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主戦場はネット上に ― 旅館の本分が一番大事(9/21付)

2011年9月21日
編集部

 旅行予約サイト「じゃらんnet」を運営するリクルートが同社に加盟する旅館・ホテルのフェイスブック公式ページを一方的に作成し、7月1日から公開したことに、旅館業界が不信感を抱き猛反発。その後、旅館業界が同社に抗議し、9月30日をもって完全削除されるいう。リクルートにとっての利点は、フェイスブックから被リンクが増大することで、各旅館の公式ホームページよりも上位表示され、ネット上で宿泊予約をする場合、個々の宿の公式ホームページや他サイトよりも優位に立てるSEO(検索エンジン最適化)効果を狙っているのではないかと推測する専門家もいる。 9月15日に開いた全旅連青年部の臨時総会で、横山公大部長は、「今ここで我われがしっかりと勉強していなければ、2、3年後、5年後には旅館業界は対応できなくなる」と危機感を露わにした。
 かつては、宿泊業界は旅行会社との間で敵対する場面もあったが、今は旅行予約サイトとの間で手数料率アップも含めた戦略上の攻防が激化し、ネット上が主戦場となっている。今回はリクルート社との間で軋轢が生じたが、おそらくこれは序章に過ぎないのだろう。
 臨時総会では「ソーシャルネットワークにおける今後の活用方法」をテーマに佐野康治氏(ビジネスホテルビーエル)が講演。「ツイッター、フェイスブック、グーグルプラスなど、新たなものを追いかけないと生き残れない状況。ネット業界では『眠ったら死ぬ』と言われる」と助言した。昨今、ネット上のテクニックが主となるセミナーもよく開かれる。ホームページの作成方法、SEO対策、クチコミ情報に対する正しい返答方法、フェイスブックを活用した有効な集客方法……等々。旅館もタイヘンな時代になった。ソーシャルネットワークの活用法を熟知し、踊らされずしっかりとした考えを持つ宿主ならまったく心配ない。どんどん活用し集客につなげ、間違いなく大きな武器となるだろう。経営者として本当に優秀なのだと思う。だが、宿に確たる理念がなければ、これらが単なる小手先のテクニックにしか感じないのだ。
 旅館の本分とは何かという一番大事なものを見失っては意味がない。ネット事業者の土俵上で、彼らの利益のためだけに宿が踊らされることがないように願う。^t(編集長・増田 剛)

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