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直販含め宿サポート、消費者へは旅館発信ハブに

2013年12月1日
編集部

篠塚 孝哉氏

WITグランプリの宿泊サイト「relux」

満足度の高い宿泊施設を厳選した会員制の宿泊予約サイト「relux」の運営などを中心に、ホテル・旅館向けのWebマーケティングサービスなどを展開するロコパートナーズ。今年のオンライン旅行業界の国際会議「web in travel(WIT)JAPAN2013」では、「relux」がグランプリを受賞し、10月のWITシンガポールで代表取締役の篠塚孝哉氏がサイトを紹介した。篠塚氏に起業の経緯やサイトの展望などを聞いた。
【飯塚 小牧】

≪ロコパートナーズ代表取締役 篠塚 孝哉氏に聞く≫

 ――会社の経緯や事業内容を教えて下さい。

2007年に新卒でリクルートに入社し、旅行事業の「じゃらん」に在籍して以来、旅行業界に身を置いてきた。しかし、11年に発生した東日本大震災を機に、自分自身に対し「チャレンジしていない」と感じ、一念発起して、同年9月に単独でロコパートナーズを起業した。当初は、ホテルや旅館のコンサルティングやマーケティングを展開していたが、半年前に宿泊予約サイト「relux」をオープンし、現在はこちらを中心に事業を行っている。

地域には、本当に良い旅館やホテルが多いが、日本には紹介するサイトがないことから、それらをまとめて紹介するものを作ればとても良いサイトができると思い、「relux」のサービスを開始した。現在、旅館を中心に全国の約80施設と提携している。

――宿泊予約サイトは他社もさまざま展開していますが、「relux」の特徴は。

高級な宿をまとめているサイトはあるが、満足度は十分加味されていないと思う。海外では同様のビジネスモデルはあるが、日本で競合するものはないと考えている。

施設にとっては結果、予約が増えるというメリットが一番大きいが、サイトに載ること自体がブランドになり、名前の浸透に役立つと価値を感じていただいている。今、「relux」では1泊2食付きの渾身の1プランしか紹介しない仕組みにしている。とはいえ、ほかのプランを見たいという方が多いので、施設のホームページリンクを貼っているが、こちらは副次効果を生んでいる。他のサイトでは、リンクも電話番号さえ載っていないことが多いが、我われは直販を含めて総合的にサポートしていきたいと考えている。その分、手数料は15%と他社と比べて高いが、ご理解いただいている。

サイトへ掲載するうえでの審査は厳しく、審査項目は100項目以上ある。一定以上の基準がないと参画できないので、お断りすることも多い。審査にあたっては、我われや信頼の置けるパートナーが実際に体験したものをもとに行っている。

一方、一般消費者へのアプローチについては、SNSを利用しており、フェイスブックの運用がとても上手くいっている。フェイスブックで編集記事として毎日違う旅館を紹介し、ファンが約4万人(11月末現在)と国内高級サイトでは圧倒的な人気がある。会員には、有料広告なしのメールマガジンを配信し、好評を得ている。30―40代の利用者が多いが、意外と旅館を知らないので、旅館の認知度向上のハブになれればと思っている。

――今後の展開については。

提携施設は、来年度400―500施設まで増やし、2年後には1千施設を目指している。現状、旅館が中心だが今後はホテルの取り扱いを広げていく。また、今は宿泊料金が2人で最低5万円以上の高級で高満足な宿をご紹介しているが、将来的には料金に関わらず、満足度の高い宿としてペンションや民宿も扱っていきたい。

――インバウンドに関してはいかがですか。

このほど海外向けに英語と中国語のサイトをオープンした。先日、シンガポールのWITに参加したが、海外オンライントラベルエージェンシー(OTA)からもいい反応だった。今後は、現地のアウトバウンド会社と提携することも考えたい。

日本文化というのは本当に素晴らしい。こういう事業を通して世界に発信していきたいと、シンガポールで改めて強く思った。それは日本人にしかできないことだ。「relux」は国内の方には日本を“再発見”してもらうためのツールとして、海外の方にとっては“新発見”のツールとして使ってほしい。旅館ごとにプロモーションが上手い下手はあるが、そこは旅館の仕事ではなく、我われの仕事だと思っている。紹介の仕方で魅力は絶対に伝わるはずだ。とくに、インバウンドで成功している旅館はごく限られているので、そこをしっかりサポートしていきたい。

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