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東京都内で初認定、貸切バス安全性評価(はとバス)

2011年10月24日
編集部
坂口 哲也 団体営業部部長
坂口 哲也 団体営業部部長

<利用者の指標に>

 はとバス(東京都大田区)は8月19日、日本バス協会の貸切バス事業者安全性評価認定を受けた。第1次の認定事業者21社のうち、東京都内では初となる。今年度から運用が始まった安全性評価認定制度は、安全確保への取り組み状況が優良なバス事業者を認定。利用者に対して事業者の安全性を「見える化」することにより、選択する際の指標となることを目指す。

 同社は、ハード・ソフトの両面から安全性に対する取り組みを徹底している。ハード面の取り組みの1つが運転士のアルコールチェック。始業時および終業点呼時には必ず実施し、宿泊業務など遠隔地においてもモバイル型の装置で同様のチェックができる。バスの整備はすべて自社工場で行う。法律で定められた基準を上回る独自の整備基準を設定し、24時間体制で整備にあたる。

 ソフト面においては、安全運行のための講習会や接遇研修などを定期的に実施。また、国土交通省が定める「運輸安全マネジメント」に基づいて独自の安全基準を制定し、これに沿った取り組みを行っている。乗務員、バスガイドはすべて自社で養成した社員というのも強みだ。

 同社の観光バス事業本部団体営業部の坂口哲也部長は、「これまでお客様からは、どのバス会社が本当に安全なのかをはかる基準がなかった。今回の安全性評価認定制度は安全を求めるお客様のバス会社選定の基本的な目安となる」と話す。すでに安全性評価認定の効果は現れ始めている。貸切バスの需要が多い九州からの教育旅行では、現地の旅行会社が「生徒の安全を確保できる安心・安全なバス会社」を売りに、呼び込みに活用している。

 日本バス協会は、安全性評価認定制度の運用について、貸切バス事業者の安全性向上に資するとともに、貸切バスの健全な発展をはかることも目的とする。とくに2000年2月に実施された貸切バス事業の規制緩和以降、新規参入する事業者が増加。なかにはずさんな安全管理から、死傷事故など重大な事故につながるケースも出てきていた。安全対策の充実は業界全体の課題だった。坂口部長は「都内では初の認定をいただいた。業界をリードできるように安全を積み重ねていきたい」と話す。

 安全性評価認定制度の評価項目は、安全性に対する取り組み状況、事故や行政処分の状況、運輸安全マネジメントの取り組み状況など。申請にあたっては、事業許可取得後3年以上経過していることや、法令の順守、過去2年に死傷事故、過去1年に転覆などの事故、悪質違反による事故が発生していないことなどの条件を満たさなければならない。8月22日時点で236社の申請があり、バス協会は、順次審査・認定を行っている。

 認定を受けた貸切バス事業者は、バス車両貼り付用の「SAFETY BUS」シンボルマークのステッカーが交付される。初認定で1つ星。2年ごとに更新申請し、取組み状況により星が追加され、最高は3つ星となる。

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