北海道ふっこう割商品の造成急ぐ、オリジナルロゴで露出強化 JATA

2018年10月2日(火) 配信

JATAオリジナル「旅で応援!ロゴ」

日本旅行業協会(JATA)は10月1日(月)、北海道胆振東部地震からの観光の早期復興を目指し、「北海道ふっこう割」を利用した旅行商品の造成を急ぐと発表した。オリジナルの「旅で応援!」(北海道バージョン)ロゴを活用した露出強化など独自の復興支援にも努めていく。

 北海道ふっこう割は、国が9月28日に81億円の予算を計上すると発表。国内外の北海道旅行者に1泊から宿泊割引などの支援を行う。風評被害を払しょくし、観光需要を喚起するのが狙いだ。

 JATAもふっこう割を利用した商品造成を会員に呼び掛けており、準備ができた会社から順次発売していく。発売開始の情報は随時、JATAホームページで紹介するという。なお、10月1日から、るるぶトラベルと楽天トラベル、じゃらんnet、YAHOO!トラベルはWeb販売限定の宿泊商品(単品)の売り出しを開始している。

 また、ふっこう割の適用にかかわらず、北海道への旅行需要を拡大するため、オリジナルロゴなどで露出を促進する。主催会議や委員会などを北海道で開催し、復興状況の把握や誘客コンテンツの視察なども合わせて行う予定だ。

「歌碑」建て散策ルートを整備 茂吉が愛した山形・蔵王温泉

2018年10月2日(火) 配信

源泉足湯と歌碑(蔵王温泉街)

山形県蔵王温泉では、蔵王を愛した歌人・斎藤茂吉の歌碑を建立し、散策ルート「蔵王文学のみち 茂吉歌碑めぐり」として整備した。温泉街の散策マップも作成し、滞在型リゾートとしての充実をはかる。

 蔵王温泉観光協会と山形市観光協会がすすめる「蔵王文学のみちプロジェクト」の一環。山形県上山市に生まれた斎藤茂吉は、古里の自然を「父なる蔵王山、母なる最上川」とたたえ、こよなく愛した。蔵王・熊野岳山頂には、茂吉が生前唯一建立を認めた歌碑もある。茂吉の豊かな感性を感じながら温泉街を巡ってもらおうと、昨年から温泉街や登山道に歌碑を建て、散策コースとして整備した。

 歌碑は従来からある6基と合わせ、今秋までに20基になる予定。温泉街には「湯の歌碑」が13基、ロープウェイに乗って訪ねる「山の歌碑」は6基、玄関口となる大鳥居の脇に「麓の歌碑」1基がある。

蔵王を桜の名所に

 このほか蔵王一帯で新たな桜の名所をつくろうと、今春から植樹にも取り組んでいる。大鳥居から温泉街までを桜で彩り「蔵王湯の郷さくら街道」としてPRしていく。

新潟市 「玉と鏡の世界―西安・新潟友好交流特別展」開催中

2018年10月2日(火) 配信 

チラシ表紙

新潟県の新潟市歴史博物館(同市中央区)は、中国・西安市の西安博物院との友好提携10周年と新潟開港150周年を記念した「玉と鏡の世界―西安・新潟友好交流特別展」を、2018年10月28日(日)まで開催している。

 かつて長安と呼ばれ、古代中国の歴代王朝が都を置いた西安には、時の権力者に重んじられた品が数多く残っている。なかでも玉製品と鏡は、霊的な力を持つと考えられ、装飾品・実用品のほか祭祀や埋葬にも用いられたという。

 今回、西安博物院から日本初公開のものを含む貴重な玉製品と鏡80点を、新潟で単独公開。新潟県内で出土した玉製品・鏡もあわせて展示している。

概要

開催時期:2018年9月15日(土)~10月28日(日)

 ※期間中10月1日(月)・15日(月)・22日(月)は休館

時間:午前9:30~午後5:00

会場:新潟市歴史博物館みなとぴあ(新潟市中央区柳島町2-10)

主催:新潟市、西安市、新潟市歴史博物館、西安博物院

関連イベント

問い合わせ先情報

新潟市歴史博物館みなとぴあ

住所:〒951-8013 新潟県新潟市中央区柳島町2-10

E-mailmuseum@nchm.jp

TEL:025-225-6111

FAX025-225-6130

玉と鏡の世界―西安・新潟友好交流特別展
http://www.nchm.jp/contents02_gyoji/02_kikaku_201803_top.html
玉と鏡の世界展のページ

からくさホテルズ、人気受け「『銀魂』コンセプトルーム」の販売期間を12月まで再延長

2018年10月2日(火) 配信

将軍ルーム(ジャパニーズファミリールーム)

観光客向け宿泊特化型ホテルを経営・運営管理する、からくさホテルズはこのほど、「からくさスプリングホテル関西エアゲート」に用意した、人気テレビアニメ「銀魂」とのコラボレーションコンセプトルームの人気を受け、販売期間を12月31日(月)まで再度延長。部屋はおまかせの「『銀魂』オリジナルグッズ付き宿泊プラン」も同じく延長販売が決定した。

 「『銀魂』コンセプトルーム」は、1室限定の和洋室ジャパニーズファミリールームを使用。同室のために描き下ろされた8体のキャラクターなどの特別内装を楽しめるほか、オリジナルキャラクターグッズ5種類の特典や、DVD鑑賞を楽しめるようDVDデッキを用意。ホテルフロントでは、ホテルスタッフが心を込めて作った折り紙のエリザベスのお出迎えがあるほか、最新刊までのコミックス74巻や、銀時、新八、神楽、土方、エリザベス、神威などのコスプレ衣装を貸し出しも行われる。また同ホテルでは、再延長に伴い10月1日(月)以降の宿泊では、従来のオリジナルグッズに数量限定で新たなキャラクター缶バッジが加わる。予約は、公式ウェブサイト限定となっている。

持ち帰り可能なオリジナルキャラクターグッズ5種類

「『銀魂』コンセプトルーム」概要

期間: 2018年12月31日(月)まで

部屋タイプ: ジャパニーズファミリールーム

特典: 持ち帰り可能なオリジナルキャラクターグッズ5種類

(缶バッジ4種類、トートバッグ、メッセージカード、手ぬぐい、ラゲージタグ)

※ 1人につき1セットプレゼント。 缶バッジ4種類は(①土方/沖田/高杉/神威、②銀時/新八/神楽/桂)2つのうちのどちらか1セットを選べるが、②については数量限定、先着(宿泊)順で無くなり次第終了となる。

料金: 1室1人料金(朝食付き、サービス料込・消費税別)

  1室1人利用 1室2人利用 1室3人利用 1室4人利用
平日 3万6000円 2万2500円 1万7000円 1万3750円
金・土・祝前日 4万6000円 2万7500円 2万1000円 1万6750円

「『銀魂』オリジナルグッズ付き宿泊プラン」概要

期間: 2018年12月31日(月)まで

部屋タイプ: ホテルにおまかせ

特典: 持ち帰り可能なオリジナルキャラクターグッズ5種類

(缶バッジ4種類、トートバッグ、メッセージカード、手ぬぐい、ラゲージタグ)

※ 1人につき1セットプレゼント。 缶バッジ4種類は(①土方/沖田/高杉/神威、②銀時/新八/神楽/桂、2つのうちのどちらか1セットを選べるが、②については数量限定、先着(宿泊)順で、無くなり次第終了。

料金: 1室1人料金(朝食付き、サービス料込・消費税別)

  1室1人利用 1室2人利用 1室3人利用
平日 2万2000円 1万4500円 1万2000円
金・土・祝前日 2万5000円 1万6000円 1万5000円

「本格焼酎&泡盛カクテル」の大会開催 訪日外国人向けに国酒の認知拡大へ 10月17日(水)

2018年10月2日(火) 配信

訪日外国人を魅了する国酒カクテルの日本一を競う

日本酒造組合中央会(篠原成行会長、東京都港区)は10月17日(水)、「本格焼酎&泡盛カクテルコンペティション」を浅草ビューホテル(東京・浅草)で開く。

 日本の国酒である本格焼酎・泡盛を訪日外国人に知ってもらうため、最初にお酒を飲む機会が高いホテルのバーで提供するカクテルを開発していく。

 大会は、味や見た目の美しさ、創作技術を競う。日本ホテルバーメンズ協会の、全国12支部の予選を勝ち抜いた20人が決勝戦を繰り広げる。出品された本格焼酎&泡盛カクテルは大会終了後、各選手が所属するホテルなどのバーで飲むことができる。

 同日開催の表彰式・パーティーでは、全選手がつくった20種類のオリジナルカクテルを試飲できる。大会の観戦チケットは、JTBスマートフォン電子チケットサービス「PassMe!」とJTBコンビニレジャーチケット(JTB商品番号:0249433)でコンビニで購入する。なお、定員になり次第締め切りとなる。

イベント公式サイト

イベント開催概要

名 称: 本格焼酎・泡盛カクテルコンペティション

主催: 日本酒造組合中央会

協力: 一般社団法人 日本ホテルバーメンズ協会

最終選考会

開 催 日: 2018年10 月17 日(水)

会 場: 浅草ビューホテル〔東京都台東区西浅草〕 4 階宴会場「飛翔」

スケジュール: カクテルコンペティション 午後5時~7時 

パーティ・表彰式 午後7~9時 

入場チケット: 前売り 2500円 / 当日 3千円

ハワイアンズで「温活」女子会 心も体もHOTに!5つの魅力でお出迎え

2018年10月2日(火) 配信

体を動かして代謝をアップ(温活の一例)

福島県いわき市のスパリゾートハワイアンズは、冷えを実感する季節に向けて、ハワイアンズ流の「温活(おんかつ)」を通して、心も体もポカポカとなる体験プランを企画した。

 「温活」とは、体を冷やさないようにするとともに体を芯から温め、基礎体温を適度な体温(理想体温は36.5~37.0度)まで上げる活動のことを言う。体温を上げることで、健康や美容など身体にとって良い効果が期待できる。

心も体もHOTに!5つの魅力でお出迎え

【つかる】温泉で保温&美白効果

江戸情話 与市

 ハワイアンズは大浴場だけではなく、プールも温泉を利用している。泉質は硫黄泉だが、いろいろな成分がバランスよく含まれ、PHは8.1の弱アルカリ性。肌に優しく硫黄の働きで新陳代謝が促され、美肌効果も抜群という。ナトリウムも多く含むことから、秋から冬にかけては保温効果でポカポカと体があたたまり温活にぴったり!

【食べる】煮込み料理で体を温める

 秋は「煮込み料理」フェアを開催中。コトコトとじっくりと時間をかけて煮込むことで、食材は柔らかく栄養も吸収しやすくなる。温かい料理は消化酵素の働きや血液循環を良くし体温をあげるため、消化吸収を助け、胃に負担をかけない。

【体験する】体を動かして代謝アップ

 現役のフラガールが直接指導。ハワイアンミュージックに合わせてフラを踊るハワイアンズならではのプログラムだ。フラダンス未経験でも興味のある人や踊ってみたい人におすすめ。全身を適度に使うので、代謝アップに効果的。

【感動する】心がじんわり温かく 幸せオーラ満開

 温泉や料理で体の芯まで温まった後は、「フラガール」とファイヤーナイフダンスチーム「シバオラ」によるポリネシアンショーで、心もじんわり温めては。フラガールの笑顔と優雅な踊り、シバオラによる迫力ある情熱的な踊りは、心をじんわり温め、幸せオーラ満開に。

番外編【絶叫する】大絶叫でストレス発散!「ビッグアロハ」

 今年7月にオープンした高低差・長さ日本一のボディスライダー「ビッグアロハ」。利用者からは「恐い」「早い」「すごい」などの声が。日本一のボディスライダーを大絶叫で滑走すれば、ストレス発散間違いなし。

温活」オススメ宿泊プラン

【ちょっぴり贅沢。大人の女子旅】

 ハワイアンズの女性企画担当者が厳選した、ハワイアンズで体験したいコンテンツをお得な料金で設定した。女性同士で、気軽に楽しく「温活」ができる宿泊プランだ。

◆宿泊施設:モノリスタワー
◆特  典
 1)夕食時1ドリンク付
 2)夜のポリネシアンショー2階指定席(A席)付
 3)健康と美をサポート選べる体験付 
  ※フラレッスン、タヒチアンダンスレッスンより選択
 4)南国気分、髪飾り付
 5)1千円分のギフトカード付
 6)首都圏11カ所からの無料送迎バス 予約可能
◆料 金:19,440円(1泊2食付)~

【大人旅 応援キャンペーン】

 ハワイアンズをあますことなく楽しんでいただけるように、2泊3日でお得な宿泊プランも用意している。

◆ホテルハワイアンズ泊
  通常料金(2泊4食)30,640円 → 17,800円~
◆ウイルポート泊
 通常料金(2泊4食)37,120円 → 22,600円~
◆モノリスタワー泊
 通常料金(2泊4食)41,440円 → 26,600円~
※部屋タイプはおまかせ、除外日あり

ぐるなびや熱海市ら5団体受賞 第10回観光庁長官表彰で式典開く

2018年10月2日(火) 配信 

前列中央が田端長官

観光庁は10月1日(月)に国土交通省内で、第10回観光庁長官表彰の式典を開いた。熱海市と、伊江島観光協会、北九州産業観光センター、ぐるなび、田辺市熊野ツーリズムビューローの受賞5団体が出席した。田端浩長官は「(同表彰が)観光先進国の実現に向けて、地域や個人の活動を活性化させる1つのキッカケになることを願っている」とあいさつした。

 同彰は魅力ある観光地づくりや訪日外国人旅行者の誘致など、観光の振興・発展に対する業績をたたえている。それぞれの功績概要は次の通り。

オール熱海」で

 熱海市は最盛期(500万人超)の半分以下まで落ち込んだ宿泊者数を、2017年度に380万人まで増やした。市長を座長とする「熱海市観光戦略会議」を設置後に、官民一体のオール熱海で取り組みを進めてきた。とくに若年層の新規顧客を獲得することに成功し、日本人観光客を大幅に増したことが評価された。

民泊を村おこしに

 伊江島観光協会は2003年から、村おこしの手段に民泊事業を推進した。泊まるだけでなく、農業、漁業体験など、体験を通じた村民との交流の場を設けた。当初の受入人数は300人程度だったが、17年度は人口の約4倍となる1万8617人まで増加した。民泊を村の一大産業へと成長させ、地域経済活性化に寄与した。

産業観光を確立

 北九州産業観光センターは地域住民や企業と共に、産業観光が軸のツアー造成や専門企業の育成・支援を行った。産業観光来客数は14年の約43万人から、17年は約58万人まで伸びた。同市の産業観光を、持続可能な取り組みとして確立した点が認められた。

「ぐるなび」で日本の食を

 ぐるなびは、日本最大級の飲食店検索サイト「ぐるなび」を用いた事業が評価を受けた。国内飲食店にはセミナーの開催、メニューブック作成支援などを実施した。訪日外国人向けには、多言語の店舗・料理などの情報発信を行った。これらの結果、日本の食に関する認知度向上し、受入環境向上と消費額拡大に貢献した。

地域住民と連携した着地型観光

 田辺市熊野ツーリズムビューローは、地域住民と連携した着地型観光による町づくりに取り組んでいる。多言語の観光案内版や地図などの整備を行い、訪日外国人の受入環境整備を牽引した。このほか、独自の予約決済システム導入や、欧米豪市場を狙ったプロモーションを行い、宿泊者数を増やした。DMOとしての安定した運営の実現が、評価のポイントになった。

※順番は五十音順

「街のデッサン(210)」天然の無常 観光政策にも「応災」の思想を

2018年10月2日(火) 配信

3・11の崩壊した防潮堤が「応災」を直感させた

今年のこれまでの日本を見ると、「自然災害列島」の想いがリアルに実感される。この半年間で、これでもか、これでもかと痛みつけられる日本列島が気の毒になるくらいだ。6月には、大阪北部を震源にした地震が人々を震撼させた。どこに行ったらよいのか、逃げ惑う外国人観光客の姿が、新聞をにぎわし嘆息をさそった。

 7月になると想定外の大雨が四国、中国地方の各県を襲い溢れた河川が多くの地域を水浸しにした。8月は記録的な「猛暑」が、私の表現で言えば「超暑(ちょうしょ)」が列島をくまなく囲い各都市を焦がしまくった。8月末から9月になると今度は台風が連続的にやってきて歴史にも記録されなかったコースを通り、21号は25年ぶりの非常に巨大な勢力で猛威を振るった。そしてそのダメージも癒えぬ間に、北海道全体を機能不全に陥らせた地震が発生した。こんなことが続けば、人間であれば自暴自棄になってもおかしくない事態であろう。心配なのは、観光立国宣言以来順調に伸びてきたインバウンドである。輻輳する災害体験のない外国人観光客がネガティブ情報を聞いて、日本に足を向けなくなることである。

 しかし、よく見ると災害を受けた各地域がそれぞれ驚異的ともいえる「コミュニティレジリエンス(地域的復元力)」を発揮していることに気付かされる。無論、水害で家を流され、土砂崩れで田畑を埋め尽くされた人々がそう簡単には恢復する見込みは難しい。それらの困難な災害体験が、実は私たち日本人の遺伝子にしみ込み、へたれこむよりも再起への気力にエネルギーを注ぎ込む構造になっている、といったのは物理学者で随筆家の寺田寅彦だった。

 2011年の東日本大震災以来、その日本人の一人ひとりの遺伝情報が覚醒し、西に台風被害があれば多くのボランティアが駆けつけ、東に地震があれば近在の人々が濃密に助け合う、という社会叡智(ソーシャルウイズダム)が実働しているのだ。インバウンドで日本にやってきた外国人が、地元企業の無償の炊き出しに出会い、若者たちが経営するコミュンティイン(街の宿泊施設)に無料で滞在できたとしたら、彼らは再び日本の美風のファンになるだろう。

 寺田寅彦は「天災の無常」を説く。無常だからこそ人々は助け合わなければならないという天災は「防災」でも「減災」でもなく、「応災」の思想が心底にある。どんな災害にもめげずに柔軟に対応する日本人こそが、観光の宝であることを、災害列島日本は教えてくれる。(エッセイスト 望月 照彦)

コラムニスト紹介

望月 照彦 氏

エッセイスト 望月 照彦 氏

若き時代、童話創作とコピーライターで糊口を凌ぎ、ベンチャー企業を複数起業した。その数奇な経験を評価され、先達・中村秀一郎先生に多摩大学教授に推薦される。現在、鎌倉極楽寺に、人類の未来を俯瞰する『構想博物館』を創設し運営する。人間と社会を見据える旅を重ね『旅と構想』など複数著す。

観光庁発足10周年に 田端浩長官、改めて決意語る

2018年10月2日(火) 配信 

田端浩長官(9月19日会見時)

 

観光庁は10月1日(月)に発足から10周年を迎えたこと受け、田端浩長官のコメントを公表した。同庁は観光振興の旗振り役として多くの施策を打ってきた。田端長官は10年間を振り返り、関係省庁や民間企業、地方自治体らに、これまでの協力に謝意を述べた。そのうえで「今こそ、災害にも負けない『観光先進国』の実現に向けて、さらなる高みを目指していく」とこれからの10年を見据え、改めて決意を語った。

 訪日外国人旅行者数は発足当時の835万人から、17年で2861万人と約3・4倍にまで増えた。一方で数だけでなく、観光による効果を日本の成長戦略や地方創生に具体的に結び付けていく必要がある。田端長官は「国民の目から見ても分かるような取り組みを進めていく」と、今後は経済効果などの客観的な指標を用いた戦略を練る考えだ。

 訪日外国人旅行者の好調さが続けば、毎年3千万人以上が訪れる時代はすぐに来る。訪日外国人旅行者が大挙する時代を前提とし、田端長官は「現在の日本のさまざまなシステムやルールが対応できているか」を常に問いかける必要があると指摘した。

 以下、観光庁が公表したコメント全文。

 今から10年前の2008年10月、観光立国の実現に向け、政府を挙げた施策を強力に推進することを目的として、観光庁が発足しました。 

 振り返って見ると、私自身、旅行振興課長として観光行政に携わっていた当時は、まだ国土交通省の観光部という一部局であり、課の数も3課だけでした。

 そのなかで、当時の小泉内閣において、観光立国の実現を政府の重要な政策課題と位置づけ、日本を訪れる外国人旅行者の数を倍増して1千万人にするという目標を立て、ビジット・ジャパン・キャンペーンという取り組みをスタートさせました。

 一方、国会においても、観光立国推進基本法の制定により、今後の我が国にとって目指すべき方向は観光立国であることを国会の意思として示していただきました。

 こうした後押しを受け、観光に関係する他の行政機関、さらには地域の皆様方や民間の方々など、幅広い方々との連携をしっかりはかり、観光立国の実現に向けた旗振り役として発足したのが観光庁です。

 以来10年が経ちました。その間、安倍内閣が発足して初めて訪日外国人旅行者数が1千万人を突破しました。さらに、この勢いを加速すべく、安倍総理の強いリーダーシップのもと、観光を日本の成長戦略と位置づけ、外国人旅行者数2020年4千万人などの目標を掲げた「明日の日本を支える観光ビジョン」を策定し、関係省庁等と協力して、日本の魅力の発信や外国人旅行者の受入環境の整備、戦略的なビザ緩和や免税制度の拡充などに取り組みました。

 その結果、2017年の訪日外国人旅行者数は2869万人まで拡大し、インバウンドという言葉も普通に使われるようになりました。

 このような成果に結びついたことは、ひとえに関係する省庁や民間企業、地方自治体等、民と官、地方と国の関係者の皆様が観光立国の実現という同じ方向に向かってご尽力いただいた結果です。改めて御礼申し上げます。

 また、観光庁発足に当たっては、「従来の枠にとらわれず、役所らしくない役所になるべき」などの期待が寄せられました。そのため「開かれた観光庁」というビジョンを掲げ、この10年間、多くの企業、団体、自治体等のご協力を得て、さまざまな人材が力を合わせて観光庁という組織を形作ってきました。

 この場を借りて、これまで観光庁に在籍した職員の方々の貢献に感謝するとともに、ご協力いただいた関係省庁や民間企業、自治体などの関係者に対し改めて御礼申し上げます。

 さて、これからの10年を見据えたときに、観光ビジョンで示された「訪日外国人旅行者数を2020年4千万人、2030年6千万人」などの目標達成に向けてさらに高次元の取り組みが必要になります。

 ただ、これからは「数」の達成だけでなく、観光先進国を目指して、その効果を日本の成長戦略や地方創生に具体的に結びつけるという視点が必要です。旅行消費や観光関連投資等による経済効果という目に見える指標も念頭に戦略を考えることや、利用者の目線に立ち、国民の目から見ても分かるような取り組みを進めてまいります。

 また、観光先進国を目指すうえでは、インバウンドの拡大とともに、日本人自身もこれまで以上に積極的に外に出かけ、諸外国との双方向の交流により、相互理解を深め、日本を真に世界に開かれた国にすることが重要です。

 さらに、毎年これだけ多くの方々が日本を訪れるようになると、日本に期待するニーズも多種多様になってきます。最近の例で言うと民泊がスタートしましたが、旅行者に対してさまざまな選択肢を提供できる環境を作っていくことが重要です。

 急激な外国人の増加が地域の生活環境にも影響を及ぼしている事例も見受けられます。地域住民に受け入れられ、そして支持されるためにも、国民の理解が得られるよう一層努力する必要があります。

 加えて、今年に入り、豪雨や台風、地震など、日本は多くの災害に見舞われ、各地で大きな被害が発生しています。インバウンドをはじめ観光にも影響が生じています。

 災害等の非常時においても、外国人が安心して日本を旅行できるようにするのはもちろんのこと、マイナスとなる事象が発生しようとも、風評被害を最小限に食い止め、迅速に回復をはからなければなりません。

 まだまだ課題はありますが、観光先進国を目指すには、これからは毎年3千万人以上の方々が日本を訪れる時代であることを前提に、現在の日本のさまざまなシステムやルールが対応できているのか常に問いかけ、取組を持続可能なものとすることが必要です。

 2020年に訪日外国人旅行者数を4千万人にする等の目標達成に向け、これからが正念場です。必ず目標を達成するという強い決意のもと、観光庁の職員が一丸となって、あらゆる対策を総力を挙げて取り組まなければなりません。

 今こそ、観光庁は、この10年間で培ってきたノウハウや経験を活かしながら、災害にも負けない「観光先進国」の実現に向けて、さらなる高みを目指して参ります。

 引き続き皆様のご支援とご協力を賜りますよう、よろしくお願いします。

渋谷のホテルが多言語AIスピーカー導入へ フロントと全客室に

2018年10月2日(火) 配信

AIスピーカー導入で業務の効率化をはかる(画像はイメージ)

「HOTEL EMIT SHIBUYA(ホテルエミット渋谷)」(東京・渋谷区)は10月1日(月)からAIスピーカーを全客室とフロント・ロビーに導入した。シダックス大新東ヒューマンサービス(関口昌太朗社長、東京都渋谷区)が受託運営する施設で、ボルテックス(宮沢文彦社長、東京都千代田区)、TradFit(戸田良樹社長、東京都千代田区)が連携した。

 インバウンド需要の増加で多言語対応のニーズが高まるなか、フロントへの問い合わせに音声サービスを行うAIスピーカーが対応する。独自開発のチャットボットサービスで、業務オペレーションの効率化をはかる。

 AIスピーカーが返答できない内容、言語で話しかけた場合は、AIスピーカーの画面にチャットボットのQRコードが表示される。これを利用者のモバイル端末でQRコードを読み込み、ネイティブ言語で質問を送信する。質問は自動翻訳されてホテルスタッフ側に届くため、チャットボットを通じて多言語でコミュニケーションがとれる。

 最大17言語(英語、日本語、中国語(簡体字)、中国語(繁体字)、韓国語、タイ語、フランス語、インドネシア語、ベトナム語、スペイン語、イタリア語、マレー語、ミャンマー語、ドイツ語、ロシア語、メキシコ語、ポルトガル語)に対応しており、ホテル周辺のレストランや観光スポット、交通案内などさまざまな情報を得ることができる。

導入予定のサービス内容

・フロントへの問い合わせの自動化/効率化
・問い合わせの管理画面への通知
・多言語対応チャットボット
(TradFit独自開発)
・周辺施設への送客レコメンド
・ニュース/音楽/アラーム設定
・客室間/フロント電話
・室内家電のIoT化

HOTEL EMIT SHIBUYA (ホテルエミット渋谷) 施設概要

※2018年3月1日(木)グランドオープン

所在地:東京都渋谷区神南1丁目8番11号
客室数:72室(シングル36室・ダブル16室・ツイン20室) 
定員:108人
 ※全室禁煙 内ダブル一室バリアフリー対応

構造:鉄骨造7階建*耐震等級2取得
アクセス:東急東横線・田園都市線/東京メトロ半蔵門線・副都心線・銀座線
 「渋谷」駅徒歩6分
  JR山手線・埼京線・湘南新宿ライン/京王井の頭線 「渋谷」駅徒歩8分
サービス:フリーWi-Fi/インバウンドTV/アイロン貸出/携帯電話充電器貸出/荷物預かり/朝食(コンチネンタル・ブレックファスト)