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日本旅館協会へ期待、観光庁井手長官

2012年11月1日
編集部

関係団体との連携強化へ

 観光庁の井手憲文長官は10月23日の会見で、10月1日に日本旅館協会が設立されことを受け「より関係団体とのコミュニケーションを密に、意思疎通をはかりながら、観光政策を進めていきたい」と語った。

 日本旅館協会設立を受け井手長官は「国観連と日観連が1つに合併したことで、従来以上に宿泊業界を引っ張っていってほしい。観光庁も同じ方向を向きながら手を携えて観光政策を進めていきたい」と期待を寄せた。「これまでは、関係団体との連携や意思疎通が充分ではなかった。各レベルでの日常的なコミュニケーションを密にし、観光産業の強化に取り組まなくてはいけない」と語った。具体的には、9月に第1回検討会が開かれた観光産業政策検討会をあげ、「今まではイベントをやって終わりということが多かったが、観光立国実現のためには、観光産業自体を強くしなくてはいけない。そのために観光産業政策検討会をしっかりと形にしていきたい」と力を込めた。観光庁傘下の唯一の旅館団体として観光庁との連携に今後大きな期待がかかる。 井手長官はこの観光産業政策検討会に加えて、12年度下期の重点政策についてMICEをあげる。「これまでは行政も都市も受け身で力不足だった。掛け声だけではなく、中身のある政策で行動を起こさなくてはいけない」と強調。9月の同会見でもMICEの重要性に触れている。

中国人客に尖閣の影響、「外客、韓国に1歩先を越されている」

 9月の訪日外客数で韓国が2010年比24・9%のマイナス、中国が同10・1%のマイナスとなったことを受けて、井手長官は、「韓国は竹島の影響ではなく、9月16日の台風16号と、旧盆の曜日配列の関係」と分析。中国に関しては尖閣問題の影響を認め、「中国市場回復のため、計画していたキャンペーンを予定通り行っていく」とした。その他の東南アジア地域は好調をキープ。井手長官は、10月14―20日にインド、インドネシア、タイへ出張した際に現地旅行会社と意見交換し好感触を得ているという。「東アジアだけでなく、ASEANやインドなどの南アジアにも力を入れていく」と語り、今後もタイ、フィリピン、シンガポール、マレーシア、インド、インドネシアなどで訪日旅行促進海外現地オールジャパン連携事業を予定している。
また、インバウンド全体をみて「ライバルである韓国に常に一歩先を越されている」と指摘。観光関係の政府予算は日本が約100億円に対し、韓国は約700億円、海外事務所は日本の13カ所に対し、韓国は約2倍、職員数では5倍近く溝を開けられている。「予算がまったく違うので、韓国のように大々的なTV広告を打てない」と述べ、「韓国のホームランに対抗するため、バントと内野安打でつないでいる感じ」と例えた。ビザの要件緩和でも韓国は先に進んでおり、観光庁では今後さらにビザ要件緩和などについて働きかけていくという。

地域限定3種来年中に、事前収受20%制限撤廃

 現在検討を進めている地域限定第3種旅行業についても概要を報告。手配旅行と受注型企画旅行、国内募集型企画旅行について隣接市町村に限り取り扱えるようにする。営業保証金は100万円。また、第3種旅行業者が事前収受できる金額を旅行代金の20%以内に制限する規制を撤廃する予定。これにより、申込時に全額を収受することができるようになる。「これらの施策により旅行業への新規参入を促進し、小回りが利く着地型旅行を増やし、活性化させることが狙い」と語り、制定は「来年の早い時期に」とした。 

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