みなとみらい線の日本大通り駅直結 シタディーンハーバーフロント横浜開業

2023年6月26日(月) 配信

客室には港町ならではの船のモチーフを取り⼊れる

 アスコットジャパン(クリスチャン・ボーダー社長、東京都港区)は6⽉14⽇(水)、「シタディーンハーバーフロント横浜」を開業した。

客室からの眺望

 約半数の客室にはキッチンや洗濯乾燥機を完備するなど、1泊から長期滞在まで幅広いニーズに対応するサービスアパートメント。⼀部客室からは横浜ベイブリッジや⼤さん橋などのハーバービュー、晴れた日には富士山の眺望を楽しむことができる。

 また、愛犬と宿泊可能な客室も10室設けている。

 みなとみらい線の日本大通り駅に直結しており、山下公園や赤レンガ、横浜スタジアムなどの観光名所の徒歩圏内に立地する同ホテル。7階共⽤部には、屋外テラスにつながるキッチン付きラウンジを設けている。

朝食は珈琲館で

 朝食は、コーヒーを通じたコミュニケーションを大切にしていることから、1階にある老舗喫茶店「珈琲館」とコラボレーション。人気の「トラディショナルパンケーキ」など5種類のメニューを楽しめる。

 シタディーンが「その街に住む⼈々」を意味するフランス語であることから、街と⼈々をつなげ、その街での“暮らす・働く・遊ぶ”を満喫するための体験型プログラム「アクティベート(activ∞)」も用意する。歴史的建造物やカフェをめぐり、海風を感じながらのジョギングなどで横浜の街を楽しむコースを同ホテルのWebサイトで公開している。

 ホームウェアブランドとコラボレーションし、レジデントプログラムも開催する。同ホテルが建つ場所がパン食文化発祥地とされることにちなみ、料理研究家の丹下慶⼦⽒を講師に迎え、横浜にちなんだパン作りレッスンも行う。

オールシーズンリゾートへの後押し 苗場スキー場「苗場サマーパーク」に新アクティビティ―導入 

2023年6月26日(月) 配信

サウナはテントとバレル、2種類を用意

 苗場プリンスホテルと苗場スキー場(新潟県・湯沢町)は7月15日(土)から、「苗場サマーパーク」に新しいアクテビティ―を導入する。

 導入するのは「レインボースライダー」と「キッズストライダー」、「キッズマウンテンバイク」、貸し切りサウナの4種類。サマーパークの営業は、8月27日(日)まで。

 標高900㍍の大自然に囲まれた苗場プリンスホテルとその目の前にある苗場スキー場は、真夏でも平均気温が約20℃前後と涼しく避暑を楽しむことができる場所に立地する。新アトラクションの導入は、苗場の持つ“ここにしかない魅力”を再発信して、グリーン期の魅力アップをはかることが狙い。利用はチケット制となっており、1枚300円、15枚つづり3000円となる。

 8月26日まで苗場プリンスホテルでは、同パーク内で利用できるレジャーチケット付きの宿泊プランも展開する。滞在中、プリンス第2ゴンドラも何度でも乗車可能。料金は、1泊2食付きで、大人1万6747円、子供1万3397円から(1室4人利用時)。なお、7月24日から8月4日を除く。

 6月26日に品川プリンスホテルで行われた会見で苗場プリンスホテルの髙村嘉一郎支配人は、「オールシーズンリゾートへの後押し」を今回の新アクティビティ導入の理由と語った。

 そのうえで①四季折々でさまざまな姿を見せる絶景②標高9000㍍の豊かな自然を生かした体験③湯沢・南魚沼周辺ならではの食の提供④地域と連携したさまざまな体験の提供――の4つの視点での同ホテルとスキー場の取り組みを説明。

 「湯沢・南魚沼にはたくさんの魅力がある。これらをしっかり発信し、四季を通じさまざまなお客様に通用するエリアとして、また新潟観光の周遊拠点にしていきたい」とし、「2023年の苗場は、もう一度ここにしかない魅力を見つめなおし、地域として世界に誇れるマウント苗場を目指す」と力を込めた。

鈴木会長を再任 70周年の節目「日本を伝える」をテーマにセミナーを4回開催 (国際観光施設協会)

2023年6月26日(月) 配信

鈴木裕会長

 国際観光施設協会(鈴木裕会長、230会員)は6月15日(木)、ホテルメトロポリタン エドモント(東京都千代田区)で2023年度通常総会を開いた。任期満了に伴う役員改選で、鈴木会長の再任を決定。今年11月に創立70周年の節目を迎えるにあたり、「日本を伝える」をテーマにセミナーを4回開催する。

 このほか今年度の事業としては、引き続き公益的目的事業や協会活事業の推進、事業活動領域拡大推進の体制づくりを実施。技術的な提案力を生かし、観光領域に技術分野から光を当て、そこから新しいアイデアを生み出し、かつ育てる「インキュベータープラットフォーマー」を目指す。

 冒頭鈴木会長は今年協会設立70周年の節目に当たることに触れ、「長年協会を維持してこられたのは、皆様のおかげ」と謝意を述べた。そのうえでここ10年前の協会の活動を振り返り、「木づかい運動」や「LINKED CITY」、「フェーズフリー」などの成果を紹介。「ピュアなアイデアはたくさん出てくるし、それをビジネスにしてくれる人もいる。(これにより)当協会のビジョンも発展の余地が見えてきた。次の10年の発展に向け、変わらない協力を」と呼び掛けた。

涌井前副会長に感謝状を授与

 会の最後には、今総会をもって退任する涌井史郎前副会長と姫井誠前事務局長に対し、感謝状が授与された。なお涌井氏は、引き続き相談役名誉副会長として、協会活動に協力する。

秋葉原ワシントンホテル、朝食に「かき氷」登場 自家製シロップをかけて

2023年6月26日(月) 配信

左からマンゴー、メロン、イチゴのフルーツシロップ

 藤田観光が運営する秋葉原ワシントンホテル(亀井英雄支配人、東京都千代田区)は、6月27日(火)から朝食ビュッフェで自家製シロップをかけて楽しむ「かき氷」の提供を始める。同企画は、氷菓好きのフロントスタッフとデザートレシピに長けたキッチンスタッフが生み出しカタチにした。

 自家製フルーツシロップのラインナップは、メロン、イチゴ、マンゴーの3種類。濃厚でしっかりとしたフルーツ感たっぷりのシロップは、フルーツをそのまま食べているような満足感ある贅沢な逸品という。

 また、朝食で出しているドリップコーヒーを凍らせた「コーヒーかき氷」も用意する。同ホテルによると「キッチンで煮詰めて作った香ばしい『オーツミルク練乳』をかけるのもおすすめ」と紹介している。

2023阿波おどり 訪日客向け最高級桟敷席20万円で売り出す(アソビュー)

2023年6月26日(月) 配信

プレミアム桟敷席イメージ図

 アソビュー(山野智久CEO、東京都品川区)はこのほど、8月12(土)~15日(火)に開かれる「2023阿波おどり」のインバウンド向け最高級桟敷席「AWAODORI hospitality seat」を売り出した。観光庁で実施している「観光再始動事業」に採択された取り組みで、阿波おどり未来へつなぐ実行委員会と共同で造成した。

 400年以上続く阿波おどりの歴史と伝統を、持続可能なカタチで存続し発展に寄与することを目的として取り組む。

 徳島市内の藍場浜演舞場にプレミアム桟敷席を設置。踊り連による踊りの解説を聞きながら、徳島の名産の阿波尾鶏などの食材を使った料理を楽しむことができる。また、南内町演舞場では従来の観覧席よりもゆとりあるスペースを確保した特別観覧席を用意した。

 プレミアム桟敷席(徳島市藍場浜演舞場)は、8月14日(月)まで販売。1人当たり税込み20万円。1公演当たり全40席(4人ソファ席×5テーブル)に食事、踊り連の解説付き。2人から購入が可能。

 特別観覧席(徳島市南内町演舞場)は8月15日(火)まで販売。1人当たり税込み1万5000円。1講演当たり全80席を予定。1人から購入できる。

WILLER EXPRESS、三島羽田シャトル 7月21日から3往復運行

2023年6月26日(月) 配信

静岡県の三島エリアと羽田空港を結ぶ直通バス

 WILLER EXPRESSと東海バス、伊豆箱根バスの3社は、7月21日(金)から高速バス「三島~羽田線(愛称=三島羽田シャトル)」の運行を開始する。

 静岡県の三島エリアと羽田空港を結ぶ直通バスで、三島エリア発は午前3便、羽田空港発は午後3便の毎日3往復を運行する。羽田空港第3ターミナルに直結する羽田エアポートガーデンバスターミナルへ、乗り換えなしでアクセスでき、途中横浜駅を経由し、新木場駅が起終点となる。

 大人片道の運賃は、横浜駅(YCAT)発着が2400円、羽田空港・新木場駅発着が2800円。事前予約限定の「予約割引プラン」なら200円引き、「プレミア会員」ならさらに300円引きで利用できる。

 このほか、三島行きでは、航空機の到着遅延などで予約した便に乗車できない場合、出発時刻を過ぎると自動で予約が取り消しされ、手数料無料で全額払い戻すサービスを提供。三島大場に、パークアンドライドサービス対象の駐車場(事前予約制)を設け、マイカーと高速バスを乗り継いで空港まで移動できる。

 予約方法は、公式サイト「WILLER TRAVEL」から。

雨の日は飴ちゃんプレゼント 大阪水上バス「アクアライナー」

2023年6月26日(月) 配信

60分キャンディーを乗船中舐めていられるか勝負

 大阪水上バス(奥村茂之社長、大阪府大阪市)は6月24日(土)から、雨の日に乗船した小学生以下の子供に、アクアライナー乗船中に舐められるキャンディーをプレゼントする「雨の日飴ちゃんキャンペーン」を実施している。7月9日(日)まで。

 期間中、乗船日当日が気象庁から午前5時に発表される天気予報で、午前10~午後4時までのどこかで降水確率が60%以上だった場合、「60分キャンディー」をプレゼントする。同社は「アクアライナーの約40分の乗車時間よりも長い時間舐められるか、勝負しよう」と呼び掛けている。

 大阪定番クルーズの「アクアライナー」は屋根付き、冷暖房完備の船のため天候に左右されることなく大阪城や中之島など、観光スポットが楽しめる。

 同クルーズは毎日、1日9便運航している。乗船料は大人1600円、子供(小学生)800円。幼児は大人1人につき1人が膝上の乗船で無料になるが、無料乗船の幼児は飴プレゼントの対象外。

浅草で初の沖縄フェア 東京沖縄県人会が7月8・9日に開催

2023年6月26日(月) 配信

浅草で沖縄文化発信

 東京沖縄県人会(仲松健雄会長、東京都中央区)は、東京・浅草で7月8日(土)・9日(日)に「沖縄フェア in 浅草」を開く。浅草おかみさん会の冨永照子会長をはじめ開催地周辺地域の協力のもと、浅草すしや通り商店街で開催する初めての沖縄フェア。東京を代表する県人会ならではのネットワークを駆使し、ほかにはないイベントを展開する。

 今回のイベントは東京の人気スポット、浅草で沖縄を発信することで沖縄文化を東京に広めるのが狙い。琉球王国として独自の文化を育んできた沖縄文化を通し、来場者に「ちむどんどん(胸が高鳴る気持ち)」・「笑顔」・「元気」を届ける。

 芸能ステージでは、琉球舞踏やエイサー、三線などバラエティに富んだ内容を用意する。また、ワークショップで沖縄文化が体験できるほか、キッチンカーでグルメも堪能できる。

「提言!これからの日本観光」 「快速列車」考

2023年6月25日(日) 配信

 近年、JR各社で「快速」列車を多く見掛けるようになった。「快速」列車は、急行料金のいらない急行並の高速列車として人気が高く、乗客も多い。とくに民鉄の高速列車が充実している関西地方では、JRも「快速」電車を各線に多発していて、両者が切磋琢磨しつつサービスを競っている。

 その「快速」列車はいつごろ、始まったのであろうか(鉄道各社での急行料金収受の始まりは1906年のことであり、それまでは国・民鉄とも、今様にいうならば高速列車はすべて快速列車だった)。「快速」列車は、急行料金を収受しない通過駅のある高速列車のことであるが、この名の普及は35(昭和10)年ごろからで、始まりは関西地区で伊勢参宮のための臨時列車あたりが、そのはじめであったと考えられる。

 “紀元2600年”記念行事を控えたそのころ、伊勢参宮客が漸増し、旧国鉄でも参宮臨時列車が増発された。最盛期となる1940(昭和15)年ごろには、姫路駅(兵庫県姫路市)から毎日片道2本、旧名称が湊町駅である現在のJRなんば駅(大阪府大阪市)と、名古屋駅(愛知県名古屋市)から各2本、さらに東京駅(東京都千代田区)から夜行1本の参宮「快速列車」が運行されていた。

 しかし、「快速」列車は列車種別上、普通列車であり「時刻表」にも快速の表示はない。当時の駅での案内上、通過駅のある急行料金のいらない列車を「快速」として案内したのが、その始まりといわれる。

 その発祥が関西地方であったのは30(昭和5)年ごろ、民鉄が現在の大阪上本町駅(大阪府大阪市)~宇治山田駅間(三重県伊勢市)の100㌔を超える長距離路線を開業し、ここに料金不要の急行電車を運行したのが動機になったからである。

 この列車の盛況を念頭に、当時の国鉄が参宮快速と銘打って、姫路と湊町、名古屋の3方面から毎日、片道2―3本の急行並の速度をもつが料金不要のサービス列車を走らせたのが、その始まりとされる(当時関西では“快速度”列車として案内)。一方、民鉄は「参宮急行」「大阪電軌」の両社が伊勢参宮列車を料金不要の特急または急行電車などとして案内した。

 旧国鉄は料金のいらない(民鉄との関係からもいただけない)列車に「急行」の名が使えなかったので「快速」列車として案内したのが、その始まりと考えられる。

 従って、乗客案内上の商品名ともいうべきもので、列車種別としては、あくまで「普通列車」となっている。

 「快速」の名は、このような制約のなかで、「急行」の名が使えなかった当時の国鉄の苦肉の策としての命名であった。

 「快速」は、気軽に乗れる高速列車をイメージした商品名として定着し、半世紀を経った今日では、急行料金不要の都市圏の高速列車の商品名として定着愛用されるに至っている。

 

 

須田 寛

 

日本商工会議所 観光専門委員会 委員

 
須田 寬 氏
 
 
 
 

「観光ルネサンスの現場から~時代を先駆ける観光地づくり~(221)」 北の防人 赤れんが通信所(北海道稚内市)

2023年6月25日(日) 配信

赤れんが送信所A棟

 最北の町と言われる北海道稚内。訪れた5月下旬は、利尻富士がくっきりと見渡せる素晴らしい季節を迎えていた。今回の訪問は、そんな大自然の中にひっそりと佇む戦争遺跡「稚内赤れんが送信所」の保全・活用がテーマであった。1931(昭和6)年、旧海軍が北の防衛のための送信所として建設した赤れんが建物(旧海軍大湊通信隊稚内分遣隊幕別送信所)である。

 この送信所の歴史を知り驚いた。太平洋戦争開戦の真珠湾攻撃の電文「新高山登レ1208」は、択捉島単冠湾から真珠湾に向かう空母6隻の大連合艦隊に、この送信所から中継送信されたものであった。太平洋戦争の終結は、日本に悲劇的な結末をもたらした。択捉を含む北方4島、さらにはサハリン(樺太)の北緯50度以南の地は、ソ連軍の侵攻により島民たちは故郷の島を追われることになった。

 そんな悲劇の歴史を背負った赤れんが送信所だが、その歴史を後世に残し伝えていきたいと願う市民有志が、2006(平成18)年に「稚内市歴史・まち研究会」(富田伸司会長)を発足し、築90年を経過し、朽ちかけた3棟の赤煉瓦建物の保全活動に着手した。

 赤れんが送信所は戦後1959(昭和34)年までは米軍第一空挺部隊が駐屯したが、その後は放置されていた。2002(平成14)年に地元建築士会が調査し、これがきっかけとなり研究会が発足、少しずつ補修活動が始まった。

 3棟ある送信所のうち、一番小さいC棟の補修から始まった。既に屋根は抜け落ちていたが、地元板金組合の協力で屋根を葺き、建具組合などの協力で窓の修復が実現した。次に大きいB棟は、補修計画前の年の大雪で被害を受けたが、地元財団の多額の助成を得て屋根の半分程度は修復が実現している。268坪と最も大きいA棟は、ボランティアの手には負えず、未だ手付かずのままである。

稚内北防波堤ドーム(北海道遺産)

 今回開催したシンポジウムには、多くの市民が駆けつけ、赤煉瓦送信所の保全と活用をどうするか熱心に討議された。地域に残る歴史遺産の保全活用は、何よりも地域の理解が最も大切である。最近は補修や活用にクラウドファンディングやふるさと納税などが活用されているが、それも地元の方々の想いがなければ成功しない。

 稚内は、17世紀に松前藩が宗谷場所を開設して以来、ロシアとの交易と北方警備の国境の町として発展した。北の守りとして会津藩や秋田藩も大きな力を発揮した。明治には旧海軍がバルチック艦隊を見張る大岬海軍望楼なども設置された。

 また稚内から樺太(大泊)を結ぶ稚泊連絡船もあった。その駅舎などを海水から覆うドームが、北海道遺産となった北防波堤ドームである。研究会では、赤れんが送信所を含む稚内の歴史ストーリー(宗谷防人物語)を描いている。地域の地政学を語る物語として、のちのちまで語り継いでいきたい。

(日本観光振興協会総合研究所顧問 丁野 朗)