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観光関連に102億円、復興枠5・8億円で福島支援も(13年度予算)

2013年2月11日
編集部

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 2013年度政府予算案が1月29日に閣議決定され、復興枠を含む13年度の観光関連予算は12年度予算(103億3900万円)比1%減の102億3200万円となった。厳しい財政状況を受けた予算編成となったが、何とか100億円の大台は確保。このうち、観光庁計上分は同3%減の96億5500万円で、復興庁計上の復興枠は同73%増の5億7700万円となった。9月にまとめた概算要求では、12年度予算の8%増となる111億7700万円を要求していた。

【伊集院 悟】

 予算項目は(1)訪日外国人3000万人プログラム(2)観光を核とした地域の再生・活性化(3)観光産業の再生・活性化(4)ワークライフバランスの実現に資する休暇取得の促進(5)観光統計の整備――の5本柱と、復興枠の(1)東北地域観光復興対策事業(2)福島県における観光関連復興支援事業――の2事業。

 事業別にみると、「訪日外国人3000万人プログラム」は、前年度比1%減の82億800万円。このうち、中核となる訪日旅行促進事業(ビジット・ジャパン事業)は、同11%増となる54億9100万円となった。「16年インバウンド1800万人」達成へ向け、訪日個人旅行の促進と国際会議などのMICE推進、送客元の多様化をはかり、震災や外交関係などの外的要因の影響を受けにくい訪日外客構造への転換を目指す。また、現地旅行会社と連携する現地旅行会社向け事業、在外公館などと連携する海外現地オールジャパン連携事業、自治体や経済界と連携する地方連携事業を柱に、質が高く裾野の広い誘客をはかるためオールジャパンによる連携を強化していく。あわせて、現地消費者向けの情報発信と観光客目線での風評被害対策で震災により傷ついたイメージの改善と競合国と差別化された訪日ブランドの強化を狙う。

 新規事業「東南アジア・訪日100万人プラン」には5億9900万円を計上。震災後も高い伸びを示し、2012年訪日客78万人の東南アジアに対し、オールジャパンによる訪日促進プロモーションで、13年の訪日客100万人を目指す。

 訪日外国人旅行者の受入環境整備事業は同67%減の2億8千万円。日本政府観光局(JNTO)の運営費交付金は同3%減の18億3700万円となった。

 「観光を核とした地域の再生・活性化」分野は同45%増の4億3千万円と大幅増となった。新規事業の「観光地域ブランド確立支援事業」には9月の概算要求時よりも1億円ほど多い3億4300万円を計上。国際競争力の高い魅力ある観光地域づくりを促進するために、観光地域づくりプラットフォームを有する観光圏が地域独自の「ブランド」確立に向けて取り組むのを支援する。GPS機能なども活用し、観光客の行動・動態などの調査・分析を実施しマーケティングに力を入れる。

 4900万円を計上した新規事業「観光地域評価事業」では、観光地域づくりに取り組む地域での課題や改善点などを明確にするため、多面的かつ客観的な指標による評価制度を構築し、恒常的な評価・分析にもとづくコンサルティングを行う。

 「観光産業の再生・活性化」分野では同17%増の1億9900万円を計上。このうち「ユニバーサルツーリズム促進事業」は前年度比4・36倍の3900万円、滞在交流型観光の推進をはかる「地域観光環境改善事業」は同6・58倍の9900万円となり、13年度に力を入れていく事業であることがうかがえる。

 概算要求より3千万円少ない2千万円の計上となった新規事業「地域宿泊産業再生支援事業」では、経営悪化などに直面した地域の宿泊産業と、観光経営や地域づくりの知見を蓄積した、意欲ある地域・近隣の大学を結びつけ、地域全体の力を結集し、宿泊産業が自立して継続的に再生できる仕組みづくりを目指す。また、安全管理体制の構築・充実に向けた調査・検討を行う新規事業「旅行の安全確保・向上方策検討調査」は2500万円となった。

 7千万円を要求していた「地域観光イノベーション促進事業」は予算計上を見送られた。

 「ワークライフバランスの実現に資する休暇取得の促進」分野は同80%減の1600万円。家族旅行の需要喚起のための「柔軟な学校休業の設定に関する調査事業」は1千万円を要求していたが、今回見送られた。

 12年度に調査を終えた「観光統計の整備」は同42%減の5億1800万円となった。

 また、復興庁計上の「復興枠」では、復興基盤が整いつつある太平洋沿岸エリアの旅行需要回復と、東北観光博の仕組みを踏まえた滞在交流型観光を支援する「東北地域観光復興対策事業」に1億9900万円、福島県が実施する風評被害対策と震災復興に取り組む観光関連事業に補助する「福島県における観光関連復興支援事業」に3億7800万円を計上した。

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