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震災前の同月水準に、井手長官「巻き返し簡単ではない」

2012年6月11日
編集部

 日本政府観光局(JNTO、松山良一理事長)が発表した4月の訪日外客数推計値は、前年同月比163・9%増の78万800人。震災前の2010年に比べ、4月単月で0・9%減、2012年1―4月累計ベースで4・0%減となり、震災前のレベルまでほぼ回復した。

 各市場の動向をみると、韓国は前年同月比139・1%増の15万2500人。多くのLCC新規就航で座席供給量が拡大するなどプラス要因もあるが、円の高止まりの影響が大きく、震災前の2010年と比べて19・6%減と震災からの回復は鈍い。

 中国は、桜の時期に向けたプロモーション効果などで観桜ツアーへの関心が高まり、2010年比0・8%減、2011年比96・4%増の14万9600人と、4月単月の過去最高に迫る数値となった。

 台湾は、オープンスカイによる新規路線就航や増便で日台間の航空座席供給量が増加し、2010年比26・5%増、2011年比287・7%増の13万8800人と4月単月の過去最高に迫る数値。

 香港は継続的な規模の大きい地震の報道の影響を受け2010年比5・1%減、2011年比665・5%増の4万4200人と10年より少し落ち込んだ。

 そのほかでは、タイが訪日旅行プロモーションの効果で2010年比10・8%増、2011年比409・9%増の4万800人と単月で過去最高を記録。インドも2010年比9・8%増、2011年比29・4%増の6100人と4月として過去最高を記録した。

 井手憲文観光庁長官は5月24日の会見で訪日外客数について「4月単体でみると2010年比で0・9%のマイナスとほぼ震災前の水準に戻っているが、1年の3分の1に当たる1―4月の数字でマイナス4%というのは結構大きく、巻き返しは簡単ではない」とコメント。「訪日の絶対数が一番多い韓国がなかなか回復しないのは厳しい。韓国に対してはこれまでもいろいろな対応を行い、5月にも観光庁でソウルへ行き、旅行会社やクルーズ船へ日本の安全・安心の発信やプロモーションを行ったり、スカイツリーにスポットを当てた韓国TVの番組作りを提案したりもしているが、すぐに回復するものでもないので、楽観的には捉えていない」と厳しい現状認識を語った。

 なお、出国日本人数は、2010年同月比15・0%増、2011年同月比25・1%増の139万5千人。4月として過去最高を記録し、10カ月連続の増加となった。

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