2020年1月3日(金) 配信

コラムニスト紹介
津田 令子 氏
社団法人日本観光協会旅番組室長を経てフリーの旅行ジャーナリストに。全国約3000カ所を旅する経験から、旅の楽しさを伝えるトラベルキャスターとしてテレビ・ラジオなどに出演する。観光大使や市町村などのアドバイザー、カルチャースクールの講師も務める。NPO法人ふるさとオンリーワンのまち理事長。著書多数。
2020年1月3日(金) 配信

コラムニスト紹介
津田 令子 氏
社団法人日本観光協会旅番組室長を経てフリーの旅行ジャーナリストに。全国約3000カ所を旅する経験から、旅の楽しさを伝えるトラベルキャスターとしてテレビ・ラジオなどに出演する。観光大使や市町村などのアドバイザー、カルチャースクールの講師も務める。NPO法人ふるさとオンリーワンのまち理事長。著書多数。
2019年1月2日(木) 配信
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年末年始にはいつも過ぎ去った1年間を振り返ると共に、迎える年が良い年になることを願いながら、日本観光のことをさまざまに思い巡らしている。
「米国ファースト」をスローガンにしているトランプ大統領が登場してから「自国第一主義」と「ポピュリズム(大衆迎合主義)」の台頭による衆愚政治が世界的に拡大している。トランプ大統領が引き起こした米中冷戦は世界経済に大きな影響を与えており、11月の米国大統領選挙が注目される。習近平国家主席は「一帯一路」構想に基づき覇権大国の確立を目指しているが、香港の民主化運動の行方や1月の台湾総統選挙の結果への対応も注目されている。
韓国では文在寅大統領による反日政策によって日韓関係が最悪になっており、3月に実施される総選挙の結果が注目されている。北朝鮮も世界の批判を浴びながら、核ミサイル開発を推進しており、日本の安全保障を脅かし続けている。安倍晋三首相は憲政史上最長の首相在位を誇っているが、長期政権の驕りと弛緩によって、日本が抱えるさまざまな国家的課題に的確かつ十全に対応できない危うい国家運営を繰り返している。
世界的に諸々の不安定要因があるなかで、今年7月24日に東京五輪が開会される。日本政府は東京オリパラを契機にして「2020年インバウンド4千万人と訪日外国人旅行消費額8兆円」という数値目標を掲げている。しかしこの数年にわたって6―9月に記録的猛暑や集中豪雨や洪水などが頻発しており、大きな被害が生じている。そのため東京オリパラ期間中に異常気象が発生しないことを祈っているが、どうなるだろうか?
世界気象機関(WMO)は、日本を襲った記録的豪雨や猛暑などの異常気象が温暖化に伴う気候変動の影響でより極端になった可能性に言及し、気候変動の加速で強烈な異常気象の発生頻度がさらに増えると警告している。観光産業は「フラジャイル(脆い、虚弱)」な産業であり、異常気象だけでなく、地震、戦争、テロ、流行病、政治的混乱、経済的不況などの諸々の変化の影響を受け易い産業であり、不測の事態に対して的確に即応することが不可欠だ。諸々の不確定要素があるが、今年が日本観光にとって「飛躍の年」になることを願っている。

北海道博物館長 石森 秀三 氏
1945年生まれ。北海道大学観光学高等研究センター特別招聘教授、北海道博物館長、北洋銀行地域産業支援部顧問。観光文明学、文化人類学専攻。政府の観光立国懇談会委員、アイヌ政策推進会議委員などを歴任。編著書に『観光の二〇世紀』『エコツーリズムを学ぶ人のために』『観光創造学へのチャレンジ』など。
2020年1月1日(水) 配信
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年末近くになって、菅官房長官が熊本で語った「日本にあと50軒くらいは超高級ホテルを」という発言は、さすがに我が業界でも不協和音を巻き起こした。
たしかに、スーパーラグジャリーな富裕層は世界中にいるし、もともと日本にはそれを十分受け入れられる高級ホテルの数が少なすぎる、という外国人の観光立国論に影響されての発言かとも思われるが、高い固定資産税を払い、人手不足に悩まされ、毎日の集客に汗水たらしながら何とか観光客の皆さんに喜んでもらおうという努力を続けている経営者にはまったくもってのがっかり発言だ。そんな高級ホテル誘致する余裕があるなら、一所懸命やってきた私たちを守って、というのはすこぶる自然なことだ。
コラムニスト紹介

オフィス アト・ランダム 代表 松坂 健 氏
1949年東京・浅草生まれ。1971年、74年にそれぞれ慶應義塾大学の法学部・文学部を卒業。柴田書店入社、月刊食堂副編集長を経て、84年から93年まで月刊ホテル旅館編集長。01年~03年長崎国際大学、03年~15年西武文理大学教授。16年~19年3月まで跡見学園女子大学教授。著書に『ホスピタリティ進化論』など。ミステリ評論も継続中。
2019年12月31日(火) 配信

2013年9月7日に、アルゼンチン・ブエノスアイレスで開かれたIOC(国際オリンピック委員会)の総会で、東京が20年夏季オリンピック開催都市に決まった。そのときは、「7年先なんて遠い未来の出来事」のように感じたが、あっという間に年月が流れた。13年といえば、訪日外国人旅行者数が1036万4千人と、初めて1千万人を突破した年だ。
2019年12月30日(月) 配信

アドベンチャーワールド(和歌山県白浜町)で2018年8月に誕生したメスのジャイアントパンダ「彩浜(さいひん)」が、19年11月から屋外運動場にデビューし、その愛嬌たっぷりの姿で、来場者の人気を集めている。
「彩浜」は、同園で2000年に生まれたメス「良浜(らうひん)」と、中国生まれのオス「永明(えいめい)」の間に誕生。出生時の体重はわずか75㌘と、これまで同園で生まれた16頭のなかで最も小さかったが、19年10月には無事、母親から独り立ち。屋外運動場デビュー時には、全長約135㌢、体重約41㌔にまで成長した。
同園には現在、「彩浜」含め6頭ものパンダが暮らしている。ちょっと疲れたかな、と思う方はぜひ。東京からも飛行機を使えばすぐですよ。
【塩野 俊誉】
2019年12月29日(日) 配信

2020年は東京オリンピック・パラリンピックが開催される。メイン会場となる新国立競技場も完成した。東京をはじめ、日本各地で新しい施設が続々と誕生する。ホテルの新設ラッシュも止まらない。まるでバブル期の様相だ。一方で、20年は訪日外国人旅行者数4000万人の目標達成を目指しているが、伸び率は鈍化している。国際情勢も不安定だ。観光業界の我われは、“冷静な目”で、現状や将来を予想していかなければならない。本紙は新しい情報を提供しながら、奥深い本質を探る紙面を作っていきたい。本年もよろしくお願いいたします。
【編集部】
【全文は、本紙1782号または2020年1月8日(水)以降日経テレコン21でお読みいただけます。】
2019年12月28日(土)配信

観光庁は12月18日に会見を開き、2019年1~11月累計の出国日本人数が1836万8300人だったと発表した。年内の出国者数2000万人達成を目指し、追い込みをかけている。一方、訪日外国人旅行者数は前年より9日早く3000万人を達成。前年に比べ伸び悩んでいるが、累計は前年を上回る見込みだ。世界の関心が日本に向かう2020年、訪日旅行者数4000万人などの目標達成へ、政府一丸、官民一体となって取り組む施策が本格化する。
19年はラグビーワールドカップの日本開催で盛り上がりを見せたが、自然災害に加え、韓国からの訪日旅行控えの影響で伸びは鈍かった。他方で観光地・公共交通機関の多言語対応をはじめとした受入環境の整備、寺泊や城泊による歴史的資源の活用、VRなどの最新技術を用いた観光コンテンツの開発などに注力してきた。
結果、日本政府観光局(JNTO)によると、1~11月の訪日旅行者数は前年同期比2・8%増、韓国を除くと10.7%増を記録。観光庁は、取り組みの効果は着実に表れているものと認識しているとした。
出国日本人数も堅調な推移をみせている。JNTOによると、19年1~11月累計で前年同期比6.0%増の1836万8300人だった。12月の出国日本人数が昨年同様の162万9350人と同水準になった場合、19年中の2000万人達成には足りない。
観光庁の田端浩長官は同日の会見で「欧州は堅調だが、韓国と香港への需要の落ち込みが影響している」と指摘した。冬ダイヤの航空便数が増加されていると伝え、「中国と東南アジアの便数が増えている。増便でどこまでプラスに持っていけるか。年末年始の連休前半に少し山ができるとありがたい」と述べた。出国者数2千万人は20年の目標数値だが、1年前倒しの19年中の達成に向けて期待感を示した。
韓国関係については、JNTOが現地で旅行会社などに聞き取り調査を行ったと報告。旅行会社によっては、訪日旅行の予約が入り始めているという。田端長官は、11月以降は韓国の航空会社や旅行会社との共同広告を数多く行えるようになったなど、好転の兆しが出てきたと説明。「訪日旅行に対する雰囲気に変化が出てくることを期待する」と語った。
観光庁は訪日客4千万人達成へ地域の観光資源を開花させる取り組みを関係省庁と連携して進める方針だ。全国10~15カ所でのスノーリゾート形成、外国人が楽しめるナイトコンテンツの充実、文化財を使った地域の博物館・美術館の観光活用などを進める。
また、20年は東京五輪がある。これを絶好の機会と捉え、「地方への誘客」を実現するよう取り組みを行う。
具体的には、観光庁とJNTOの「Your Japan 2020」キャンペーンを1月1日から始めた。雪や祭りなどの季節ごとのコンテンツ、20年を中心に開催する「日本博」を含むプログラムへの送客促進のため、地方への交通の割引などのCPを実施する。
田端長官は「地域分散と時期分散が大事。産業界と一緒に総力を挙げて実施する。2020年限定の魅力ある訪日誘客プログラムも計画している」と力を入れる。
2019年12月27日(金) 配信

KNT―CTホールディングス(HD)とKNT―CTパートナーズ会関西連合会、近畿日本ツーリスト関西は昨年12月2日、7―9月に実施する「ニッポン旅列島 関西キャンペーン」のキックオフ会議を大阪市内のホテルで開いた。
ニッポン旅列島は、KNT―CTホールディングスグループ全社を挙げ、四半期ごとに仕向地を定めるキャンペーン。昨年4月からスタートし、関西での展開は初となる。これまで、北海道、関東甲信越、北東北の各エリアで実施し、地域と連携しながら着地型旅行商品の開発などに取り組んできた。
会議にはKNT―CTHDグループ社員89人、パートナーズ会員132人の計221人が参加した。冒頭、KNT―CTHDの執行役員国内旅行部長の酒井博氏は「東京オリンピック・パラリンピックと時期が重なるが、首都圏の混雑を懸念した他地域への旅行需要や訪日客に対し、東京以外への誘導などが期待できる。祝日が設定され、4連休と3連休があることも追い風だ。全国から関西に来ていただく仕掛けをつくっていきたい」と意気込みを述べた。
KNT―CTパートナーズ会関西連合会会長の中照策氏(かつうら御苑)は「大河ドラマ『麒麟がくる』の放送でゆかりの地が多い関西が注目を集める。ユニバーサル・スタジオ・ジャパンには、『SUPER NINTENDO WORLD』が今夏オープンする。ファミリー層やインバウンド向け商品の展開で関西を盛り上げていきたい」と話した。
関西キャンペーンの販売施策では、付加価値型商品の拡充をはかるため、現地観光プランを強化する。あべのハルカスや海遊館、ニフレル、京都水族館、東映太秦映画村など関西の人気観光施設での特別ガイドツアーを実施するほか、レンタカーとスペシャルな体験などをセットにした周遊クーポンも設定する。
関西CP期間中のKNT宿泊券販売高目標は、前年同期比10%増の29億7800万円とする。
クラブツーリズムでも、テーマ型商品の拡大をはかり、キャンペーン期間中の関西への送客目標数を同10・8%増の9万2千人とした。
会議ではほかに、USJ担当者による新施設の概要紹介や大河ドラマ「麒麟がくる」の主人公、明智光秀の人物像および関連3施設の紹介などが行われた。
2019年12月26日(木) 配信

沖縄の魅力を現地から発信する旅行予約サイト「たびらい沖縄」とクラブツーリズム(小山佳延社長、東京都新宿区)は2020年4月、沖縄の絶景をカメラに収めるフォトツアーを行う。
たびらい沖縄編集部が厳選した各スポットを、プロのカメラマンとともに巡る。現地に詳しいたびらいと、数多くのツアーを主催するクラブツーリズムがタッグを組み、オリジナルで快適な旅を提供する。
ツアーは2泊3日で、残波岬や首里城公園など沖縄ならではの定番スポットのほか、大浦湾や浜比嘉島など、普段は訪れないような場所にも立ち寄る。それぞれの箇所では、カメラマンがスマートフォンや一眼レフでの撮影方法などを説明してくれる。
バスでの移動中は車窓の風景を撮影できるほか、泡盛などの地酒を堪能したり、添乗員から沖縄にまつわる逸話なども聞くことができる。なお、知人や友人など複数人での参加のほか、1人参加も可能となっている。
日程:2020年4月17日(金)~19日(日)、2020年4月24日(金)~26日(日)
行程:
<1日目>羽田空港→那覇空港→沖縄科学技術大学院大学→カヌチャリゾート
<2日目>ホテル→大浦湾→東村・サキシマスオウノキ→福地ダムクルーズ→笑味の店(昼食)→座喜味城&残波岬→EMウェルネスリゾートコスタビスタ→沖縄市コザナイト
<3日目>ホテル→浜比嘉島→琉球茶房・あしびうなぁ(昼食)→首里城公園→那覇空港→羽田空港
ツアーの特徴:たびらい沖縄編集部がオススメするとっておきのスポットを巡り、プロのカメラマンがその場で上手な撮り方をレクチャーする。バス移動で運転がなく、慣れない道でも安心できる。移動中はおいしい地酒を堪能したり、車窓の風景を撮影も可能。車内では添乗員から沖縄にまつわる小話や逸話が聞くことができる。
特設ページURL:https://www.tabirai.net/s/sightseeing/special/clubtourism-photo/
2019年12月26日(木) 配信

日本政府観光局(JNTO)は12月25日(水)、東京都内で開いた会見で2019年の訪日外客について振り返った。金子正志理事は12月9日(月)時点で今年の訪日外客総数が3千万人を超えたことに触れ、「昨年の3119万人は超える。例年、12月は(訪日外客数の)伸びが良くなる。3150万人までいくのでは」と予測した。
20年の取り組みについては、政府が掲げる訪日客4千万人の目標達成に向け、観光庁とともに誘客プロモーション「Your Japan 2020」キャンペーンを展開することを明らかにした。20年限定で行われる特別プログラムを海外市場に広く発信する。
19年は韓国市場の大幅な落ち込みにより、2カ月連続で総数が前年を下回る月があるなど、影響を及ぼした。だが東南アジア市場や欧米豪市場の好調が続いていることもあり、韓国市場を除いた数は右肩上がりで推移。11月は韓国市場を除く19市場すべてで過去最高を記録し、「増加基調が継続している」(金子氏)とした。
9~10月にかけて開催されたラグビーW杯2019については、南アフリカが前年同期比397.9%増加したのをはじめ、「出場国の訪日客数が同29・4%増加した」と報告。前回のイングランド大会は外国からの観客の半分がロンドンに集中していたのに比べ、日本大会は開催12都市に分散していた分析結果も明らかにした。
20年1月1日(水)から始まる「Your Japan 2020」キャンペーンを前に、JNTOは12月25日(水)から同キャンペーンの特設サイトを開設。国や地方、民間企業などから募集した20年限定で開催される公開展示や体験型メニューなどの中から、40余りのプログラムを紹介している。
また、送客促進を目的とした地域交通の優待やショッピングキャンペーンなどを、民間企業や協会などの団体などと連携して実施する。特設サイトは、トップページからキャンペーンの紹介ページ、主催者のページと移行することができ、「三段階の構造になっている」と説明した。
金子氏は訪日客の誘客について、引き続き「全方位、総力戦で挑む」と述べ、攻めの姿勢に変わりがないことを強調。各方面と連携し、一丸となって訪日客4千万人の目標達成に向け、取り組んでいく。
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