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「旅館コンサルタント大坪敬史の繁盛旅館への道(64)」 V-RESASを活用してのマーケティング

2021年9月17日(金) 配信

 緊急事態宣言が繰り返され、広域観光に厳しい状況が続いています。

 一般消費者には自粛に対して我慢ができなくなっている層と、ワクチン接種を終えて安心している層がいますので、この2つの層は緊急事態宣言に関わらず旅行に行くことが予想されます。

 ただ、全体的には「宿泊客数は限られている状態」でもあります。

 つまり、需要が低調な状態が続いているので、供給(宿泊施設)側へ、単価を下げる圧力が掛かることは、間違いありません。

 日本全国を移動するような観光が難しくなるなか、地域内観光は比較的実施しやすい環境にあります。

 それぞれの宿泊施設では、月別に「どこからお客様が来館されたか」というデータを取っていると思いますが、それを「地域」としたときに、同じ指標が出ているかは分かりません。

 例えば、神戸にある宿では、年間を通じて大阪からのお客様は多いが、神戸エリアでは地元の兵庫県からのお客様が多い、ということはよくあることです。

 そんなとき、地域の観光協会などが正確な指標をとって公表されていればよいのですが、指標はとっていても公表されずに内部資料として埋もれていたり、指標そのものを把握していない観光協会などもあるようです。

 一部のDMOなどはそういった指標をリアルタイムに把握し、地域のマーケティングに役立てる事例もあるようですが、まだ数が少ないのが実情です。

 そこで、少し広域レベルの状況になりますが、「V―RESAS(Vital Signs of Economy)」というサイトがあります。

 「V―RESAS」(https://k.d.combzmail.jp/t/5104/k0uk7wq0uypj3xiw7pQxi)は、新型コロナウイルス感染症が地域経済に与える影響を可視化するために「内閣府地方創生推進室と内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局」が開設し、情報提供しています。

 全国やおもに全国都道府県単位で「人流」、「消費」、「飲食」、「宿泊」、「イベント」、「雇用」、「企業財務」などの切り口での指標が、ほぼリアルタイムでデータ公開されています。

 各都道府県の指標も公表されていることが多いですが、統計的にまとめるに、手間が掛かります。

 V―RESASでは、ワンクリックで興味あるエリアの動向が把握できるので、マーケティングの大きな手助けになり、地域の再活性化施策検討のためのデータとしても活用できます。

 コロナ禍後も、国にはぜひこういう観光指数の即時公表を、続けていってもらいたいと思います。

 宿泊施設が、自館の立地している地域に「どこからお客様が来ているか」が明確になれば、そこに向けた情報を発信することもできます。

 全国一律に無駄打ちすることなく、地域限定の施策を試されてみてはいかがでしょう。

大坪敬史氏

旅館コンサルタント 大坪 敬史 氏

大手旅行会社での実務業務を経て船井総合研究所入社。インターネットを駆使したWeb販促&直販売上倍増&即時業績向上ノウハウには定評があり、数多くの宿泊産業の業績向上に貢献。観光文化研究所を設立し代表取締役。

 

 

 

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