7月3日に第2回総会、リボン宿ネット、新会員募集

 昨年7月10日に設立した「ピンクリボンのお宿ネットワーク」(略称=リボン宿ネット、畠ひで子会長)は、7月3日に東京都浜松町の東京会館で第2回の通常総会を開く。

 同会は乳がんの手術痕を気にして旅をあきらめてしまう女性のために、普通に旅に出て、宿での温泉入浴など周りの目を気にせずに楽しんもらえる環境づくりを目指し、全国の宿泊施設と温泉・観光地の旅館組合、観光協会、企業などが参加して発足した。

 設立以降、会員の宿泊施設の風呂情報や特典プランなど掲載した「ピンクリボンのお宿」冊子を発行。会員施設や企業、全国約600カ所の病院などを通じて乳がん患者に配布している。また、昨年12月には会員や周辺の地域の観光関係者を対象にしたセミナーを、新潟県・瀬波温泉で開催。さらに会員宿泊施設のスタッフを対象にした講演会も5月に福島県・穴原温泉で開き、乳がん患者の状況や宿泊施設に対する要望など勉強した。

 現在の会員数は総会時の51会員から30会員増えて81会員。新年度予定の会員も含めると100会員近くと倍増する。

 今総会では新年度事業計画など審議するほか、会員施設による事例発表など行い、出席会員と意見を交換する。

 同会では、現在新規の会員募集も行っている。問い合わせは次の通り。

 事務局=旅行新聞新社内 電話:03(3834)2718。

大山氏が第10代会長に、日本温泉協会が理事会開く

大山正雄新会長

 日本温泉協会(大山正雄会長、1436会員)は5月30日、東京都内で2013年度第1回理事会を開き、大山氏の新会長就任を正式に承認した。

 今年3月18日に廣川允彦前会長が急逝。4月4日には緊急の副会長会議を開き、後任の会長候補として常務理事で学術部幹事委員の大山氏を選出した。理事による書面決議を行い、過半数の賛成を得たが今回の理事会では全会一致で大山氏の会長就任を承認した。

 大山新会長は「廣川前会長の突然の逝去で、想定外の推薦によって、第10代の日本温泉協会会長に就任した」とあいさつし、「近年会員数は急速に減少しており、組織体制のあり方を考えていかなければならない」と語った。

 佐藤好億常務副会長は「地熱対策も見据え、学術部の先生に会長になっていただいた」と大山氏を会長に推薦した理由を述べた。

 今年度の重点事業としては、(1)新法人移行後の協会のあり方と事業の見直し、財政の再建(2)地熱観連の動向についての情報収集と対応(3)ホームページの改善による宿泊予約サイトの連携事業の推進――などに取り組む。また、今年9月を目途に事務所を東京都千代田区平河町の全国旅館会館に移転し、会員の拡充など組織の強化を目指す。

 2014年度の会員総会の開催地は、群馬県・四万温泉で開催することを決めた。

 理事会で決議された役員の異動は次の通り。

 常務副会長(副会長)佐藤好億▽副会長(常務副会長)石村隆生▽副会長(常務理事)笹本森雄▽常務理事(理事)小松原正信

5月17日までに登録5件、取扱管理者は他業種兼任可(地域限定旅行業)

 4月に新設された「地域限定旅行業」の登録状況について、観光庁の井手憲文長官は、5月17日までに全国で5社の登録があったことを明かした。

 井手長官は5月22日の会見で登録数について報告。内訳は北海道1社、滋賀県1社、鹿児島県2社、沖縄県1社。地域の観光協会などに加え、個人での登録もあるという。

 また、5月21日には、地域限定旅行業の旅行業取扱管理者の要件緩和が発表された。営業所への出勤状況や、兼任する他業種の業務中も旅行者から依頼があった際に速やかに連絡が取れるなど、一定の要件を満たしている場合には、他業種との兼任が認められるようになった。

 「地域限定旅行業」は、着地型旅行の商品提供促進のため、営業所のある市町村と隣接市町村など限定された区域についてのみ、企画・手配旅行などを行うことができる旅行業の類型として創設された。旅行業への参入容易化のため、営業保証金の供託額と基準資産額の最低額はともに100万円と、他の旅行業類型よりも引き下げられている。

座席の卸売を解禁、国際チャーター規則改正(ITCチャーター)

 国土交通省航空局は5月16日付で、通達「本邦を発着する国際チャーター便の運航について」の一部を改正し、包括旅行チャーター(ITCチャーター)で、包括旅行商品用の座席の卸売販売を解禁した。これにより、運航者の航空会社と貸切契約を結んだ用機者(旅行会社)に加え、用機者と直接契約を結んだ第1種旅行会社に限り、包括旅行商品の販売が可能になった。卸せる座席は包括旅行用座席のみで、個札販売はできない。

 これまで、用機者になった場合の在庫リスクが大きいことなどから、規制緩和を求めてきた日本旅行業協会(JATA)は17日、菊間潤吾会長のコメントを発表。菊間会長は「販売上の選択肢が広がることで包括旅行チャーターの実施機会が増加し、旅行需要の拡大および観光の振興がはかられることが期待される。とくに、需要規模が比較的小さく、特定時期に集中しがちな地方で、チャーターの活性化は観光の促進に寄与するもの。今後、旅行会社間の連携と競争を通じてさまざまなチャーター商品の開発をしていく」と歓迎した。

 23日に開いた定例会見でJATA海外旅行推進部の吉田利直副部長は、「2012年度の旅客チャーター実績は片道ベースで7654人と前年から5・0%増加したが、主要空港が大半だ。懸念している地方空港が減り、そのなかでも近年、長距離チャーターが減少している。今回の改正はこの問題意識を航空局や観光庁に理解してもらった結果だと思う」と述べた。会員からは規制緩和に対する問い合わせも多く、すでに地方の長距離チャーターについて具体的な話しもでているという。

 また、海外航空会社とチャーター契約する場合、販売代理店(GSA)を通すことが多いため、GSAとの良好なビジネス関係が不可欠だが、現状はGSAの破たんなど、課題もある。そのため、今後新規チャーターを造成する際に、チャーター成立の条件を確認するためのガイドラインとして、条件書を作成。吉田氏は「一緒にチャーターを活性化するため、健全なGSAが育ってほしいと考えている。地方の旅行会社など、あまり知識がない場合はガイドラインを1つのベースにしてほしい」と語った。

 一方、今回の緩和で航空局や航空会社は旅行者へ運航サービスの周知が徹底されるかを不安視しているため、JATAは改正の留意点を会員会社に通知。卸先の旅行会社はサービス内容を旅行者に十分周知し、運航情報を確実に旅行者に伝える体制を整えることを、用機者と卸先は契約のなかで確認することを明記した。このほか、卸先は仕入れた座席をほかの旅行会社に販売できないことや、個札販売はできないことなどを盛り込んだ。 

No.342 ハラール食材専門家に聞く - ムスリム客はこう受け入れろ

ハラール食材専門家に聞く
ムスリム客はこう受け入れろ

 東南アジア(ASEAN)からの訪日外客数は2003年の30万人から12年には69万人まで伸び、近年急成長を遂げている。経済成長にともない、中間・富裕層の拡大が見込まれ、13年は100万人を狙う。同市場のマレーシア、インドネシアにはイスラーム教徒(ムスリム)も多く、食事や礼拝など宗教上の配慮が必要だ。ハラール食材などの輸入販売に加え、ムスリム受け入れについての講演も行う株式会社二宮の二宮伸介社長に、受け入れにあたっての注意点を聞いた。

【伊集院 悟】

≪理解と心遣いを表す、「ハラール」の使用慎重に≫

〈イスラーム教〉

 ――まずはイスラーム教について教えてください。

 イスラーム教はアラーを唯一絶対の神とする一神教です。神はアラーだけなので、「アラーの神」という表現はしません。ムスリムは、ムハンマドが最後の預言者として語った内容が編集されたクルアン(コーラン、イスラムの法)の教えに従い生活しています。

 キブラ(聖地メッカのカアバ神殿の方角)に向かって1日に5回礼拝をし、イスラームの祝日である金曜日は、イスラーム教の礼拝堂である「モスク」やモスクの小さい規模「ムサラ」で集団礼拝をします。毎年イスラーム暦の9番目の月は、断食月(ラマダーン)で、日の出から日没まで飲食が禁止されます。厳密には飲食だけでなく、喫煙や怒ること、男女の交わりなども禁止。すべてを「我慢する」という意味があります。イスラーム暦の10月1日は断食明けのお祝い、イスラーム暦の12月10日は犠牲祭などがあります。

 

※ 詳細は本紙1505号または6月17日以降日経テレコン21でお読みいただけます。

繁盛旅館とそうではない旅館 ― お客を見ていますか?

 お客がたくさん訪れる宿と、そうでない宿の違いは一体どこにあるだろうと考える旅館経営者は多いのではないだろうか。お客があまり来ない宿では「うちは時代遅れの大型団体旅館だから」とか、「立地条件が悪いから」とか、「建物が古いから流行らない」など、さまざまな負の理由が思い浮かぶかもしれない。しかし、繁盛旅館といわれる宿を見ていると、そんなマイナスの条件はまったく関係ないことに気づく。どんなに不便な立地にあろうと、お客は遠路はるばる訪れるものである。

 先日、ある会合で、天皇陛下も宿泊される名旅館を訪れたが、驚いたことに、私たちの円卓は、最初から据えられていたメインの肉料理に一度も火を付けられないまま2時間の宴席は終わったのだった。宴会場には各テーブルに担当のスタッフもいて、そのほかにも別のスタッフが刺身やご飯、デザートなどを持って来ていたにも関わらず、最後までメインの肉料理に火が付いていないことに気づかなかった。つまり、スタッフは誰一人としてテーブルのお客を見ていないのだ。ただ料理を運ぶだけ。これでは「人」を雇う意味があるのだろうか。

 本紙で「いい旅館にしよう!」対談シリーズを展開しているが、千葉県の民宿「網元の宿 ろくや」では、お客が左利きと分かると、翌朝の朝食にはお箸などを左手で取り易いように配置する。お客は何気ない配慮に感動してしまう。渡邉丈宏社長は「うちのスタッフは本当にお客様を観察している」と語っていた。このような素晴らしい宿は全国にたくさんあるだろう。

 鉄鍋の火くらいなら、自分で付けてもいい。放置するくらいなら、セルフサービスにして、ライターの一つでもテーブルに転がしておいてくれた方がよっぽどいいのだ。一卓すべてのメインディッシュが生肉のまま厨房に戻っていったはずだが、おそらくこの宿では料理長も、経営者も気づかないのだろうなと思い、空しい気分になった。

 お客が集まる宿とそうでない宿の違い。それは、「お客を見ているか」に尽きる。どんなに古くても、窓から隣のビルしか見えなくっても、地の果てのような不便な場所でも構わない。ちゃんと自分を気にしてくれる人のいる宿に行きたい。古い栄光にいつまでも胡坐をかいているような宿は、百害あって一利なしだ。

(編集長・増田 剛) 

【6月30日まで】 旬のタイを味わえる「鯛まつり」 秋田県男鹿市

旬を迎えた天然物のタイを味わってもらおうと、秋田県男鹿市内の宿泊施設・飲食店13店が6月30日まで「鯛まつり」を開催しています。

 男鹿半島沖はタイの北限の産卵地として知られています。春を過ぎ、最も食べごろいわれる産卵期を迎えた天然のタイを地域の伝統漁法である大型定置網漁の「大謀網漁」で捕獲し、男鹿半島の郷土料理ザッパ汁、姿造りや焼き魚など、各店が趣向を凝らした料理を提供しています。

新鮮な食材を使用するため前日までの予約が必要。一部施設では、当日利用可能なプランも用意されています。

【問い合わせ先】
男鹿市観光協会   TEL=0185-24-4700
男鹿市観光商工課  TEL=0185-24-9141
男鹿温泉郷共同組合 TEL=0185-33-3191

会員、事業を一本化、協同組合、一社新旅協

(協)新旅協・青木利道理事長

 協同組合新潟県旅行業協会(青木利道理事長、114会員)は5月20日、新潟市内のホテルで2013年度通常総会を開いた。4月1日に設立された一般社団法人新潟県旅行業協会の臨時総会もあわせて開き、それぞれ異なっていた会員に加え、事業や役員体制の一本化をはかった。

 一般社団法人化にともない、全国旅行業協会新潟県支部の清算総会も行った。

 青木理事長は「発足間もない一般社団法人新潟県旅行業協会は新潟県の旅行業団体として、観光による交流人口の拡大の一翼を担い、地域社会の振興発展に向けた事業を推進して、名実ともに強い新潟県旅行業協会を目指したい」と述べた。また、新たに本部直轄の新しい新潟県支部が設置され、支部長には渡邊司之氏が就任した。

 協定会員連盟の小田孝信会長(加賀屋)は、「新旅協が任意団体のころから素晴らしい関係を築いてきた。新組織とのパートナーシップに磨きをかけ、今後一層の送客を期待している」と語った。

 今年度は、ホームページ「ほわっと」や、県旅クーポンの利用促進、地旅(着地型観光)」など観光振興による地域づくりの推進などに取り組む。

大原氏が新会長に、一般社団へ事業継承(千旅協)

大原秀雄会長

 千葉県旅行業協会(齋藤忠義会長、264会員)と全国旅行業協会千葉県支部(齋藤忠義支部長、274会員)、㈱千旅は5月9日、千葉市内で2013年度通常総会を開いた。これまでの千旅協と千葉県支部を解散することを承認し、「一般社団法人千葉県旅行業協会」と「一般社団法人全国旅行業協会千葉県支部」に事業などを継承した。また、新千旅協の会長には大原秀雄氏(ワールド観光代表取締役)が就任した。

 冒頭、齋藤会長は「昨年は高速ツアーバスの事故や登山事故などがあり、旅行会社への責任追及が重くなるということで、本部でも対策が進められている。千葉でも、皆さんが安心して旅行業を続けられるように何ができるのか検討していきたい」と語った。

 また、大原新会長は「今年度から組織として多くの点が変わっている。来年の総会では規約など皆さんにしっかり報告できるよう努めていく」と一般社団移行1年目の意気込みを語った。

 今年度は、全国旅行業協会、㈱全旅事業の推進に全面的に協力し、千葉県支部、㈱千旅、協力会と連携しながら組織の強化をはかっていく。

 新役員は次の各氏。

 【千旅協・会長】大原秀雄(ワールド観光)【副会長】藤木均(ロイヤルツーリスト)▽長崎正男(日本トラベルサービス)【監事】染谷幸和(染谷観光旅行社)▽公平正業(シティトラベルセンター)【全旅協千葉県支部・支部長】藤木均(ロイヤルツーリスト)【副支部長】佐々木一彦(南総国際旅行)▽鎌瀧雅紳(竜馬トラベルサービス)

松田会長を再選、新3カ年計画も策定(四国ツーリズム創造機構)

松田会長があいさつ

 四国4県とJR四国などで組織する「四国ツーリズム創造機構」(会長=松田清宏JR四国会長、正会員16、準会員103)は4月25日、高松市内のホテルで2013年度総会を開き、役員改選で松田会長を再選した。

 松田会長は「本機構は発足して3年半になり、第1期の事業計画を遂行してきた。この間、東日本大震災や中国・韓国との摩擦など逆風があったが、自己採点では優を取れたのではないか。次の3カ年の事業計画をまとめたが、今後は数だけでなく質も追い求めていきたい」とあいさつした。

 議事は、新たな3カ年計画や事業計画、収支予算などすべて可決した。

 13―15年度の第2次四国観光交流戦略では、15年度に四国外の国内から訪れる延べ宿泊者数を430万人(11年度比3・3%増)、海外からは5万5千人(同36%増)の数値目標を掲げた。

 誘客重点エリアは、第1次戦略からの四国西南部のほか、にし阿波、こんぴら、瀬戸内アート、道後・しまなみ海道を加え、官民協働で観光素材や周遊ルートの開発を実施する。

 インバウンドは東アジア・欧米豪がターゲットで、四国内の全鉄道(6社)が乗り放題の鉄道パス「ALL SHIKOKU Rail Pass」をセールスツールに誘客を促進。関西や九州との連携も強化する。

 今年度は国内外でのプロモーション強化や、四万十・足摺エリアの周遊観光バス「しまんと・あしずり号」のコース改良、機構のホームページリニューアルなどを実施する。