のツーリズム教育」の必要性を語る

2020年1月9日(木) 配信

新春会見で語る田川博己会長

 日本旅行業協会(JATA)は1月9日(木)、JATA本部(東京・霞ヶ関)で新春会見を開いた。田川博己会長は、インバウンドとアウトバウンドの双方向交流6000万人時代を念頭に、今年のキーワードを「交流新時代」とした。

 冒頭、田川会長は自身が年男であることを明かし、「子年は良い年だと聞く。本当にそうなるか注目していきたい」と気を引き締めた。そのうえで、「今年の東京オリンピック・パラリンピックで、200以上の国と地域の人々が訪れる。スポーツツーリズムを通じて、日本ならではのおもてなしをしっかりやっていきたい」と力強く語った。

出国率20%へ

 アウトバウンドについては、出国率を15.3%(18年)から20%まで上昇させ、維持することが目標だとした。「日本は出国率が低すぎる。若い人に多く海外に出てもらいたい」とし、「若年層のツーリズム教育をしていくべきではないか。高校までの教育の中で、国際交流について学ぶカリキュラムが必要」との考えを示した。

 さらに自身の経験として、「高校2年で64年の東京オリンピックが、大学4年で大阪万博があった。これらを経験して、今の仕事に就いた。私と同じ理由で旅行業界で働く同世代が多くいる」と述べ、国際大型イベントが若年層の就職に影響を与えるとした。25年の大阪・関西万博まで、国際ツーリズムの「黄金の期間」と位置づけ、次世代の旅行業界を担う人材を獲得する貴重な機会だとした。

 「今年、一番大切なのは、オリンピック・パラリンピック開催中に日本をしっかり見て、外国人と接すること。このチャンスを活用して、次のステージに生かすことが重要」だと語った。