test

アフリカ人がもてなし学ぶ、竹村、石井両氏が講演

2012年3月22日
編集部
竹村節子氏
竹村節子氏

 独立行政法人国際協力機構(JICA)は2月19日―3月10日に、アフリカ諸国で観光セクターに関連する公的機関や教育機関で業務に従事する9人を集め、世界から高い評価を受けている「おもてなし」という日本の伝統的ホスピタリティ文化を学び、自国の観光サービスの質の向上、持続可能な観光開発を目指す研修を行った。

 2月28日には、宿泊施設の評価におけるホスピタリティの役割の事例として、旅行作家で現代旅行研究所専務の竹村節子氏が「日本人が思ういい旅館」について、旅行新聞新社の石井貞徳社長が37年続く旅行会社の投票で決まる「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」と旅館の歴史について講義した。

 竹村氏は日本で戦後に旅行文化が形成された歴史や、旅館とホテルの違い、温泉文化、もてなしなどについて説明。もてなしについては「初めは海外のホテルを目標にサービスを学んだ日本のもてなしの歴史はせいぜい50年くらい。日本旅館のサービスの質が上がったのは、客の要望がオーナーの耳に直接届いたから」と紹介した。また、四季の移ろいが詰まった旅館文化について「日本人は四季の移り変わりを楽しむ。旅館には、着物から料理、部屋に活ける花などまで、四季の移り変わりが楽しめるように工夫されている」と語った。

石井貞徳氏
石井貞徳氏

 石井社長はもてなし、料理、施設、企画の各項目で旅行会社が投票し決定する「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」の仕組みと成り立ちを紹介。日本の旅行システムについて「食事とルームチャージがセットになっているのが日本の旅行スタイル。これにより旅行会社が力を持つようになった」と説明した。また最近の傾向で、小さな旅館「小宿」が女性を中心にトレンドとなっていることなどを紹介した。

 翌29日の実地研修では、東伊豆の稲取銀水荘に宿泊。初めてとなる浴衣や海鮮料理、温泉を経験した。講義時には熱い湯の温度や、裸での入浴など自国とのスタイルの違いに目を丸くさせていたが、季節を取りいれた館内ディスプレイや到着から出発までまったくよどみのないスタッフの対応に感銘を受けた。大浴場では他の宿泊客のおばあさんと言葉が通じなくても仲良くコミュニケーションし、「裸の付き合い」を学んだという。

アフリカ諸国から9人が来日
アフリカ諸国から9人が来日

 3月6日には、ホテル鐘山苑が「もてなしのシステム化」について講義。そのほかの日程では、JTBや国土交通省関東運輸局、はとバス、文教大学国際観光学科准教授などの講義で幅広い角度から観光について研修を行った。

稲取銀水荘で日本食を堪能
稲取銀水荘で日本食を堪能

いいね・フォローして最新記事をチェック

PAGE
TOP

旅行新聞ホームページ掲載の記事・写真などのコンテンツ、出版物等の著作物の無断転載を禁じます。