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「津田令子のにっぽん風土記(52)」安曇野の新しい魅力「田んぼアート」~ 長野県安曇野市編 ~

2019年8月21日(水) 配信
信州安曇野田んぼアート2019図柄。常念岳や屋敷林も見える
安曇野市観光協会 事務局長 白澤勇一さん

 長野県安曇野市にある安曇野スイス村で9月29日まで、水田をキャンバスに見立てて色の異なる8種類の稲で絵を描く「信州安曇野田んぼアート」が開かれている。絵のテーマは「いだてん」。
 
 今年のNHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺~」の前半の主人公・金栗四三を演ずる中村勘九郎さんの顔とドラマのメインビジュアルに使われている四三の走る姿が壮大に描かれている。
 
 田んぼに隣接して建てられた高さ6・6㍍の展望台から綺麗に見えるよう、遠近法を使って綿密に測量し、広さ6700平方㍍の広大な田んぼに丁寧に手植えすることによって、立体感のある田んぼアートを実現している。
 
 田んぼアートの奥には夏の強い日差しや、冬の風雪を除けるため民家の周りに植えられた「屋敷林」と、「雄大な北アルプス」が聳え立つ。
 
 「アート絵の背景に植えられているのは〈風さやか〉という長野県オリジナル品種の稲で、周囲の田んぼに植えられた〈こしひかり〉と比べると少し色が明るく額縁の中に絵が浮き上がってくるようです」と、安曇野市観光協会の白澤勇一事務局長は話す。
 
 田んぼアートは2016年、「信州まつもと大歌舞伎」の関連イベントとして、松本市島内で開催されたが、歌舞伎役者の中村勘九郎さんや信州まつもと大歌舞伎実行委員会関係者から打診があり、安曇野市や観光協会、商工会、JAなどで今回の実行委員会が組織された。「安曇野ではこれまでやったことのないロングランイベント。大きな観光誘客になるだろうと思いました」と白澤事務局長は語る。絵を田んぼに描き出すため約3500地点に葦の枝を立てた。田植えは市民ボランティア、農業高校の生徒、実行委員会など延べ550人で4日間かけて行われた。
 
 「これから稲は黄金色に実る時期を迎えます。絵の背景色が変わるこの時期、一番の見ごろになります」。現地までは車のほか、駅から「安曇野周遊バス」や「シェアサイクル」でも行ける。
 
 田んぼアートと組み合わせてさまざまな安曇野の魅力に触れることができる。「大王わさび農場では、安曇野の特産でもあるわさびの栽培風景の見学をはじめ、アウトドア体験も可能。わさびソフトクリームや信州サーモンなど、食も楽しめます。最近では、夏野菜カレーもお薦め。安曇野は広いので、掘り下げるとマニアックな楽しみ方ができます」と話す。
 
 

コラムニスト紹介

津田 令子 氏

 社団法人日本観光協会旅番組室長を経てフリーの旅行ジャーナリストに。全国約3000カ所を旅する経験から、旅の楽しさを伝えるトラベルキャスターとしてテレビ・ラジオなどに出演する。観光大使や市町村などのアドバイザー、カルチャースクールの講師も務める。NPO法人ふるさとオンリーワンのまち理事長。著書多数。

 

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