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小回りを利かせた企画を、業界初の共通クルーズ券開発

五島トラベル 五島 潔社長
五島トラベル
五島 潔社長

五島(ごしま)トラベル・五島社長に聞く

 五島トラベル(五島潔社長、東京都中央区)は、レストランシップのクルーズ企画を全国各地に展開し、家族連れから国賓まで幅広い多くの利用客に支持されている。全国のレストランシップを網羅しているほか、インターネットにいち早く対応し、業界初の全国共通クルーズギフト券を開発するなど、多方面でのフットワークの軽さが特徴の五島社長に話を聞いた。

【丁田 徹也】

 ――五島トラベルのこれまでの経緯を教えてください。

 企画事業自体は48年目になります。初めのうちは企業・地域団体の講演会などを企画していました。「お客様に喜んでいただくにはどうしたらよいか」を念頭に、どれだけお客様の目線になり、個々が持つ文化や価値観を企画に反映させることができるかを考えて参りました。

 バブルが崩壊して旅行業界が低迷したあと、企業などの組織・団体よりも、自由の利く個人旅行の需要が高まったため、個人に合わせた商品企画を考えた結果がクルーズでした。

 クルーズといっても企画したのは2―3時間で周遊するレストランシップで、これをバブル崩壊直後からインターネットで販売してみました。そのころは、まだインターネット販売に同業者があまりいなかったせいか注目されず、初めの半年は鳴かず飛ばずの状態でした。それでも品ぞろえを増やして販売していると、当時最大手旅行会社に次ぐほどの集客につながるようになりました。

 ――レストランシップについて具体的に教えてください。

 東京湾をクルーズする「ヴァンテアン(1717トン、約700人乗り)」は個室が多く、どんな人数にも対応できます。部屋も多彩で貴賓室からパーティールームまで用意しており、受入体制も柔軟でさまざまな企画ができるのが特徴です。

ヴァンテアンからの夜景
ヴァンテアンからの夜景

 ――レストランシップの魅力とは何でしょうか。

 五感をバランスよく満足させてくれるところや、バスや飛行機など団体旅行の窮屈なイメージがないところです。

 そして魅力を作り出すのはストーリーです。クルーズを予約するところからクルーズ後の思い出話に至るまでが一つのストーリーになるように私たちは企画します。また、手当たり次第に提案せず、お客様の価値観に合わせたオプションを段階的に用意するのです。これは食のアレルギー対策などに応用され、ほかの船会社より早く実現しました。

 「高いお金を払って船で食事をする人なんていないよ」と言われることもありますが、それはお客様が決めることで私たちが壁を作ることではありません。「たまには行ってみようか」というお客様をターゲットにして多く集客できるようにすればいいのです。インターネットをいち早く利用したのもこういったニーズのお客様が集まりやすいと判断したからです。

 「たまに」行くところを「気軽に」探せるというのも一つの魅力ではないでしょうか。こういったことを踏まえて、全国のレストランシップで使える共通のギフト券を作成し、昨年の9月から発売しています。全国共通で誰でも利用できるので通常のチケットに比べて制限が少なく利便性に優れています。各クルーズ会社の価格や販売方針などが違うので発売まで5年ほどかかりましたが、私たちは小回りが利くのでこのような企画を掘り下げていくことができるのです。

 ――アイディアはどこから得ているのでしょうか。

 例えば直接クルーズと関係のない婦人雑誌を読みます。読者層はこの時勢に高額な料金を払っても情報を求める層で、本当にラグジュアリーな生活を求めているのだと思います。このニーズがレストランシップの利用客層にもつながっており、こういった情報が大変参考になります。

 ――今後の展開について。

 蓄積したノウハウを同業者や関係者にフィードバックし、利用客だけでなく、同業者にも喜ばれるように心がけます。

 また、船以外の企画も拡大して販売したいです。現在はホテルオークラ・JALホテルズの共通宿泊ギフト券を五島トラベルのみで販売しています。船が発着できる観光地、イベントとのタイアップも増やしていきたいですね。

 私たちは、今後もお客様目線で物事をとらえ、いつまでも思い出に語ってもらえるような企画づくりを目指していきます。

 ――ありがとうございました。

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