【発表】第39回(2014年)プロが選ぶ100選

旅行新聞新社(石井貞徳社長、本社・東京都千代田区)は1月11日発行の「旬刊旅行新聞」と自社ホームページで、第39回「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」の入選施設を発表しました。料理部門ではホテル秀水園(鹿児島県指宿温泉)が30年連続1位の偉業を達成したほか、加賀屋(石川県)和倉温泉が34年連続総合1位になりました。

旅館100選は全国の旅行会社による投票を集計し100選施設を選出するもので、観光業界で最も歴史のあるランキング付イベントとして39年の歴史を誇ります。投票は昨年10月に全国の旅行会社(旅行業登録1種、2種、3種)の本社、支店、営業所など1万6560カ所に、投票案内を掲載した「旬刊旅行新聞」と投票用紙(専用はがき)を直接送り、実施しました。返信いただいた投票はがきを集計し、「もてなし」「料理」「施設」「企画」の部門ごとの100選および、4部門の合計点からなる「総合100選」が決まりました。

同時に「第34回プロが選ぶ観光・食事、土産物施設100選」、「第23回優良観光バス30選」も発表し、観光・食事、土産物の両部門で群馬県・長野原の浅間酒造観光センターが、バス30選では東京都・大田区のはとバスがそれぞれ1位の座を獲得しました。

■第39回プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選(総合トップ10入選施設)

順位          館名 (県・地区名)
1        加賀屋(石川県 和倉温泉)
2        日本の宿古窯(山形県 かみのやま温泉)
3        白玉の湯泉慶・華鳳(新潟県 月岡温泉)
4        稲取銀水荘(静岡県 稲取温泉)
5        水明館(岐阜県 下呂温泉)
6        ホテル秀水園(鹿児島県 指宿温泉)
7        萬国屋(山形県 あつみ温泉)
8        草津白根観光ホテル櫻井(群馬県 草津温泉)
9        あかん湖鶴雅リゾートスパ鶴雅ウィングス(北海道 阿寒湖温泉)
10       ホテル鐘山苑(山梨県 富士山温泉)

総合(11位~100位)、部門(もてなし、料理、施設、企画)、観光・食事施設、土産物施設、優良観光バスの各入選施設につきましては弊社ホームページに掲載しています。

■表彰式・祝賀パーティー
1月24日(金)には東京・新宿の京王プラザホテルで、入選施設や来賓、招待者を交えての表彰式と祝賀パーティーを開催します。
日時:平成26年1月24日(金)
    表彰式 11:00~
    祝賀パーテイー 12:00~
会場:京王プラザホテル5F コンコードボールルーム
    東京都新宿区西新宿2-2-1 電話03-3344-0111

13年に訪日外客1000万人達成 ― 心理面で“国際化”のメッセージに

 2013年は、6月に富士山の世界文化遺産登録、9月には2020年東京オリンピック開催決定、そして12月には「和食」のユネスコ無形文化遺産登録と明るい話題が続いた。個人であれ、地域であれ、国であれ、他者から高い評価を受け、認められることは、心地良い充足感が得られる。しかしこれら当事者にとっては、心地良い充足感というレベルではなく、「ようやく勝ち取った!」という強い達成感を得たのではないか。

 年の瀬に、ホテル・旅館の固定資産評価の下限までの経年数が、50年から45年に短縮されることが決まった。これも、根気強く訴え続けた宿泊業界の努力の成果であり、まさに減税を「勝ち取った」ものである。

 そして、観光業界にとって13年は大きな達成感を共有した。「史上初めて訪日外国人客数1千万人を達成した年」として観光史に記録されるだろう。

 さて、一定の達成感を得たあとの2014年はどのような年だろうか。カレンダーを見ると、2月にはロシア・ソチで冬季オリンピック、6月中旬から約1カ月間は、ブラジルでサッカーワールドカップが行われる。世界的なビッグイベントが開催される年であり、世界中で旅行ムードも高まるはずだ。

 国内の話題としては、3月に大阪市に日本一の超高層複合ビル「あべのハルカス」が開業。また、羽田空港の国際線発着枠が年間6万回から9万回に拡大する。4月には岩手県三陸鉄道が全面復旧する予定だ。一方、4月から消費税が5%から8%に変わることで、「消費の停滞を招くのではないか」という心配の声も観光業界では大きい。さらに、増税直後のゴールデンウイークの日並びの悪さも、旅行動向にどう影響するか気になるところだ。

 「14年は訪日外客数2千万人を目指すスタートの年」と久保成人観光庁長官は語っている。1千万人という大きな壁の前に日本は長年立ち尽くし続けたが、この一線を超えると、2千万人に向けてどんどん前進していくと見る。現状では中国、韓国、台湾の占める比重が大きいが、近年は経済発展の著しい東南アジア諸国との政治や経済、文化、人的交流の拡大へと、日本政府も舵を切っている。これら地域では、日本への旅行は人気が高いし、今後LCC路線がさらに拡大していくと、訪日外国人2千万人達成もそう遠い未来ではないと思う。

 また、13年に達成した1千万人突破は、外国人の受入れを躊躇している地域の宿泊施設にも、観光の国際化が現実的なものになったという、心理面での強いメッセージとなるはずだ。

 世界中の人が自由に旅ができるようになる“大交流時代”が迫りくるなか、世界的な人気観光地は「人気観光地であるがゆえに訪れることが困難になる時代を迎える」という説も現実味を帯びてきた。日本でも桜や紅葉の名所は、最盛期には混雑で訪れることは難しい。世界遺産登録された富士山も、多くの観光客が期待される反面、入山料徴収による入場抑制の動きが出ている。人気観光地と、そうではないところとの2極化もさらに進む。観光の国際化が進めば、これまで想定しなかった問題や課題も現れてくる。

 新たなステージに入った14年は、誘客最優先ではなく、皆が知恵を絞って、高度な課題に立ち向かっていくスタートの年でもある。

(編集長・増田 剛)

訪日外客数 初の1000万人達成、12月20日、成田空港で記念式典開く

悲願の1000万人を達成
悲願の1000万人を達成

「2千万人へさまざまな課題」

 2003年の観光立国宣言以来、長年の悲願であった訪日外客数1千万人を、13年12月20日に達成した。1千万人目の訪日客を迎えた成田国際空港で記念式典が開かれ、太田昭宏国土交通大臣や久保成人観光庁長官らが訪日客を出迎え、悲願達成を祝った。

 記念の1千万人目は、タイ人のパパン・パッタラプラーシット、ユパーダー・パッタラプラーシット夫妻。パパンさんは今回が3回目の訪日。家族で北海道に行き、4日間スキーを楽しむという。パパンさんは大の日本好きで「いつも日本人店員の良いサービスに感動する。帰国すると周りの知人に日本の良さを伝えている」と話した。

 太田国交大臣は1千万人達成の要因について、「政府挙げての意欲と取り組みが大きな要因」とし、東南アジアのビザ緩和、アベノミクスによる円安、観光庁が中心となった世界への日本の魅力発信、富士山の世界文化遺産登録、東京五輪開催決定、和食の無形文化遺産登録などを挙げ、「日本が元気になり、日本の魅力が伝わった」と語った。また、「2千万人の高みを目指す」14年以降については、「さまざまな課題が見えてきている」と語り、Wi―Fi対応や外国語表示などを課題に挙げた。さらに、MICEの重要性を強調し、「日本開催の国際会議に家族で来てもらい、家族には観光を楽しんでもらえるようにしたい。医療観光も含め、長期滞在ができる日本を目指したい」と力を込めた。

新春特別企画 2014年 富士山が見える宿

新春特別企画
2014年 富士山が見える宿

 2013年6月に富士山が世界文化遺産に登録されてから、初めての年始を迎える。各種旅行動向によると、富士山を鑑賞できる広い地域で、来訪者の増加が見込まれている。当社が世界遺産登録直後に「富士山が見える宿」について調べたところ、静岡、山梨、千葉、長野の4県にわたる73軒の宿から「富士山が見える」と回答を得た。河口湖畔で大迫力の逆さ富士を鑑賞できる宿から、露天風呂に浸かって海越しのおぼろげな富士山を楽しめる宿まで、個性豊かな宿を地図上で一部コメントとともに紹介する。

1530号01面
 

※ 詳細は本紙1530号または1月8日以降日経テレコン21でお読みいただけます。

外客増加への“本気度”

 2012年の観光業界は海外旅行、13年は、国内旅行の年だったと思う。となると14年は、昨年末悲願の1千万人達成の朗報が届いた訪日旅行の年だ。1千万人達成はネットのニュースなどでも流れ、私も観光業界に関係のない知人からこの話題を振られたが、国をあげて世界から観光客を誘致していることが国民にも浸透し始めたのではないだろうか。業界内でも1千万人の達成は数字以上に「今後は本当に外国人観光客が増える」と実感した一つの象徴的な出来事になった気がする。

 これまで震災など外的な要因は確かにあったが、本当に足りなかったのは“本気度”ではないか。今までは「1千万人いくといいな」だったのが、昨年は「絶対1千万人」という気概を感じた。誰のというのではなく、業界に流れる空気とでもいおうか。そして、1千万人達成で本気度は揺るぎないものになった気がする。

【飯塚 小牧】

「45年に短縮」決定、固定資産評価見直し

 石原大観光産業課長(左)と佐藤信幸全旅連会長

石原大観光産業課長(左)と佐藤信幸全旅連会長

“悲願”達成、15年度から適用

 固定資産評価基準の下限までの経過年数が45年に短縮――。12月12日にまとめた2014年度与党税制改正大綱において、ホテル・旅館の鉄筋鉄骨コンクリート造および鉄筋コンクリート造の建物について、固定資産評価基準の下限となる経過年数が、現行の50年から45年に短縮することが決まった。これにより、年間56億円の減税効果となるという。経営を圧迫し続ける固定資産税の軽減は、宿泊業界の長年の悲願であり、15年度の評価替えから適用される。
【増田 剛】

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年間56億円の減税効果

 固定資産税の見直しが15年度から適用されることが決まったことを受けて、全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会は12月17日、東京・平河町の全旅連本部で会見を開いた。佐藤信幸会長は「宿泊業界が長年税制改正要望を行うなかで一番大きな実績である特別地方消費税が撤廃された運動に次ぐ成果であり、達成感がある」と高く評価した。

 佐藤会長は「固定資産税の見直しがようやく実現し、現行の50年から45年に短縮された」と報告し、「2011年度の税制改正大綱に検討事項に残ったが、検討事項に残るまでにも、何十年にもわたり、税制改正要望でも訴え続けてきた」と振り返った。

 12年度の税制改正大綱では、15年度の評価替えにおいて見直しを「対応する」という文言が入り、「この段階で見直しが決まったと思った」(佐藤会長)が、実態調査の実施や、調査結果の分析などの必要性があり、12年10月に実態調査「旅館・ホテルの維持補修に関する調査」を行った。その後、全国の宿泊施設から得た1103件の回答を、税理士や鑑定士などを含めた委員会に観光庁、厚生労働省もオブザーバーに加わり分析が行われた。そこで鉄筋鉄骨コンクリート造を例に、「躯体部分」「仕上部分(客室の補修・更新)」「設備部分(給排水管の補修・更新)」の3部門に分けて調査した結果、躯体部分が50年、仕上部分が22年、設備部分が21・6年という分析結果となり、これら個別の使用年数を基に考慮した結果、「36年」という最終残価率到達年数を導き出し、陳情活動など税制要望で訴えてきた。

 一方で、「躯体は50年よりもっと保つ」との考え方を譲らない総務省との協議で双方一歩も譲らず調整が難航するなか、観光庁も話し合いに入って交渉が続いた。

 佐藤会長は「36年を主張してきた我われの要望が100%通ったわけではないが、相手がいることでもあり、観光産業振興議員連盟や観光庁の支援もあり、45年という数字を勝ち得たことは、とてもありがたいと思う」と謝意を述べた。

 固定資産の下限までの件か年数が50年から45年に短縮されることで、年間56億円の減税効果が生まれるという。また、建築後10年経過している建物は現行に比べ、2・1%の減額となる。20年では5・9%、30年では10・3%、40年では19・8%と約2割が減額され、古くなるほど減税効果が大きくなるという試算だ。

 観光庁の石原大観光産業課長は「もう少し年数の短縮ができたのではないかという思いもあるが、税調当局も家屋類型間のバランスも大事にされるなか、長年なされていなかった見直しが行われたことは、最低限の水準ではあるが(宿泊業界の要望が)認めてもらえたと思う」と語った。

 現行の家屋類型は「事務所・銀行」「住宅・アパート」「店舗・病院」「百貨店・ホテル・劇場・娯楽場」「市場」「工場・倉庫・発変電所(一般用)」「公衆浴場」と全体で7つに分類されているが、新たに「ホテル・旅館」というカテゴリーが別枠で設けられ、8つの分類となることも「大きな前進」と佐藤会長は評価した。

 宿泊業界、観光庁も36年への短縮を要望するなかで、「45年」という数字に落着したことについては「100%我われの要望がと通るとは思っていない」とし、「一段落ついた」という捉え方をした。「宿泊業界には難題が多く、来年(14年)以降は、耐震問題に全力で取り組んでいきたい」と述べた。

消費税免税 全品目へ(14年度税制大綱)

旅館の固定資産税「45年」に

 2014年度与党税制改正大綱が13年12月12日にまとめられ、ホテル・旅館の固定資産税評価の見直しや、外国人旅行者向け消費税免税制度の対象品目を全品目へ拡大することなどが決まった。鉄骨鉄筋コンクリート造と、鉄筋コンクリート造の経過年数が現行の50年から45年に短縮。これにより固定資産税の負担が軽減される。なお、適用は15年度の評価替えからとなる。

 現行制度では、ホテル旅館は、百貨店や劇場、娯楽場と同じ経過年数だった。観光庁は「ホテル・旅館は不特定多数の客の利用により施設や設備の劣化が激しく、また顧客ニーズに合わせ内装を変えることも多い」との理由から実態に即した経過年数への短縮を求めていた。総務省との事務的協議の結果、実態調査やそのほかの建物とのバランスを考慮したうえで、45年に決まった。これにより、観光庁の試算では、ホテル旅館の毎年の固定資産税は49億円、都市計画税は7億円と、合計56億円の減税となる見込みだ。

 また、外国人旅行者向けの消費税免税制度では、これまでの家電、装飾品、衣類、かばんなどのほか、消耗品である食品類、飲料類、たばこ、薬品、化粧品なども加え、対象品目をすべての品目へと拡大することが決まった。新規対象品目は、1人1日1店舗で「5千円―50万円」の購入が対象となり、滞在中に消費されないよう規定の包装が必要となる。観光庁は、今回の免税品目拡大により、5年間で約3100億円の免税店売上の増加を試算。「免税店ではないことで約3割ほどの顧客を逃していた」とし、今後の外国人旅行者の消費拡大に期待がかかる。

 そのほか、免税手続きの簡素化も決定。詳細については今後決められるが、購入記録票などの様式の弾力化や手続きの簡素化をしていく。なお、消費税免税制度の改正は14年10月1日から適用される。

直筆の思いつながりに

 宿泊施設の客向けのアンケートといえば定型のものばかりで、ほとんどの人が気に留めないだろう。熊本・菊池温泉のある旅館では、手書きの特製アンケートを印刷して使っている。用紙には、太陽が笑ったイラストと「アンケートできます」の文字。本来アンケートは宿が客にお願いするもので、「できます」の部分に一瞬疑問符がつく。しかしその違和感は宿の思惑通りで思わず手にとってしまう。アンケートを変えてからは回収率が上がり、何より記入内容が詳細になったそう。「最近良かったこと」という質問に書かれた内容が、後に客との会話の種になることも。

 インターネットで簡単に口コミを書き込める時代だが、少しの工夫で得られる直筆のメッセージは、宿と客のつながりを強めるキーになりうるのでは。

【市沢 美智子】

免税店全国へ拡大、シンボルマーク作成(観光庁)

免税店シンボルマーク
免税店シンボルマーク

 観光庁はこのほど、14年度与党税制大綱で外国人旅行者の消費税免税の対象品目が拡大されたことを受け、外国人旅行者への認知度向上のため、免税店のシンボルマークを作った。また、現在全国に4千店ある免税店を拡大していく方針も明かした。

 シンボルマークは14年1月から使用開始予定。日本政府観光局(JNTO)のホームページで全国の免税店リストを掲載し、免税手続について海外発行ガイドブックや航空路線機内誌へ掲載し、情報発信を強化する。

 また、現在全国に4千ある免税店は、東京や大阪など都市部に集中。外国人旅行者が、地方ならではの特産品を免税店で買えるよう免税店の拡大を目指す。14年1月中に、国土交通省の各地方運輸局に免税店に関する問い合わせ窓口を設け、免税店制度の普及、免税許可申請の促進をはかる。まずは許可申請の増加を狙い、申請要件を分かりやすくするためマニュアルを作り普及していくという。

 久保成人観光庁長官は品目拡大について、「インバウンドの消費増加にプラス」と賞賛。免税店の拡大については、「地方でその土地の土産や地場産品を買うことで、地域活動が活性化される」と期待を述べ、「地方の特産・物産品店を免税店にしていきたい」と力を込めた。

訪日CPに11億円投入、観光地のビジネス創出4億円

第1次補正予算、観光庁に15億円

 2013年度第1次補正予算が13年12月12日に閣議決定され、観光庁には「訪日促進キャンペーン等による観光立国の推進」に15億円が計上された。事業別にみると、「観光地ビジネス創出の総合支援」に4億円、「春の旅行需要取り込みに向けた訪日促進キャンペーン」に11億円。

 「観光地ビジネス創出の総合支援」では、観光地域づくりの取り組みを進める主体が、補助金頼りにならずに、収入源を確保したうえで、着地型旅行商品の開発などに積極的に取り組めるビジネスモデルの構築を支援する。現状、着地型旅行などで消費者を地域に連れてきても観光地域づくりを行っている主体に還元されないことが多く、ビジネスとして継続できない問題点がある。観光庁が経費を負担し、地域づくりのアドバイザーなど観光地ビジネスの専門家を地域へ派遣し、ビジネス化にあたっての問題と課題の整理や、観光地の担い手と専門家による勉強会・シンポジウムの開催などを行い、ビジネスモデルの構築を狙う。募集期限や実施時期などの詳細は今後順次発表となるが、数十の地域への支援を想定しているという。

 「春の旅行需要取り込みに向けた訪日促進キャンペーン」では、東京五輪開催決定による日本への関心の高まりや、東南アジアのビザ緩和による追い風を受け、春の旅行シーズン需要の喚起を狙う。韓国・中国・台湾・香港の東アジア4大市場と、東南アジア諸国に対して、旅行会社とメディアの招請によるファムトリップや横断的な大商談会の開催、現地旅行会社との共同広告などのCPを行う。東南アジアの横断的商談会は、12年度補正予算にも組み込まれ、13年5月に東京で実施。東アジアの横断的な商談会は今回初となる。観光庁の日本ブランド発信・外客誘致担当参事官は、前年度実施の共同広告と商談会などのCPについて好評であったことを報告。「年度の切れ目なくCPができ、3―4月の海外での露出が効果的だった」と説明した。

 一方、潜在市場である欧州やインドなどには、旅行先としての日本の認知度向上を目指し、インパクトの高いテレビCMやそれとリンクした形のWeb広告を展開する。欧州は市場別ではなく、Webを活用し広域的なPRを行うが、英国、ドイツ、フランスに次ぐ市場のイタリア、スペインでの露出が増えることになりそうだ。

 なお、観光庁計上分のほか、観光に関わるものとしては国土交通省で「道の駅の多様な機能の強化等地域経済を支える基盤の整備」に53億4300万円、「地域の成長力の底上げ等をはかる社会資本の総合的整備」に1309億7500万円などを計上している。