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訪日客数、東アジア市場で6ヵ月ぶりにそろってプラス 訪日消費額4-6月期は1.3兆円で過去最高も韓国は減

2019年7月18日
編集部:平綿 裕一

2019年7月18日(木) 配信

田端浩長官(7月17日、東京・霞ヶ関の国交省内で)

 観光庁の田端浩長官は7月17日に会見を開き、2019年6月の訪日外国人旅行者数は前年同期比6・5%増の288万人で6月として過去最高だったと発表した。東アジア4市場(韓国・中国・台湾・香港)からの旅行者数は18年12月以来、6カ月ぶりにそろって前年同期比を上回った。ただ韓国と台湾は1%を切る伸び率に留まった。上期をみても動きは鈍く、訪日客の総数は同4・6%増の1663万人だった。総数のうち2位を占める韓国との関係が冷え込むなか、政府目標達成に向け難しい局面に立たされている。

訪客数の推移

 韓国向け輸出管理の運用見直しのあと、日韓関係には暗雲が立ち込めている。観光庁によると、一部インセンティブツアーの取り消しがあったことが分かった。

 田端長官は「(訪日韓国人旅行者の)大半を占める個人旅行への影響は限定的」と述べ、現時点では大きな影響はないとした。一方で、「韓国世論の動向などによって、今後訪日旅行を控える動きが生じることも否定できない」との考えを示し、「観光交流は未来志向の日韓関係の基盤だ。引き続き相互交流の拡大に努める」と力を込めた。

 他方、昨年は自然災害が多発した。6月の大阪府北部地震や7月の西日本豪雨、9月には北海道胆振東部地震などがあった。旅行控え、風評被害により訪客数の伸び率は鈍化していた。19年7月以降の伸び率は、18年の同期間が振るわなかった分、反動増なども注視する必要がある。田端長官は「一昨年の数値なども参考に考慮する」ことが重要だとした。

19年上期の各月の状況

 6月の東アジア4市場の訪客数は、中国が前年同期比15・7%増の88万700人、韓国は同0・9%増の61万1900人、台湾は同0・9%増の46万1100人、香港は同1・7%増の20万9千人。4市場で総数の75%以上を占めた。

 このほか、主要20市場のうち、16 市場(韓国、台湾、香港、シンガポール、フィリピン、ベトナム、インド、豪州、米国、カナダ、英国、フランス、ドイツ、イタリア、ロシア、スペイン)で6 月として過去最高を記録した。

 上期の訪日客の総数は1663万3600人(同4・6%増)。政府目標の2020年に4千万人を達成するためには、18年が3119万人だったため、単純計算で19年年間を2ケタの伸びで折り返したい。ただ現状では、残りの半年、月平均で20%ほど増やしていかなければ厳しい。ラグビーW杯や東京五輪などのビッグイベントを目前に控えるなか、訪客数増加の流れをいかに勢いづかせることができるかが、カギとなりそうだ。

2019年4-6月期の訪日外国人消費動向調査

 19年4-6月期の訪日外国人旅行消費額は前年同期比13・0%増の1兆2810億円だった(1次速報)。19年上期では2兆4326億円となり、それぞれ四半期、半期として過去最高となった。

 四半期を国・地域別でみると、中国が4706億円でもっとも大きく、全体の36・6%を占めた。次いで台湾が1457億円(同11・4%)、韓国が1227億円(同9・6%)、米国が946億円(同7・4%)、香港が904億円(同7・1%)となり、上位5カ国で全体の7割を占める。

 18年同期からの増減でみると、中国が974億円増で、台湾は19億円減、韓国は79億円減、米国が92億円増、香港が83億円増で、中国に大きく支えられていることが分かる。

 費目別の構成比は、買い物代が36・6%(4689億円)で最も多く、宿泊費は29・1%(3729億円)、飲食費が21・1%(2703億円)となった。政府が力を入れる体験型コンテンツなどの娯楽等サービス費は3・3%(424億円)だった。

 訪日外国人(クルーズ客除く一般客)1人当たりの旅行単価は15万7千円で、前年同期比7・8%増だった。フランスが24万2千円で最も高かった。次いで英国が23万5千円、オーストラリアが23万2千円の順で高い。

 一方で、20年に訪日客数4千万人の目標とともにある消費額8兆円の達成には、1人当たりをおよそ20万円にまで引き上げる必要がある。訪日外国人旅行消費額で3位につける韓国は、一人当たりの旅行単価は6万9013円で、中国の22万7221円と比べて3分の1以下と低い。これまで旅行者数の量でカバーできたが、日韓関係の冷え込みにより見通しは怪しく、各国の単価向上の取り組みが急がれる。

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