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「もてなし上手」~ホスピタリティによる創客~(109)おもてなしを実行する前後にもおもてなし「お客様の旅に興味を持つ」

2020年2月5日(水) 配信

大切なお客様の旅に興味を持つ(写真はイメージ)
 今年の仕事始めは、1月6日の大分県日田市の旅館「うめひびき」での社員研修からでした。依頼を受けてすぐに担当者から、当日の列車時間について「講演時間から逆算して、博多発の〇〇時のゆふいんの森号に乗ってお越しください」と連絡がありました。
 
 さらに、「この列車は非常に混雑しますので、12月7日の発売日に購入された方が良いですよ」とうれしいアドバイスもいただきました。
 
 今回は当日購入を予定しておりましたが、このアドバイスで12月7日に切符を購入でき、混雑期にも関わらず無事に往復の切符を手にすることができました。担当者からは8日に「切符は取れましたか」と、心配の連絡をいただきました。
 
 かつて、あるクライアント企業から、夜遅くにこんな電話を受けたことがあります。その日は、支援日でその企業に行った帰りのことです。あいにく天候が悪く、乗っていた列車も遅れていました。何とか自宅まで帰ることができたのですが、その直後に「無事に帰れましたか」という連絡がありました。
 
 また、別の企業ではこんなことがありました。いつもは駅まで送ってもらうのですが、この日は次の予定地に向かうため、企業の担当者が空港まで送ってくれることになりました。しかし、空港まで向かう道中、強い風が吹いていて「飛行機は飛ぶかなぁ、大丈夫だろうか」と内心、ひやひやしていました。
 
 空港に到着すると、企業担当者が「少しここで待ちますね。もし欠航でしたら、すぐに駅に送らせてもらいます」と車を停めて待っていてくれました。
 
 私はすぐに車を降りて、飛行機が運航することを確認すると、担当者に送迎の感謝を述べ、「ではまた、来月よろしくお願いします」と言葉を交わして別れました。遠路遅い時間にも関わらず、心配をしてお待ちいただけるというのです。
 
 「おもてなしセミナー」や講演時には、こうした私自身が受けた素敵なおもてなし事例を、たくさんお話しています。すると旅館関係者から「私も宿泊されたお客様が、無事にお帰りになられたか気になります。天候の悪い日などはご迷惑かもしれませんが、(無事お帰りになられたか)ご連絡を入れるようにしています」と話をされていました。
 
 ご縁をいただいたお客様へのおもてなしは、出逢ってから別れるまでのサービスを提供する、短い時間の中だけで実行されるものではないのです。お越しいただく交通機関や宿を出発された後まで、大切なお客様の旅に興味を持つこと。その時間を一生懸命に過ごすからこそ、お客様への想いは高まり、おもてなし力が養われ、創客というビジネスの目的が達成できるのです。

 

コラムニスト紹介

西川丈次氏

西川丈次(にしかわ・じょうじ)=8年間の旅行会社での勤務後、船井総合研究所に入社。観光ビジネスチームのリーダー・チーフ観光コンサルタントとして活躍。ホスピタリティをテーマとした講演、執筆、ブログ、メルマガは好評で多くのファンを持つ。20年間の観光コンサルタント業で養われた専門性と異業種の成功事例を融合させ、観光業界の新しい在り方とネットワークづくりを追求し、株式会社観光ビジネスコンサルタンツを起業。同社、代表取締役社長。

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