100周年の節目に稼動 小諸蒸留所が蒸留開始(軽井沢蒸留)

2023年7月6日(木) 配信

小諸蒸溜所

 軽井沢蒸留酒製造(島岡高志社長、東京都港区)は6月18日に長野県・小諸蒸留所の竣工式を行い、蒸留を開始した。今年は「ジャパニーズウイスキーの生誕100周年」という節目の年にあたる。起業家・島岡高志氏のビジョンやイアン・チャン氏のクラフトマンシップなど、軽井沢蒸留酒製造の創業者たちの情熱と信念の結晶であるこの蒸留所は、この記念すべき年に誕生し、稼働を始めることになった。

 世界的マスターブレンダーであるイアン・チャン氏は、師匠でありウイスキー業界のアインシュタインと呼ばれた故ジム・スワン博士の教えを受け継ぎ、ここで至高のジャパニーズウイスキー造りに挑む。熟成には、バーボン樽やシェリー樽のほか、ミズナラ樽、STR樽などの貴重な樽を使用する予定だ。(STR樽はShaved=切削、Toasted=加熱、Re-charred=焼き入れの処理を行った樽のこと)。

どの部屋からもポットスチルが眺められる

 ビジターセンターと一体になった蒸留所のデザインは、十河彰・麻美氏の設計により、周囲の自然に溶け込むように工夫されており、随所にこだわりが散りばめられている。ビジターセンター側の1階にはバーとショップ、2階にはウイスキーを楽しく学べるウイスキーアカデミーの教室があるが、ウイスキー造りを間近に感じてもらえるように、すべての部屋からフォーサイス社製のポットスチルを眺めることができる。

 ビジターセンターのオープンは7月23日。オープンの前後には、さまざまな企画を予定しており、7月1日には「小諸市民デー」として地元の人々を迎える特別内覧会を開く。また来年2月には、アジア圏の蒸留所として初めてWorld Whisky Forumを開催することが決定している。

「観光復活元年に」菅野会長を再任 農旅ホ連が総会開く

2023年7月5日(水) 配信

菅野豊会長

 農協観光協定旅館ホテル連盟(菅野豊会長、1001会員)は7月4日(火)、東京都内で2023年度通常総会を開き、任期満了に伴う役員改選で菅野会長を再任した。菅野会長は「今年は観光復活元年にしたい」と意気込んだ。

 菅野会長は「コロナ禍になり3年半が過ぎ、皆さん数え切れない困難を乗り越えてきたことと思う」と述べ、昨今の物価高や人材不足など経営課題にも触れた。一方、新型コロナウイルスの感染症の位置付けが5類へ移行したことで「トンネルを抜け、明るい兆しが見え新たなステージになったと感じる」と述べ、インバウンドの復活や国内の団体旅行にも動きが出てきたことに期待を寄せた。

清水清男社長

 総会に出席した農協観光の清水清男社長は、「昨年度は核となる団体旅行の全面的回復とはならず、会員の期待に添えなかった」と述べたうえで、「今年はステークホルダーに必要とされる企業になるため、未来に続くスタートの年と捉えている。会員には送客というかたちで応えていきたい」と力を込めた。

 旅ホ連の22年度は農協観光とともに国内団体旅行の増売促進やバス旅行の復活に向けた支援を行ったが、コロナ感染拡大の波が頻発し、振るわなかった。

 今年度は、団体旅行の復活による「宿泊券の拡大」をテーマに取り組んでいく。また、22年度から支部・支部連合会を改変し、本部役員組織を改編して本部と支部の2段階制に変更。今年度は12支部体制を整え、合理化して組織の活性化をはかるとともに、地域企画商品造成や地域の誘客活動を支援する。

西山健司新会長

 同日は農協観光協力みのり会(門田敏裕会長、896会員)も総会を開催。役員改選で、岡山・西の屋グループの西山健司氏が新会長に就任した。  

あつみ温泉萬国屋 庄内鶴岡の美食を堪能、350年守り続ける歴史感じて

2023年7月5日(水) 配信

萬国屋外観

 山形県鶴岡市のあつみ温泉萬国屋は、350年以上の歴史を誇り、46年連続で「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」に入選している老舗旅館。庄内・鶴岡の美食を味わえる会席膳や、あつみ温泉の豊富な湯量を生かした源泉掛け流し温泉付き客室などを提供する。かつては庄内藩の湯治場とされたほか、北前船の寄港先とされた庄内・加茂港が近く、豊かな文化が築かれた地で、歴史を守り続ける純和風旅館だ。

お休み処「雁木コーナー」で一息

 萬国屋では、コロナ禍の取り組みとして、軒先やひさしを長く張り出して雪除けの通路とする「雁木(がんぎ)」に着目した。使われていない宴会場の机と椅子に、緋毛氈(ひもうせん)を敷いて雁木に設置。屋根のひさしから色鮮やかな西陣織の御簾を垂らし、温海川のせせらぎが聞こえる温泉街の道にぼんぼりを灯して、華やかで風情ある趣に整えた。

 温海川のせせらぎを聞きながら、抹茶や和菓子を口にすれば、忙しい日常を忘れさせてくれる穏やかな時間を過ごせる。日が落ちれば、あつみ温泉街の夜をほんのり照らすぼんぼりの灯りと、カジカガエルの美しい大合唱が目と耳を癒してくれる。

 この「雁木コーナー」はあつみ温泉に訪れた人であれば誰でも利用できる「お休み処」として開放している。

 コロナ禍で制限されるものが多いなか、あつみ温泉を訪れた人に楽しんでもらうために、日本の宿・古窯(古窯グループ)の佐藤幸子副会長が考案。幸子氏は、「新しく何かを開発する必要はなく、既にあるものを工夫するよう知恵を絞りました。ちょっとしたアイデアで、お客様に喜んでいただけるような演出ができます」と語る。

雁木コーナー

 このほど、「食の都」といわれるほど豊かな食文化を形成している庄内・鶴岡の美食を堪能できる会席プランを売り出した。8月31日までの期間中、旬の海の幸を味わう和食膳を楽しめる。

 「旬のお刺身九重会席プラン」では、その日庄内浜で獲れた新鮮な旬の海産物を提供する。庄内浜産のサザエ・スルメイカ・水ダコなどを用意した9種類の刺身盛りのほか、殻ごと蒸し焼きにすることで旨味が凝縮された柔らかいアワビの踊り焼きなどを味わえる。

 また、2023年5月に開かれた「G7広島サミット」で各国首脳に振る舞われた白ワイン「鶴岡甲州2021」も提供している。現在では、萬国屋と東京・銀座の「GINZA SIX」のみに卸されている。平岡雅英料理長は、「刺身会席と相性が抜群のため、特別コース料理とのマリアージュを楽しんでいただきたい」と話す。

 このほか、庄内浜産のフグの唐揚げや、極上山形牛ステーキも用意。デザートの藻塩のキャラメルプリンも人気が高い。

 鼠ヶ関港・由良港・加茂港・酒田港など、庄内浜直送の新鮮な天然真鯛をふんだんに使った「鯛めし朝食」も外せない。真鯛の骨を焼き、その出汁で炊いた炊き込みご飯に、香ばしく焼いた真鯛の身をほぐして丁寧に混ぜ込んでいる。テーブルにはおひつで提供する。

 おすすめの食べ方は、まずは鯛めし単体で1杯目。次に鯛の刺身と一緒に2杯目をいただく。3杯目は、特製の胡麻だれを絡め、鯛の骨から取った出汁をたっぷりと掛けて「鯛茶漬け」を味わう。3度美味しい「鯛めし朝食」は、萬国屋の新名物として早くもリピーターを獲得している人気メニューだ。

 23年3月には宴会場・野の花亭を改装し、個室会食場「出羽三山」をリニューアルオープンした。プライベートな空間でゆったり美食を味わうことができる。

旬のお刺身九重会席イメージ(左)、鯛めし朝食イメージ
「鶴岡甲州2021」(左)、宴会場を改築した個室会食場

 客室は全91室で、全室檜風呂付。うち、32室は源泉掛け流し。

 最上階(10階)の源泉掛け流し露天風呂付ロイヤルスイートは、温海川沿いの眺望を臨む贅沢な客室。本間の大きな窓からは温泉街全体を見下ろすことができる。

 山側に位置し、新緑を浴びることができるプレミアムスイートも同様に源泉掛け流し露天風呂付。年内には露天風呂付客室を3室追加する予定だ。さらに、サウナ併設の庭園露天風呂も新たに増設する。

 古窯HDの佐藤信幸会長は、「当館だけではなく、あつみ温泉全体を盛り上げていきたい。季節の食材をPRするにしても、他の旅館と連携して、あつみ温泉全体で旬の味覚を味わえると宣伝していく」と語った。

ロイヤルスイートの源泉掛け流し露天風呂(左)、源泉掛け流し露天風呂付プレミアムスイート

8月15日、4年ぶりに諏訪湖花火開催 毎日花火も7月28日から

2023年7月5日(水) 配信

過去の諏訪湖祭湖上花火大会のようす

 第75回諏訪湖祭湖上花火大会が4年ぶりに、長野県諏訪市で8月15日(火)午後7時から開かれる。諏訪市湖畔公園前湖上で、雨天決行。

 2部構成で、参加煙火師10社23セットを予定する。第1部は煙火師10社が参加し、各賞を授与する競技花火を実施。第2部は水上スターマインを柱とした「ミュージックスターマイン」など、諏訪湖でしか見ることができない音と光の大迫力名物花火を打ち上げる。

 有料観覧席は特別マス席880席(55マス)、一般マス席1360席(85マス)、一般ハーフマス席416席(52マス)、ブロック指定席約2400席、石彫公園エリア指定席がS席約1600席、A席約1600席、B席約1800席、C席約1千席、湖畔公園エリア指定席約3900席、カメラマン席20席、立石公園カメラマン席(未定)、プレミアム団体席(22マス)、その他のチケット(車いす席など、未定)。

 料金は、特別マス席1マス(16人)16万円、一般マス席1マス(16人)14万円、一般ハーフマス席1マス(8人)7万円、ブロック指定席6千円、石彫公園エリア指定席でS席7千円、湖畔公園エリア指定席5千円など。

 公式臨時駐車場は11カ所(約3千台)設置。当日の混雑対策として有料事前予約システムを導入する予定。トイレは約340基、28カ所用意する。雑踏対策として諏訪湖祭湖上花火大会のインターネット動画配信のほか、東洋バルヴ跡地内にフードコートを設置する。

 有料桟敷内は禁煙。エリア外に臨時喫煙所を設営する計画だ。

夏の諏訪湖は毎日花火

 「諏訪湖サマーナイト花火」の開催も決定した。期間は7月28日~8月27日(※8月15日を除く30日間)で、小雨決行、荒天時中止の場合あり。時間は毎晩午後8時30分から約10分間。諏訪市湖畔公園前(諏訪湖・初島)から音楽とシンクロした1日約500発の花火を打ち上げる。最大5号玉、水上花火はなし。

 有料桟敷席は無いので湖畔公園内フリースペースで観覧する。専用駐車場も無いため、上諏訪駅横の市営駐車場(3時間無料)などを利用してもらう。

【ANTA支部長から~届けメッセージ~】大阪府支部 吉村実支部長 地域密着の団体旅行創り

2023年7月5日(水) 配信

吉村実支部長

 新型コロナウイルス感染症が5月より第5類になって、呼応するように旅行業界は活発に動き出しました。インバウドもほぼ回復し、休日、平日、問わず以前のように日本全国あふれているように感じられます。また、学校の遠足や修学旅行も以前と同じように復活しつつあります。

 この状況に、この4年間、耐えてきた旅行業者はやっとトンネルを抜け出し光明を得、まさに光を見るのが「観光」であると改めて実感いたしました。

 ただ、残念ながら、この4年間に、体力が続かなくリタイアした仲間の会員も見受けられ、今後の業界の厳しさも認識させられました。

 この先、旅行形態も大きく変わろうかと思いますので、どのように対応していくのかが課題になるでしょう。この空白の4年間を乗り切った旅行業者は、堅実で健全な経営を持続できると思っております。

 さらに、全国旅行業協会(ANTA)会員の持ち味は、地域密着の団体旅行が主流でありますので、この団体旅行に特化した施策を期待し、旅創りをしていきたいと思っております。1社で100歩よりも100社で1歩前進しましょう。

群馬県旅行業協会、新会長に小林氏 新理事の意見を会員に共有へ

2023年7月4日(火) 配信

政府の支援策や事業に関する情報をいち早く会員に伝える

 群馬県旅行業協会(武井哲郎会長、108会員)は6月30日(金)、前橋市内で2023年度通常総会を開いた。任期満了に伴う役員改選では、小林聡氏が新会長に就任した。今年度は政府や行政の支援策や事業に関する情報をいち早く、会員に伝える。さらに、会員同士の協業化や事業承継などのノウハウを㈲群馬県旅行業センターや㈱全旅と協力し、プラットホームとして推進できるよう事業を展開する。

 小林新会長は「コロナ後の旅行業について考えていくため、新たに5人の新理事が加わってもらった。いろいろな意見を聞きながら、全会員にも共有していきたい」と抱負を述べた。

小林聡新会長

 武井会長は「コロナ禍で大きな影響を受けたことに加え、相次ぐ旅行会社の不祥事でお客様から業界全体の信頼を失い、ネットを利用した直接予約への移行が加速する危機的な状況だ」と語り、これからの業績回復のために「早期の全容解明と再発防止を求めたい」とした。

武井哲郎会長

 会員には「コロナ禍で多くの課題を抱えていると思うが、まずは元気に前を向いてほしい」と呼び掛けた。

 来賓の㈱全旅の中間幹夫社長は「これからも皆様のための会社で在り続けるために、インバウンドとクルーズなどを皆様の新しい生業となるように取り組んでいく」と話した。

中間幹夫社長

 また、「これまで複数の災害に遭ってきたが、不倒の精神で頑張ってきたと思う。来年の総会では、また皆様と顔を合わせて、笑顔を見たい」と語った。

    ◇

 新役員は次の各氏。

 【会長】小林聡【副会長】飯出瑞生【専務理事】小池靖之【理事】小川弘二▽武井哲郎▽福田一樹▽三浦敬二▽青谷佐智夫▽上原克之▽大沢由記▽中井啓之▽羽鳥喜代志【監事】狩野清高▽吉澤毅彦

23~25年度「訪日マーケティング戦略」 市場別・市場横断・MICEの3部構成(観光庁・JNTO)

2023年7月4日(火) 配信

このほど23~25年度を対象とする「訪日マーケティング戦略」を策定した

 観光庁と日本政府観光局(JNTO)はこのほど、2023~25年度を対象とする「訪日マーケティング戦略」を策定した。今年3月に策定された「観光立国推進基本計画」で掲げた持続可能な観光・消費額拡大・地方誘客促進の実現を目指す。

 この中で具体的な数値として掲げた訪日外国人旅行消費額5兆円、消費額単価1人当たり20万円、訪日外国人旅行者1人当たり地方部宿泊数2泊、訪日外国人旅行者数の19年越え──など、早期での政府目標の達成を目標としている。

 同戦略は、持続可能な観光を念頭に置き、①ビジット・ジャパン重点市場ごとの「市場別戦略」②高付加価値旅行やアドベンチャートラベル(AT)、大阪・関西万博に関する「市場横断戦略」③国際会議・インセンティブ旅行の誘致に向けた「MICE戦略」──の3部構成。

 市場別戦略では、各市場から旅行消費単価や地方訪問意向が高いターゲットを選定し、各ターゲットの興味関心に応じたプロモーションの訴求テーマ・観光コンテンツをまとめる。併せて、各ターゲットが触れているメディアや旅行予約方法を踏まえた効果的なプロモーション手法も、優先順位をつけて記載した。

 市場横断戦略は、高付加価値旅行の誘致に向け、国内関係者のネットワーク化やサービス内容の収集、セールスの強化などを進める。また、ATの国際団体アドベンチャートラベルトレードアソシエーション(ATTA)と連携し、日本各地で取り組みの支援を行い、誘客促進を目指す。大阪・関西万博に向けて、機運醸成を推進しながら、万博を契機とした地方誘客を推進していく。

 MICE戦略では、観光立国推進基本計画に加え、今年5月に策定した「新時代のインバウンド拡大アクションプラン」を踏まえ、万博やポストコロナの新しいニーズに応じた国際会議・インセンティブ旅行の誘致に取り組んでいく。

日本温泉協会が湯原温泉で会員総会開く 日本の温泉文化をユネスコ登録へ 推進委員長に多田氏を任命

2023年7月4日(火) 配信

日本温泉協会が岡山県・湯原温泉で総会開く

 日本温泉協会(笹本森雄会長、1157会員)は6月25日(日)、岡山県・湯原温泉の湯原ふれあいセンターで2023年度会員総会を開いた。今年度は、日本の温泉文化をユネスコ無形文化遺産に登録することを重点目標の第一に据えた。早期登録実現に向けて、多田計介副会長(全旅連前会長)を推進委員長に任命した。

笹本森雄会長

 笹本会長は冒頭、地熱開発の安全性に強い関心を寄せている協会の姿勢を示し、「日本の温泉源に影響を与えないように、地熱発電の開発は秩序を持って行うよう要望する」と語った。

 「2020年3月現在、全国70カ所で地熱発電が行われており、出力1千㌔㍗以上の地熱発電所が24カ所ある」と述べ、「大深度掘削による地熱開発が近隣の温泉源に影響を与える可能性は否定できない」(笹本会長)と強調した。

 そのうえで、①地元(行政や温泉事業者)の合意②客観性が担保された相互の情報公開と第三者機関の創設③過剰採取防止の規制④継続的かつ広範囲にわたる環境モニタリングの徹底⑤被害を受けた温泉と温泉地の回復作業の明文化――という5つの条件を国や開発業者に求めていると、地熱開発に対する協会のスタンスを報告した。

多田計介推進委員長

 さらに、「日本の温泉文化をユネスコ無形文化遺産に登録」推進事業については、「19年に鹿児島県・指宿温泉で開催した会員総会で登録推進が全会一致で決議された」とし、「ユネスコ登録までの道は長いが、早期の登録を目指す」と力を込めた。

 来賓には環境省自然環境局温泉地保護利用推進室の北橋義明室長をはじめ、伊原木隆太岡山県知事、太田昇真庭市長らが出席した。

 今年度は、日本の温泉文化をユネスコ無形文化遺産登録推進に加え、入浴エチケットポスター販売による入湯客のマナー向上や、温泉モニタリング装置開発普及への協力、レジオネラ属菌対策と温泉に関わる新しい課題の検討――などに取り組む。

 24年度の会員総会は宮城県仙台市の秋保温泉での開催が決まった。

パネルディスカッションのようす

 総会後には、温泉文化シンポジウムが開かれた。高崎商科大学特任教授の熊倉浩靖氏がコーディネーターを務め、パネリストには、古林裕久氏(プチホテルゆばらリゾート)、鈴木治彦氏(奥津荘)、金井啓修氏(陶泉御所坊)、佐藤和志氏(乳頭温泉郷鶴の湯温泉)の4氏が登壇。各温泉地に古くから継承されている文化や、今後の課題などを語り合った。

 夕刻からは、湯原国際観光ホテル菊之湯で情報交換会を開いた。

 翌6月26日(月)は、「第37回湯原温泉露天風呂の日」として、温泉之祖神参拝や、露天風呂(砂湯)の大掃除、お湯取りの儀、温泉感謝の集いなど、神事やイベントも行われた。

全旅協、二階会長が再任 「会員の事業継続が最重要課題」

2023年7月4日(火) 配信

更新要件の弾力的運用や、過重債務の救済措置などを求めていく

 全国旅行業協会(ANTA、二階俊博会長、5328会員)は6月29日(木)、東京都内で2023年度定時総会を開いた。任期満了に伴う役員改選では、二階会長の再任を決めた。副会長の近藤幸二氏(岡山県)と駒井輝男氏(東京都)、北敏一氏(石川県)は続投する。

 二階会長は「団体旅行の回復は緩慢で、未だに予断を許さない状況だ」との認識を示し、「会員の事業継続に向けた環境整備が最重要課題」と語った。旅行業登録の更新の要件となっている基準資産額をコロナ禍前の決算書類で算定することや、過重債務の救済措置、国内旅行の需要喚起などを政府や官公庁に要望。とくに自由民主党には、強く求めていく考えを示した。

二階俊博会長

 今年度は来年2月に、愛知県名古屋市で第18回国内観光活性化フォーラムを開催する。地元が誇る観光資源の魅力を全国に発信し、国内観光の活性化につなげる。さらに、地元自治体などとの連携も強める。

 二階会長は「観光産業は日本の成長戦略の柱で、地方創生の切り札。約5400の会員が協力し合うことで、いかなる困難も乗り越えることができる」と鼓舞した。

 また、人命を失う事故が昨年、相次いだことに触れ、「安全こそ全力で取り組まなければならない。業界の存続に関わる問題だ。ANTAとして貸切バス業界と連携し、安全体制を構築していく」と語った。

 来賓の和田浩一観光庁長官(当時)は観光立国推進基本計画が3月31日(金)に閣議決定されたことを説明。基本方針として持続可能な観光地域づくりとインバウンドの回復、国内交流の拡大を掲げたことを語り、「目標の達成には、官民の関係者が一丸となることが必要」と協力を呼び掛けた。

 その後懇親会が開かれ、斉藤鉄夫国土交通大臣が登壇し、全国旅行支援について7月以降も実施することを報告。「多くの旅行者に活用してほしい」と利用喚起を求めた。

斉藤鉄夫大臣

 小池百合子東京都知事は「東京の強みは観光を通じて誘客できること。これからも皆様の声を聞きながら、コロナ禍前に戻すだけでなく、質も向上させたい」と話した。

小池百合子知事

23年夏休みの旅行動向 海外は台湾、国内は近畿が人気(阪急交通社)

2023年7月4日(火) 配信

各部門で人気を集めた地域

 阪急交通社(酒井淳社長)はこのほど、2023年夏休み(7月15日~8月31日出発)の海外旅行・国内旅行の予約状況をまとめた。調査によると、海外旅行の人気旅行先ランキングは1位が台湾、2位がヨーロッパ、3位が韓国となった。

 出発日のピークは1位が8月16日(水)、2位が7月27日(木)、3位が8月23日(水)。

 海外旅行は検査証明書の提示などが不要となり、4年ぶりに渡航制限が解除された。近距離で旅行日数が短い台湾や韓国、グアム・サイパンが人気を集めた。このほか、外国船による日本発着クルーズは、19年比2・2倍になるなど、コロナ前を上回る予約数となっている。旅行日数の長いヨーロッパもリピーターから選ばれており、なかでもスイスが1位となった。

 国内旅行では、1位が近畿、2位が北陸・甲信越、3位が東北となった。

 出発日のピークは、1位が7月23日(日)、2位が8月3日(木)、3位が8月5日(土)。

 4年ぶりに開催される花火大会や夏まつりもあり、コロナ前と比較して夏まつりが1・2倍、花火大会が1・7倍の予約数となっている。また、「飛鳥Ⅱ」や「にっぽん丸」など、邦船による国内クルーズも、夏まつりや花火開催の地を巡る内容となっており、コロナ前の1・4倍と好調に推移している。

 また、人気旅行先で1位となった近畿は、日帰りバスツアーが牽引した。2位の北陸・甲信越では、長野県・長岡の花火大会を観賞するツアーや、高原リゾートで過ごすツアーなど、夏の季節感や自然をテーマとした旅が人気を集めている。