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お花見久兵衛が優秀賞、中小企業IT経営力大賞2012

2012年3月12日
編集部
溝畑宏観光庁長官と意見交換
溝畑宏観光庁長官と意見交換

 石川県加賀市山中温泉の「満開の宿 お花見久兵衛」(吉本加代子女将)は、「中小企業IT経営力大賞2012」の優秀賞の全国商工会連合会会長賞に選ばれ、2月24日に東京都内のイイノホール&カンファレンスセンター(千代田区内幸町)で表彰を受けた。

 お花見久兵衛では、大手旅行会社に依存する団体客ターゲットから、個人客をターゲットにしたWebによる集客型モデルへと転換。自社ホームページでの解析ツールによるアクセス数や予約決定数の分析、データ収集による顧客の動向分析とそれに呼応した企画の提案などを定期的に行い、売上効果を上げるために修正と検証のPDCAを繰り返し、最適化していることが高く評価された。また、ASP・クラウド型のホテルマネジメントシステムを導入し、予約・フロント・会計など部門ごとに縦割りだったシステムと業務を統合し、事務作業の効率化と業界の慣習にとらわれない従業員の多能工化を進め、少数精鋭での運営を実現している。

受賞社が記念撮影
受賞社が記念撮影

 このIT関連全般を担ったご子息の吉本龍平専務は表彰を受け「やってきたことが評価されるのはうれしい。今も常に分析・マイナーチェンジを行い、その変更がどういう結果を生むかを計測し最適化をはかっている」と話す。吉本専務は7年前にサラリーマンをやめ宿に入社。IT化への対応に取り組み始めたのは5年前。当時団体客が減少し、経営が厳しく集客を何とかしなくてはいけないと考えたという。「自分はいわゆる2代目だけど、旅行業界とまったく関係のない会社で働いていたのが逆に功を奏したのかもしれない。ずっと業界内にいて業界のことしか知らなかったら、今までの集客、販路の延長でしか考えられなかったかもしれない」と語った。また、吉本加代子女将もブログ( http://ohanami-kyubei.jp/blog/ )の中で「ITを活用するのはあくまでも人間。努力によってITを上手に活用し、仕事のなかに生かしていった従業員全員の受賞」と喜びを語り、「効率化できた分、おもてなしに集中したい」と力を込めている。

 観光関係ではそのほかに、仙台駅近郊でビジネスホテルを展開する松月産業が優秀賞の情報処理推進機構理事長賞に選ばれている。

 中小企業IT経営力大賞は、2007年に経済産業省が創設。ITを新しいビジネスツールと捉え、業務の効率化だけでなく、下請けからの脱却や多品種・少量・短納期への対応、業務の可視化による戦略的経営の推進など、経営力を高めていく取り組みを積極的に展開している中小企業を表彰している。今年度で4回目を迎える。

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