日旅110周年で事業協力、小林会長が再任(日旅連)

小林喜平太会長があいさつ
小林喜平太会長があいさつ

 日本旅行協定旅館ホテル連盟(小林喜平太会長、2095会員)は2月18日、東京都内のホテルで2015年度通常総会を開き、任期満了にともなう役員改選では、小林会長の再任を決めた。日旅の中期経営計画とリンクさせ、法人・個人旅行営業の各部門と連携した取り組みを基本に宿泊販売の拡大を目指す。

 小林会長は「日本旅行の中期経営計画『アクティブ2016』の効果で順調に推移している。また、今年は日旅110周年の記念の年であり、旅連としては可能な限り協力し、さまざまな事業を展開していきたい」と語った。さらに、「外国人観光客も飛躍的に伸びており、おもてなしのサービス向上をはかる必要がある」と述べた。

 今年度は、第7回日旅連塾、日旅連ワークショップの開催に加え、6月26―28日に日旅と台湾観光協会が台湾・台北駅で開く「日本の観光・物産博2015」への参加、顧客紹介運動の推進、日本旅行創業110周年への各地域における事業への協力などに取り組む。

西川丈次氏が講演
西川丈次氏が講演

 総会後の記念講演では、本紙でコラム「もてなし上手」を連載する観光ビジネスコンサルタンツ社長の西川丈次氏が「偶然の出逢いを、必然のリピートに」をテーマに講演した。

6年ぶりに4千億円台、日本旅行・丸尾和明社長

 日旅連の総会に、日本旅行の丸尾和明社長が来賓として出席し、前年の業績や、今後の展望について語った。主な内容は以下の通り。

 

丸尾和明社長
丸尾和明社長

 今年は日本旅行創業110周年で記念の年。今年は“ハッピー返し”というスローガンで、感謝の気持ちを持ってさまざまな事業を展開していく。

 14年の全体の販売高は前年比5%増の約4160億円と、6年ぶりに4千億円の大台に乗った。前年から210億円伸びたが、このうち国内旅行が120億円、外国人旅行が65億円、海外旅行が25億円。

 国内旅行は団体が6%増、赤い風船が5%増、個札が2%増で、国内全体では5%増。一方、海外旅行は業務渡航が伸び、全体で2%増。外国人旅行は躍進し45%増となった。

 中期経営計画「アクティブ2016」の中核分野を見ると、教育旅行は4%増、MICEは3%増、BTMは7%増、インターネット販売は16%増と着実に伸びており、これら分野に人材を投入し、さらに拡大していきたい。

 15年はターゲット層を拡げる。赤い風船は昨年過去最高だったが、今年は女性、熟年、シニア層を牽引役としてさらなる更新を目指す。インバウンドは個人、団体とも増やしていく。東南アジアにも駐在員を派遣しており、現在、外国人旅行は、現在全体の売上の5%程度だが海外旅行と並ぶくらい成長させたい。

 国内旅行を活性化することが基本となる道筋だと考えている。しかし、地域によっては仕入が足りない状況も出ており、仕入強化にも取り組んでいく。 

ジャルパック新社長に藤田氏

藤田 克己氏
藤田 克己氏

 ジャルパックは2月18日に開いた臨時取締役会で、4月1日付で日本航空(JAL)北海道地区支配人兼ジャルセールス北海道支社長の藤田克己氏の新社長就任人事を決定した。現社長の二宮秀生氏は3月31日で退任し、JAL執行役員・旅行販売統括本部副本部長・国際旅客販売本部長・Web販売本部長、東日本地区支配人に就任する予定。

 藤田 克己氏(ふじた・かつみ)。1958年生まれ。1981年にJAL入社。2006年日本航空ジャパン国内営業部長、07年日本航空インターナショナル運航企画室付部長、08年同社シドニー支店長などを歴任し、10年から現職。

職員を全国から募集、金沢市観光協会

 金沢市観光協会は、3月14日の北陸新幹線金沢開業や、2020年の東京五輪に向け、金沢独自の観光素材のさらなる磨き上げや、着地型旅行商品の充実、国内外への情報発信などを目的に、観光関係の業務経験を持つ人材を、地方創生特別募集として、首都圏など全国から広く募集する。応募締め切りは3月9日必着。

 職務内容は、同協会事務局での旅行商品の企画、立案、造成のほか、観光誘致、宣伝、振興など観光に関する業務。採用枠は1人程度を予定。

 受験資格は、観光関係の職務経験が5年以上あり、国内旅行業務取扱管理者または総合旅行業取扱管理者の資格を有することなど。採用予定日は4月以降(採用予定者の就業状況などを考慮)。

 同協会ウェブサイト「金沢旅物語」(http://www.kanazawa-kankoukyoukai.or.jp/)から試験案内・申込書をダウンロードし、申込書と論文を郵送で提出。書類選考を経て、面接、適性検査などの第2次試験を3月22日に行う。

 問い合わせ=金沢市観光協会 電話:076(232)5555。

40年連続総合トップ10、日本の宿古窯を100選特別表彰

石井社長(左)から佐藤女将に表彰状手渡す
石井社長(左)から佐藤女将に表彰状手渡す

“次の節目を目指す”

 プロが選ぶ日本のホテル旅館100選を主催する旅行新聞新社(石井貞德社長)は2月18日、今年1月に40年連続総合トップ10入選の偉業を成し遂げた日本の宿古窯(佐藤信幸社長、山形県・かみのやま温泉)を訪れ、特別表彰を行った。

 石井社長が佐藤洋詩恵女将に表彰状を手渡した。佐藤女将は「(受賞は)多くの励ましがあったからこそ。日本文化、山形の風を伝えられる、あたたかい宿でありたい」と今後の努力を誓った。

 旅館100選の総合で40年連続トップ10入りしているのは古窯と加賀屋(石川県和倉温泉)の2館だけ。全国5万軒以上の宿泊施設から選ばれ続けていることについて石井社長は「顧客の要望が変わるなか、きめ細やかで温かいおもてなしを続けてきたことが、結果につながった」と評価した。

 古窯は旅館100選の企画部門で、今年19年連続1位に輝いた。その評価の1つとも言える手作りの「かわら版」は、6月に創刊30年を迎える。「原点に戻り、次の節目を目指したい」(佐藤女将)。

「モサエビ」プレゼント!鳥取県岩美町

 鳥取県岩美町から旬を迎えた「モサエビ」のプレゼントです!岩美町は日本海に面した県最北端に位置し、東西約15㌔のリアス式海岸「浦富(うらどめ)海岸」などが有名。新鮮な海の幸に恵まれ、なかでも「モサエビ」は最高級のエビとして近年注目されています。甘みが強く、プリプリとした食感が特徴。鮮度劣化が早く、そのほとんどが地元が消費されるため、「幻のエビ」とも呼ばれています。

 そのモサエビ約500g(3千円相当)を1名様にプレゼントいたします。応募希望者は、郵便番号、住所、氏名、電話番号を明記の上、下記アドレス宛てにメールで応募ください。メール件名を「モサエビ希望」としてください。応募締め切りは3月16日(月)です。頂いた個人情報は本プレゼント以外の目的では使用しません。

応募先
kansai@ryoko-net.co.jp

それでは、どしどしご応募お待ちしております!

<モサエビのイメージ>
mosa

専門家の視点 ― 大事な秘密は裏側に隠されている

 先日、クルマを整備に出した。随分長い間乗っているし、旅の相棒として、無茶な距離を走らせたりしているので、さぞかしお疲れのことと思いながらも、外見はまだまだイケているし、エンジンの調子も際立って悪くないので、放っておいた。悪い癖だ。

 整備場でリフトアップされたクルマの裏側を整備士と一緒に見た。オイルがつなぎ目から滲み出ていたり、パイプの裂傷などもあった。整備士の説明を受けながら、目を背けたくなる気持ちを堪え、長年酷使してきたクルマの傷み具合を直視して確認した。普段、クルマを外側からしか眺めることはないし、エンジンなどの心臓部の仕組みを見ることも少ない。室内に入るとデザイナーによって快適な空間が演出されており、外側のデザインは人目を引くように、その時代の最新流行のスタイルになっている。

 裏側は大抵グロテスクだ。蛇も表の模様は美しいが、裏側の白い腹は気持ち悪い。人間は裏側も意識するので、服の裏地にこだわったりもするが、蟹も、鰐も、裏側を見せる前提がないため、表裏のギャップは大きい。しかし、何事も大事な秘密は裏側に隠されているものだ。

 整備士を専門家と思うのは、クルマを常に裏側から見て、複雑な構造を理解し、調子が悪ければ、どの部分を交換すれば好調な走りに戻るか一目瞭然であることだ。一般的に、人は目に映る表面上の物事しか見ることはできない。その裏側や、内部の構造や、仕組みを知り尽くし、一般の人にきっちりと説明できる人を専門家と呼ぶ。

 医師は人間の内部の仕組みを理解しているから、目の動きや、肌の色など表面上からでも、どの部分が正常に機能していないかがわかることもある。

 一流の料理人は、肉や魚、野菜などさまざまな食材の構造を理解しているので、頭の中で料理を組み立てることができるし、一匙の味見で、多種多様な食材やダシが混在するなかで、何が足りないのかがすぐにわかる。そして、納得がいかなければ全体のバランスを崩さずに、味を調えることも可能で、食客には知り得ぬ、食材の持つ秘密を探り当てているのだろう。 

 ジャーナリストの池上彰氏は人気が高い。世界の動き、経済の動きに対しても、「どうしてこのようなことが起こってしまうのか」という社会構造を深く理解し、わかりやすく解説できるからである。

 レオナルド・ダ・ヴィンチは解剖学にも知悉し、人体を何度も解剖した経験があり、血管が人体をどのように巡り、骨の形や、筋肉、脂肪の付き方まで知り尽くしたため、「モナ・リザ」のような妖しい表情を描くことができたといわれている。

 旅館も、どこかクルマと似ている。外観は綺麗にデザインされ、館内は寛げるように意匠をこらしている。だが、クルマの裏側にあたるバックヤードは、お客の目に触れることはない。

 床が汚れているような表面的な乱れは、客やスタッフの目にも止まりやすく、修繕や清掃はすぐにできる。しかし、気を付けなければならないのは、バックヤードの不調和が表面のサービスに、鏡のように映し出されることである。旅館をより良くしようとするならば、表の意匠部分ではなく、見たくない裏側である内部の構造をしっかりと知ることが第一歩かもしれない。

(編集長・増田 剛)

No.394 「もてなしの達人」表彰式、優秀バスガイド・ドライバーも

「もてなしの達人」表彰式
優秀バスガイド・ドライバーも

 旅行新聞新社が主催する「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」「プロが選ぶ優良観光バス30選」の特別部門として、従業員を対象とした「第12回もてなしの達人」「第13回優秀バスガイド」「第2回優秀バスドライバー」の表彰式が2月13日、東京都港区の浜松町東京會館で開かれた。当日は表彰式のほか、優秀バスガイドによる1分間ガイドや観光ビジネスコンサルタンツの西川丈次氏の講演「創客を実現するおもてなし行動」を行った。

【13面に受賞者一覧】

 
 
 

総勢45人表彰、36人が出席

 今回の「もてなしの達人」は24人を選出し、受賞本人は16人が出席。「優秀バスガイド」は受賞者12人全員が出席した。また、今回2回目となる「優秀バスドライバー」は9人を選出し、8人が出席した。受賞者には表彰状と記念品が贈られた。

 各部門は全国の旅行会社からの推薦票をもとに選出される。毎年、「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」「プロが選ぶ優良観光バス30選」の投票期間中に、全国の旅行会社に配布した投票用紙に、各部門の記入もお願いしている。…

 

※ 詳細は本紙1577号または2月26日以降日経テレコン21でお読みいただけます。

日韓観光交流拡大へ、二階会長が1400人の訪韓団率いる(ANTA)

二階俊博ANTA会長(左)と卞秋錫KTO社長
二階俊博ANTA会長(左)と卞秋錫KTO社長

 全国旅行業協会(ANTA)と韓国観光公社(KTO)は2月14日、韓国・ソウルで「日韓国交正常化50周年記念――日韓観光交流拡大会議inソウル」を開き、さらなる連携による両国の観光交流拡大を誓う「日韓観光交流拡大宣言」に調印した。

 ANTAは同会議に合わせ、自由民主党総務会長も務める二階俊博会長率いる大訪韓団を結成。久保成人観光庁長官や菊間潤吾日本旅行業協会副会長、大塚陸毅日本経済団体連合会副会長・観光委員長らをはじめとする主要観光関連企業・団体のトップや、衆議院議員、地方自治体の首長、全国の会員企業ら総勢1400人が訪韓し、「KOREA TRAVEL EXPO 2015」に出展した「日韓相互送客・地旅博覧会」や、会議後の「日韓友好交流の夕べ」に参加し、両国の観光交流拡大を誓った。

 主催者代表あいさつでANTAの二階会長は、会議前日に朴槿恵(パク・クネ)韓国大統領を表敬訪問したことに言及。「日韓関係の改善へ相互に努力しようと意見の一致をみた」と報告し、「未来志向で日韓の問題を解消し、日韓国交正常化50周年を記念するいいスタートにしなければいけない」と語った。また、「ソウルだけでなく、地方への訪問も大切」と、地方間交流の重要性も強調した。

 KTOの卞秋錫(ビョン・チュソク)社長は、「日韓はさまざまな影響で友好ムードが高まっていないが、協力して観光交流人口を700万人へ拡大していきたい」と語り、2018年平昌オリンピック(五輪)と20年東京五輪での観光連携や、地方の相互交流拡大への取り組みについて触れた。

 日韓観光交流拡大宣言では、両国の観光当局や観光関係団体・企業が密接に連携し、双方向の友好・交流を積極的に推進することを改めて確認。また、(1)イベントや博覧会、文化・芸術交流、青少年交流、スポーツ交流、自治体交流などさまざまな交流事業の協力(2)地方交流活性化事業への積極的な取り組みによる地方観光の推進(3)18年平昌五輪と20年東京五輪での来訪促進協力――なども盛り込んだ。

 二階会長は会議翌日、「50周年の記念にこれほど大きな贈りものはない」との韓国側からの謝辞の声を紹介。今回の訪韓成果について「日韓が感情的になっている面があるが、今回の訪問で韓国側から多大な歓迎を受け、会員企業も安心して韓国への送客に力を入れられると感じたのではないか」と語った。

 一方、今回の訪韓への返礼の意味も込め、韓国旅行業協会(KATA)の梁武承(ヤン・ムスン)会長は会議後の「日韓友好交流の夕べ」の席で、今年中に日本の東北地方へ会員旅行会社らによる大規模訪問団を送る計画を明かした。

新社長に片野坂真哉氏、ANAホールディングス

片野坂真哉氏
片野坂真哉氏

 ANAホールディングス(伊東信一郎社長)は2月13日の臨時取締役会で、片野坂真哉代表取締役副社長が4月1日付で代表取締役社長に就任することを決めた。

 なお、伊東社長は代表取締役会長に、大橋洋治取締役会長は相談役に就任する。

 片野坂 真哉氏(かたのざか・しんや)。鹿児島県出身の59歳。79年東京大学法学部卒業後、全日本空輸入社。92年運航本部管理室企画管理部乗員計画課主席部員、95年企画室主席部員、2002年営業推進本部マーケティング室レベニューマネジメント部長、04年人事部長を経て、07年執行役員、09年取締役執行役員、11年常務取締役執行役員、12年専務取締役執行役員に就任。13年からANAホールディングス代表取締役副社長執行役員。

リアル人生ゲーム

 1968年にタカラ(現タカラトミー)から発売され一世を風靡した「人生ゲーム」。ルーレットを回しながら億万長者を目指すボードゲームで、私も子供のころ、よく遊んだ。

 その「人生ゲーム」に見立てたイベントが1月24、25日、島根県・出雲大社の門前町・神門通りの商店街で行われた。タカラトミーの協力のもと、各店に備えられたルーレットを回しながら、架空通貨を集めていくという、まさにリアル人生ゲーム。2日間で3719人の参加があり、うち99・4%が「楽しかった」とアンケート回答した。

 仕掛け人の1人で神門通りおもてなし協同組合の平野裕二さんは「商店街活性化に長く取り組んできたが何をしてもダメだった。しかしこの人生ゲームで光が見えた」と自賛する。

【土橋 孝秀】