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加賀屋・小田女将が語る、クレーム対応や社員教育(国際観光施設協会インテリア部会)

2013年3月1日
編集部
加賀屋・小田真弓女将
加賀屋・小田真弓女将

 国際観光施設協会のインテリア部会(寺本昌志部会長)は2月13日、東京都内で新情報発信グループ第9回研究会「和倉温泉・加賀屋女将 小田真弓さんに聞く」を開いた。小田真弓女将に会員の中川誠一氏が聞き手となり質問を投げかけた。旅行新聞新社が主催する「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」で33年連続1位に輝いたおもてなしの極意や、クレーム、社員教育、建築設計やインテリアデザイン、今後の旅館像などについて約2時間語った。
【増田 剛】

 加賀屋が「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」で初めて総合1位になったのは1981年。以後33年間連続トップに輝いている。初めて日本一の宿となった当時、能登渚亭を建てるに当たり、現会長の小田禎彦氏は「宝石のような宿をつくりたい」という強い思いで全国60以上のホテル・旅館を見て回ったという。「『日本一の宿』となったことで社員のやる気が盛り上がった」と小田女将は当時を振り返った。

 その後、宿は大型化し、現在では加賀屋本店だけでも客室係は150人を抱える。「今は12―20室の小規模の宿が人気を集めている。新婚旅行でも大型旅館は敬遠される時代になった」と語る一方で、「ご到着からお帰りまで“上げ膳据え膳”のスタイルを一貫して変えず、従業員を減らさなかったことが、高齢化社会で部屋食の要望が強くなってきている時代にも対応できることがよかった」と語った。最近若い男性の客室係を採用したことで女性客にも好評を得ていることも紹介した。「大型旅館は大型旅館なりのやり方を考えていかなければならない。加賀屋では『いかに小さく見せるか』を常に考えている」と話した。

 最近の傾向としては、「イタリアやフランスなどヨーロッパの方々が旅館やおもてなし、日本文化に対して興味・関心が高まっているのか、視察などが増えている」という。また、加賀屋を改装する際には、「本店はシンプルな純和風数寄屋造りのなかに、ベッドや、とくに水回りはホテルなど洋風の良いところを取り入れていきたい」と語った。

 クレームについては、怒られて学ぶことも多く、素直に謝ることでリピーターとなる宿泊客も多いという。さらに、「最も来てほしい客・最も来てほしくない客は?」という答えづらい質問に、小田女将は「クレームによって客室係を良い方向に指導していただけるお客様はウェルカムですが、(あまりに執拗なクレームなど)社員が怯え、委縮してしまうような、悪影響を与えるお客様は『来てほしくないお客様』になるのかもしれない」と語った。

 最近の宿泊客の傾向としては、「母と息子」のお客も増えていると紹介した。

 社員教育については、「お客様の満足度と、従業員が『加賀屋に入って良かった』と感じられることが同じくらいの度合いで大切」と語り、「一人ずつ根気強く、声をかけながらマンツーマンで育てている。『笑顔で気働き』をモットーに、自然に笑顔が出る会社を心掛けている」と語った。

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